押しても駄目なら

風が吹けば、と共に非線型現象の第二例でしょう。

原油価格の高騰に対する一つの考え方

2005-06-29 13:48:46 | きのうきょうの話題
とうとうニューヨークの価格が$60@バレルを越えた。このことをどう理解するかについてWashington Postの社説の紹介が日経にあったので、を見た。

By this, we mean that at a time of rising oil prices, global warming and increasing political instability in Saudi Arabia and other Persian Gulf nations that produce the cheapest crude oil, the United States must reorient its energy policy in a far more dramatic way. Economic, environmental and security concerns should by now have led all American politicians to the same conclusion: It is time to decrease this country's dependence on fossil fuels.

この文章の前後には議会関連の行動についてあれこれ書かれているが、永田町の話が分からないようにこの部分は一層分かり難い。

化石燃料依存状態から脱却するよう方向転換を促すのがこの主張の根幹である。しかし、どのように脱却するかの意見は述べていない。また、原油価格の高騰が中東地域に政治的不安定をもたらすことを憂いているが、その高騰の原因についての考証もない。

私は本ブログの中国「反日」運動ーその4/迫り来るチャイナ・クラッシュで山崎養世氏の記事を紹介した。山崎氏は幾つかの論拠を上げて具体的にその兆候・可能性に言及している。その資料的価値が高い事を私は指摘した。

原油価格の高騰、その他鉄鉱石、非鉄金属などなどの高騰も指摘されている。原油価格の高騰はこれらの中でも世界経済にとって致命的な重要性を持っているようだ。中国経済の成長は元の切り下げもさることながら、現有価格の上昇で止めを刺されるのではないかと私は勘繰りたい。手元にそうした資料を持っていないのだが、調査して見たい。




なぜ参拝にこだわるか

2005-06-29 12:14:04 | きのうきょうの話題
AERA2005年6月20日号に編集委員 星 浩 の記事がある。内容としては皆さん何となく分かったような、知って居るような話なので、見出しをちょっと並べて整理すると、
・ビジネスにも影響
・公約の重みと生死観
・商売人には分からない
・岡田民主党委員長の問題解決のまとめは 1.参拝をやめるか 2.中韓を説得して、理解を得て参拝する 3.首相を辞める の三つしかない、である。

本屋で立ち読みしたような記憶なのだが、自民党の親中国派というのがあるそうで、野中至氏などはその代表的人物らしい。そうした勢力を無力化することも「自民党をぶっ潰す」と言う公約を実現する大事な具体的構成部分であるらしい。田中派、経世会、橋本派などの自民党的なものとの対決が「自民党をぶっ潰す」ことの具体的な内容、構成部分である、と書いてあった。

なるほど、そう言われるとそうした行動は官邸の動きの中に見られるようだ。
しかし、もう少し調べてみたい。とりあえず次の本をパラパラで良いから読んでみたい。

4103390077 自民党を壊した男 新潮社 読売新聞社 1,575(税込)
isbn 題名          出版社   著者     価格

馬肉と牛肉

2005-06-28 07:15:32 | きのうきょうの話題
牛肉問題は相対的に良く知られている。しかし、馬肉問題があるとは知らなかった。この記事を読む限り、牛肉は食用として飼育生産されているが、馬肉はそもそも食用ではなく、欧米人は食べない?、乗馬、農耕、競馬などの人間に近い活動空間で食用以外で役立っている、と言う意識が根底にあるように見える。いわば鯨肉に対する感覚に近いのか?

Fast Food Fast Women

2005-06-24 20:30:29 | 気になる映画/演劇
ちょっと面白かった映画。ケーブルテレビでふとスイッチを入れて不完全に見た。しかし面白かった。次回は29日の11時30分から。

IMDbを見るとあれこれ書いてある。粗筋もあるのでちょっと引用しておく。

Plot Summary for Fast Food Fast Women (2000)

How important is the truth when falling in love? Bella is a Manhattan café waitress, about to turn 35, stuck in a long-term affair going nowhere. Paul is a widower, facing old age alone. Bella's mother sets her up with Bruno, a novelist/cabbie who likes to bed-hop and whose ex-wife expects their two children to stay with him for awhile. While Bruno learns some maturity from his young daughter, Paul answers a personals ad placed by a "widow, 60." The two couples - along with one of Paul's older pals and a Jungian stripper - sort out how to initiate a relationship these days, what to do when someone you like disappoints you, and when to tell the truth.

