金正男暗殺報道は韓国が凄いのかと思いきや、どうやらその情報量は日本の方がはるかに多いらしい。日本のテレビなどのマスコミでは、犯行の手口や、その後のマレーシア警察当局の捜査、北や各国の動向などを連日連夜報道している。ところが韓国では、情報量が、日本に比べはるかに少ないようだと、朝鮮日報のWEBページなどが伝えている。やはり、マレーシア警察当局などとの情報のパイプが日本は凄いらしい。フジテレビなどは防犯映像を徹底分析して、金正男を襲撃した二人の実行犯の女性だけでなく、周辺で様々な様子で移っている、北の工作員らしき姿を、米の専門家などにも委嘱して映像分析している。またVXの成分や特徴など事細かにコメンテーターを準備して報道している。
これらの報道を見れば、まぎれもなく今回の金正男殺害は、北朝鮮の国家的犯行であることは否定しようもない。にもかかわらずそれを否定し続ける北の大使館や広報関係者のコメントは、却って北朝鮮という国の異常さを浮き彫りにしている。
北内部での軍事クーデターの起こることも取りざたされている。今の状況は何が起こってもおかしくない状況であり、今回の殺戮が、用意周到であるようだが、防犯カメラの映像にバレバレの実行犯の状況を見れば、実際の実行は実にずさんである。それらに対するコメントもあまりにも無理のある内容しかコメントできない実情は完全に北が行き詰っていることを歴然とさせている。
特に今回金正恩が、実兄を殺害したということは、いかに共産主義体制とはいえ、長い儒教的倫理観の民族の歴史からして到底許されざることであり、反正恩クーデターには恰好の口実が出来たことから、実際に軍部が動く可能性は、急激に高まっている。
今、中国が今回の金正男殺害に関しては極めて態度が曖昧である。金正男はこれまで中国政府の保護のもとにあったと思われるが、金正男の金ハンソルの動向が不明である。北が次に殺害を企てる対象として当然であるが、マレーシア警察からDNA鑑定を願われているようであるし、遺体の確認と引き取りのためにマレーシアに入国してもしかるべきであるにも関わらず、いまだ実現していない。
米国トランプ大統領の動向が気になって仕方がないのが中国共産党の中枢であろう。アメリカの睨みがなければ一挙に北にいざとなれば軍事行動を起こしてでも親中政権を立てたいのが習近平であろうが、堅物のトランプが大統領になったことで下手な行動には出られないのが中国である。逆に北を米国が抑えるようになれば、一挙に東アジアにおける中国の覇権は失墜してしまわざるを得ないのが現状である。北の崩壊に合わせて自分たちの政権までドミノ式に倒れる可能性も大きくなっているのである。
そう考えると韓国は、日本以上に今回の金正男殺害事件に敏感に反応し、情報収集しなければならないのに、少なくともマスコミに関しては情報量が圧倒的意に少ない。せいぜい、日本からのネット情報などを通して事態を的確に把握していくことが重要である。
ともかくも、家庭連合(統一教会)においても、内輪もめのようなことにうつつを抜かしている時ではない。すくなくとも北や周辺国の動向に敏感になり、内部的抗争は一時停止してでも今後の事態に対処しなければ、とてつもない混乱が今後起こってくる可能性が大きいことを自覚すべきである。
特に、お父様の血統を直接にひいている顕進様の動向や発言に関心を持たなければならない。天の摂理の動向と、現実世界の動向に最も関心を持ち、お父様から引き継いだ天的な感性で今の時代、だれが何をすべきであるかを誰よりもよく理解している方なのであるからである。このような状況のもとでは、だれが正統かなどとの論議は無用である。すべてを覆いつくすような大波が迫っているのに誰がリーダーとかの面子は関係ない。東日本大震災で、メンツにこだわる論議をしていて逃げ遅れた石巻の小学校の悲劇を忘れてはならない。