ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

助産所の安全性確保についての議論

2007年03月15日 | 出産・育児

****** 共同通信社、2007年3月15日

助産所「安全確保に限界」 妊婦死亡も、産科医会調査

 日本産婦人科医会が、2005年に助産所から高度医療施設に妊婦が緊急搬送された全国の計247事例を調べたところ、妊婦1人と新生児4人が死亡するなど、深刻な結果に至った例が含まれていることが15日分かった。

 分析した久保隆彦・国立成育医療センター産科医長は「助産所が本来、正常な出産だけを補助する場であることを考えればこの数は多い」と指摘。すべての出産にはリスクが伴うため「医療機関と切り離された助産所での安全確保には限界がある。病院内の設置が望ましい」と話している。

 調査には、全国の総合周産期母子医療センターや大学病院など地域の中核施設475カ所が、経験した緊急搬送例について回答。死亡例以外では母親1人に後遺症がみられたほか、長期入院が必要になったのが母親22人、新生児が36人いたことも分かった。

 背景について同医会は「助産所の多くはカルテに当たる『助産録』の記載が不十分で、状態が悪化し唐突に高度施設を頼っている」と分析。半面、本当に緊急処置が必要だったのは、搬送事例の約3割にとどまり「(緊急時の対応について判断すべき)嘱託医が機能していなかった」とした。

 助産所を利用する人は年間約1万人で、出産全体の1%ほど。専門家によると、助産所からの緊急搬送は年間700件程度。全国平均では妊産婦死亡が1万6000人に1人、新生児死亡は667人に1人とされる。

(共同通信社、2007年3月15日)

****** コメント:

ここ2~3日、当ブログのコメント欄でも、この話題で議論が沸騰してます。かなり以前の記事に対するコメント欄なので、本日の記事に引用させていただきます。

【以下、本ブログのコメント欄より引用】

助産院で産みました。ローリスクで近くに大きな病院も提携していたので不安はありませんでした。
助産院を問題視する人の中には「助産院は産科医と離れているから、なにかあった時に対処できない」と言います。
が、しかし、急変してから緊急帝王切開が行われるまでに、病院であろうと助産院であろうと、30分程度は時間がかかります。
助産院で急変が起きても、要は搬送の間にその準備をしてもらえば同じように急変から30分で手術は受けられます。
助産院で産む人が多くなれば、多くの人は病院のお出産に関して一切、医者の手をわずらわせることみなくなるし、本当に医者が必要な人がたらいまわしにされることなく、病院にかかれると思います。
また、必要な人だけに立ち会うことによって、医者はゆっくりと休養をとることができるし、助産院の助産師はつききりで産婦に寄り添うことができます。病院は忙しいから、一晩、ナースコールを持たされただけでほっとかれた、というようなことは本来危険なことだし、またそれに対して「病院は忙しいんだから仕方ない」というような風潮も、危険なことだと思います。
これで死亡事故が起きても、遺族は納得できないでしょう。最大限、努力してなお、助からなかった、ということとは違うのですから。
本来必要のないローリスクの妊婦が病院で産むことで、医者は休めない、助産師も医者も一人をゆっくり観察できない、本当に急変した患者がたらいまわしにされる、というまったく非合理的な今の状況はなんとかするべきだと思います。

何か事が起こってから母体搬送すれば、あとは病院が何とかしてくれる筈という考え方では、今後、絶対にやっていけないと思います。

他の施設からの母体搬送例で、急変から30分以内に帝王切開をするのは絶対に不可能です。

急変から病院到着までにすでに30以上経過していますし、病院に到着後に母児の状態を診察し、手術の必要があると診断してから、術前検査を実施し、検査結果がすべて出そろってから、初めて手術室に入室が可能となります。手術室入室後に麻酔導入に30分程度はかかります。

どんなに条件が整っていても、急変から手術開始までに2時間以上はかかってしまいます。

常位胎盤早期剥離、弛緩出血による出血性ショック、産科DICなどは、ローリスクの妊婦であっても一定の確率で必ず発生します。突然、予想外の異常が発生して母児が急変し、直ちに医学的対応が必要になった時に、その場では何もできない状況にあれば、母体死亡や死産となってしまう可能性が非常に高くなります。

自己の責任で、すべてを自然の経過に任せるという個人の選択も当然あり得ます。医療のサポートを受けるか受けないか?は、個人の選択の問題です。

>病院に到着後に母児の状態を診察し、手術の必要があると診断してから、術前検査を実施し、検査結果がすべて出そろってから、

多分、名無しさんはここら辺までを助産院(及び病院への搬送中)で可能だと考えていたのでしょう。
そして病院の方では「急変があった」という時点から手術の準備(どんな手術になるか分からないのに)を始めてもらうつもりなのでしょう。