私の粗筋は色々な登場人物がいるが、それぞれにそれなりにハッピーエンドになっているところが面白いと思った。アメリカ映画なのだと思うが、明らかにハリウッド映画ではない。主人公達はアングロサクソンではない。英語も訛りがあって、しょぼくれた男と女と年寄りと年寄りが慰めあったり、騙してみたり、で結局はそれぞれになるようになる。ここが面白い。こういうsolutionもあるのだ。騙されたと思ってご覧あれ。

中国「反日」運動ーその4/迫り来るチャイナ・クラッシュ

2005-06-22 22:58:05 | きのうきょうの話題
中央公論2005年7月号特集対日強硬の中国に潜むリスク 迫り来るチャイナ・クラッシュ 山崎養世(やすよ)著 の記事は資料としては説得力を持っていると感じた。

中国では安いのは労働力だけで、生産効率は他の面では極めて悪いそうだ。ある意味で資源浪費型経済国という。一番の例が石油消費量である。同じGDPで日本の七倍の石油を消費するという。そうしたお陰で世界的な石油価格の高騰である。六年前には1バレル10ドル台であったのが、今や60ドルに迫っている。日本との領海地域で試掘を始めている。

石油価格の高騰が燃費の悪いSUVを敬遠する米消費者の行動を生み出し、GMを初めとする米自動車会社の不況を招いた。また、航空業界の不況もあらわになりつつある。こうした経済的な悪影響から米国は人民元の切り上げの要求を強めている。

日本で円が変動性になったのは1970年代半ばであったが、中国の人民元は今その時期に相当するらしい。日本では変動性に移行する前に円の切り上げ要求に対し、ドル買いをして、対価の円が市場に回り、列島改造ブームに乗って、不動産の「狂乱」を招いた。そして、円切り上げ、変動性となり、不動産と株の暴落があった。

中国のバブル崩壊は丁度これに相当するだろう、が山崎氏の推論である。しかも、中国の国内資本が少ないためにバブル処理は国内で賄い切れないだろう、と予測する。日本と中国とが協力してこの南極に立ち向かわなくてはならなくなるだろう、が彼の提言である。更に、その事を可能にするには情報公開を中国に対して日本は要求しなければならない、とも提言する。しかし、一党独裁共産主義政権にそれが通じるだろうか、理解されるだろうか。

私はこの点に関しては悲観的である。ならば、どうするか?只今の所答えを私は持たない。それこそ欧州統一のこれまでの百年近い運動の中にこれに類似する局面があるかもしれない。また、ソ連崩壊とその後の分裂過程の中に学習すべき事象があるかも知れない。

弥生文明と南インド 大野晋著 岩波書店

2005-06-22 16:23:23 | 気になる本
著者の熱意が充分伝わってくる面白い本。今問題になっている東アジアの稲作文化の創世期のお話の具体的根拠を提供した、と言う意味で画期的なものだと思う。しかし、世の中、学会で受け容れられるにはまだまだ時間が掛かりそう。
この学説を足掛かりに東アジアの時間的空間的な文化の相互依存、相互流通について研究が進むことが大変望ましい。

最近のほんの百年足らずのギクシャクした関係は私は多分に政治的な要素があると思う。これは決して日本の侵略行為、植民地政策を正当化するものではない。しかし、今後の東アジア経済圏の構築構想などを長期的に想定した主導権争いの一面があるような気がする。

欧州の単一化構想は百年近くの歴史があるようだが、それにもかかわらず、5月末から6月初めのオランダ、フランスでの統一憲法の否定、その後の仏、独、英首脳の相互批判、などなど道はなかなか険しい、と感ずる。

中国「反日運動」ーその3/浙江省東陽市農村の農民暴動

2005-06-18 19:01:27 | きのうきょうの話題
中央公論 2005年7月号特集「対日強硬の中国に潜むリスク」のコピーをとり、読み始めた。最初の記事は「中国を揺るがす農民暴動の連鎖」藤野彰 は一定の説得力がある。2005年4月12日に浙江省東陽市の農村で大規模な農民暴動が起きた。三万人の農民が参加し、数十人の負傷者が出た。芯が出たとの報道もある。大規模な化学工場が当地に進出、操業開始後、汚染物質により土壌の劣化、農作物に被害が出た。農民は地方政府に工場の移転を要請したが、無視された。業を煮やして工場への道路封鎖が三月末にあり、封鎖解除の当局の試みから12日の衝突になった。日本国内ではこの報道はここだけだったのか。

