押しても駄目なら

風が吹けば、と共に非線型現象の第二例でしょう。

松井教授の講演を聞く

2007-02-23 18:26:18 | 齧り書き
偶々先週松井孝典教授の二時間の講演を聞く機会があった。とても面白かった。読んでから話を聞いた事になるが、自分の読み方がいいかけんと言うか読みが浅いと痛感した。
松井教授の東大駒場講義録<は購入してあったので、パラパラと読み直した。講演で成程とか、そんな事書いてあったかな?といった部分を探して読み直す、と言う具合である。その結果、一番面白い、最も大切だと思ったのは3時間目の「文明とは何かー地球システム論」である。
少し具体的に書くと、
1.人間圏を作って生きる。図4は最近40万年の気候の変化を表し、それによれば過去1万年は気温が現在と同じで、安定している事がグリーンランドの氷の堆積を調べて、酸素の同位体の存在比から推定した、分った。その時期から農耕が始まっている。
2.おばあさん仮説。これについては前回説明した。高橋真理子の記事を補足する。石原都知事のどうしようもない馬鹿さ加減。
3.言語と共同幻想。言語の発達が前項の1.2.と共に大切で、言語の発達が意思の疎通を図ることを可能にし、また、こうして会話が生まれ、脳の中に抽象概念、共同幻想、が形成されるようになった。共同幻想を共有する小集団、集団が形成されるようになった。
これら三つの要素があり、文明が形成されて来たと松井教授は考えるのである。しかし、
4.共同幻想の破綻と未来、と言う項目ではいずれ共同幻想は破綻し、我々は新たな共同幻想を構築しなければならなくなる。もっとも近い破綻は2020年頃と予想される、食料の生産と消費とのアンバランスで、消費に追いつかなくなる事が予想されているそうです。こうなると食料をお金で買えなくなる。お金さえあればなんでも買える、と言う共同幻想が破綻する訳です。
このことを真剣に考えなければならないのだと、松井教授。新たな共同幻想の構築を・・・。

ところで、共同幻想論、吉本隆明と言う本が昔流行った。全共闘世代のある種のバイブルだったように記憶する。図書館で探して、単行本があり、文庫本は貸し出し中、パラパラと読んだが、難しい。いずれ文庫本を借りて、読もう。

中国、アフリカの批判に苦心 日経2/16/2007

2007-02-18 01:06:37 | 気になる記事
この日経の記事は署名入りで、国際部村山宏、書かれている。胡錦濤中国国家主席が二月にアフリカ八カ国を歴訪した。中国アフリカ関係の専門家によれば、従来と違ってアフリカ諸国は中国を新しい世界パワー。経済的な脅威ととらえている。第三世界同士の連帯と言う呼びかけが現実とずれてきたことを今回の訪問で胡主席は感じたかも知れない、とある。

六カ国協議ーその後-1

2007-02-16 17:14:01 | 気になる記事
朝鮮日報によると、ベルリンにおける北朝鮮・米国の二カ国協議以後の米国政府の姿勢に対し、保守派/ネオコンの批判が噴出しているそうな。長くなるが、引用すると
『・・・同様に保守系シンクタンクのヘリテージ財団や米エンタープライズ研究所(AEI)も、ホームページ全面に掲載している文章を通じ、北朝鮮との核取引を強く批判している。

 これらの主張の核心は「この程度とはいえ、北朝鮮を交渉の場に引き出せたのは強力な圧力のおかげだった。それなのに、金融制裁やテロ支援国家の指定、敵国通商法の適用など、米国が北朝鮮を動かす上で最も強力なテコとなる措置をなぜ解除してしまうのか」というものだ。

 また、コンドリーザ・ライス米国務長官やクリストファー・ヒル米国務次官補が核拡散問題の専門家らに相談もせず、ブッシュ大統領と直接やりとりし、交渉を主導した点も多くの批判を受けている。』