違うと思いますよ。
「何かあったら大変だからみんなで、病院で産みましょう」という考えこそ実は現実離れした非効率的なものだから、今の状態なんです。

>他の施設からの母体搬送例で、急変から30分以内に帝王切開をするのは絶対に不可能です。

絶対だなんていいきれるわけがありません。
院内助産院を実施しているところだってありますよ。
私が産んだ助産院は15分圏内に大きな病院があって、そこに定期健診も行っていました。

逆に言いたいのですが、人手が足りなくて、急変時には自宅待機しているDrを呼ばなければならない病院もあります。
助産師が足りなくて、つききりで見守れない病院もあります。
病院だから、助産院だから、と結論つけて話す人は信用できないですね。
ナースコールを押しても、すぐに駆けつけられない病院だってたくさんあります。
なによりも、奈良の亡くなった妊婦さんのように重篤な状態でも16箇所も病院をたらいまわしにされるよいうな状況こそが最も不幸なことです。
そういった視点も含めて考えれば、おのずと答えは見えてくると思うのですが。
ちなみに、「助産院で産むと死亡率が高くなる」というのは様々な実験の結果、否定されています。
一部の人達の言う「病院でさえ産めば異変があった時に大丈夫!(以下、突発でおこる病名の羅列)」という意見は、これだけ産科医療の危機が言われている中でもう少し考えてもらいたいです。
迅速に対応し、病院と連携することによって、「医者が助かる」という視点でものを考えるべきだと思います。
実際、そう言って助産院や個人病院と協力しあって地域医療を支えている医者はたくさんいますよ。

15分で到着するとして、その間に医者、助手、道具とベッドの確保。
あとは着いた患者を診察して必要な手続き、と考えていましたが。
というか、救急車で運ばれてくるのと同じ手数ですよ。
もちろん大病院でも、助産師が、たとえ相手がローリスク妊婦だとしても、24時間つききりでそばについて、異常が起きれば素早く察知でき、なおかつどんな時間帯でもすぐに手術できるだけの状況が整えられて、なおかつそれでも、本当の重篤な患者の飛び込みにも対処できるほどに現代の産科が恵まれた状況なら、いいですよね。
だけど、残念ながら、現実は誰しも認めるとおり悲惨な状況です。
だからこその意見なのですが・・・誤解されているようですね。
これだけ、人手不足が問題にされているのに、ローリスクの人達も大病院で産め、というのは非現実的だと申し上げたいです。
ちなみに、助産院では病院で検診を受け、そこで許可がおりなければ産めません。

>医療のサポートを受けるか受けないか?は、個人の選択の問題です。

というのは、正確に言えば

>医療のサポートの度合いをどれだけの割り合いにするかは個人の選択の問題です。

ということです。
助産院で産んだ人達は少なからずの医療のサポートは受けています。
ただ、それを少なく受けたことによって、お医者様の手をわずらわせる機会を減らし、医療という社会資源を有効に活用したとも言えるわけです。
もともと病院での出産が必要でない人が、病院で産まなかったことによって、その間に他の重篤な患者の方が少しでも早く治療を受けられた可能性はゼロではないのですから。
一人一人が視野を広く持つことが大切だと思いますよ。

 突っ込みどころはいろいろあるのですが、
 「助産院で産むと死亡率が高くなる」というのは様々な実験の結果、否定されています

 この手の報告助産師の出す雑誌で読んだことありますが、これは本当に信頼に足る報告なのでしょうか。統計は恣意的に操作すればどうにでも結論付けられると思いますが。

 「助産院は安全」というブログで紹介されていた助産院分娩が主体のオランダでは、周産期死亡率の高さが問題になっているようですよ。

 分娩の安全性のためには産科医と助産師が同じところで連携をとること、それとは別に産婦人科医を増やすことが必要だと思います。そもそも現在日本の助産院分娩は1%程度です。そして助産師自体も不足しています。助産所からの搬送は1割にものぼります。助産師が単独で扱うことでこの問題が解決するとは到底思えません。
 医療資源の分配の問題とは違うと思いますよ。
まあ、国民が助産院の危険性を充分認識してなおかつ、選ぶのならありかもしれませんが。
 たまたまご本人が助産院で無事に埋めたからと言って一般化してよいのでしょうか。

当科でも、正常分娩の場合は助産師がつききりで付き添って分娩を介助し、医師はほとんどタッチしてません。医師と助産師が同じ職場で緊密に連携し、協力して仕事をしています。

助産師外来で、一人一人の妊婦さんの希望を聞いてバースプランを作成し、そのバースプランを最大限に尊重して、助産師が分娩介助をしています。分娩時には、一人の妊婦さんに助産師が最低3人は付き添って介助しています。

