本書は、ソポクレス作品、しかもオイディープスにまつわる3作を所収しています。
自分の呪わしい運命を知る「オイディープス王」、彷徨った後に死を迎える「コローノスのオイディプース」、その後の娘アンティゴネーの悲劇「アンティゴネー」。
悲劇の一族の物語を時系列に沿って並べてみるとこの順ですが、作品自体の成立年代は、「アンティゴネー」が一番先で、次に「オイディプース王」、そして老年の作とされるのが「コローノスのオイディプース」。
この3作は、一つの一族を扱った戯曲ではありますが、どの作品もそれぞれ違う性質をもっています。 . . . 本文を読む