室生犀星と人間学 (PART 1)
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あらっ。。。 今日は 室生犀星と人間学ござ~ますわねぇ~。。。
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そうです。。。 いけませんか?
いいえ。。。 とっても興味深いタイトルだと思いますわァ~。。 で、デンマンさんは室生犀星にハマっているのでござ~ますか?
いや。。。 僕がハマッているわけではないのですよ。。。
では、いったいどなたがハマッているのでござ~ますか?
その質問に答えるためには、まず次のリストを見て欲しいのですよ。。。
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■『拡大する』
■『室生犀星の母と娘』
これはライブドアの僕の「徒然ブログ」の日本時間で12月6日の午前3時17分から午前10時までの約7時間の生ログです。。。 赤枠で囲んである箇所に注目してください。。。
あらっ。。。 午前9時59分に『室生犀星の母と娘』を読んだネット市民がいたのですわねぇ~。。。
そうです。。。 このネット市民は、実は、静岡市に住んでいる室田沙織 (むろた さおり)さんなのですよ。。。
また、IPアドレスを調べて沙織さんが読んだことを突き止めたのでござ~ますか?
そうです。。。
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この上の写真の女性が室田沙織 (むろた さおり)さんですか?
そうです。。。
。。。で、沙織さんは静岡市で何をなさっているのでござ~ますか?
実は、静岡大学の学生です。。。 人文社会科学部で人間学コースを専攻しているのですよ。。。
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なるほどォ~。。。 人間学コースを専攻している沙織さんが『室生犀星の母と娘』をお読みになったので、今日のタイトルを室生犀星と人間学にしたのですわねぇ~?
そういうことです。。。
つまり、デンマンさんは、タイトルをつけるのが面倒くさくなって、こういう安直な方法を選んだのですわねぇ~。。。
卑弥子さん。。。 そのように僕を蔑(さげす)むような目線を送らないでくださいよゥ。。。
。。。で、沙織さんはどのようにして『室生犀星の母と娘』を見つけたのですか?
次のように検索したのです。。。
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■『拡大する』
■『現時点での検索結果』
あらっ。。。 「室生犀星 母と娘 徒然」と入れて検索したのですわねぇ~。。。
そういうことです。。。
つまり、「徒然」を加えたということは、沙織さんが「徒然ブログ」の常連さんだと、デンマンさんは言いたいのですか?
いや。。。 その事に関して、僕は何も言ってませんよ。。。 卑弥子さんが言い出したのです。。。
あたくしが言わなければ、きっとデンマンさんが言うのですわァ~。。。 で、沙織さんは、『室生犀星の母と娘』を読んで人間学のためになる箇所に出くわしたのでござ~ますかァ?
もちろんです。。。 沙織さんは次の箇所に感銘を受けたのですよ。。。
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我は張りつめたる氷を愛す
斯る切なき思ひを愛す
我はそれらの輝けるを見たり
斯る花にあらざる花を愛す
我は氷の奥にあるものに同感す
我はつねに狭小なる人生に住めり
その人生の荒涼の中に呻吟せり
さればこそ張りつめたる氷を愛す
斯る切なき思ひを愛す
昭和三十五年十月十八日 室生犀星之建
詩集『鶴』巻頭詩「切なき思ひぞ知る」より
この詩を読むとねぇ、僕はどう言う訳か背筋がゾクゾクと寒くなってくるのですよう。読む人に温かみが伝わってくる詩ではないのですよう。
そうでござ~♪~ましょうか?それはデンマンさんの極めて個人的な受け止め方ではないかしら。。。?
だったら、卑弥子さんは、上の詩を読んで宝くじに当たったミーちゃんハーちゃんのようにルンルン気分になれますか?
確かに、スキップしたくなるような詩ではござ~♪~ませんわ。
そうでしょう?僕だって、ルンルン気分でスキップしたくなるような気分にはなれませんよう。
そう言えば、デンマンさんは、上の詩を読んで犀星さんの人生哲学を読むようだとおっしゃっていましたよね?
そうですよう。悪く言えば「井の中の蛙人生」。。。よく言えば、「孤独を愛した孤高の人生」ですよう。。。僕は、上の詩を読んで、そのように感じ取ったのですよう。
でも、“井の中の蛙人生”と決め付けるのは、かなり言い過ぎではござ~♪~ませんか?
しかし、犀星自身が“我はつねに狭小なる人生に住めり”と言っていますよう。
でも、“狭小なる人生”は“井の中の蛙人生”とはニュアンスが異なると思いますわ。
どのように違うのですか?
犀星さんが言おうとしているのは、狭小かもしれないけれど、自分の世界を深く深く掘り下げていって、氷のように冷たいかもしれないけれど、自分の世界の真実を見届けようとする姿勢を詩に詠んだと、あたくしには思えるのでござ~♪~ますわ。
ほおォ~。。。さすがに京都の女子大学で「日本文学と源氏物語」を講義している准教授の卑弥子さんの良識が見えるような意見ですねぇ~
このような時に、また、あたくしの職業を持ち出さないでくださいましなア。
しかし、なぜ、犀星の世界の真実は、氷のように冷たくなければならないのですか?その冷たい人生の荒涼の中で、なぜ呻吟しなければならないのですか?。。。卑弥子さんは考えてみた事がありますか?
