ホエル・フリオ対カルロス・キンタナ(2006/06/24)

WBAウェルター級王座挑戦者決定戦

日曜日に待望の世界初挑戦を控えるコロンビアのナチュラルパンチャー、ホエル・フリオ選手(Joel Julio)が2年前にキャリア初黒星を喫した一戦です。WBAウェルター級の指名挑戦者決定12回戦で後の世界王者カルロス・キンタナ選手(Carlos Quintana)に12回3-0判定で敗れた試合でした。(体格比較)

2年4ヶ月前に争われた無敗の新鋭同士による指名挑戦者決定戦。
アマ85戦全勝75KO、プロでも27勝26KOというパーフェクトなレコードを持つコロンビアの21才の新鋭フリオ選手に対する期待が高かった試合前だったのですが、この日は同じく無敗のプエルトリカン、キンタナ選手の試合巧者っぷりに持ち味を封じ込まれるフリオ選手の完敗でした。
キンタナ選手はポール・ウイリアムス選手を攻略して世界王座を獲得した試合でも見せた、とにかくよく動く足と相手の先手を踏む効果的な攻撃がこの日も冴え渡ります。
初回にフリオ選手の右ストレートでグラブをキャンバスにタッチする軽いダウンを喫したもののダメージはほとんど無く、この初回を含めて終始キンタナ選手がフリオ選手の攻撃を空転させ自らの的確な攻撃を決め続けていたレッスンのようなワンサイドマッチでした。
キンタナ選手の止まらないサイドへの動きにはぐらかされ、攻撃を放とうとするとキンタナ選手の右のジャブ、左ストレートのリードで出鼻を挫かれるフリオ選手。軽いもののコツコツ的確にヒットするキンタナ選手の攻撃に完全にペースを失ったフリオ選手は最後まで自らの持ち味を見せる事はできませんでした。
公式のスコアは117-111,115-112,118-110と言うものでした。

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この初黒星の後、フリオ選手は7連勝(5KO)として11月1日の世界初挑戦に漕ぎ着けるワケですが、相手がIBF王座を4度防衛中のウクライナ人で35戦全勝(22KO)のキャリアを誇るセルゲイ・ジンジルク選手。
堅実な技巧を誇る王者の本拠地ドイツに乗り込むフリオ選手にとっては苦しい試合になるでしょう。キンタナ選手と同じくサウスポーってのも鍵かも。。。
しなやかで伸びのある強打が非常に魅力的なフリオ選手ですが、ここ最近の試合で見られる攻防両面での雑さは、この王者を相手にする場合致命的なようにも思えます。キンタナ選手に敗れたときと同じように、自らの持ち味を出せないままの完敗、ってな感じになりそうな気がしてなりません。
ただジンジルク選手は前回の防衛戦では、相手の攻勢に対しムキになったようにラフな打ち合いに応じる意外な一面を見せていたので、こういった場面が見られる展開になればフリオ選手の強打が火を噴く可能性もあるでしょう。

わたくしとしては惚れ抜いたフリオ選手の強打が強い王者を蹴散らして、若い新しいスターが誕生する、てなストーリーを期待したいところなんですが、厳しいんだろうなぁ・・・
でもでも、不利な予想を跳ね返すフリオ選手のパフォーマンスに期待しています！

Q&A: Sergiy Dzinziruk!
セルゲイ・ジンジルク選手のインタビュー。
（超適当翻訳ゆえあまり信用しないように）

セルゲイ、フリオとの試合が間もなくだが彼の印象は？
とても強いボクサーだ。わずか23歳だが既に35戦戦っている。それが全てだ。彼はアメリカのボクシングスクールが奨励するような攻撃的なスタイルを持っている。この試合のために真剣な準備をしている。
現時点での調整はどの段階？
まもなく最終調整だ。2週間ハンブルグで2人のボクサーの協力のもと練習していた。既に試合への調整は終えている。
挑戦者について十分な情報があるか?
Yes。テープを見て彼のスタイルは分かっている。
あなたは世界王者になって既に3年が経つが、今まで統一戦に参加していない。バーノ・フィリップスやバーノン・フォレストのような選手とのファイトは望んでいない？
もちろん。彼らのタイトルに挑みたいさ、でも今は不可能だ。金銭的な問題もあるが彼らが私との対戦に興味を抱いていないという事も理由だ。彼らが望めば私はいつでもオーケーだ。私は誰も恐れないが今は何も出来ない。彼らはドイツに来たがらないし、私について話したがらない。私は米国での知名度が無いので十分なお金を得ることができない。
ルーカス・コネクニーとの試合後、多くの人がチェコ人が判定を奪われたと紛糾したが、彼とのリマッチは？
Yes。私は準備オーケーだよ。でもWBOは私にまずフリオとの対戦を義務付けた。でも私は彼らが望むいつでもリングに立ちそしてチャンピオンだと証明する準備は出来ている。
誰と一番戦いたいか？
オスカー・デラホーヤだ。


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2008-10-29 22:28:55