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ゴジラvsキングギドラ

2014年09月12日 12時22分33秒 | 邦画1991~2000年

 △ゴジラvsキングギドラ(1991年 日本 102分)

 英題 Godzilla vs. King Ghidora

 staff 脚本・監督/大森一樹 特技監督/川北紘一 撮影/関口芳則 美術/酒井賢 ゴジラザウルス・キングギドラ・ドラット・メカ系デザイン/西川伸司 メカニカルデザイン/青井邦夫 ドラットデザイン/吉田穣 未来人衣装デザイン/出川淳子 衣装/稲毛英一 音楽/伊福部昭

 cast 中川安奈 豊原功補 小高恵美 原田貴和子 佐々木勝彦 小林昭二 佐原健二 時任三郎 森末慎二 風見しんご 黒部進 渡辺哲 山村聡 西岡徳馬 土屋嘉男 上田耕一

 

 △特撮とボク、その54

 タイムマシン物になってしまったばかりか、明らかに『ターミネーター』のパクリとしかおもえないような設定にしてしまったとき、ああ、早くも2度目の末期的症状が始まったのか…とおもった。情けないというより、いや、怒りすら通り越して、絶望的な気分にまでなった。

 まあそれは観るまでもなくわかってたことなんだけど、ぼくは豊原功補を贔屓にしているから仕方がない。よくがんばってここまできたって感じだったし、まさか『多古西応援団』のとっぽい丸サングラスが主演をするまでになったもんだって、ある意味、ご祝儀のような気分で観た。

 けど、これはないわ~。

 あらためて観たとき、なんと中川安奈と共演してた。中川安奈も『敦煌』のときはなんだかごついな~とかおもってたんだけど、同時代のぼくにとってはこちらが勝手に身近に感じてるんだけど、まあこのたびは追悼でもあるし、観た。

 でも、何度観たところで物語は変わらない。

 それこそ、1990年あたりまで時間跳躍して内容を変更してもらわないかぎり変わらない。

 まあ、ゴジラザウルスについてはいい。がまんしよう。この水棲爬虫類から陸上獣類へと進化する過程の生物が呉爾羅大明神として代々崇められてきたとも考えられるわけで、まあ、なんとかがまんできる。ラゴス島の守備隊となんらかの関わりがあったのもいい。水爆実験によってゴジラ化したというのもいい。

 ところが、この生物が時間跳躍してきた連中によってベーリング海に移され、それがもとでソ連の原潜の放射能漏れと元ラゴス島守備隊々長土屋嘉男の帝洋グループの原潜「むさし2号」のわけのわからん目的行動によって結局ゴジラ化しちゃうなんてのはありなのか。なんでそこまで運命づけられなくちゃいけないんだ。かわいそうじゃないか、ゴジラザウルスが。ということは、誰もおもわなかったのかしらね。

 くわえて、やがてキングギドラ化することになるドラットとかいうドラゴンをもじったようなみょうちくりんな名前の愛玩動物の安直さもさることながら、未来人と人型ロボットの陳腐さはどうだろう。そもそもキングギドラの設定は宇宙怪獣で、別の天体の生物って話じゃなかったっけ?

 いいのか、そんなに変えちゃって?

 まあ、物語上、人類を救うべくキングギドラに対抗できるものはゴジラしかありえないとして被曝したゴジラザウルスをより一層狂暴なゴジラとするために原潜を派遣した土屋嘉男とゴジラとの決着は、無言ながら懺悔と陳謝を送る土屋嘉男と、それを受けてみずから決着をつけようとするゴジラの見つめ合いは、それなりの意味をもたせてるんだろうけど、ちょっとね。

 いや、もうゴジラの暴走は止まらないんだろなあ。


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