特に異変がなければ医師はただ見守るだけです。

母児の急変があれば、その時点でリアルタイムに医学的な対応を開始します。

最近は、周辺の分娩施設が激減したため、緊急母体搬送例や新生児搬送例は激減しました。それとともに、NICU(新生児特定集中治療室)の重症例が激減したと当院の新生児科医が言ってます。当院の分娩件数が倍増したにもかかわらず、当院NICUに収容される新生児数は減り、しかも重症例の占める割合が激減したそうです。

要するに、助産師、産科医、新生児科医、麻酔科医が、一つのチームとして、同じ施設で連携し協力することによって、分娩の安全性が飛躍的に増したし、患者のさまざまなニーズにも無理なく答えられるようにもなったし、スタッフ個人個人の負担は減って、激務だった勤務状況も緩和されました。この周産期医療チームの中で、助産師の果たしている役割は非常に大きいです。

また、地域の開業の先生方と連携して妊婦検診を行うことにより、当院産科医師の外来診療の負担を大幅に軽減できました。

それぞれの地域の特殊事情の中で、関係者がよく話し合って、母児にとって最善と思われる方策を考えてゆくことが大切だと思います。

今回、名無しをやめて名前をつけてみました。
上記の名無しです。

助産院の安全性さんへ

>突っ込みどころはいろいろあるのですが、

とあったので、どれだけ突っ込んでくれるのか期待していたのでかなりがっかりしました。
WHOが世界中の文献、実験結果を分析して「助産院は安全だ」と結論を出しましたよ。詳しくは

http://www.web-reborn.com/books/book/whokankokunimiru.htm

にてどうぞ。

>オランダでは、周産期死亡率の高さが問題になっているようですよ。

というのも耳にタコができるほど、よく聞く話なんですが、そもそもオランダと日本の最先端の医療技術が違う以上、死亡率を比較しても「助産院が危険だ」という結論を導き出せませんよ。
同じ条件下で比較して、なお助産院での死亡率が高いのなら、分かるのですが。

>分娩の安全性のためには産科医と助産師が同じところで連携をとること、それとは別に産婦人科医を増やすことが必要だと思います。

当たり前のことです。
要は医者を志す人は多い中、産科医になる人が少ないのだから、待遇を改善しなければいけません。
忙しい忙しい、と悲鳴をあげる産科医を見て、まずはどうやったら彼らの負担を減らせるのか、冷静に考えるべきでしょう。
負担が多いゆえ、事故も起こりやすい。
訴訟が多ければ、ますますなり手がいない。この悪循環を断ち切りたいと本当に思うのなら、できるところから、産む側が産科医の負担を減らしていくべきでは?と思ったのですが。

>そして助産師自体も不足しています。

そうです。助産師も増やさなければならないと思います。
助産師の働きやすい環境を整えることと、彼らが主体性をもって働くことが大切だと思います。
まずは、「助産師」という仕事を一般の人がもっと知るべきだと思います。
助産師だけで出産の介助をできることを知らない人、看護士との違いを知らない人がまだまだ多いのは、この問題を考える上で見過ごせないことだと思います。

>助産所からの搬送は1割にものぼります。

こういうことを書く時はまず、その由来を先に書いてくれませんか?
どこの地域のどこの病院のことでしょうか。
まわりの診療所や、助産院の数やそこで扱う分娩数は?
それとも全国平均の話ですか?
初耳なので是非、教えてください。

>たまたまご本人が助産院で無事に埋めたからと言って一般化してよいのでしょうか。

どこをどう読んだら一般化しているのでしょうか。
読み返してみましたが「自分は助産院で産んで大丈夫だったので、みんなも大丈夫」というような記述は見当たりませんでした。
よく読んでから、書いてください。

管理人さんへ

今回、管理人さんがおっしゃっていることは正しいと思いますし、異論はありません。
ただ、それほど恵まれた状況ばかりではないのが、現在の日本なのです。
私が上記で書き込んだのは、崩壊していく日本の産科医療に対して、もっと助産師を活用したらどうか、ということです。
「うちはこんなに上手くやっています」というのは、もちろん素晴らしいことだと思うのですが、

>何か事が起こってから母体搬送すれば、あとは病院が何とかしてくれる筈という考え方では、今後、絶対にやっていけないと思います。

という最初の書き込みに関して、いぶかしく思う気持ちに変わりはありません。

「むしろ、病院でさえ産めば、絶対大丈夫、という考え方では、今後絶対やっていけないと思います。」

と返答いたします。
実際、そのとおりになっています。
管理人さんの病院がいかに素晴らしくても、日本全体で見れば、「病院でさえ産めば安全」という非効率的な考え方のために、産科が崩壊し、社会問題になっています。

>どんなに条件が整っていても、急変から手術開始までに2時間以上はかかってしまいます。

こう、いい切っておられましたが、助産院といっても色々ですよ。
私の友人は、助産院と病院が一緒になったところで、42週最後の日に、助産院で産みました。
先生がそばにいるようなものだから、助産院といっても特殊でしょうけれど、そういう例もあるということで。

