押しても駄目なら

風が吹けば、と共に非線型現象の第二例でしょう。

チベット問題

2008-04-26 22:30:00 | 齧り書き
暫くあれこれあってご無沙汰してしまった。

今日は長野で北京オリンピック聖火リレーがあり、この話題があれこれ取り上げられた。

チベットにおける人権弾圧が毛沢東政権の初期から行われ、今の主席胡錦濤はチベット問題の武力制圧で行政を挙げた事で今日を築いた事は良く知られている。

チベット側、ダライラマの主張は例えばこのサイトを見られたし。

今回のいわゆる聖火五大陸巡りは中国の威信を世界に示す政治的プロパガンダとして利用されたのだが、これをチベット側に逆に利用された面があるのは否めない。どちらが政治的に宗教的に賢いかは知恵の巡らせる能力によるのだろう。

日本では長野で聖火リレーが行われることになり、善光寺がその出発点とされた。しかし、善光寺は出発点となることを上手に断った。同じ仏教徒が弾圧されている事に鑑みて、こうした行事に深く関わる事が難しい、としたようである。これは賢かった。そして聖火出発と同時にチベット仏教徒弾圧の慰霊を追悼する儀式を行った。これがとても良かった。しかし、日本の報道ではこのことを評価していないようである。

国境なき記者団はこれを評価していたのは良かった。兎に角この問題は中国にとっては南蛮北狄東夷西戎の一つであり、日本との軋轢は東夷でしょう。中国は中華なのだと理解するのが当面正しいとしか思えない。

古賀夏雄 北之口太 アエラ 2008.2.4 p58 朝日新聞

2008-02-24 02:53:03 | 齧り書き
二月四日号のアエラはウォール街金融マンの悲鳴、「損失100兆円説」米国不況が襲う、などの記事を読もうと買ったのだが、この古賀夏雄の記事を読んで驚かされた。ヘッドラインに右翼史最後の生き証人とあり、つづいて、昨年11月、自民党と民主党の間で画策され破綻した大連立構想。(フィクサー)政治の再来を思わせたこの政変劇に、「時代がボス政治に逆行することはない」と言う一人の人物がいた。・・・と一気に読まされてしまった。
私がこの記事で腑に落ちた話は「君が総理になるんだよ」村山は玄関で伝えられた、と言う見出しで始まる話。・・・村山元総理が筆者に次のように語ったそうな。「94年5月30日(総理就任の日)の早朝に社会党本部に出勤するとね、玄関で古賀先輩(村山富一も古賀夏雄も明治出身)に呼び止められてね。『今日の国会で君が総理になるんだよ。自民さ(魁)はまとめたからそのつもりでいるように』と言われたのには心底驚いたよ」。

村山政権が何をやったのか、の総括が私の知る所では殆んどないのが、気になっているのだが、それは大切な事だ、その切欠はこんなフィクサーの動きがあったのか!とある意味で納得した。

この記事の最後の段落の前に、「軍部独裁の登場内閣と小泉内閣以外のすべての内閣は、国会に法案が上程される以前に与野党間の談合で法案の成否を隠密裏に決めていました。ここに、政官財界の利害調整役としての四元(義隆)のような人物が暗躍する隙間があったのです」と古賀は述べているそうな。

その他色々面白い、他では見られない記述がある。因みに、この人の名前をググルっても、このアエラの記事しか出て来ない。

期待と回想 朝日新聞社 鶴見俊輔 ¥1,365(税込)

2008-02-22 07:08:00 | 齧り書き
本屋の書棚で見つけた。鶴見俊輔の著作集を三人の読者?、北沢恒彦、塩沢由典、小笠原信夫の三氏が呼んで、主題ごとに鶴見俊輔に質問をぶつけ著者の反応の記録である、これは著者の前書き風の説明。これら三氏が良き読者か、問題点を上手く引き出しているか、などは私には未だ分らない。しかし読んでいて、著作集をひも解いてみたいと思った事は確かである。

実際図書館へ行き、著作集が普通の分類書棚とは別に、ずらりと12巻並んでいる中から、勝手に面白そうな巻を引き抜いて、この期待と回想を拾い読みしながら、著作集を随時広げて、あちらを読み、こちらを読み、と期待と回想をガイドブックのようにして著作集を読んでいる事になる。これはなかなか楽しい。著者の多面的、複眼的な視点が良く見えてくるように思える。

今日のような道筋の分らない世の中には得がたい著書、意見、考え方を知る事が出来る。例えば、雑誌「思想の科学」のはじめる段階で武谷三男が「(日本)共産党にひきまわされない雑誌が一つあってもいいんじゃないか」と述べたとある。この雑誌の創刊は1946年5月である。こうした議論が交わされたのはその前と考えて良いだろう。けだし卓見と言うべきだろう。

