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ダニエル・サントス対アントニオ・マルガリート(2004/09/11)

2004-09-11 03:36:38 | classic
WBOスーパーウェルター級タイトルマッチ

今週末にシェーン・モズリー選手との一戦を控えるWBAウェルター級王者のアントニオ・マルガリート選手(Antonio Margarito)。彼がWBO王者だった2004年に一つ上のSW級王者ダニエル・サントス選手(Daniel Santos)に挑み9回終了負傷判定で際どく敗れ2階級制覇に失敗した一戦です。(体格比較)

現在ウェルター級最強の呼び声高いマルガリート選手。ここ12年間で28勝2敗の彼の敗北の一つ、サントス選手との一戦を振り返ってみたいと思います。
両者は01年に一度対戦していたものの、初回早々にバッティングでマルガリート選手の右眉付近が切り裂かれてノーコンテストに終わるという消化不良の結果に終わっていて、3年越しの再戦ともなった一戦でした。(第1戦の動画Youtube)
このノーコンテスト劇の半年後、サントス選手はスーパーウェルター級王座を獲得しこの日まで3度防衛。マルガリート選手も、サントス選手が返上した王座を獲得し3度防衛中という王者同士による因縁の再戦でした。

試合は、グイグイ前進しボディブローからの竜巻攻撃でプレスをかけるマルガリート選手をサントス選手がサウスポー構えからの正確なカウンターで迎え撃つ展開。
初回にサントス選手の左ストレートでマルガリート選手が一瞬効いた場面や、3回にサントス選手のカウンターの右フックがクリーンヒットした場面など、試合序盤はサントス選手のカウンターがリードしていた流れ。
初回に強いパンチを喰ってしまったせいなのか、マルガリート選手の攻撃に力みが感じられ、非常にスローで振りも大きく、対照的にサントス選手の攻撃の正確性が目を引きます。
しかしマルガリート選手のタフさしつこさは一つ上のクラスSWでも健在で、少々打たせながら強引に相手を押し込んでいくプレスがじわじわとペースを引き寄せていきます。5回にはショートの右フックでサントス選手をよろめかしチャンスを掴んだマルガリート選手。
サントス選手も6回以降は立ち直り、時には足を使いながらマルガリ選手のプレスに対し正確なパンチで対抗。強烈なボディブローやしつこい攻めのマルガリ選手の持ち味も発揮され、中盤以降は両者が激しくペースを奪い合った互角の攻防でした。

非常にクロスした熱戦の決着をつけたのは、前回と同じくマルガリ選手のカットでした。6回に前戦と同じ右眉付近をカットし出血に悩まされていたマルガリート選手。その後も再三再四のバッティングによって悪化した傷に10回開始前にチェックが入り、続行不能の判断をドクターが下し試合は負傷判定に。
公式のスコアは1人が86-85でマルガリ選手の勝利を支持していたものの、残る2人は87-84,86-85でサントス選手の勝利を支持するスプリットディシジョンで王者サントス選手が4度目の防衛となっています。
ちなみにシロート採点は86-85サントス、HBOのハロルド・リーダマン氏は86-85マルガリ。私の採点とは7回、9回が逆でした。(私:1,3,4,6,7サントス)


マルガリート選手の大きな武器であるタフさ、パワー、馬力が一つ上のクラスではなかなか発揮されていないようにも感じた試合(試合当日の体重で10ポンド差)。初回に見せたマルガリ選手が効いた場面などは、この時以外に記憶がないです。(マルガリ選手の試合そんなにいっぱい見たわけじゃないですが)
あと、たいして速いとも思えないサントス選手に対して完全にスピード負けしていたマルガリ選手のスローさも印象的でした。パワーで圧倒できないために、過剰に力が入りスピードが落ちていたのでしょうか?この日のぶんぶん振り回す攻撃からは、いつも以上にマルガリ選手の下手糞さが際立っていたように私には感じられました。


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さて、今週末に元3階級制覇王者シェーン・モズリー選手との一戦に臨むマルガリート選手。
コット選手とのウェルター級頂上決戦を制したマルガリート選手有利との声が多いようですが・・・・
モズリー選手のスピードと技術はマルガリート選手のそれをはっきりと上回っていると思います。モズリー選手にとってマルガリート選手のようなタイプは大好物とも言えるでしょう。パワーもあるモズリー選手の強い攻撃を序盤に喰いすぎると、いかにタフなマルガリート選手といえども苦しい展開になることでしょう。
現在37歳で最近スタミナ面での衰えが目に付くモズリー選手が12ラウンドマルガリ選手のプレスに耐えうるか、ってのが大きな問題だと思うのですが・・

