NHKの海老沢体制は、内部告発をきっかけとして、本人の辞職で一旦納まるかと見えた。しかし、橋本新体制が、旧幹部三名を顧問に委嘱するという、トンデモないことが起こり、膿の深さを見せ始めている。この一連の茶番劇を見ていて、奇妙な、表面的な類似性に気づいた。
奥村 宏の法人資本主義の構造の簡単な紹介をした折の文章を再度引用する。
中略
「・・・いわんや会社のために命を捧げるようなことは人間にはできない。会社本位主義はそれを徹底させれば必ずそれに反逆する人、そっぽを向く人がでてくる。
会社人間からの離脱はまず転職と言う形であらわれ、そして若者が契約社員や、あるいはフリーターなどという形で会社にしばられるのを嫌うようになる。そして不況のために、終身雇用をタテマエにしていた会社が希望退職や出向などという形で事実上の首切りをする。これに対して労働組合は有効な対策がとれない。そこで従業員の組合離れが起こり、労働組合の組織率が低下する。企業別組合は形の上では残っているが、空洞化していく。
そういうなかでは従業員による内部告発がつぎつぎと出てくる。会社の不正行為を外部に告発するなどということは会社本位主義のもとでは考えられなかったことだが、それが続発することになり、社会もそれを歓迎するようになった。
バブル崩壊後、銀行の不正融資、証券スキャンダル、総会屋スキャンダル、欠陥車かくし、原子力発電所の事故かくし、牛肉偽装事件などつぎつぎと企業不祥事が起ったが、そのかなりのものは従業員や関係者による内部告発で表面化したものであった。」
株式会社が陥る崩壊の初期現象との奇妙な類似性に気づいたのである。内部告発に端を発して、会社の不正行為を外部に告発する。しかし、会社側はその本質が理解できずにその場のごまかしを積み重ねる。
NHKは株式会社ではない。しかし、組織形態としては、株式会社が陥る崩壊過程を同じように追尾しているように見える。私がこのサイトで基調テーマとしている非線型現象論に引き戻して考えると、それは自己形成過程のように見える。私の直感であるが、奥村宏が株式会社に見出した法人資本主義という概念は意外にに普遍的で、別の組織にも同じような現象が起っているのかも知れない。
更に想像を逞しくすると、政党組織、国家組織にもこうした概念が当てはまるのではないか、が私の妄想である。政党組織で言えば、社会主義運動、共産主義運動等などには内部告発から、内部抗争、派閥抗争などなど幾らでも見られる。しかし、組織の崩壊まではなかなか進まない場合が多い。
国家について考えると、明治以来の日本帝国は形態として法人資本主義だったのではないか、と思いついた。これは奥村宏の本をもっと読み続けなければいけないし、なぜ日本があのような無謀な戦争に突き進み、国内で何百万人、アジアでも何百万人、こちらのほうが多い、の軍人非軍人を殺すようなことをしたかを学習しなければならない。
次には、米国も中国も似たような法人資本主義の悪弊に陥る可能性があることも指摘しておきたい。詳しくは今後の学習の課題である。
しかし、一部のアラブ、古くからのアラブ、石油資本による近代化されていないアラブ、はこうした法人資本主義原理とは違った概念で運動しているようだ。これも学習課題。
こうした類似性を見出すには単語相関調査をすればまず手っ取り早くは見つかるような気がする。もっと賢くやるには、デジタルデータ―をつかまえて、計算機で相関を取ると言うやり方だろう。これを大規模にやっているのが、エシュロンである。
奥村 宏の法人資本主義の構造の簡単な紹介をした折の文章を再度引用する。
中略
「・・・いわんや会社のために命を捧げるようなことは人間にはできない。会社本位主義はそれを徹底させれば必ずそれに反逆する人、そっぽを向く人がでてくる。
会社人間からの離脱はまず転職と言う形であらわれ、そして若者が契約社員や、あるいはフリーターなどという形で会社にしばられるのを嫌うようになる。そして不況のために、終身雇用をタテマエにしていた会社が希望退職や出向などという形で事実上の首切りをする。これに対して労働組合は有効な対策がとれない。そこで従業員の組合離れが起こり、労働組合の組織率が低下する。企業別組合は形の上では残っているが、空洞化していく。
そういうなかでは従業員による内部告発がつぎつぎと出てくる。会社の不正行為を外部に告発するなどということは会社本位主義のもとでは考えられなかったことだが、それが続発することになり、社会もそれを歓迎するようになった。
バブル崩壊後、銀行の不正融資、証券スキャンダル、総会屋スキャンダル、欠陥車かくし、原子力発電所の事故かくし、牛肉偽装事件などつぎつぎと企業不祥事が起ったが、そのかなりのものは従業員や関係者による内部告発で表面化したものであった。」
株式会社が陥る崩壊の初期現象との奇妙な類似性に気づいたのである。内部告発に端を発して、会社の不正行為を外部に告発する。しかし、会社側はその本質が理解できずにその場のごまかしを積み重ねる。
NHKは株式会社ではない。しかし、組織形態としては、株式会社が陥る崩壊過程を同じように追尾しているように見える。私がこのサイトで基調テーマとしている非線型現象論に引き戻して考えると、それは自己形成過程のように見える。私の直感であるが、奥村宏が株式会社に見出した法人資本主義という概念は意外にに普遍的で、別の組織にも同じような現象が起っているのかも知れない。
更に想像を逞しくすると、政党組織、国家組織にもこうした概念が当てはまるのではないか、が私の妄想である。政党組織で言えば、社会主義運動、共産主義運動等などには内部告発から、内部抗争、派閥抗争などなど幾らでも見られる。しかし、組織の崩壊まではなかなか進まない場合が多い。
国家について考えると、明治以来の日本帝国は形態として法人資本主義だったのではないか、と思いついた。これは奥村宏の本をもっと読み続けなければいけないし、なぜ日本があのような無謀な戦争に突き進み、国内で何百万人、アジアでも何百万人、こちらのほうが多い、の軍人非軍人を殺すようなことをしたかを学習しなければならない。
次には、米国も中国も似たような法人資本主義の悪弊に陥る可能性があることも指摘しておきたい。詳しくは今後の学習の課題である。
しかし、一部のアラブ、古くからのアラブ、石油資本による近代化されていないアラブ、はこうした法人資本主義原理とは違った概念で運動しているようだ。これも学習課題。
こうした類似性を見出すには単語相関調査をすればまず手っ取り早くは見つかるような気がする。もっと賢くやるには、デジタルデータ―をつかまえて、計算機で相関を取ると言うやり方だろう。これを大規模にやっているのが、エシュロンである。