文鮮明師が生涯をかけて取り組んだ共産主義問題。東西冷戦の終結に決定的な要因を作っていったのが文師であった。
その文師が成し遂げられなかった最後の共産主義大国が中国共産党である。
文師の成し遂げられなかった南北統一の課題も、中国共産党の存亡と深くかかわっている。
ソ連はロシア革命の1917年から72年後の1989年のベルリンの壁崩壊で終焉していった。
一方中国共産党は中華人民共和国の建国が1949年だから来年には成立して70年を迎える。北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)は1948年の建国だから今年が70周年になる。
かつて文先生は共産主義は70年を超えられないとのみ言があったことから考えると、中国も北朝鮮もそろそろ終焉の時を迎えていることになる。
米国にトランプ政権が成立する。1月20には就任式が行われる。トランプ氏は選挙中もそうであるが、大統領就任にあたっても従来の慣行を破って極度にメディアとも対立し、先日記者会見も波乱の会見となったが、その根底には従来の政治システムや秩序への挑戦がある。その点が米国民の支持を受けた所以でもある。
我々が注目するのは対中政策である。
これまで、「一つの中国」政策を歴代米政権はとってきたが、どうやらトランプ大統領は違うようである。選挙戦勝利後に台湾の蔡総統と電話会談をしたと、北京は批判しているが、これはトランプ政権が一つの中国政策を変えるのではとの警戒心からである。実際、トランプ氏の動向を見ていれば、中国共産党とは妥協を許さない対応をしていくだろうということは間違いないだろう。
実際に中国共産党は長年の一党独裁体制の矛盾が極度に達している。経済の自由化だけでは国民は満足しない。他の自由諸国を見てきた国民は中国の共産党独裁による体制の矛盾を十分知るに至っている。そしてその国民の目を対外的にそらす目的の軍事的進出や、反日宣伝も今や逆効果となってきている。
トランプ氏はロシアとの連携を強化することも言っている。大陸と台湾の分離、中国の周辺国との同盟の強化は当然進めて来るだろう。さらに貿易問題では対中貿易や投資に制限をかけてくる可能性も大きい。
かつてレーガン政権の成立とその後のSDI構想などの米国の政策がベルリンの壁の崩壊とソ連共産党政権の終焉を促進した。
中国大陸にいまだ一党独裁の共産国家が存在することは世界情勢からみても最も不安定な要因であり、そのことが米国の軍事費の増大の要因ともな丁る。中国が一党独裁体制を放棄することは米国にとって最大のメリットがある。対中経済投資はそれからの方が良い。そのあたりビジネスマンのトランプ氏は十分計算ずくであろう。
日本の安倍総理は実に的確に動いた。米大統領選挙終了後すぐさま渡米して次期大統領トランプ氏に面会した。一方最後のオバマ大統領とはハワイ訪問により日米同盟が極めて堅固なものであることを印象付けた。さらにロシアのプーチン大統領との会談、そしてアメリカ大統領就任式前の最も重要なこの時に、対中包囲網ともいうべき、フィリピン、オーストラリア、インドネシア、ベトナムの四か国を訪問となった。ベストタイミングである。フィリピンのドゥテルテ大統領とは熱烈なフィリピン国民の歓迎とともに親密な関係をアピール1兆円の経済支援を約束した。ほかのオーストラリア、インドネシア、ベトナムも対中戦略上極めて重要な諸国である。さらに今年の前半にはロシアとの日露首脳会談が予定されている。
問題は韓国である。現在朴槿恵大統領は弾劾を受けていて国民の支持を失っている。完全に国民が離反しているかと思いきや、ソウルでは大統領の弾劾反対のデモに3万6千人が集まってそれは大統領の弾劾を求める1万数千人のでもより多かったそうである。ただし、これは大きく報道されていないらしい。
そもそも朴大統領就任の5年前、多くの人々はかつての朴大統領、現在の朴大統領の父親が親日家だったことから親日的な政策をとるのではと期待していました。ところが期待に反して彼女が取ったのは親中路線、ひどかったのは中国共産党の抗日戦争70周年記念式典への参加でした。彼女の外交は二股外交とも呼ばれ、アメリカとの同盟があるにも関わらず中国に接近していきました。そして、日本には反日的な言動を続け国民をして反日運動に向かわせる結果となりました。その内容は日本国民には到底受け入れられるものではなく、日本国民全体が謙韓になってしまいました。この間、日韓神前に尽くしていたり還流ブームにのって親韓的になっていた人たちまでもが韓国に嫌気がさすようになってしまいました。最終的に日本政府も慰安婦像問題で大使の一時帰国や日韓スワップ協定の協議中断などの強硬手段をとらざるを得なくなりました。
実際朴大統領の対中接近政策は何等の益もなく、同盟国アメリカにも不信を持たせ、本来最も重要な同盟国であるはずの日本を完全に離間せしめ行き場のない状態になってしまっています。国内は反大統領運動で信頼を失墜し、頼りの経済界も財閥が大統領弾劾に絡んで取り調べを受けるなど決定的なダメージを負うことになっています。サムスンなどの韓国巨大財閥も急速に売り上げや収益が低下して極めて無残な状態に陥っています。これらは韓米同盟や日本との同盟を軽視して共産党独裁を今なお続ける中国に接近しすぎた付けが完全に回ってきている状態です。
韓国は完全に方向転換しなければならないにも関わらず、その方向をリードする指導者が見当たりません。
文鮮明先生がご存命ならば決定的な指導を発揮されていたに違いありません。しかし今はそのことに対して統一グループは完全に無力であるし方向を見失っています。慰安婦像問題に関して世界日報の見識を疑う社説が出て来ている状態ではどうしようもありません。
朴大統領の次の大統領候補は押しなべて反日であり、あるいは左翼系、従北団体がバックと思われる候補ばかりです。
中国共産党、そして北の崩壊も間近です。そんな時期になぜ中国や北朝鮮に接近するのか?あえて国を滅ぼそうとしているのかと思われて仕方がありません。
かつての朝鮮王朝の末期も揺れ動く国際情勢の中で翻弄され行き場を失っていたのが当時の朝鮮国~大韓帝国の実情でした。
冷静に時代状況を見据えて国民国家をリードする指導者は出てこないのか?
さもなくば大陸中国や北の崩壊に合わせて韓国という国も崩壊し下手をすれば消滅の憂き目にあうかもしれません。
確実に共産党の時代は終焉の時を迎えようとしています。米国にトランプという破天荒な大統領が就任したことにそれは単なる期待や予言ではなく、確実に現実的事実として訪れようとしているのです。
これから日本国内も大幅に変わっていくでしょう。戦後レジームも終焉を遂げて行こうとしています。変わらなければなりません。変えて行かなければなりません。