押しても駄目なら

風が吹けば、と共に非線型現象の第二例でしょう。

原発臨界事故ーその3

2007-03-24 21:44:04 | 気になる記事
原発臨界事故が各電力会社、各発電所で発生していた事とそれらを画していた事が次々に明らかになっている。恐ろしい事だ。これでは北朝鮮の核実験どころではない。国内の原発とそれを扱う責任者の方が恐ろしい存在に思えてくる。

原発臨界事故ーその2

2007-03-19 23:35:03 | 読みちらし
事故隠しが続々明らかになってきた。水力発電の取水量の誤魔化しが既に報じられているが、原発の事故隠しは質的にその影響の大きさは比較にならない。直ちに第三者を入れた、主導する、事故調査委員会を発足させるべきである。

志賀原発で臨界事故/東京新聞

2007-03-15 17:47:38 | 気になる記事
 夕刊各誌に出ているようだが、ネットでは今の段階では東京新聞だけが本件を扱っている。その記事によれば『 経済産業省原子力安全・保安院は15日、北陸電力志賀原発1号機(石川県志賀町)で1999年、定期検査中に89本ある制御棒のうち3本が誤って抜け、炉心の一部で核分裂反応が持続する「臨界」に達し、制御不能のまま約15分間、臨界状態が続く事故があったと発表した。』制御不能の15分間は緊急停止装置が働かず、手動で制御棒を入れた、ということのようである。

 問題は幾つかあるが、電力会社各社が原発のみならず、各種発電装置に関るあれこれのデータを捏造し、偽造し、それらを隠蔽していることである。そうしたことがどれだけ恐ろしい事かは充分承知していながら、敢えて実行するのはどうしてか?何故だろうか?

 これはチャイナシンドローム、チェルノブイリ原発事故の一歩手前と言う完全に制御不能事態の直前であったのだ。

アメリカの終わり フランシス・フクヤマ 講談社 ¥1890-

2007-03-15 17:16:16 | 齧り書き
 原題は America at the Crossroads 直訳すれば、十字路に来たアメリカ 曲り角のアメリカ となるだろうが・・・。真っ直ぐ行くか、右へ曲るか、左へ曲るか・・・。

 前項のSIGHT31 の藤原・酒井対談が書き掛けのままだが、こちらの貸出期限が本日と迫っているので、取り敢えず、こちらを先に仕上げる。内容的にはこの対談と重なっている部分が大きい。但し、立場はお二方とはちょっと違う。でも、それはあれこれの意見があると言うことを知る事がアラブ問題では大切だ、と言う事を学ぶ点で有意義とすべきである。

 さて、ちょっと長いが、F.フクヤマの第一章 原則と分別を喪くした国 の第一節 ネオコンを動かす四つの原則 から引用する。
『 ブッシュ政権一期目に、アメリカは過激派イスラム組織「アルカイダ」による本土攻撃を受け、史上最も被害の大きなテロ事件の犠牲者となった。この前例のない事態に対し、ブッシュ政権はめざましいほどに広範な新政策をもって対応した。
 第一に、国土安全保障省という、まったく新しい連邦機関を創設した。司法当局が国内でテロ行為を犯す恐れのある者たちを取り締まる権限を拡大するため、「愛国者法」を議会で成立させた。第二に、地球の反対側にある内陸国・アフガニスタンに侵攻し、アルカイダをかくまっているタリバン政権を打倒した。第三として、冷戦戦力の中心であった抑止と封じ込めに依存するのではなく、敵地へ乗り込んでいく先制攻撃(実態は予防戦争)の新戦略ドクトリンを打ち出した。第四には、大量破壊兵器を保有する、もしくは保有計画があるという理由でイラクに侵攻し、フセイン政権をなぎ倒した。
 新たな政策のうち最初の二つは、二大政党に促され、国民の圧倒的多数の支持を受けて、「9・11」への対応として不可避のものであった。「愛国者法」の一部は個人の権利を不当に侵害すると批判する人もいたが、世界貿易センタービルと国防省に攻撃を受けた後も、アメリカが本土の安全保障という面で従来通りのんびりしているわけにはいかなかったのは当然だ。
 ただ、広義の先制攻撃ドクトリンの発表とイラク侵攻という後の二つの政策については、「9・11」への対応として当然なものであるとは言いがたい。この二つをさまざまな理由をつけて正当化することは可能だ。だが、これらの政策が特に問題をはらむのは、ブッシュ政権がイラクの体制を転換すること(レジーム・チェンジ)にまるで取り憑かれたかのように固執した背景に、「アメリカ例外主義」により、アメリカ政府にはイラク問題を処理する「権利」だけでなく「義務」もあると暗黙のうちに当然視していた点にある。』
『・・・・イラクとの戦争は短期で決着し、イラクはフセイン後の体制へと比較的楽に移行できるとブッシュ政権は考えていた。戦後再建に伴う数々の問題はほとんど検討しておらず、長期にわたる武装蜂起と戦う事態になってはじめて慌てふためた。』

