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月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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タラゼド・3

2018-01-16 04:15:25 | 詩集・瑠璃の籠

子供は時に
なんで自分を産んだのかと
親を責めることがあるが
それは決して言わぬほうが良い

自分がこんなに愚かなのも
自分がこんなに悪いことばかりするのも
何もかも
こんな自分を作った神のせいなのだと
そんなことを言えば
おまえは決死の権力を神に渡すことになる

すべては神の責任だとするなら
神には
おまえを消去する権利を実行することも
できるのだ
そんなにいやなら
おまえを無に帰そうかと

できないこととは思わないほうが良い
だれも決してやろうとはしないが

存在するということが
どのように美しい幸福であるかを
若い者たちはまだ知らない
それゆえに時に
未熟さゆえのあることの苦しさを
親のせいにしたがるのだが
それは決してやってはならない
一度や二度は言ったことがあるだろうが
必ず取り消しなさい

自分などいないほうがいいのだと
みなに言っているようなものだ
それならばと
おまえを消しに来る人間も出てくるのだ

今は苦しくとも
必ずわかるときがくる
なぜ神が自分を作ってくださったのか
それを知る時
おまえはその幸福のあまりの愉悦に
しびれるほど感動するだろう
そして
なにもかもを自分でやり始めるだろう

なぜ自分を産んだのか
言った覚えのあるものは
必ず取り消しなさい




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