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月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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トリアングルム・5

2017-05-25 04:15:26 | 詩集・瑠璃の籠

傲慢と無知が
一つの器に溶けあえば
それは奇妙な芋虫になる

何も知らないうちから
馬鹿なことをしすぎ
おかしな罪を犯しすぎたものは
だんだんと
人間の姿を保てなくなるのだ

手も足も
不思議に溶けていき
まるで芋虫のような形になる
それは
永遠に蝶になることはできない
芋虫なのである

そのようにして
人間を落ち果ててしまったものは
人間世界をでてゆき
シジフォスの荒野の横を通り過ぎ
砂流でできた
おそろしく不思議な
大樹に登らねばならぬ

世界樹という言葉に
匹敵するほどそれは大きいが
そのように豊かなものではない
不思議に美しいが
かつておまえたちが見たこともないものだ

おまえたちはその木に登り
不思議な時の葉を食べながら
その木に月の花が咲くまで
永遠に近い時を
その木に巣くう芋虫として
生きてゆかねばならぬ

わずかな知恵を巨大なものと思いこみ
神よりも自分が偉いと思い込んで
馬鹿なことをしすぎると
人間はそういうものになるのだ
ゆえに
おごり高ぶってはならぬ
怠けてはならぬ

励め
いそしめ
美しうなれ

あほうになりすぎた人間は
神がなんとかしてやる
だが
いいことがわかるようになるまでは
えらいことをしてはならないと
それだけは勉強せよ




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