押しても駄目なら

風が吹けば、と共に非線型現象の第二例でしょう。

中国「反日運動」ーその3/浙江省東陽市農村の農民暴動

2005-06-18 19:01:27 | きのうきょうの話題
中央公論 2005年7月号特集「対日強硬の中国に潜むリスク」のコピーをとり、読み始めた。最初の記事は「中国を揺るがす農民暴動の連鎖」藤野彰 は一定の説得力がある。2005年4月12日に浙江省東陽市の農村で大規模な農民暴動が起きた。三万人の農民が参加し、数十人の負傷者が出た。芯が出たとの報道もある。大規模な化学工場が当地に進出、操業開始後、汚染物質により土壌の劣化、農作物に被害が出た。農民は地方政府に工場の移転を要請したが、無視された。業を煮やして工場への道路封鎖が三月末にあり、封鎖解除の当局の試みから12日の衝突になった。日本国内ではこの報道はここだけだったのか。

経済優先、環境第二の中央政府方針を受けて、こうした農民暴動は各地で起きているらしい。また水力発電所建設に絡む補償問題が2004年10月に四川省であった。これに類する補償金の未払い額は15億元(195億円)に達すると言う。こうした不利益は民主国家であれば司法に訴えることが可能であるが、三権を共産党が掌握している中国ではそうしたことは出来ない。実力行使こそが残された唯一の道である。従って、農村にあっては環境問題、土地収用問題、収入格差などの問題の適正な処理を行わなければ、暴動や騒乱が増えこそすれ減る事はないだろう。こうした藤野彰の説明を聞くと、黄巾の乱、三国志で読んだ諸反乱などが過去の世界ではなく身近な中国社会現象と思えてくる。

都市部では民工(農村からの出稼ぎ労働者)による反乱があるそうな。原因は低賃金、長時間労働、賃金未払いなどなど。民工は都市部に定住出来なく、いずれ?農村に帰るらしい。ここらも日本で農村から労働者を駆り集めたのと似ている。

こうした内部矛盾を抱えて、表現の自由のない中国で、反日運動が組織化されているらしい。