今さら何がわかっても遅いが
人間の馬鹿男は
何もいいことをしないうちから
高い美女を見すぎたのだ
その美しさに呆然とし
心を見失い
狂ったのだ
あれが欲しいと
あれが自分のものでなければおかしいと
自分の中で暴れる
暴虐の獣に逆らえなかったのだ
愚か者め
できることならすべて救いたいと
神の使命を帯びて活動していた
ひとりの天使の人生を
それですべて焼却してしまった
あとかたもなきまで
消してしまった
愚か者の暴虐とは
かくも馬鹿らしいのだ
女が自分の思い通りにならないというだけで
あられもない狂い方をし
世界中に恥をさらしたあげくに
自分の破滅の入り口を大きく空ける
戻ってこれはしないところへ
総勢で落ちねばならない
ガラスの船の中で
なにもかもをやってしまった
逃げることすらできぬのに
逃げるところを探している
もうこの世界には
おまえを全く知らない人間がいるところは
ないのだ
どこへ行こうとも
指を刺されて言われるだろう
あれが
人類を破滅させた馬鹿だと
女が欲しいだけのために狂って
すべてをだいなしにしたやつだと