WBCインターナショナル・ヘビー級タイトルマッチ
ジョナサン・バンクス選手(Johnathon Banks)とセス・ミッチェル選手(Seth Mitchell)とによる昨年11月以来のダイレクトリマッチは米国ニューヨーク州ブルックリンで行われ、ミッチェル選手が12回3-0の判定を制して雪辱を果たした一戦でした。(体格比較)
非常に慎重に見えるミッチェル選手の立ち上がり。対するバンクス選手はゆったりと構えながらフリッカージャブを狙う戦いで余裕も感じられるスタートでした。2回にロープを背にした状況からバンクス選手がミッチェル選手に対してホールディングしに行こうと前に出たところにミッチェル選手が右アッパーを当て、さらに右フックを当ててノックダウンを奪いますが、ミッチェル選手の慎重さというか緊張が感じられる動きは変わりません。
そして3回にはバンクス選手の右ストレートを浴び効かされてしまい、左右の追撃を次々に浴びせられてグロッキーに陥ってしまいます。効いてしまい立っているのがやっとのミッチェル選手の様子は前戦のVTRを見ているかのようでした。
しかし続く4回、大きなチャンスに思えたバンクス選手が出ません。出なかったのか出れなかったのか定かではありませんが、バンクス選手の仕掛けが少ない間に徐々にダメージから回復してきたミッチェル選手が力強い右フックなどで少しづつペースを引き寄せていった中盤以降の流れ。
8回にバンクス選手の左フックを浴びて再びトラブルに陥る場面もあったミッチェル選手でしたが、身体を寄せて左右のパワーショットで押し込んでいくことでピンチから脱出し、かつバンクス選手の消耗も呼んだミッチェル選手。
試合終盤はバンクス選手の左ジャブが再びその有効度を増していったのですが全体的に消極的に過ぎ、ユナニマスの判定でミッチェル選手が雪辱を果たした12ラウンズでした。
公式のスコアは115-112、117-109、114-112の3-0ミッチェル。シロート採点114-112ミッチェル。
前戦のKO負け、さらにはその前の試合のウィザスプーン戦でも効いてあわやというシーンのあったミッチェル選手で、この日の立ち上がりは自らのボクシングに対する自信を失ってしまっているようにも見えました。さらにこの試合でも度々効かされてしまい、持ち味の思い切った攻めが最後まで出すことができませんでした。バンクス選手の消極的姿勢に助けられた冷や冷やの勝利に見えた試合でした。
ミッチェル選手は26勝(19KO)1敗1分。バンクス選手は29勝(19KO)2敗1分。
セス・ミッチェル対ジョナサン・バンクス(2012/11/17)
セス・ミッチェル対チャズ・ウィザスプーン(2012/04/28)
セス・ミッチェル対ティモール・イブラギモフ(2011/12/10)
セス・ミッチェル対エバンス・クイン(2011/05/13)
セス・ミッチェル対アンドラエ・カースロン(2009/08/14)
セス・ミッチェル対ジョナサン・バンクス(2012/11/17)
トーマス・アダメク対ジョナソン・バンクス(2009/02/27)
ブーイングも酷かったですし、退屈でしたね。
もしかしたら、ミッチェルは前回のKO負けで潰れてしまったのかもしれません。
内容如何ではビタリ挑戦もありえたはずですが、これでは資格無しですね。
そうとしか考えられない位手が出なかったですね。
3Rの攻防を見た限りでは、バンクス選手の返り討ちは濃厚と思われただけに、不可解でした。
持ち味の思い切りの良い豪快な攻めがすっかり鳴りを潜めてしまってましたからね。
ただこのダイレクトリマッチはミッチェルにとっては相当な重圧のあった試合だったことも理解出来ます。
＞フーさんさん
まぁ元々期待がだいぶ先行していた選手でしたしねぇ。
ウィザスプーン戦、バンクスとの連戦、この3試合で彼の実力がどの程度かはっきりしたというだけのことだと思います。
＞先見の明さん
4回に出なかったのが不思議でしたよね。ミッチェルの右が見た目以上に効果あったのでしょうか。
私も解せない思いが強いです。
バンクス、ミッチェル共に自分のスタミナ不足と極端な打たれ脆さを自覚していて、
さらに初戦の展開を意識しすぎた結果でしょう。
ボクシングの試合がもっとも退屈になる最悪のパターンでした。
最後まで膠着を打開しようもしなかった二人は、どちらも勝敗以上に大きなものを失ったと思います。