だから、真実に直面するという事は、冷たい現実に真正面から向き合う事だからですわ。
でも、現実が冷たいとは限らないでしょう。ほっかほっかの現実だってあると思うのですよう。それなのに、どうして犀星の詩には冷たい、鋭い、痛々しいモノが詠まれているのですか?。。。卑弥子さんは考えてみた事がありますか?
なぜでしょうか?
僕は次の句に、その答えが秘められていると思いますよう。
『犀星発句集』(1943年)に見える次の句は50歳を過ぎた後も、
犀星がこのダブルバインドを引きずっていたことを示している。
夏の日の匹婦の腹に生まれけり
この句がどうだとおっしゃるのでござ~♪~ますか?
卑弥子さん!。。。とぼけないでくださいよう。卑弥子さんは京都の女子大学で「日本文化と源氏物語」を講義しているのですよう。分からないはずがないでしょう!
京都の女子大学とは関係ござ~♪~ませんわ。
あのねぇ~、日本語が母国語でないジューンさんだって次のように言っているのですよう。
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こんにちは。ジューンです。
夏の日の匹婦の腹に生まれけり
なんとなく意味は分かりますよね。
でも、わたしは“匹婦”という言葉を
初めて見たのでした。
“匹”は動物を数えるときに使いますよね。
“婦”は成人女性のことです。
だから、“動物的な女性”だろうと
わたしは直感的に意味を考え出したのです。
念のために辞書を引いてみました。
ひっぷ 【匹婦】
身分の低い女。
また、道理をわきまえない卑しい女。
【用例】
「欲にのみふける匹婦の情/人情本・梅児誉美(後)」
三省堂「大辞林 第二版」より
なるほどね~。
男性の場合は“匹夫”です。
ところで、“匹”は何をかたちどって
出来た漢字だと思いますか?
なんと、馬のお尻だそうです。
そう言われてみれば、
馬のお尻のようにも見えますよね。(爆笑)
ところで、英語の面白いお話を集めました。
時間があったら覗いてみてくださいね。
■ 『あなたのための愉快で面白い英語』
では、今日も一日楽しく愉快に
ネットサーフィンしましょうね。
じゃあね。
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『室生犀星を旅する (2008年12月28日)』より
つまり、犀星さんは自分の産みの母親を“身分の低い、道理をわきまえない卑しい女”だと俳句の中で詠んだのでござ~♪~ますわね?
そうですよう。
それでデンマンさんは「犀星の詩には冷たい、鋭い、痛々しいモノが詠まれている」とおっしゃるのでござ~♪~ますか?
そうですよう。犀星は自分の出生について50歳を過ぎた後でも、心の底に重くわだかまっているものを感じないでは居られなかったのですよう。
。。。んで、“ダブルバインド”と書いてありますけれど、それって、一体どう言う事なのでござ~♪~ますか?
それは犀星の生い立ちを見れば分かりますよう。
『室生犀星の母と娘』より
(2008年12月30日)
この上の箇所を読んで沙織さんは人間学の観点から感銘を受けたのでござ~ますかァ?
そうですよ。。。
いったい どの点に沙織さんは感銘を受けたのでござ~ますか?
卑弥子さんが次のように言っているところです。。。
犀星さんが言おうとしているのは、
狭小かもしれないけれど、
自分の世界を深く深く掘り下げていって、
氷のように冷たいかもしれないけれど、
自分の世界の真実を見届けようとする姿勢を
詩に詠んだと、あたくしには
思えるのでござ~♪~ますわ。
沙織さんはこの上の部分を読んで感銘を受けたのでござ~ますか?
そうです。。。 沙織さんは卒論に室生犀星を取り上げることにしたのですよ。。。
あらっ。。。 マジで。。。?
そうです。。。 そして卒業したら京都女子大学の大学院に入学して橘卑弥子・教授の元でさらに人間学を極めようと決心したのです。。。
でも。。。、でも。。。、あたくしはまだ准教授ですわ。。。
あのねぇ~、大きな声では言えないけれど、卑弥子さんは来年の4月に教授に昇進するのですよ。。。 おめでとうございます。。。
あらっ。。。 そのような事をネットで公言してしまってよいのですか?
いいのですよ。。。 これまで卑弥子さんは10年以上にわたって僕のブログをサポートしてくれたのだから。。。、 そういうわけで、僕が卑弥子さんを教授会に推薦したのですよ。。。
それってぇマジでござ~ますかァ~?
初夢を見たつもりで、新年は良い年を迎えてくださいねぇ~。。。
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(すぐ下のページへ続く)