「核」で変わる新時代外交と言う記事を佐藤優が宝島2007年3月号に書いている。この記事は最近の六カ国協議以前だが、論点その1は山崎拓氏が北朝鮮へ出掛けたのは良かった。外交チャンネルはこうした混乱した、緊張状態では複数持っていることは大切である。その2は北朝鮮対策には常駐機関をおくことが大切。その3は北朝鮮を内部から自壊させる「モノとカネ」・・・。ここの説明は難しい、ソ連が「モノとカネ」で自壊してゆく過程をつぶさに見た経験から彼独自の見解・意見を展開している、面白い!これは買って読む価値がある、この部分の立ち読みでも良い。佐藤優は更に独自理論を展開して、東アジア情勢と中東情勢の絡み合い・リンクが大切であると説く。イランとの関係、イラン核開発絡み、において日本は存在感を世界に示せる、との説、面白い。

追加:田中秀征の意見はここ

六カ国協議/北朝鮮と米国の二国間協議

2007-02-13 00:43:07 | 気になる記事
 六カ国協議が今回もなかなか進展しない。その前に北朝鮮と米国がベルリンで二国間協議をしていた。そもそも北朝鮮がこの二国間協議を主張し、米国は拒否して来た。どういう理由か知らないが、核実験があったからか、ベルリンで行われた。それらを踏まえて、今回の六カ国協議だと思うが・・・。
 以前に藤原帰一のアジアでは冷戦が終っていない、との説・解釈を紹介した。中国との国交回復(周恩来とキッシンジャー)はその場の権謀術数であって、本質的解決になっていない、と言う意味である。
 今回の北朝鮮対策、中国を含む対応策を見ているとその場の権謀術数にもなっていないように思える。米国にとってはイラクの泥沼の方が重要課題でしかもイランの核開発問題も絡んで、ますます困難の度合いを増している。
 欧州では冷戦が解決した・・・、が藤原帰一説であるが、EUが、そうしたことを背景の一つとしてか、あれこれの難題を解決しつつ前進しているように見える。

 さて、そもそも六カ国協議であるが、日本としては、米国の場当り権謀術数の短期対応策にどこまで付き合うのか、考えなければならない。拉致解決一本やりはこの短期対応策とタイミングとしては合っているように思える。もう少し長期的な視点に立つべきであろう。藤原帰一先生の本をもう一度読み返して、外交リアリストの視点に立ち返ろう。

山の音 川端康成 新潮文庫

2007-02-07 00:10:19 | 齧り書き
山の音を読んだ。雪国の主人公稲村だったか、よりはこの主人公尾形信吾の方が生き様がハッキリしている。息子の修一も戦争へ出掛けて、その後遺症を受けている。その妻も然り、修一の愛人も然り。信吾は初老の域に入り、人生の終りが近づくのを肌で感じている節がある。妻の姉に描く思慕、息子の嫁に対する想い。吉本隆明の言う浸透力なのだろう。この小説の方が遥かに各登場人物の浸透力を巧みに書き分けている、と思う。

補足1
 雪国と山の音との表現の差は時代背景の違いが大きいのだろう、と後で思った。雪国1937年?で中国で戦火が激しくなる前、山の音は1952年?で敗戦後。山の音新潮文庫版には山本健吉の解説があったが、この小説は私はある意味で川端の反戦思想が込められていると思う、山本健吉はそんなことは解説していないが・・・。

続いて「されど我らが日々」柴田翔を読むことにする。

愛知県知事選挙

2007-02-05 23:56:26 | 気になる記事
◇愛知県知事選開票終了

当1424761 神田 真秋 無現【自】【公】
 1355713 石田 芳弘 無新【民】【社】【由】
  160827 阿部 精六 無新【共】

共産党が民主、社民等と共闘していれば、単純な足し算でも150万票を越えて、自公共闘を破る事は出来た。政党としては素人が考えるように簡単には共闘出来ない理由は多々あるだろうが、ここまで来ると、「健全な野党」とは自公があっての野党なのですね。自公を勝たせたいのですね、と思いたくなる。共産党シンパの知人が居るが、こうした話をすると新興宗教のような論理、理屈を超えた話になり、議論ではなく、信仰の話になって、先へは進めなくなる。困った事だ。
宮崎県知事選挙の時市田共産党書記局長が語っていたが、半数近い党支持者が東国原候補に投票したとあった。今回も多分そうした事態が起こっているのだろうと想像する。正に政党離れだ。