ヘビー級10回戦
31歳のロシア人ヘビー級ホープ、マゴメド・アブドゥサラモフ選手(Magomed Abdusalamov)が42歳のベテラン、ジャミール・マクライン選手(Jameel McCline)と対戦した一戦はアブドゥサラモフ選手の地元ロシアで行われ、アブドゥサラモフ選手が初回にノックダウンを喫したものの逆転の2回TKOで勝利して全勝のレコードを守った一戦でした。
アマチュアで05年06年のロシア王者になっているというアブドゥサラモフ選手。現在は米国に拠点を置いて活動している模様。ホープと呼ぶにはちととうがたっていますが、この日も姿が見えた売れっ子トレーナーのロバート・ガルシアの指導を受けデビューから15連続KO勝ちを続けている選手。
過去に4度の世界挑戦を果たしているベテランのマクライン選手との一戦をイージーに片付けてさらなるステップアップをとの思惑が感じられたマッチアップでしたが、試合は開始早々にアブドゥサラモフ選手がダウンを喫する波乱のスタートとなります。
試合開始からシャープな左ジャブを伸ばしていた大柄なマクライン選手。サウスポースタイルのアブドゥサラモフ選手に対してのマクライン選手の位置取り、距離感が良いというかアブドゥサラモフ選手が悪いようにチラッと思えたその直後、マクライン選手が伸ばした右ストレートを食ってアブドゥサラモフ選手がストーンと腰を落としてしまいます。
ノーダメージには見えなかったアブドゥサラモフ選手でしたが、それでも立ち上がると積極的に攻めてペースを徐々に引き寄せます。左ストレートやロングの左フック、返しの右フックなどの強い攻めでマクライン選手の失速を呼び、2回にマクライン選手が自爆気味にダウンした末のストップ勝利でした。
相手が出てくるとマクライン選手がちょっと弱気になってしまうところやスタミナがあっという間になくなってしまうところ、さらには素晴らしい一撃を見せて相手を大いに驚かせる点など、久々に見ても同じでした。最後は右ストレートを打った際に前足の膝の踏ん張りが効かない感じで腰砕けというかヒザ砕けのような感じで倒れた末のストップで07年の対ワルーエフ戦を思い起こさせる情けなく、そして彼らしい最後でした。情けないってのはマクライン選手に失礼ですが、彼のこういうのがなんか憎めません。
アブドゥサラモフ選手は16勝(16KO)。マクライン選手は41勝(24KO)12敗3分。
Magomed Gets Off The Floor To KO McCline in a Thriller(Alexey Sukachev/BoxingScene)
クリス・アレオラ対ジャミール・マクライン(2009/04/11)
サミュエル・ピーター対ジャミール・マクライン(2007/10/06)
ニコライ・ワルーエフ対ジャミール・マクライン(2007/01/20)
楽しみな選手ですがじっくり経験を積んでいって欲しいです。
が、アレオーラとは今すぐにでもやってほしい！
一方のマクラインですが、1R途中までならクリチコ兄弟より上じゃないですか？
誰か忘れましたが、「彼はとても性格が良い」と言ってたと思います。
見た目はゴツイけど、性格はやさしいのでしょうね。結構好きな選手です。
ピーターを追い詰めるも逆転負け。
潜在能力は非常に高かった選手だと思いますがあと一歩何かが足りず開花しませんでした。
色んな意味で惜しい選手でした。
コメントへの返信ほったらかしになっててスイマセン。
今後も更新ペースがっつり落ちる見込みなんですが、とりあえずは細々と時間の許す限りやっていこうかなとは思ってます。
＞たこぼうずさん
結構気が強そうでもあるのでアレオラとの試合は確かに面白いかもしれませんね。
＞まっからむさん
わたしもそんなのをどこかで見た記憶があります。彼は優しすぎると。
彼の場合大きな身体を少々持て余し気味なのを克服しきれなかったとの印象です。
スタミの無さや怪我なんかはそのあたりが原因なんじゃないかなあと。
＞すとれいと・くーがーさん
まっからむさんが仰るとおりにメンタルが向いてなかったのではないか、との印象が強いです。
そのことがマイナスではなくて、むしろ好印象すら抱かされるあたりがこの人なのかと。
勝手な感情移入でしかないんでしょうが、名脇役としての存在感は確固たるものを築いたとも感じます。
ボクシングみたいな殴り合いをやったら盛り上がりそう。
プレフやボイツォフあたりとの試合が個人的には見てみたいです。