経済はもはや一流ではない・・・

2008-01-19 23:13:44 | 齧り書き
大田経財相が国会で述べたそうな。それでどうしようって言うのでしょう?
記事の一部を引用すると、

演説では、日本がバブル崩壊後、不良債権など負の遺産の解消に追われている間に、中国やインドなど新興国が急成長したことも指摘。「我が国は、世界経済のダイナミックな変化に取り残され、今後も成長を続けていく枠組みはいまだに出来上がってない」と訴えた。

こんなことは誰でも言える事だ。経済担当者の一人として、どうしたいかを述べるべきでしょう。

堺屋太一緊急直言 平成30年経済崩壊・・・週刊文春1/3・10/2008合併号

2007-12-29 01:36:58 | 齧り書き
毎年暮に正月の合併号が出て、出版方関係者は正月休みとなり、読者方はそれらを読むことになる。幾つか面白い記事があり、順次読書メモを記しておこう。

まず、堺屋太一の緊急直言 平成30年経済崩壊までのシナリオ と言う表題の記事。結構タイムリーで説得力がある、一読をお薦めする。堺屋太一は既に
「平成三十年」への警告 日本の危機と希望を語る 朝日新聞社 堺屋太一 630(税込) 2004/03
と言う警告の本を書いている。文春の記事は表記の警告を十年前に朝日に連載して、それから10年の中間点での中間報告である。この警告は、まだ読んでいないが、彼の要約によると、
1.国際競争力の低下によって円安が進行。1ドル250円を切り、300円をうかがう情勢となっている。
2.貿易とサービスの収支は1000億ドルの赤字、国際収支の赤字は500億ドルにのぼり、拡大を続けている。
3.消費者物価は20年前に比べ、約三倍になっている。中でもガソリンの値上がりは著しく、1リッター1000円。
4.消費税は12に引き上げられ20%も視野に。所得税は地方税も含めて50%に据え置かれたまま。
5.国家予算は大幅に膨張し、総額307兆円。77兆円の財政赤字は国債発行による借金で補っている。国民一人当たりの国内総生産(GDP)はアメリカの半分、台湾や韓国には抜かれつつある。
6.少子高齢化は一段と進み、地方の山間部は超過疎化している。
7.大陸からの酸性雨などの環境問題は益々厳しい。


以下続く・・・

SIGHT 2008/winterーその3 魚住 昭のインタヴュー

2007-12-24 23:28:27 | 齧り書き
魚住 昭のインタヴュー 表題 国家・官僚・メディア 副題 政治を本当に面白くするには?

このインタヴューは面白い。ここ十数年の検察官僚の動きを鋭く分析している。米国発のグローバリゼーション、規制緩和・構造改革の潮流にあわせて、検察官僚は旧経世会的な、日本型の所得再分配システムを破壊している、というのだ。こうした視点を提示している人は余り居ないのではないか、と思う。
田中角栄事件、リクルート事件、・・・鈴木宗男事件、ライブドア事件、村上ファンド事件、・・・は全てこうした流れの上にのっているのだという。別の表現をすれば、これらは国策捜査だと言うことが出来よう。検察=正義と言うような単純明快な図式が安易に作られ、テレビのワイドショーで宣伝され、強制捜査のダンボール箱に象徴される悪の図式。裁判員制度についても陪審員制度と似て非なる部分があり、警告を発している。

朝日新聞書評委員のお薦めから・・・

2007-12-24 17:23:51 | 齧り書き
毎年の事だと思うが、12月23日の新聞に表記のお薦めが3点X18人掲載されていた。
私が読んで見たいなと恣意的に思った本を列記する。
買いたいと思った本
1.サムライとヤクザー男の来た道(氏家幹人著、チクま新書、819円):野口武彦選
2.勘定奉行荻原重秀の生涯(村井淳志著、集英社新書、735円):野口武彦選
高価なので図書館で借りたいと思った本
3.「結婚式教会」の誕生(五十嵐太郎著、春秋社、1995円):斎藤美奈子選
4.ガイドブック的!観光社会学の歩き方(遠藤英樹著、春風社、2100円):斎藤美奈子選
5.生きさせろ!(雨宮処凛著、大田出版、1360円):香山リカ選
6.極中記(佐藤優著、岩波書店、1995円):柄谷行人選
7.ナショナリズムの由来(大澤真幸著、講談社、5000円):酒井啓子選
8株式会社ロシア 混沌から甦るビジネスシステム(栢(かや)俊彦著、日本経済出版社、1995円):高原明生選
9.滝山コンミューン1974(原武史著、講談社、1785円):重松清選、北田暁大選