・・・とブッシュ政権の、あるいはネオコンの、外交政策の誤りについての分析、それらが何に由来するか、などなどが第一章にある。そして一章の終りにはネオコンのみならず、キッシンジャー流現実主義も今の事態に対応できず、「現実主義的ウイルソン主義」がアメリカに必要とされていると述べている。
『 本書は、アメリカが世界と結びつくための「新しい道」を提起するものである。ネオコンでもリアリズムでもない、ジャクソン流ナショナリズムでもリベラル派国際主義でもない道だ。先制攻撃に拠らず、政治経済の発展をアメリカが推進する上における現実的な指針を示すことを目指し、現存するグローバル化の世界に適切に対応する「重層的な多国間主義」へむけた道筋を開くものである』

ここまで来れば、「アメリカの終わり」ではなく、「アメリカの曲り角」の方が内容に近いことが判る。
 英語版は全体で8章だが、日本語版には終章 2006年ーイラク戦争が招いたもの が付け加えられている。ここを読むとなかなか面白い。つまり、8章で展開した予測がその後どうなったか?が書かれている。第一節 予見されていた事態 第二節 予防戦争では核を抑制できない 第三節 ”無傷”で切り抜けた小泉 第四節 イラク侵攻の対価 第五節 新たな核拡散防止体制の確立を

これらの内容のその後は前に取り上げたF.フクヤマX藤原帰一対談で読み取れよう。

「イラクから世界は壊れるのか」藤原帰一X酒井啓子 SIGHTvol.31 spring 2007

2007-03-14 07:00:28 | 齧り書き
 SIGHT Vol.31 spring 2007 を前号に続いて買う。鬱(うつ)の話が特集になっているが、これらの記事はパス。
 面白かった、読み応えのある話題は表記の対談。アルカイダの2001/9/11以来、米国のイラク悪の枢軸国として、大量破壊兵器が存在するとして、単独で攻撃を始めた事の決着は付きそうもない。イラク国内はスンナ(酒井さんはそう呼ぶ、音としてはこちらが正しいのか)派とシーア派との宗派対立は留まるところがないように我々には見える。あるいはそうした報道しか読むことが出来ない。
 そうした不満を私も持っているが、この対談を読むともう少し違った側面があれこれあるらしい。
 私が衝撃的と感じた記述は、話は、民主党が政権を取っても、ヒラリー・クリントンが大統領になっても、対イラク戦争は終らないだろう、と言うクダリ。

 ・・・以下続く・・・。

八百長談議

2007-03-12 22:10:09 | 気になる話題
春場所前に大相撲に八百長があるとかないとか、やれ訴訟問題だとか、賑やかだった。ところが蓋を開けると初日に横綱、大関がバタバタと倒れた。二日目も横綱、大関が股負けた。八百長なしで、真面目にやるとこんな具合だと言わんばかり。また週刊誌が賑わい、売れそう、それを目指して仕掛けているのだ、と言う話も聞いた。