救急病棟なんかには、身元も判別しないような交通事故にあった人が飛び込んできて、既往歴も分からぬまま、その場で最も適切な処置、手術を行わなければならないと思うのですが、「手術までに最低でも二時間以上かかる」といった話は聞きません。
身元は判明し、既往歴や妊娠中の経過の書かれたカルテもそろっており、なおかつ助産師が常に異変を察知するべく付き添っており、事前に異常を知らせている状態で、妊産婦が「急変から手術までに最低でも二時間以上」というのはちょっと驚きです。
産科医といっても色々な方がいると思うので、他の方の意見も聞いてみたいと思ってしまいました。

繰り返しになりますが病院といっても、人手不足で急変に対応しきれない場合もあるでしょうし、Drが出払っている場合もあるでしょう。
それらを責めるのではなく、また「でも、うちの病院はいい病院だ」で終わらせるのではなく、国民全体がそういうことまで理解した上で、自分にふさわしい「医療の度合い」を計るべきだと思います。
地域の中で事情に合った方法で最善を尽くすことに異議はありませんが、国民一人一人がまずできることと言ったら、「知ること」と「自分にできる範囲で社会に貢献する意識を持つこと」ではないでしょうか。

 山本モナーさん
>WHOが世界中の文献、実験結果を分析して「助産院は安全だ」と結論を出しましたよ。

 これについて書籍ではなくネット上で検索できるソースを示していただければ、いろいろな方が検討検索できると思います。
 ただオランダについて日本とシステムが違うから、ということですが、オランダはシステムの整った先進国であるのに対して、WHOの対象は全世界であって、いまだに感染症による高い死亡率を呈する発展途上国も含まれています。助産院は安全だ、という結論の「安全性」とはどの水準なのでしょうか。また助産所が安全という根拠となるものをいくつか読みましたが「助産所が比較的低リスクの分娩を扱っていることの修正なく医療介入の程度について産科と比較しているもの」でした。
 アメリカは先進国ですが、医療については後進国です。医療自体を受けられない無保険者がたくさんいますし、受けられるケアも全く違います。アメリカの助産師が医師の要請でできたと聞き、私はとても納得しました。貧困層には医師による医療はもったいないということでしょう。

 モナーさんは、助産師を活用、ということですがどのように活用するのでしょうか。①処方権やエコーなどの検査を認める(用は帝王切開以外すべてできる助産医)として、②従来の保看法に定められた範囲内で、でしょうか。それによって論点も異なってくると思います。

 現実問題として、日本で産科に併設された助産院はどのくらいあるのでしょうか。また産科に併設されていて、産科医が適切に経過を追い、判断しているのならそれはもう助産院とは呼ばないのではないでしょうか。
 そして助産院で扱える分娩数は産科より圧倒的に少ないと聞きましたがいかがでしょうか。妊婦一人一人に、助産師が1:1でつく、ということを全ての分娩においてやって、現在の助産師数でできるのでしょうか。

 医療は限られた資源であり、同時に安全性が最も大切とされるので、分業制で効率化と透明性を高めてきた点があると思います。それについてはどうお考えでしょうか。

 新たに帝王切開のできない助産医をつくるより、現状で医師でなくてもできる仕事を振り分けることで負担が軽減されると思いますが。

 手術まで2時間かかるというのは当然ありえると思います。

 タイムロスについて時間を追って考えてみましょう。

①まずはモナさんが忘れられている「転送」を判断するまでにかかる時間

 現状の教育法で助産師単独で産科医と同程度の迅速で的確な判断ができるとは思いません。そもそも助産は「正常分娩」を扱うのですから。

②転送先を探す時間

 これは併設されていない限り、かなり時間がかかるでしょうね。

③転送時間

④受け入れ先の準備

 簡単に2時間くらいたってしまうのではないでしょうか。

救急外来に身元不明で飛び込んできた人の手術は簡単ですよね。
だって身元不明で、今手術しなきゃ死ぬんだから、とにかくやって、ダメならダメ。あとで見つかった家族も納得するしかないのでは?

