◇ハンバーガー・ヒル
空挺部隊のヘリコプターが煙の中を飛んでくと後ろでそれが渦を巻く。こういうのはCGじゃできんだろな~と信じたい。
封切りされたときから何度見直しても頭に残るのは淫売窟で一緒に風呂に入ったり泥濘をトラックがゆくところだったりする。
937髙地のアパッチ・スノー作戦はどうも印象が薄いんだけど、なんでなんだろう?
まあそりゃそうで、兵士になりきれない若者たちがどんどん戦争の狂気に駆り立てられながら、ひとりひとり仲間が死んでゆく中で、絶望と友情が生まれては消えてゆくわけだから、作戦の全体像もその目標も語られることはないし、当然、髙地奪取の到達点に到っても喜びなんかはこれっぽっちもない。そんな『ハンバーガー・ヒルへようこそ』ていうラストの立て札に語られる皮肉しか存在しないって物語なんだから仕方ないけどね。