経済優先、環境第二の中央政府方針を受けて、こうした農民暴動は各地で起きているらしい。また水力発電所建設に絡む補償問題が2004年10月に四川省であった。これに類する補償金の未払い額は15億元(195億円)に達すると言う。こうした不利益は民主国家であれば司法に訴えることが可能であるが、三権を共産党が掌握している中国ではそうしたことは出来ない。実力行使こそが残された唯一の道である。従って、農村にあっては環境問題、土地収用問題、収入格差などの問題の適正な処理を行わなければ、暴動や騒乱が増えこそすれ減る事はないだろう。こうした藤野彰の説明を聞くと、黄巾の乱、三国志で読んだ諸反乱などが過去の世界ではなく身近な中国社会現象と思えてくる。

都市部では民工(農村からの出稼ぎ労働者)による反乱があるそうな。原因は低賃金、長時間労働、賃金未払いなどなど。民工は都市部に定住出来なく、いずれ?農村に帰るらしい。ここらも日本で農村から労働者を駆り集めたのと似ている。

こうした内部矛盾を抱えて、表現の自由のない中国で、反日運動が組織化されているらしい。

中国ネット検閲強化・MS協力/記事

2005-06-16 09:35:17 | きのうきょうの話題
中国政府がネット検閲をしていると言う噂は予てからあったが、これは具体的なニュース。IT企業が協力している、と言うのはある意味で恐ろしい。ネット記事はここにあり、簡単で短い。新聞記事はもう少し解説があり、幾つかのキーワードが重なると、積をとる、インターネット接続を拒否する。つまり、事前検閲でしょうね。別のwired 記事もある。

因みに、私が個人的に知っているBlogサイトもexblogサイトが中国からはアクセス出来なくなっている、との書き込みを複数、五六件、聞いている。例えば

こうなると愈々本気で暗号技術とか電子透かしの技術の採用あるいは複合使用などを考慮しなければならなくなるのだろうか?

昔SF小説だかで読んだ記憶があるのだが、ネットオークションで商品の画像に電子透かし絵を使い、
ステガノグラフィー 【steganography】、更にそこに情報を量子暗号で組み込み、絶対に?見破られない、と言う話、フィクションがあった。もうフィクションではなくなったのか!



中国「反日運動」ーその2/金子勝氏の論壇時評

2005-06-14 23:33:07 | きのうきょうの話題
一月経ったあたりから少し冷静な多角的な議論が出るようになって来た。

その1 論壇時評 朝日新聞夕刊2005年5月25日 金子勝

金子勝氏の記事の見出しには「敗北のナショナリズム」「国際感覚欠く保守派」「「国益」失う逆説生む」などとある。魅力的な語句が並んでいるが、ちょっと分かり難い。保守論壇の、例えば石原慎太郎、判りやすい語句だが、極めて感情的で、論理が一体あるのか、と疑わせる物ほど酷くはない。しかし、中身は一体何だろう、と読み解くには相当時間が掛かりそうだ。

具体的に取り上げて見よう。岡部直明の「日中は仏独に何を学ぶか」(日経5月9日)の文章を引用して、「一方で『東アジア共同体』構想を唱えながら、小泉純一郎首相がA級戦犯を合祀した靖国神社に参拝して近隣諸国をいたずらに刺激するのは国際感覚を欠く」と言う指摘は正しいと金子勝は支持して、「たとえば、仮にドイツのシュレーダー首相がナチス幹部の墓参りをすれば、EUにおいて彼の政治生命は絶たれるだろう。保守派にはこうした国際感覚そのものが欠けている」と断定する。

ドイツが第一大戦を戦い、そしてナチスが第二次大戦を戦かった。第一次大戦の結果は多額の賠償を対戦諸国に支払った。その後の不安定の中からナチスの狂気集団に取り付かれたように、第二次大戦にのめり込み、敗戦の結果、ナチス集団の罪を断罪し、近隣諸国に謝罪した。しかし、ポーランドなどでは謝罪されていない、足りない、と言う意見があると新聞で読んだ(今この記事の引用は出来ない)。二度の大戦に敗北したドイツの近隣諸国への対応に学べ、と言うのは余りに経緯の違いを無視していて、参考にはならないと私は思う。