いずれにせよマルガリ選手にとって簡単な試合にはならないと思います。敗戦も十二分にあり得ると予想します。逆説的に言えばこの試合をハッキリとした形で勝利することができたならばマルガリ選手のウェルター級での不動の地位を証明することになるのかと。
好ファイト必死のこの一戦。期待して待ちたいです。

マルガリ:身長180.34cm 腕の長さ59.69cm、37勝(27KO)5敗。
モズリー:身長175.26cm 腕の長さ63.50cm、45勝(38KO)5敗。

記者会見の動画(ESPN)
Mosley Excited To Face Margarito

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6 コメント

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Unknown (プクー)
2009-01-23 12:20:53
コット戦でマルガリ最強説が出て識者の評価も断トツですが磐石ではないとおもいます。タフネスやアグレッシブさは大いに関心しますがスピードは不足してます。モズリーが万全の状態なら判定勝ちも大いに考えられますね。一方のサントスは華がないので人気薄ですがスナイパーのごときすさまじい左ショットが魅力ですね。ただ強いんじゃなくスピードも的中率も高いです。これに依存しすぎですが。だからこそスターから遠ざけられていた、ビッグマッチに参加できなかったのかもしれません。コット、シントロンが敗れてもまだサントスというプエルトリカンがいて層が厚い国ですね。
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Unknown (管理人)
2009-01-23 23:20:50
>プクーさん
ウェルター級の王座4つのうち3つをコット、シントロン、キンタナのプエルトリカンで占めた時期もありましたからね。
サントス選手の存在もあってこの近辺のクラスでのプエルトリコ勢の強さは凄いですね。
ウェルター級の歴史に名を刻む、トリニダード選手やベニテス選手の様な選手もいますし、この国の生んだ世界王者たちは皆それぞれに個性があって魅力的な選手が多いと感じます。

プエルトリコ出身のボクサーと言うと、ホセ・トーレス氏がつい先日亡くなられました。
ご冥福を祈りたいです。
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Unknown (ss)
2009-01-24 09:58:13
マルガリートは、ウィリアムス、クロッティ、マルティネスといったスピードのあるタイプには苦戦するところがあること、コット戦を経て多少の気持ちの変化を考えて今回は序盤or中盤のモズリーのKO勝ちだと思います。

サントスは次はマルティネス戦でしたよね?
ここはモズリー、マルティネスに勝ってもらってマルガリートvsマルティネスⅡがみたいですねぇ
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Unknown (バンキ)
2009-01-24 15:00:22
サントスの場合は高齢とそのボクシングスタイルが省エネ、ちょっと気持ちが弱そうなので自分との戦いになりそうですね。左はすさまじいです。
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Unknown (管理人)
2009-01-24 16:56:25
>ssさん
おぉ、大胆予想ですねぇ
わたくしとしては、マヨルガ戦で見せた衰えっぷりから考えてマルガリ選手有利と見ていますが、でも反対の結果になったとしても全然不思議じゃないと考えています。
カルザギ戦で衰えたと思わせながらパブ戦で見違える動きを見せたホプ選手の様に、晩年にある選手はすごくいい時と悪い時との差が激しくなる傾向があると感じているのですが(昔小泉さんもこんな事おっしゃてました)今回のモズリー選手の出来が良く、好ファイトになることを願っています。
サントスとマルチネスとやる話があったのは確かですが、どうやらこのカードは消えた模様で、マルチネス選手はシントロン選手とやる事が決まった(?)みたいです。

サントスマルチネスが流れたとの記事(Santos pulls out, Barrera not getting interim title fight)
マルチネス対シントロンが2/14HBOで、との記事
Sergio Martinez vs. Kermit Cintron on February 14 on HBO
http://www.boxingscene.com/?m=show&id=17884

>バンキさん
サントスはそんなに打たれ強いほうではないので強打の新鋭とかとの試合が見たいです。
3月に予定されている超絶好カード、カークランド対フリオの勝者とか・・
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Unknown (管理人)
2009-01-24 17:00:47
記事リンク貼ってなかったorz

Santos pulls out, Barrera not getting interim title fight
http://www.badlefthook.com/2009/1/12/719027/santos-pulls-out-sergio-ma

マルチネス選手は最初無敗の新鋭ジョー・グリーン選手との試合が決まったものの流れ、サントス戦が決まったものの流れ、そして今シントロン戦が決定。
シントロンはちゃんとやってくれよぉw
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