助産院である程度分娩が進行していれば、患者およびその家族は「ふつうに生めるつもり」になってますから、まず状況説明が大変です。手術が必要なのに「向こう(病院)でちゃんと生めるから」とだけ聞かされて「手術はイヤだ」と言い張る人を前に泣きたくなったこともあります。
なんで今赤ん坊の状態が悪いのか、なんで出血が続いているのか、搬送もとが病院なら向こうの先生はある程度説明してくれていますが、助産師さんにそこまでの説明は求められません。

助産師さんの妊娠管理能力にもいろいろあるのでしょうが、今現在の状況では「助産院での分娩を選択する」ような方々自体にある一定の問題点があるような気がしてなりません。
もちろん周囲に産科医がなく、選択の余地のないまま助産院を選ぶこともこれからは増加すると思いますので、助産院からの緊急搬送を受ける機会もふえるとは思いますが、助産院との共同勉強会、患者のカンファレンスもしておかなければならなくなるだろうし、ますます産科医の負担はふえていくとしか思えません。

山本モナー・さま、助産院の安全性・さま、suzan・さま

コメントありがとうございます。私どもも、suzan・さまと同じような状況を時々経験します。

急変時に、すばやく緊急手術を行うためには、普段から、患者さん自身に、分娩時に急変は少なからずあり得ること、その際には緊急手術が必要となること、などを説明し、十分に納得していただいておく必要があります。

世の中、いろいろな考え方があり、助産院で産もうと決意していた妊婦さんの場合は、もともと『自然分娩崇拝』の信念が非常に強固の人が多く、中には、かたくなに医療のサポートを拒み続ける方も少なくないと思われます。

母児の状況が急変して、病院に救急車で搬送されて来たような場合でも、妊婦さん御本人には何も状況が説明されてない場合もあり、たとえ、医学的には手術が必要な状況だとしても、その現在の状況、手術の必要性を、患者御本人・御家族に十分に納得していただき、手術承諾書に署名をしていただくまでに、相当な時間と労力を要する場合が多いのは事実です。

患者さん御自身の手術を受ける決意が固まって、手術承諾書に署名していただいて、初めて、手術に必要な問診(家族歴、既往歴、アレルギーの有無、など)、術前検査(血液検査、胸部レントゲン撮影、心電図、など)も実施できますし、手術室の準備や手術スタッフの招集を開始できます。輸血が必要な場合は、輸血の手配、クロスマッチなども必要となります。

搬送に要する時間、診断に要する時間もありますし、母児の急変から手術の開始までに、最低でも、2時間程度はかかってしまうのは確実と思われます。

また、突然そういう救急搬送があれば、その日の外来診療や病棟回診などの日常業務はすべて一時的に中断せざるをえず、産婦人科の業務だけでなく、麻酔科、新生児科など、病院業務の全体に多大な影響がでることも少なくないと思われます。

助産院の安全性さん

>これについて書籍ではなくネット上で検索できるソースを示していただければ、いろいろな方が検討検索できると思います。

と言われても、ネット上にある資料よりはるかに、専門性が高く、また内容も濃密なので、これを読めば、助産院の安全性について詳しいですよ、としか申し上げられません。時間があれば、いつか書き起こしたいですがあいにく、その時間がないのでできません。
はっきり言えば、助産院の安全性さんが、疑問を呈している部分は、全て明快に書いてありますよ。
助産所の安全性に関して論じるなら、是非押さえてほしい一冊です。
ところで

>助産所からの搬送は1割にものぼります。

に関して、ソースは?

>たまたまご本人が助産院で無事に埋めたからと言って一般化してよいのでしょうか。

この失礼な書き込みに対しても、書きっぱなしで終わらせないで、聞いているのだからきちんと答えてください。
話を進めるのはそこからだと思いませんか?

suzanさん

偏った意見をありがとうございます。
私は助産院で産みましたけれど、私自身もまわりの人も、異変があれば病院もやむなし、という気持ちでしたよ。それが普通です。
極端に自然志向の強い病院嫌いの人や、エホバの人達のように死んでも輸血を受けないような人をもってして、「助産院の患者は~」と一般化して話す人と、冷静な議論をするのは難しいでしょうね。
「うちはこんな嫌な患者がいたから、みんながこうに違いない」と言う医者は「私は助産院で産んだからみんなも大丈夫」という論理で話す一般人と同じレベルでしょう。
もう少し、先入観と偏見を捨てて話し合う気はありませんか?
こういう人が多いから、産科医療は崩壊していく一方なのでは?
もう少し、前向きで建設的な考えの方が増えることを望みます。

 山本モナー  さん、こんにちは。

 まず、あなたが日本に於ける助産所の独立開業は安全であると主張されているのであるという点に注意を促したいと思います。

 はっきり申し上げて、拳証責任はあなたにあり、他の人にはありません。

 たとえば、助産所での分娩中の搬送率については、あなたが数字を提出するのがスジというものです。搬送率も知らずに安全性を主張しているとは思えませんから、あなたはお手許に搬送率、搬送後の予後データも当然お持ちの筈です。

 データがないのであれば安全性証明の拳証責任を充分果たされるに足るお立場ではないと思います。如何でしょうか?

