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座頭市と用心棒

2021年06月18日 12時10分35秒 | 邦画1961~1970年

 ◇座頭市と用心棒

 

 凄いなとおもったのは、いつもと雰囲気のちがう伊福部昭の主題曲が流れたとおもったら、なんとまあ、座頭市が3年ぶりに訪れた宿場の鍛冶屋で常田冨士夫がなまくらを打ってる音とリズムがおんなじだった。岡本喜八の頼みか伊福部昭の発想かはわからないけど、これは凄い。『七人の侍』の水車の響きと主題曲のリズムの見立てより合ってるわ。

 脚本もうまい。常田がなまくらしか打てねえというのに対して、なあに大根が斬れりゃいいんだよという勝新太郎が、さらに、鶯の声でも聞きながら露天風呂にのんびりとなといえば、次のカットは温泉に浸かる勝新の背後で騒いでるのは女郎どもだ。せせらぎの音がいいなあという勝新だが、そこには斬られて棄てられた死体がある。うまい。

 うまいといえば、最初、酔っぱらった三船敏郎がつまずきながら逆さ抜きして勝新を刺そうとしたとき、咄嗟に鞘を抜いてまたそこへ刀を差し入れさせる勝新の絶好さといったらない。

 ていうかこれ、傑作だな。得体の知れない烏帽子屋こと滝澤修んちの蔵が火事になるのと九頭竜こと仲代達矢じゃなかった岸田森の登場が合わさるのもうまいし、謎と心の小出しもうまいね。

 三船敏郎と岡本喜八ってのはほんと良いコンビだとおもうな。

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