デンマンのブログ

デンマンが徒然につづったブログ

ピンクと桃色(PART 1)

2013-03-24 16:42:39 | 日本人・日本文化・文学論・日本語

   
 
ピンクと桃色(PART 1)


(pinklady6.jpg)


(momo004.jpg)



デンマンさん。。。 今日はおシモのお話でござ~♪~ますか?



「ピンクと桃色」は卑弥子さんにとってぇ、おシモの代名詞なのですか?

だってぇ~、上の「桃色」のポスターをみると、なんとなくポルノのような印象を受けるでわござ~ませんかァ。。。 うふふふふふ。。。 んで、デンマンさんはピンクレディ~の熱烈なファンなのでござ~ますか?

いや。。。 別に。。。

ピンクレディ~の熱烈なファンじゃないのでしたら、どうしてピンクレディ~のミーちゃんとケイちゃんを登場させたのでござ~ますか?

あのねぇ~、名前に「ピンク」が含まれているからですよ。

ただそれだけのことでござ~ますか?

そうです。。。 いけませんか?

別に、いけないと言うつもりはござ~ませんけれど、それならばピンクのお花を持ち出せばいいではござ~ませんかァ。


(pink007.jpg)



あれっ。。。 これはずいぶんときれいなチューリップですねぇ~。。。 卑弥子さんはなかなかいい趣味を持っていますねぇ~。。。



あらっ。。。、それほどではござ~ませんわよゥ。 うふふふふふふ。。。 んで、おシモのお話でないのでしたら、いったい何をお話になるのでござ~ますか?

卑弥子さんは「ピンク」と「桃色」が違うということを知っていますか?

あらっ。。。 「ピンク」も「桃色」もカタカナと漢字の違いはありますけれど同じ色ではないのですか?

あのねぇ~、実は、僕もそう思っていたのですよ。 でもねぇ~、夕べ『色の手帖』を読んだのですよ。


(irobook2.jpg)



この本を読んでいたら次のように書いてあったのですよ。


桃色 ピンク

29 桃色(ももいろ)

桃の花のような色。 くすんだ赤。


(momohana.jpg)




32 ピンク (英 pink)

「ピンク」はナデシコ科ナデシコ属植物の総称で、ナデシコ(撫子)、カーネーション、セキチク(石竹)などを言い、色はセキチクなどの花のような色を言う。 うすい赤。
「桃色」と混同して用いられることもある。


(nadeshiko.jpg)

   ナデシコ


(carnation.jpg)

   カーネーション


(sekichiku.jpg)

   セキチク



《参考》

(1) 「桃色」と「ピンク」はごく近い色で、しばしば混同されるが語源を異にする。

(2) 左翼的な傾向を言うのは、西洋の「ピンク」に由来し、



   「ピンク映画」「桃色遊戯」などの性的な色事にかかわることを言うのは日本の「桃色」に由来する。




(momo103.jpg)

(注: 赤字はデンマンが強調。
読み易くするために改行を加えています。
写真はデンマン・ライブラリーより)




17-19ページ 『色の手帖』
編集: 尚学図書
1987年7月20日 第1版第10刷発行
発行所: 株式会社 小学館




あらっ。。。 「ピンク」と「桃色」は同じようでも、だいぶ違うのでござ~ますわね。



そうなのですよ。 意外にも違っていることが多いのですよ。 例えば「ピンク映画」ねぇ。。。 これを英語に直訳すると "pink movies" になるのですよ。 僕もこのままで「ピンク映画」として英語圏でも通用すると思ったのだけれど、違うのですよ。

あらっ。。。 英語ではポルノ映画のことを "pink movies" とは言わないのでござ~ますか?


(porno03.jpg)



あのねぇ、英語圏では日本語の「ピンク映画」のことを"blue movies"と呼ぶのですよ。


(blue002.jpg)



あらっ。。。 どうして「ピンク」ではなくて「ブルー」なのでござ~ますか?



あのねぇ~、昔ポルノ映画を作り始めた頃、セット全体をブルーにしたのですよ。

どうしてでござ~ますか?

そうすることで撮影すると役者の顔が判りにくくなる。 つまり、役者のプライバシーを保護するために、顔がはっきりと映らないようにしたというのですよ。 そういう配慮から、いつしかポルノ映画のことを"blue movies"と呼ぶようになったらしい。

今でも"blue movies"と呼ぶのですか?

いや。。。 僕は20年以上カナダ人やアメリカ人やイギリス人と話していて"blue movies"というのを聞いたことがありませんよ。

じゃあ、何と言うのですか?

"Porno" と言ったり "adult film" とか "stag film" とか。。。 でも、僕が一番耳にするのは "smut" という言葉ですよ。

どういう意味なのでござ~ますか?

卑弥子さんがよく言う「やらしい映画」という意味ですよ。

カナダやアメリカやヨーロッパでは「ピンク」という言葉は“やらしい意味”では使わないのですか?

あのねぇ~、昔、ナチスドイツでは「ピンク」は同性愛者を意味した。

どうして「ピンク」が同性愛者を意味したのでござますか?

ヒトラーが同性愛者にピンクの三角マークをつけて強制収容所にぶち込んだからですよ。


(pinkhomo2.jpg)



つまり、ヒトラーが広めたのでござ~ますか?



そういうことですよ。

今ではどうなのでござ~ますか?

むしろ最近では、オランダの同性愛者などは誇りを持って自分たち、同性愛者のニュースグループを “nl.roze”と呼んでいますよ。 rozeはオランダ語ではピンクを意味します。

カナダでは。。。?

同性愛者をピンクというのは聞いたことがありません。

じゃあ、何と言うのですか?

もちろん、 Homosexual と言うか、あるいは、ここでは書くべきでない蔑称を使うのですよ。

つまり、欧米ではポルノよりも、どちらかと言えば政治的な“左翼”を表現するため「ピンク」が使われているのでご~ざますか?

その通りです。 例えば、ポルトガルなのでは「社会主義者党(Socialist Party)」は誇りを持ってピンクのロゴを使っていますよ。


(socialist2.gif)



アメリカでは、「ピンク」とは“左翼的”という意味で使われているのですよ。



確か、共産主義者は「red(レッド)」ですよね?

そうです。 共産主義者じゃなくても、どちらかと言えば共産主義や社会主義に賛同するような人たちを罵(ののし)る時に"Pinko"などと言ったのですよ。


(pinko02.jpg)



マジで。。。? いつ頃のことでござ~ますか?



冷戦時代にアメリカでは“pinko”だとか“pinky”がよく使われたのです。 例えば、あの悪名高い元大統領のリチャード・ニクソンが1950年の上院議員の選挙の時に、対立候補のヘレン(Helen Gahagan Douglas)さんのことを次のように言ったのはよく知られているのですよ。



(nixon07.jpg)

"She's pink right down

to her underwear!"

ヘレンさんは左翼的で

下着までピンクですよ!



(pinku02b.jpg)




ところで、卑弥子さんの今日の下着はピンクですか?



あらっ。。。 デンマンさんは、そのようなことに興味があるのですか? うふふふふふ。。。

いけませんか?

分かりましたわァ。 じゃあ、デンマンさんのためにお見せしますわ。

タラァ~♪~




 (すぐ下のページへ続く)



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ピンクと桃色(PART 2) | トップ | 10万円もらえたら »

コメントを投稿

日本人・日本文化・文学論・日本語」カテゴリの最新記事