 それから、国際比較データについては、背景要因を標準化しないと比較妥当性がないというのは常識だと思いますが、あなたが専門的分析だと主張するWHOデータは、日本国内での助産所の安全性(…ってどのindicaterですか?)の証明には使えません。…まず、多くの国では、何よりも妊産婦死亡率、周産期死亡率、自然死産率が、日本国内よりもケタ1個~2個違うのですから。

管理人さんへ

もう一度整理しましょうか。
管理人さんの書いた

>どんなに条件が整っていても、急変から手術開始までに2時間以上はかかってしまいます。

ということですよね。
この「二時間以上」の計算は、搬送30分の計算ですから、仮に病院内でそれまで正常に経過していた患者が急変した場合でも「手術までに最低一時間半以上かかる」ということなのですよね。(当然、病院内だって、色んな事情を抱えた患者さんがいますよね)
だとしたら、どこで産んでも出産である以上、リスクはある、ということは産む側も家族も頭に入れておくべきですね。
思うに、産科における訴訟が多いのは「病院でさえ産めば絶対に大丈夫」という思い込みがあるからでは。(もうひとつには、人手不足からくる説明不足や、こまやかなケアができないことから来る不信感が大きいでしょうが)
どこで産んでも急変から手術までに一時間半程度の時間はかかるし、ましてや普通の病院だったら、つききりで看ているわけにもいかないし、他で急変がああれば出払ってしまうこともあるわけです。
助産院だろうが病院だろうが、出産における急変は起こりえるのだから(自分であれ、他者であれ)、それにそなえて、必要のない人はできるだけ医者や病院の施設を無駄に(あえて言いますが)わずらわせるべきではないと思います。軽い風邪程度の人間が、大学病院に行って、病院をパンクさせるよりも、地元の町医者などで診察を受けてくれ、ということをよく聞きますが、それと同じ理屈ですね。
忙しい、忙しい、この状況をなんとか打開してくれ、という医者は多くても、このような理論が少ないことに、欺瞞を感じてしまいます。
風邪だって高血圧だって、突然、重篤になったり死んだりする例はありますが、そういう人間に「常に大病院にいろ」と言う人はいませんよね。
何か、あったらすぐに駆けつけてくれ、と言います。
むしろ、そのほうが病院自体がスムーズに機能するので効率的です。
とりあえず、

①助産師がつききりで看ている、病院から15分以内の助産院で

②必要な手術にはすぐ同意するごく普通の患者の場合
(つまりごく普通の助産院の患者ですね)

忙しくて、つききりで看られない病院と尾同じ程度の所要時間だと思われますが、そのへんはいかがでしょうか。

それともう一つ。

>また、突然そういう救急搬送があれば、その日の外来診療や病棟回診などの日常業務はすべて一時的に中断せざるをえず、産婦人科の業務だけでなく、麻酔科、新生児科など、病院業務の全体に多大な影響がでることも少なくないと思われます。

これは病院内の正常な経過をたどっていた患者が急変しても同じことではないんですか?(救急外来の手はわずらわせるかもしれませんが一般外来には及ばないのでは)
私は最近、病院にお世話になりましたが、順番は予約制でしたし、「容態の悪い患者がいた場合はその方を優先する」という断り書きは当然納得して読みました。
それでもスムーズに看ていただき、なんの不満もありませんでした。もし、本来病院の必要のない人が「万が一に備えて」とばかりに押し寄せるような病院だったら、機能しなくて困ってしまいます。

rijinさんへ

それだけこの問題に興味があるのなら、是非ご一読をお奨めいたします。

http://www.web-reborn.com/books/book/whokankokunimiru.htm

とても興味深いですよ。

>国際比較データについては、背景要因を標準化しないと比較妥当


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95 コメント

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(管理人さん、新たなエントリを作ってくだってあ... (山本モナー)
2007-03-15 11:16:16
バイアス発言ですけど。

>モナーさんも、きちんと原文読んでくださいね!ちょっと日本語版にはかなり意訳というより間違いがありそうです。

>他のことでもそうなのですが、やはり日本語訳は翻訳者のスタンスによってバイアスがかかっていますので原著に当たらなくてはいけないと思います。

を読むと、「これは病院嫌いの助産院マンセーがWHOの偉い人の本を自分に都合の良いように解釈しているに違いない!」というバイアスがかかっていそうなので、ほんの一言添えたんですよ。
この著者の方、来日された時、日本の有名どころの産科医を9人(だったかな?)を呼んで、座談会を開き、その受け答えに怒り、自分がランセットに寄稿した論文を読め!と説教してます。日本人にはちょっと言えないほどの過激とも言えるほど、病院批判をしています。
まあ、そのへんを読んでから、間違いだの意訳だのと言ってもらいたいな、と。
読んでからでも遅くないでしょうから。


僻地の産科医さん

>バイアスなんて、みんなで討論会すればどうにでもなると思うのですが

みんなで討論会してもみんながバイアスかかっていればバイアスがより強くなるだけとも言えますよね。討論会のメンバー次第でしょうが、討論会で解決できるなら朝まで生テレビは毎回円満解決ですね。