そう感じながらネットサーフィンしていたら、同意見ではないが、似たような視点からもっと具体的な反論を岡部直明にしている記事(泥酔論説委員の日経の読み方)があった。

泥酔氏は欧州で日中関係の比較対象とすべきは独仏ではなく、独露だというのである。これは一つの見識である。綿密な解析、論考などの価値がある。詳しくは泥酔氏の議論の展開を読まれたし。私の酔っ払っていない頭よりアルコール入りの脳味噌の方がはるかに優れている場合があることを実感した。

具体例2 浜矩子・寺島実郎「『入亜』時代にうまく身をゆだねられるか」(週間エコノミスト5月3・10日号)で寺島は、米国を抜いて大中華圏が最大の貿易相手国になった事実をあげたうえで、「この十数年で経済はとっくに『アジアシフト』しているのに、日本は米国のトラウマから逃げられない」という。そして、「Buisiness Week」誌記事を「なぜ日中はいがみ合うのか」(4月25日号)を引用して、中国経済の2010年代末までの発展を続けると言う説を肯定的に繰り返している。

これらを読むと私はちょっと待ってくれ、と言いたくなる。共産主義政権が一党独裁で市場経済を発展させた例はまだ世の中にはないことを軽く考えないで欲しい。もっと多面的な、重層的な思考を金子勝氏には期待したい。従って、国益もそうした視点から考えたい。

その2 世界 岩波書店 2005年7月号
その3 中央公論 7月号

資料その2、その3にはチャイナリスクと言う言葉が散見される。この言葉は保守系の論者が多く使うようだが、私は真面目に取り上げるべきだと考える。この話は長くなるので、ここで一旦この項は終わり。その2、その3の資料に基づく議論は稿を改める。

南天堂

2005-06-14 11:36:46 | 気になる本
SanPanと言う小冊子を読んでいたら、いや、みすずだったかな。寺島珠雄著 南天堂 松岡虎王麿の大正・昭和 が面白そう、とあって、図書館で借りた。

気になった話題を一つ二つ。
南天堂というのは本郷通りと白山通りとが一番距離を狭くする部分を結ぶ通りの北側にあった本屋兼レストランである。この店は実は今もある。数年前にその前を通った事がある。戦前のある時代に詩人、小説家だのが集まって談論風発の場を提供していたらしい。その主人が松岡虎王麿である。

第二十四章は大正末期から昭和初期の南天堂が話題である。話題の中心の一人は中野重治。小見出しは『驢馬』の中野重治、『むらぎも』の南天堂などがある。
『むらぎも』の主人公片口安吉はレーニンの著作の翻訳の印税の一部を出版社から百円の小切手で貰う。出版社のある神楽坂からどうやって本郷三丁目まで来たのかは判らないが、交差点を渡った辺りで下駄が割れた。近くの下駄屋で小切手支払が出来るかと尋ねるが、出来ないと断られる。知っている古本屋でお金に換えて貰おうと赤門、正門、一高前で、古本屋へ入る。主人に「ようがす。おとりかえしましょう」と無事現金化して貰い、隣の下駄屋で下駄を買う。
肴町から左へ曲がると右手に南天堂があり、白山上への連なる。原文では、「肴町になった。道が白山へとつながってそこに南天堂本屋がある。ここにいろんな人々が集まって議論をしたり酒飲んだりするということを聞いたことがある。アナーキスト系の詩人が良く出入りするともきいてきた。安吉は行ってもいようかと思ったことがあった。」となっている。

長い引用だったが、この日が東京帝大の卒業式の日あるいはその前後であり、1927年3月14日に衆議院の予算委員会で「渡辺銀行は支払い停止」と大蔵大臣片岡直温が誤謬答弁をして、翌日から銀行の取り付け騒ぎが広汎に起っていることに寺島珠雄は拘るのである。帝大の卒業式は三月十四日以前なのだろう。そして昭和金融恐慌の寸前にその影すら感じさせずに『むらぎも』は終わっている。

これは大変面白い指摘だと私は思う。


レストランだか集会だかの署名簿の一部が示されている。一例。署名の字が達筆で読めない、とのこと。うーーん、読めそうだが・・・。

三?一?体の木乃伊(ミイラ)封言の月のおぼろなる光をあびて ○○○