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バベットの晩餐会

2016年01月03日 17時09分16秒 | 洋画1981~1990年

 ☆バベットの晩餐会(1987年 デンマーク 102分)

 原題 Babettes gæstebud

 英題 Babette's Feast

 監督・脚本 ガブリエル・アクセル

 

 ☆1870年代、ノルウェー、フィヨルドの町ベアレヴォー

 ぼくは文学的な素養がないから想像することそのものが困難なんだけど、この1987年のアカデミー外国語映画賞に輝いた物語はやっぱり小説とかで描かれてもいまひとつ昂揚しなかったんじゃないかしら?

 だってそこにはどうしてもふたつの要素が必要になってくる。ひとつは、ものすごく重苦しく垂れ込めた雲に覆われた海辺の町の風景とそこに生きる人々の素朴さはやっぱり映像で観た方がよくわかるし、その情感がひしひしと伝わってくるんじゃないかっておもうからだ。もうひとつは、パリ・コミューンの蜂起に身を投じてしまったことでフランスから亡命せざるを得なくなってしまった高級店「カフェ・アングレ」のシェフだったバベットが宝くじに当たった100万ドルで食材を買い込み、お世話になった人々へのお礼として大盤振る舞いをするんだけど、そこで出される料理についてあれこれ描写されたところで想像力の乏しいぼくにはなんのことやらさっぱりわからないんじゃないかっておもえるからだ。

 ところが、この映画にはれっきとした原作がある。それもちょいといわくありげな感じで。というのも、原作者の名前はイサク・ディーネセンっていって、これ、男性名なんだよね。てことは男がこんなに優しい料理の物語を描いたのかってことになるんだけど、ちがうんだな、実は女性の覆面作家でカレン・ブリクセンっていう。カレン・ブリクセンは1985年のアカデミー作品賞・監督賞の映画『愛と哀しみの果て』の原作『アフリカの日々』を書いた人で、な~んだって話なんだけどね。で、ぼくはっていうと、その物語をふたつとも読んだことがないから、そこにどれだけ美味しそうな表現が散りばめられているかはまじ知らない。威張れるような話じゃないけどさ。

 


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