>1人でえっちらおっちらしか訳したことしかないのかな

訳なんてしませんよ。
以前も書きましたが、邦訳版を読んでいるので、サクサク読みましたよ。特別難しいこともなく、読みやすかったです。

ところで病院出産の認識、10年前で止まっていませんか?
産科医が減り続け、助産師がいないので看護士が内診し、産科医療の崩壊が社会問題になって久しいこの時代に、病院でも助産師がつきそっているから大丈夫、とは、これいかに。
地元に産科があるだけで御の字の時代に、さすがにその発言はないでしょう。
一般人が「つききりで助産師がみてくれないなんて、この病院はひどい!!」なんてブログに書こうものなら、医者板あたりで総叩きの時代ですよ。


tatsu さん

>自分がその直前に「全然分かってない」といってるのにこの自身過剰は、「ちょっと笑いました。」

え?普通に読み取っていただきたいですね。
私自身は自分で自分を無知だと思っているのですが「たった一冊の本を読んで、なにもかも分かったような気持ちになっていらっしゃるようですが」と勝手な推測で当り散らす様子に思わず笑ってしまったんですよ。
「たった一冊を読んだくせに」とたった一冊とやらを読めない人が言うのも、どうもね。

>駄文の羅列で説得力は全くないですね。
目の前の石ころを「これは絶対にダイヤだ」と信じている人に「ダイヤではないよ」と解らせる必要はないですね。

論理で勝てないと詭弁のガイドラインそのままになるんですね。
管理人さん、こういう人達が増えていますので管理人として、一言でも注意なさってくださいませんか?
駄文ならどこがどう駄文なのか、ダイヤでないなら何がダイヤでないなのか、説明するのならまだしも、単に小学生並の悪口を並べているだけ。
同じレベルで返事をするなら、「助産院なんて危険なんだい!助産院をかばうやつなんて馬鹿なんだもん!」と、妙な執着をダイヤのように後生大事に抱えているだけ。本当は、それ犬のウンコですよ、と教えてさしあげたいですね。

※私は、相手のレベルに合わせるだけなので、このブログ全体で煽りは禁止ということで徹底してくだされば、こちらからは煽りませんので、よろしくご理解をお願いいたします。

返信する
いつもROMさせていただいてますが、ここのレギュラ... (北の僻地医)
2007-03-15 12:32:27
レギュラーの方々へ>
少し冷静さを欠いた書き込みが散見されるようです。このブログ内だけは、あくまで上品な討論を継続していただきたく思います。煽りは荒らしと同じ。だめですよ。

山本モナーさま>
ここのブログでの討論を以前からちゃんと見ている方なんでしょうか?ここは極めて内容、コメンターの質共に良質な場所です。

最期の方の無礼で下品な書き込みは何ですか?この流れでは明らかにあなたが荒らしですよ。
こでの上質な討論を楽しみにしているROM専にとっても迷惑です。そのような下品な書き込みを続けるなら出て行って、別なところで荒らしでもなんでもやってください。不愉快です。

管理人さま>
過激な書き込み、申し訳ありません。あまりに不快な書き込みを目にして黙っていられませんでした。
不適切と判断されたら私の書き込みは削除していただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

最後に山本モナーさま、ここのブロガーの皆さんは助産師がどうだ、産科医がどうだ、ということだけでなくお産に関わる全ての人々が少しでも幸せになれるよう知恵を絞っている方ばかりです。それだけは理解してください。理解してくれていれば、最後のような発言は恥ずかしくてできないはずです。




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 山本モナー さん、こんにちは。 (rijin)
2007-03-15 12:35:40
 取り敢えず、この新しいエントリーの元となっている日経の記事内容でも吟味してみていただけませんか。
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管理人の判断により、削除させていただきました。 (Unknown)
2007-03-15 12:55:15
管理人の判断により、削除させていただきました。
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人のコメントに対しての書き込みの中で、煽るもし... (shu)
2007-03-15 13:11:50
今回は全てROMさせていただいています。
いろいろな考え方の人がいると私も勉強になっております。
と同時に今回のことに対し、自分の知識、見解が固まりませんので、申し訳ございませんが、ROMさせてください。
いつもこのブログには勉強させてもらってます。
これからもよろしくお願いします。
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 まず、rijinさんがご紹介になっていた、Midwifer... (助産院の安全性)
2007-03-15 14:19:11
 まず著者の略歴をアマゾンから引用「ワーグナー,マースデンサンフランシスコに生まれ、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で博士号(医学)を取得。専門の臨床トレーニングを受けたのち、大学院で2年間研究を行う(理学修士)。数年間、UCLAで常勤の勤務医と引き続き教授を務めたのち、カリフォルニア州保健局の母子保健部長となる。6年間コペンハーゲンのUCLA研究センター長を務めたのち、WHO(世界保健機関)の母子保健局長として15年間を過ごす。先進国の母子保健に関する広い経験を活かして、50カ国以上でコンサルタントとして講義を行い、アメリカ連邦議会、イギリス下院、フランス国民議会、イタリア議会、ロシア議会、デンマーク議会で証言を行った。そのほか、UCLA医学部の優等賞を得る。7人の子どもをシングルファーザーとして一人で育てた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)」

