Danchoのお気楽Diary

高校3年間応援団だった「応援団バカ」の日記。スポーツ観戦や将棋等の趣味の他、日常感じる事を、「ゆるゆる」綴ります。

『自浄力』と『モラル』

2007-04-21 12:22:09 | プロ野球
蒸し返す感じにはなると思いますが、日本のプロ野球球団の『裏金』問題…本当に残念です
今日は、本件について感じることを綴りたいと思います。
(『競馬』は、次週に「フルパワー」で予想するので、今週はお休みします。)

この度のことの発端は、西武ライオンズ球団が、早稲田大学野球部の3年生部員や、東京ガスの木村投手に「栄養費」という建前で『裏金』を譲渡たことが明るみになったことでしょうか…。

結局、早稲田大学の3年生部員は、この「事件」の責任をとる形で、退部を余儀なくされました
東京ガスの木村投手も、謹慎処分を受けています。

ただ、この「事件」が明るみになった時、退部余儀なくされた早稲田大学野球部員の父親が、小生には「ちょっと変」としか取れない発言をしています。

それは、西武ライオンズ球団サイドと…

「スカウトは中学時代から注目していた。高校の時は、ドラフト指名したいとも言われた」

といった感じで接触しており、

「学費が免除される東北の私大に進学させるつもりだった。早大にも誘われたが高い学費がかかる。西武のスカウトに相談したら、学費は援助しますと言われた」

から、『裏金』を受け取り、

「受け取った金は『奨学金』のようなもの。借りた金なので、悪いこととは思っていない。金は返すつもりだ」

とし、最後にはこうです…。

「この件はわたしの独断で息子は一切知らないことだった。事情を説明したら『えっ』と絶句していた。息子の人生を台無しにして、西武に対して腹が立っている」

正直、「絶句」です

大学へ進学し、野球を続けている以上は、卒業後の進路の選択肢として『プロ野球』も当然視野に入っているはずです。

西武ライオンズ球団サイドと事実「接触」しておいて、こんなに問題が大きくなってしまったから、「腹が立っている」ですか…

「息子の人生を台無しにして…」とありますが、小生にしてみたら、
「それは、『あなた』が台無しにしたんでしょ」ですよ
この父親は、一体なに「寝ぼけたこと」をいっているのでしょう。

本当に父親として、いや、「大人」として『モラル』があったなら、この話が西武ライオンズ球団サイドから持ちかけられた時点で、「お断り」する事だってできたはずです。
この方がよっぽど簡単。あとくされもない。

子供の夢をかなえるために、汗水流して働こうとは考えなかったのですかね。
どう考えても、「変」です。

もちろん、一番の悪行を働いたのは、西武ライオンズ球団サイドです。これは、認めます。
ですが、退部を余儀なくされた野球部員の父親の、この期に及んでの「『奨学金』と思って受け取った」という発言から、どうしてもきな臭いものを感じずにはいられません。

時代劇で例えれば、『悪大官と“越後屋”』の…
「越後屋よ、分かっておるな。うまくやるのだぞ」「へい、お大官様
という会話がなされたのではないかという疑惑が、どうしても拭い去れないのです。

これが事実だとすれば、大人が…しかも成長を楽しみに見守る立場の親までもが、青年の、そして自分の子の将来を踏みにじったことになります。
これは、「大きな罪」です
厳罰を科すとしたら、元・野球部員の青年ではなく、むしろ関わった大人達や、この父親ではないでしょうか?

元を正せば、現在、東北楽天ゴールデンイーグルスで活躍する一場投手が、明治大学の4年生当時、読売ジャイアンツ球団サイドが、「栄養費」との建前で現金を譲渡したことに端を発しています。

この時、読売ジャイアンツの渡辺 恒夫オーナーが責任を取り辞任し、現在の滝鼻オーナーにその座を即座に譲っています。

この時の読売ジャイアンツ球団が取った対応はある意味潔かったとは取れますが、一方で、はっきりしたことがあります。

それは、読売ジャイアンツが、その莫大な資金力にモノを言わせ、フリーエージェント宣言した他球団の四番バッターやエースピッチャーを、「お金で買う」ことを続けたバックボーンから、『裏金』の譲渡が蔓延しているのでは?…との憶測が、最後まで消えなかったことです。

そうです。
既に、この時にも『自浄力』や『モラル』の向上が叫ばれていたのです。

しかし、この教訓が、実は全く活かされなかったことが、この度の事件で露呈されました。
本当に残念でなりません。正直、唖然としています
プロ野球観戦を趣味とする小生には、「極めて遺憾」に感じますね。

『ストーブ・リーグ』を迎えるたび、読売ジャイアンツばかりが槍玉に挙げられていました。この問題が再燃しなければ、依然として世間のこうした「冷やかな目」は、変わらなかったことでしょう。
しかし、残念ながら、他の“9”球団も、読売ジャイアンツや西武ライオンズ球団のことばかりを槍玉に挙げることは、これで、もはやできないといえると思います。

東京ヤクルトスワローズの古田 敦也 監督のコメントが、全てを物語っています。

「結局、『自浄力』がなかったということですよね…。」

その通りです。ズバリ正解です
厳しく、センセーショナルな表現を用いれば、『同じ穴の狢』なのですから…。

それをまざまざと物語ったのは、4日に「調査委員会」が会見し、報道された内容です。
何と、西武ライオンズ球団は、高校・大学・社会人野球関係者ら延べ170人に、契約前の5選手対しては、最大でも1,000万円が譲渡されたそうです…
入団後の選手15名に対しても、同様のことが行われた実態が明るみになりました。

西武ライオンズ球団は、日本球界にとっても「至宝」ともいえる、松坂 大輔 投手を60億円でボストン・レッドソックスに「売却」しました。記憶に新しいことです。
もちろん、松坂投手の「夢」に対する尊重もあるでしょうが、球団経営が苦しくなっての「苦肉の選択」として、「手塩にかけて育てたんだから、その見返りはあって然るべきでしょう」といわんばかりに入札制度を利用しました。
しかし、こんな事件を起こしておいては、「本末転倒」と非難を一斉に浴びても、もはや救いようがないところまで来ているのではないでしょうか?

