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ダウン・バイ・ロー

2013年04月22日 16時53分46秒 | 洋画1981~1990年

 ◎ダウン・バイ・ロー(1986年 アメリカ、西ドイツ 107分)

 原題 Down by Law

 staff 監督・脚本/ジム・ジャームッシュ

     撮影/ロビー・ミュラー 美術/ジャネット・ディンスモア

     音楽/トム・ウェイツ ジョン・ルーリー マーク・リボー アート・リンゼイ

 cast トム・ウェイツ ジョン・ルーリー ロベルト・ベニーニ ニコレッタ・ブラスキ

 

 ◎氷菓!

 舞台は飛騨高山、じゃなくてルイジアナ州ニューオリンズ。

 筋立ては単純明快。

 刑務所の雑居房に放り込まれた元DJとポン引きとイタリア人の流れ者が、

 気は合わないけれども一緒に脱走し、森を抜け、沼を抜け、酒場に辿り着くんだけど、

 結局、3人同居の留置場みたいな感じになるものの、

 元DJとポン引きは、

 酒場の女にひと目惚れされたイタリア人だけ残して、別々の道をとっていく、

 っていうだけの他愛ないものだ。

 ところが、秀逸。

 なにが凄いって、白黒の画面と音楽。

 ことに、移動撮影が効いてる。

 川が流れるように、人生も流れるように、立ち止まることなく移動していく。

 この移動撮影に、アバンギャルドなインストルメンタルが被さることで、

 なんだか、前衛芸術でも観てるような気分になれたりするんだから、ふしぎだ。

 くわえて、ロベルト・ベニーニの語呂合わせがまたいい。

「I scream,you scream,we all scream,for ice cream」

 日本語訳にしたら、

「おれも叫ぶから、おまえも叫べ、おう、みんなで叫ぼうぜ、アイスクリームってよ!」

 当然、なんにも、おもしろくないけど、

 実はこれ、マザーグースなんだよね。

 あ、ちなみに原題の「Down by Law」の意味は、たぶん、

「ダチ公」


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