月があまりにも
美しい女だったので
馬鹿な女はみんなで殺し
その美貌を盗んだ
顔を正確に写しとり
目付きと表情をまねした
何も盗んでいないよという顔をして
汚いことをしておきながら
平気で心優しい美女の振りをした
そういう女たちが
あまりにひどかったので
神が顔をそむけた
もう二度とあんなものなど
見たくはない
それで
美女の顔をした女が
まるごと馬鹿になったのだ
人間ではないものになり
妖怪のような
醜いものに落ちた
獣よりもひどい顔をしていることが
すべての男にばれた
人の顔を真似すること以外
何もできない馬鹿女は
ずるをすることさえできず
ばらばらになり
辻をさまよい始める
馬鹿な男の袖をひき
セックスをするから金をくれと
言うようになる
それくらいしか能がないからだ
愚か者め
美人を殺して
美人を盗んできた
それくらいしかやって来なかった
馬鹿女はこうして
奈落に落ちる
どうしようもない自分に
眩むようになるまで
延々と苦しみ続ける