押しても駄目なら

風が吹けば、と共に非線型現象の第二例でしょう。

期待と回想 朝日新聞社 鶴見俊輔 ¥1,365(税込)

2008-02-22 07:08:00 | 齧り書き
本屋の書棚で見つけた。鶴見俊輔の著作集を三人の読者?、北沢恒彦、塩沢由典、小笠原信夫の三氏が呼んで、主題ごとに鶴見俊輔に質問をぶつけ著者の反応の記録である、これは著者の前書き風の説明。これら三氏が良き読者か、問題点を上手く引き出しているか、などは私には未だ分らない。しかし読んでいて、著作集をひも解いてみたいと思った事は確かである。

実際図書館へ行き、著作集が普通の分類書棚とは別に、ずらりと12巻並んでいる中から、勝手に面白そうな巻を引き抜いて、この期待と回想を拾い読みしながら、著作集を随時広げて、あちらを読み、こちらを読み、と期待と回想をガイドブックのようにして著作集を読んでいる事になる。これはなかなか楽しい。著者の多面的、複眼的な視点が良く見えてくるように思える。

今日のような道筋の分らない世の中には得がたい著書、意見、考え方を知る事が出来る。例えば、雑誌「思想の科学」のはじめる段階で武谷三男が「(日本)共産党にひきまわされない雑誌が一つあってもいいんじゃないか」と述べたとある。この雑誌の創刊は1946年5月である。こうした議論が交わされたのはその前と考えて良いだろう。けだし卓見と言うべきだろう。


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