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やじきた道中 てれすこ

2013年09月27日 15時58分53秒 | 邦画2007年

 ◇やじきた道中 てれすこ(2007年 日本 108分)

 staff 監督/平山秀幸 脚本/安倍照雄 撮影/柴崎幸三

     美術/中澤克巳 中山慎 視覚効果/橋本満明 特殊造型/原口智生

     操演/岸浦秀一 衣裳/竹林正人 音響効果/小島彩

     音楽/安川午朗 原曲/ジョージ・ガーシュウィン『ラプソディ・イン・ブルー』

 cast 中村勘三郎 柄本明 小泉今日子 吉川晃司 鈴木蘭々 笑福亭松之助 松重豊

 

 ◇落語と戯作の合体

 落語の『てれすこ』は出だしと終盤に登場するだけで、

 あとは基本的には『やじきた』物が展開してる。

 つまり、終盤のために『てれすこ』が用意されてるわけで、

 謎の魚てれすこが物語にまんなかを泳いでるってわけじゃない。

 ちなみに、てれすこが干物になったのは、すてれんきょうという。

 このあたりは落語の話なんだけど、

 揚げられた魚を「テレスコ」だという男の証言に不審を抱いた奉行が、

 干物にした魚を「ステレンキョウ」だと男がいったことで、

「おなじ魚にも拘わらず別名をいうとは、そもそも嘘の名をいったにちがいない」

 といって牢へぶち込むんだけど、男もさるもので、息子に向かってこういう。

「金輪際、イカを干したものをスルメといっちゃなんねえ」

 これを聞いた奉行ははたと膝を叩いて男を許すんだけど、

 それもなにも、男の妻が火の物(干物)断ちをしていたおかげだっていうオチがつく。

 けどまあ、祈願のために火を通した物を断つってのは昔の話で、

 前の時代だったら立派なオチになるんだけど、今の時代だとそうはいかない。

 で、3代目三遊亭金馬の

「してみりゃあ、当たり目え(アタリメ)の話でございます」

 ってオチができたそうなんだけど、

 ここでいうテレスコもステレンキョウも元々はオランダ語で、

 テレスコープ(望遠鏡)とステレン鏡(望遠鏡)のことらしい。

 それを、シネマスコープにしたってわけだわね。

 てなわけで、中身の話はすっ飛ばした感じになったけど、

 とにもかくにも勘三郎がうまい。

 いや、脱帽するほど、うまい。

 たいした役者さんだわ。


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