さらに追い討ちをかけるように、横浜ベイスターズに入団した那須野 巧 投手に対し、契約金が規定の5倍も支払わられていた事実が報道されました。
佐々木球団社長が明らかにしたのですから…呆れる一方です。

話がちょっと脱線しますが、水島 新司 氏の漫画『野球狂の詩』に登場する、「ドリームボール」を武器にストッパーとして活躍する、東京メッツ投手の水原 勇気が、主力選手のトレードに「理不尽」と発言したことに対し、生涯現役を貫いた、大ベテランの岩田 鉄五郎が…

「ワシ等は、『プロ野球選手』という名の『商品』なんじゃ」

と諭しています。

この観点からは、確かに、プロ野球選手は、球団フロントにしてみたら「商品」なので、価値が高い選手ほど、高額の契約金なり、年棒が支払われるのは、必然でしょう。

話を元に戻しますが、本件は、那須野投手も「評価の対価と考えていた」とコメントしていますが、横浜ベイスターズ球団サイドにしてみたら、それだけの「価値」が、那須野投手にはあったのでしょう。
ですが、横浜ベイスターズ球団の支払った契約金額は、明らかなルール違反です。
当時、那須野投手の監督責任のあった日本大学野球部の鈴木 博識 監督は、那須野選手の契約金の一部を『裏金』として授受の関与に対しては、否定するコメントを出しています。

しかし、小生は思います。

「決して、火のないところに煙は立たない」

と…。


そんな中、「火に油を注ぐ」様に、この問題が高校野球界にも飛び火します。


退部を余儀なくされた、元・早稲田大学野球部3年生部員の出身校である、専修大学付属北上高校野球部のコーチが、西武ライオンズ球団サイドからの『裏金』授受に関与していたことが、16日に明るみになりました。

同校は、学費や入学金の免除する「特待生制度」を導入するという「学生野球憲章」に抵触する事件を起こしたことにより、日本高校野球連盟から「除名相当」の処分を受ける前に、自主的に「野球部解散」を決定すると同時に、「同好会」として新たに出発する措置を取りました。
自らの不正を認め、決して他の野球部員に罪がないことを最優先し、「再加盟への道」を残すために、「勝負手」を放ったわけです。

日本高校野球連盟は、「極めて遺憾」としながらも、3つの「宿題」を専修大学付属北上高校側に課し、その報告をもって、事態の実態把握を正確に行った上で、処分を発表するようです。

遡れば、1981年に、寮費の免除をするという「学生野球憲章」に抵触する事件を起こした大分・日田林工高校も、同様に野球部を解散し、高校野球連盟から『1年間の対外試合出場停止』の処分が下されたいきさつがあります。
この時も、最終学年となる3年生部員の「甲子園出場に賭ける夢」を壊さないようにとの配慮から、厳罰ではあるけれど、「望みを繋ぐ」意味で、この処分に至ったようです。

近年では、高校球児達に罪が全くないケースで、「不適切」な事件を起こし、速やかに日本高校野球連盟に報告などの対応をした場合は、「規制緩和」ではないですが、「連帯責任」を必ずしも問わないように、配慮はなされています。
専修大学付属北上高校の、「特待生」には該当するけど、全く罪がない部員達が、「被害妄想」で苦しみ、「同好会」として再出発という「勝負手」を放ったにも拘らず、モチベーションが下がってしまうことが一番心配なことで、あってはならないことです。

学校側は、「学生野球憲章」に抵触した制度を築いてしまった失敗を、先ずは反省し、そこから「学ぶべきこと」を見出し、二度と過ちを犯さないことを、切に願って止みません。

一方、風屋さんが語っておられるように専修大学付属北上高校だけがスケープゴートされるのも、問題です。
「グレーゾーン」にある高校も、本件を教訓に、襟を正さねばならないと思います。
そして今日、日本高校野球連盟が、「特待生制度」を導入している高校名の公表に前向きな姿勢を示しました。
西武ライオンズ球団の調査委員会に対しても、情報開示を求めたらしいですね。

徹底的に膿を出す姿勢…見守りたいと思います。

高校・大学球児たちには、「将来」があります。
そして、ほとんどのケースで、球児達に罪はありません。
だからこそ、その「将来」が、後の人生に「輝き」を放つものでなければなりません。
大人たちの取り交わす『裏金』の授受によって、球児達の将来を壊す権利はありません。いや、間違ってもそんなことはあってはならないのです


今一度、『自浄力』と『モラル』の向上につなげるための具体策を練る必要があるのではないでしょうか?

それが「不透明」である限り、プロ野球のファン離れには、歯止めがかからないと、小生は見ます。

ここは正念場ですね。

是非とも、プロ・アマが一体となって、崩れかかっている信頼関係を築きながら、「最善手」を放っていただきたい…そう願う次第です。

対応が遅れれば遅れるほど、ファンは離れていきますよ。確実に
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