押しても駄目なら

風が吹けば、と共に非線型現象の第二例でしょう。

古賀夏雄 北之口太 アエラ 2008.2.4 p58 朝日新聞

2008-02-24 02:53:03 | 齧り書き
二月四日号のアエラはウォール街金融マンの悲鳴、「損失100兆円説」米国不況が襲う、などの記事を読もうと買ったのだが、この古賀夏雄の記事を読んで驚かされた。ヘッドラインに右翼史最後の生き証人とあり、つづいて、昨年11月、自民党と民主党の間で画策され破綻した大連立構想。(フィクサー)政治の再来を思わせたこの政変劇に、「時代がボス政治に逆行することはない」と言う一人の人物がいた。・・・と一気に読まされてしまった。
私がこの記事で腑に落ちた話は「君が総理になるんだよ」村山は玄関で伝えられた、と言う見出しで始まる話。・・・村山元総理が筆者に次のように語ったそうな。「94年5月30日(総理就任の日)の早朝に社会党本部に出勤するとね、玄関で古賀先輩(村山富一も古賀夏雄も明治出身)に呼び止められてね。『今日の国会で君が総理になるんだよ。自民さ(魁)はまとめたからそのつもりでいるように』と言われたのには心底驚いたよ」。

村山政権が何をやったのか、の総括が私の知る所では殆んどないのが、気になっているのだが、それは大切な事だ、その切欠はこんなフィクサーの動きがあったのか!とある意味で納得した。

この記事の最後の段落の前に、「軍部独裁の登場内閣と小泉内閣以外のすべての内閣は、国会に法案が上程される以前に与野党間の談合で法案の成否を隠密裏に決めていました。ここに、政官財界の利害調整役としての四元(義隆)のような人物が暗躍する隙間があったのです」と古賀は述べているそうな。

その他色々面白い、他では見られない記述がある。因みに、この人の名前をググルっても、このアエラの記事しか出て来ない。

期待と回想 朝日新聞社 鶴見俊輔 ¥1,365(税込)

2008-02-22 07:08:00 | 齧り書き
本屋の書棚で見つけた。鶴見俊輔の著作集を三人の読者?、北沢恒彦、塩沢由典、小笠原信夫の三氏が呼んで、主題ごとに鶴見俊輔に質問をぶつけ著者の反応の記録である、これは著者の前書き風の説明。これら三氏が良き読者か、問題点を上手く引き出しているか、などは私には未だ分らない。しかし読んでいて、著作集をひも解いてみたいと思った事は確かである。

実際図書館へ行き、著作集が普通の分類書棚とは別に、ずらりと12巻並んでいる中から、勝手に面白そうな巻を引き抜いて、この期待と回想を拾い読みしながら、著作集を随時広げて、あちらを読み、こちらを読み、と期待と回想をガイドブックのようにして著作集を読んでいる事になる。これはなかなか楽しい。著者の多面的、複眼的な視点が良く見えてくるように思える。

今日のような道筋の分らない世の中には得がたい著書、意見、考え方を知る事が出来る。例えば、雑誌「思想の科学」のはじめる段階で武谷三男が「(日本)共産党にひきまわされない雑誌が一つあってもいいんじゃないか」と述べたとある。この雑誌の創刊は1946年5月である。こうした議論が交わされたのはその前と考えて良いだろう。けだし卓見と言うべきだろう。