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アイリス

2014年06月19日 01時57分26秒 | 洋画2001年

 ◎アイリス(2001年 イギリス 91分)

 原題 Iris

 staff 監督・脚本/リチャード・エア

     原作/ジョン・ベイリー『Elegy for Iris』

     撮影/ロジャー・プラット 美術/ジェンマ・ジャクソン

     衣装デザイン/ルース・マイヤーズ 音楽/ジェームズ・ホーナー

 cast ジュディ・デンチ ケイト・ウィンスレット ジム・ブロードベント ヒュー・ボネヴィル

 

 ◎アイリス・マードックの伝記

 実話だけに、ひしひしと感じるものはある。

 作家がアルツハイマーになるっていうのは、なんだか皮肉めいた話だ。

 もちろん、誰にだって見舞われる可能性のある症状なんだけど、

 哲学者としても高名だったアイリスにしてみれば、

 頭が働かなくなってくるときの恐怖はたまらなかったろう。

 そういう微妙なところをジュディ・デンチは見事に演じてて、

 夫役のジム・ブロードベントがこれまた好い。

 20世紀英国を代表する女流作家であろうとなんだろうと、

 病魔は静かに忍び寄り、本人も気づかない内に脳を蝕んでゆく。

 この映画のいいところは、

 単にアルツハイマーに冒された妻の看護をするものじゃなくて、

 オックスフォード大学での恋物語が濃厚に描かれているところで、

 それがあるからこそ、

 老人映画になっていない。

 そのあたりは脚本が上手に練られてる感じがするし、

 きちんと片づけられていた書斎が、

 どんどんと乱雑になり、やがて薄汚くなっていくんだけど、

 こういうあたりはリアルなんだろな~とおもった。

 もっとも、

 片づけられない人間の部屋の中ってのは、

 最初からくちゃくちゃなんだけどね。

 それだと悲しさが伝わってこないんだろな~。


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