変容 伊藤整 岩波文庫 ¥840-

2007-03-11 11:41:01 | 齧り書き
 黒井千次の本につられて読んだ。この作品は1968年著者が64才の時に書かれた。
 先の黒井千次の紹介もこの本の巻末の中村真一郎の解説も驚嘆と絶賛とにちりばめられている。少し長いが、中村真一郎の解説を引用しよう。
『 この小説は、女性が六十歳を過ぎても充分に性的に活発であり、男性は老年になってもなお、年上の女性に魅力を感ずるという、一般の社会常識では考えられない恐るべき事実を描き出したのである。
 この物語の主人公は、六十歳を過ぎた老歌人の女性と性関係に入り、「銀狐のように白さを点綴したかくしげに包まれたその暗赤色の開口部は異様に猛々しかった」と感想を述べている。また、同じ主人公は、やはり年上の六十歳過ぎの、昔、童貞を捧げた日本舞踊の女師匠とも交渉を生じ、そして「その小柄な丸みを帯びた身体の動きは、蝸牛か栄螺のように強く収斂する体質を思わせた」と、快楽の器官の特徴についても露骨な暗示を口にしている。』
・・・
『 しかし、1983年の現在、文庫に収めるに当って読み返した私は、ちょうど、作者がこの作品を刊行した年齢、六十四歳となっていて、そして最初に読んだ十五年前のような衝撃は全く感じなかった。ここに描かれている老人の性の実態は我が身に引き比べて、少なくとも意識のうえではなんらの異常時でもないこと、言わばこの年齢の男女の実情を描いたものに過ぎないと言う感想を持った。ただ、従来、こうした人生の面には文学は比較的光線を与えることが少なく、そして老人は長く生きて来た世間智によって、その欲望を覆いかくすことを知っているために、社会の表面に目立たないだけである、ということを、現在の私は認識している。』

 読んで面白かったが、日本舞踊の女師匠との長い寝物語などは何となくLady Chatterlay's Lover を髣髴とさせ、ちょっと違和感を感じた。

老いるということ 黒井千次 講談社現代新書 ¥756-

2007-03-10 16:28:52 | 齧り書き
 NHKラジオ講座「こころをよむ」シリーズの「老いるということ」のテキストを加筆修正したもの。
 言わば、黒井千次の知力の及ぶ古今東西の文学書(映画、演劇を含む)を渉猟し、14章にまとめた。
 彼も、私も・・・、原日本男児だから連れ合いを当てに生きている面が大いにある。例えば、耕治人の晩年三部作で妻の認知症発症に苦しむあたりの取り上げ方にそうした身勝手さを容認する姿勢が見えるのが面白い。
 伊藤整の「変容」をいささかの羨望の眼差しで紹介しているのも面白い。しかし、いずれにしと死に際には本人のみならず、周囲に様々な迷惑、椿事、・・・がそれぞれの時代にそれぞれの形で生起しているのだ。

読み返したら、これではちょっと無愛想なので、どんな本を扱っているかを拾い書きしておこう。
第2章 古代ローマの老い  キケロー「老年について」
第3章 二十世紀イギリスの老い  E.M.フォスター「老年について」
第4章 老いの伝承  深沢七郎「楢山節考」
第5章 老いと時間  「ドライビング・ミス・デイジー」映画・演劇
・・・
第9章 老いと病  耕治人「晩年の三部作」
・・・
第12章 老いと性 伊藤整「変容」
・・・
第14章 老いのまとめ

この本を読んで元気は出なかった・・・。

海上の道 柳田國男 岩波文庫ワイド版

2007-03-01 11:04:17 | 齧り書き
この本は図書館で借りて、一月の下旬に読んで、手帳に感想をメモしたのだが、ブログ文字日記には書き込んでいなかった。これもボケの一つか。

 この本には海上の道の他に八つの話題が書かれている。それぞれ面白いが、やはり海上の道に気合が入っている。最後の、知りたいと思うこと二三、も面白い。用語は専門的ではなく、あれこれの独自のアイデアが詰まっている。買いたいとおもう。

同じ頃、折口信夫『日琉語族論』を借りて読んだが、こちらは専門用語が多く、それらを理解してからでないと、読めないことが判って、諦めた。