はじがきに依ると、著者は党中央文献研究室委員、周恩来生涯研究小組長を務め、中国国内で周恩来と文革を多年にわたって研究してきた。中国を出国する以前に国内の公式出版物である『周恩来年譜』、『周恩来伝』、『毛沢東伝』の文革部分を執筆した。・・・
一方、筆者は1989年に学生たちが起こした天安門事件(愛国民主運動)に理解を示し、支持したため、事件後に審査を受けて処分され、いまは米国に住んでいる。・・・
文革期、周恩来は自分の政治上の晩節を汚さないため、文革を推進する役割を演じ、仲間に迎合し、毛沢東に追従して心にもないことをした。保身のために毛沢東に対しては隠忍自重し、内心では人知れね悲しみ苦しみ、そして空しさを抱えつつ、その政治哲学、品格、手腕そして個人的素質の中に潜むすべてをことごとく使い尽くした。・・・周恩来が生前、死後に数多い毀誉褒貶を受けたのもまた、この時代に根ざすものである。
上巻をパラパラと読んだところで貸し出し期限が来た、残念。ある時期までは周恩来は紅軍で毛沢東より上の地位を占めていた、と初めて知った。毛沢東の長期的見通し、深い思考力、権謀術数などなどによって、地位は逆転し、国家主席につき、周恩来は首相として実務を執行するようになった。あれこれの人物、劉少奇、林彪、などなど、が出現し、それぞれの野望、思想、権力に基づき行動し、敗れてゆく。まるで三国志を読むようだ。そうした物語的な面白さが横溢している。
その一方、コミンテルンによるソ連、スターリンとの確執、これには日本共産党も被害を受けた、党内でのその分派との戦いなども書かれている。これを読んでいる時に宮本顕治が死んだ。宮本賢治についてもこうした今だから話そう、のような文書が出てくるのだろうが。
また改めて読んでみたい。
一方、筆者は1989年に学生たちが起こした天安門事件(愛国民主運動)に理解を示し、支持したため、事件後に審査を受けて処分され、いまは米国に住んでいる。・・・
文革期、周恩来は自分の政治上の晩節を汚さないため、文革を推進する役割を演じ、仲間に迎合し、毛沢東に追従して心にもないことをした。保身のために毛沢東に対しては隠忍自重し、内心では人知れね悲しみ苦しみ、そして空しさを抱えつつ、その政治哲学、品格、手腕そして個人的素質の中に潜むすべてをことごとく使い尽くした。・・・周恩来が生前、死後に数多い毀誉褒貶を受けたのもまた、この時代に根ざすものである。
上巻をパラパラと読んだところで貸し出し期限が来た、残念。ある時期までは周恩来は紅軍で毛沢東より上の地位を占めていた、と初めて知った。毛沢東の長期的見通し、深い思考力、権謀術数などなどによって、地位は逆転し、国家主席につき、周恩来は首相として実務を執行するようになった。あれこれの人物、劉少奇、林彪、などなど、が出現し、それぞれの野望、思想、権力に基づき行動し、敗れてゆく。まるで三国志を読むようだ。そうした物語的な面白さが横溢している。
その一方、コミンテルンによるソ連、スターリンとの確執、これには日本共産党も被害を受けた、党内でのその分派との戦いなども書かれている。これを読んでいる時に宮本顕治が死んだ。宮本賢治についてもこうした今だから話そう、のような文書が出てくるのだろうが。
また改めて読んでみたい。