読んだら、読書ノートをここに掲載する積りでいます。

サブプライムローン基金の構想破綻

2007-12-23 11:07:05 | 齧り書き
サブプライムローン基金というオカシナ構想があり、どうなるのかな?と思ったら、破綻したらしい。
この朝日ドットコムのヘッドラインが良く書けているので引用すると、「 米国の低所得者向け(サブプライム)住宅ローン問題への対策として、米3大銀行が設立を目指した「サブプライム支援基金」構想が頓挫した。サブプライムショックによる市場の混乱を鎮めることを狙ったが、逆に、効果が不透明な「損失先送り」と不信感を広げた。」
・・・と言うことらしい。

この記事には更に面白い事が書いてあるので、そこも引用すると、「約50億ドル(約5500億円)の融資枠の設定を求められた三菱UFJ、みずほ、三井住友の3メガバンクには「巨額の融資の割に条件があいまい」という戸惑いの声が当初からあった。米大手銀の焦りもうかがえたが、結局、邦銀勢は「株主に説明できない」と断る方針に傾いた。損失への懸念から、自行の株価が急落したことが背中を押した。」
・・・つまり株価で、株主が、銀行の姿勢を、方針をコントロール出来るということを示した一例と言う事だと私は理解したのだが・・・。

サブプライムローン問題は実体経済に益々深刻な影響を与えつつあり、まだまだ底が知れない状態のようである。今後ともこの件は注目して、学習して行きたい。

SIGHT 2008/winterーその2 御厨 貴、上杉 隆のインタビュー

2007-12-21 16:58:02 | 齧り書き
御厨 貴のインタビュー、上杉 隆のインタビューは買って直ぐに読んだ時は面白い見方だな、と感心したが、このところの福田内閣の惨状を見ていると、その政治状況の捉え方の新鮮さは褪せて、現実が遥かに突き進んでいる、と思われる。今日の、12月21日、朝日ドットコムによれば、福田政権の支持率は31%で末期症状に落ち込んでいるそうな。朝日だけの世論調査だから、それほど大騒ぎする事ではないかも知れない。
しかし、年金問題の対応、肝炎問題で対応、などなどで首相としての指導力が見られず、官僚の言いなりになっている印象しかなかった。桝添厚生労働大臣の評判も落ちるところまで落ちたようだ。

・・・と言う訳で、これら二人のインタビューは残念ながら、気の抜けたビールとなってしまった。

SIGHT 2008/winterーその1 巻頭の渋谷陽一の意見

2007-12-09 00:41:27 | 齧り書き
巻頭の渋谷陽一の意見が良い。曰く「・・・なんで大連立が支持されなかったか、まるでわかっていないのである。それは、そんなものは有権者にとって、ひとつも面白くないからに決まっている。そんなことをさせるために、有権者は参院で民主に勝たせたわけではない。今の政治の枠組みでは、どうしようもないからどうにかしろ、と有権者はおもっているのだ。・・・」

良いね、これ!因みにこの巻頭言の題目は 政界再編! 副題は 参院・与野党逆転で政治が面白くなる である。

新聞、TV、週刊誌、月刊誌などなどのマスメディアの退潮には目を覆いたくなるものがある。既成の枠組みではどうにもならなくなっている兆候、現象があらゆる方面に現れて来ているのに、これらをまともに取り上げる事が出来ずに、ただ古い考えから、枠組みから批判している。これは正しい批判ではないだろう、従って、これらのマスメディアはいずれ破綻して、消え去るだろう。

SIGHTはこうした中で政治の世界にリベラルな立場から新しい切り口を読者に提供しているところが有難い、稀有な存在という意味でもある。

但し、長期的に見るならば、政治は上部構造で下部構造たる経済についてもリベラルな立場から発言する事を考える必要がある。最近のサブプライムローン問題に端を発した経済の不安定性はヘッジファンドなどの既成の経済の枠組みからはみ出した部分の活動にその原因があるように見える。

私見であるが、冷戦崩壊以後の激動の政治状況を見ると、それにもかかわらず、政治的には世界全体が破綻することなさそうである。しかし、経済的には世界全体が破綻する要素が、可能性が、はるかに大きいと思う。

ヘッジファンドの金余り現象が原油に投資し、原油価格の騰貴をもたらしている、また、それが有機燃料生産へ跳ね返り、穀物市場の不安定性を引き起こしている、などと言われている。

だからSIGHTさん、渋谷陽一さん、経済の勉強をリベラルにしよう。

ハワード首相(豪州)落選決定

2007-11-26 18:20:26 | 気になる記事
オーストラリアのハワード首相が総選挙で落選したとの報道。これでブッシュ大統領がイラク戦争を始めた当時の首相は全て退任して、残るはブッシュ大統領のみとなったそうな。
次期首相はイラクから軍隊の撤兵を選挙公約に掲げている。日本の給油活動停止もタイムリーと言えるのではないだろうか?

