あなたがたが守らなければならないと
思っているものは
本当は実にくだらないものです
人に嫉妬して
人を馬鹿にし始めた時の
とるにたらない
小さな苦いことだったりするのです
あのときわたしは
あの人が着ていた
赤いシャツがうらやましかったのだ
たったそれだけのことで
あの人を
すべてだめにしてしまったのだ
あなたが
誰にも知られたくない
永遠に隠しておきたいことは
たったそれくらいのことだったのだ
わたしも
あの人のような
きれいな赤いシャツが欲しかったのだと
どんなに言い訳しても
いいことになるはずのない
恥ずかしい事実を隠すために
あなたは永遠に
自分に泥を塗っていくつもりなのか
いい加減にやめないか
もう何を塗っても
本当のことは隠せはしないというのに
きわどいことを何度も繰り返して
必死に守ろうとしていたものが
お尻から生えた醜いしっぽのように
みなの前に垂れさがっているというのに
まだ守るつもりなのか
永遠に逃げるつもりなのか
そんなものなどすべて捨てなさい
守れば守るほど
あなたの中の矛盾の傷から
黒い血が噴き出てくる
一切を認めて
なにもかもを最初からやり直すのだ
それでなければあなたは
守っているものに食われて
あなたではないものになってしまうのだ