ねじれ国会が本質

2007-11-25 17:28:49 | 気になる話題
一月ほどのブランクが出来てしまった。福田内閣が成立してからも分かり難い現象があれこれ起きつづけているように見えた。暫くは書き込みを休んで考える事にした。

漸く書く気になってきたので始めて見たい。

少し前まで遡ると、参院選挙があり、野党が大勝し、いわゆるねじれ現象が現れた。しかし、安倍内閣は続投を標榜したが、結局は首相の所信表明の直前に安倍首相は辞任した。そして、自民党総裁選挙の中断があり、あれこれの盲動があり、福田首相、福田内閣が実現した。
福田内閣はテロ特措法の継続を実現しようと試みたが、期限切れになり、新テロ特措法の提案を考えている。
福田首相はこの間、11月1日のテロ特措法の期限切れの前後、に小沢民主党代表と複数回会い、特措法の継続に協力などを要請した。他に何を議論したかは私はまだ理解していない。この際大連立などの話があり、小沢代表の辞任表明と撤回があった。
11月16日?に日米会談があったが、記者会見もなく(異例?)帰国。
帰国報告もかねて?11月22日に各党党首と党首会談があり、特措法協力のお願いがあり、各党拒否した。

こうした流れを振り返ってみるとねじれ国会で法案が成立せず、自民党はどのように国会運営をして良いか判らないらしい、と考えるの正しいだろう。安倍首相の時もじたいを打開する知恵もなく、首相に一任し、自爆した、と捉え直そう。実務派の福田首相なら何か新しいことをやって呉れそう、とでも考えたのだろうか?でも新しいアイデアが出ているとは言えないだろう。

ねじれ国会現象は戦後の国会では初めての事なのだろうか?国民の意思表明の結果がこうなったのだから、そこを出発点として、どのように国会運営を行うかを国会で論議すべきだと思う。

この間各メディアもこの新しい事態をそうした観点から取り上げてはいないと思う。私が気づいているのは田中康夫だけがまともに取り上げている。田中康夫の東京ペログリ日記172週刊スパ2007年11月27日号、ここに参考文献あり。

ここらからもう少し読み解いて見たい。

世界の金融不安

2007-10-23 00:02:14 | 気になる記事
G7蔵相・中央銀行総裁会議は金融不安に言及して会議を終えたようだ。その後燻り続けている不安が何時顕在化するのだろうか?これはその予兆なのだろうか?

戦後日本の社会運動ーその2 小熊英二 論座2007.11 80頁

2007-10-12 11:35:03 | 気になる記事
その1では1955年の転換が冷戦構造の顕在化に関係していると述べた。今回のその2では1970年の戦後第二の転換について解説する。

ここらの大熊さんの分析は優れていると思う。私は勿論不勉強なのだが、こうした捉え方をしている読物は私は初めてだ。だからご自分でこの記事を読むことを勧めます。60年安保のあと、中核、革マル、社青同、同解放派、再建ブント、・・・と沢山の新左翼セクトが出来ました、と大熊さん、ええ、私もこの辺りまではこの眼で見ました。これらセクトは既成左翼政党には飽き足らず、激しい街頭デモを繰り返し、消耗して行き、既成左翼政党も急速に影響力を失いました。

1970年7月には華青闘、華僑青年闘争委員会と言う在日華僑青年の団体、批判され新左翼諸派は大きな衝撃を受ける。戦争責任や在日、環境保護、ジェンダーと言った問題が出始めたのはこの事が切っ掛けで、それらが出揃ったのは70年後半の転換期から、と言うのが大熊さんの分析です。

更に分析を進めて、「新しい社会運動」の可能性と限界について外国の例、緑の党、も含めて、議論しています。そしてマジョリティーに訴える言葉を失った左派、塩辛い左翼、と述べています。

この項つづく・・・。

ノーベル化学賞

2007-10-10 22:20:16 | 気になる記事
ノーベル化学賞も発表があり、固体表面での気体との化学反応に関する研究で独のエルトゥル氏が受賞した。この人も92年に日本国際賞(国際科学技術財団)を受賞している。9日発表された物理学賞の2氏も今年、日本国際賞を受けたばかり。同賞の受賞者からノーベル賞が生まれたケースはこれで計6件(受賞者は7人)になった。

またまた目出度い。