 これでわかることはこの方は数年間、臨床医を務めた後は少なくとも20年以上研究・行政職であったということです。  内容は1985年のものが原著であり20年前のものということはありますが(このMidwifery Todayは2000年)、あまりの内容にしばし呆然としてしまいました。これをバイブルとしている一部の助産師・一般の方がいることに驚き、またかねがね疑問に思っていた過激な論調はすべてここに原点があると納得しました。

 バイアスを避けるためには全文の引用と対訳が必要ですが、それは困難ですので一部象徴的な部分を引用します。

「Is the increasing use of technology saving the lives of more pregnant and birthing women? In the United States the scientific data show no decrease during the past 10 years in the number of women who die around the time of birth (maternal mortality).」 だから帝王切開と硬膜外麻酔は産婦の死亡に関与している。という結論なのですが、まず10年間母体死亡率が改善していないことが驚きです。日本とは違いますね。そしてそれはこのような高度医療の副作用というより、アメリカの医療システムそのものの欠陥ではないでしょうか。

「20th century the number of babies dying around the time of birth was decreasing. This was due not to medical advances but mainly to such social advances as less severe poverty, better nutrition and better housing. Most important, the decrease in mortality was due to family planning, resulting in fewer women with many pregnancies and births. Medical care also was responsible for some of the decreasing mortality of babies, not because of high-tech interventions but because of basic medical advances, such as the discovery of antibiotics and the ability to give safe blood transfusions. There has never been any scientific evidence that high-tech interventions such as the routine use of electronic fetal monitoring during labor decrease the mortality rate of babies.」 要は新生児死亡率の低下は医療の発展というよりも「ひどい貧困状態、栄養、住環境の改善、少子化」によるものであり、一部医療の発展が関与するとしても抗生剤や、安全な輸血によるものであり、高度医療によるものではない、ということでしょうか。 よくリスクによる分娩のすみわけ、3割が助産師介助による自宅分娩と引用される、オランダは耐性菌のコントロールなどは非常にうまくやっている、先進国です。しかし周産期死亡率は日本の2倍近くであり、問題になっています。

「Because doctors really do need to manage the few births that develop serious complications, the study eliminated complicated births and looked only at low-risk births. Compared with physician-attended low-risk births, midwife-attended low risk births have 33 percent (one-third) fewer deaths among newborn infants. Furthermore, midwife-attended births have 31 percent (nearly one-third) fewer babies born too small, which means fewer retarded and brain-damaged infants.」

 この部分ですね。医師立会いの低リスク分娩に比較して助産院では33%死亡率が低い。さらには小さすぎる赤ちゃんの誕生は31%低い。

 まず、一応病院で非常に重篤なリスクのあるものは除いたといっていますが、低リスクの定義は助産院と産科で本当に同じなのでしょうか。例えば「前回帝王切開の前壁付着の前置胎盤」は高リスクに分類されても、「骨盤位」は低リスクだったりして。骨盤位は助産院では扱いませんよね。(産科医ではないので例えが不適切だったら訂正お願いします) 新生児の大きさにいたってはそれはそうでしょう。助産院に基本的に低出生体重児がいるはずないわけですから。

「you are considering a hospital birth with an obstetrician as your primary birth attendant, ask him or her how much time he or she will spend with you during your labor. One of the reasons a midwife is generally a better choice to attend your hospital birth than an obstetrician is because the midwife is there in the hospital with you during your labor while the obstetrician is not. It is an incredible irony that the obstetrician insists that the woman who is his or her client give birth only in the hospital, while the obstetrician who should attend her birth is not in the hospital. If your obstetrician is not with you in the hospital during labor, then where is your obstetrician?」  これは。。。。産科でも必ずカバーの医師が病院にいるしモニターをつけていても看護師や助産師が頻回に見に来ますが。いったいいつの時代の話でしょう。。。。

「Another reason midwives are safer than doctors is because midwives use far less unnecessary technology. 」  これは助産師は高度医療を行わないから安全なのではなくて、高度医療は行えないの間違いでは。

「While midwives trust women's bodies, use such low-tech assistance as the skilled use of their hands, and understand the importance of preserving normalcy, doctors, in general, do not trust women but trust drugs and machines, use high-tech assistance, and focus on the pursuit of abnormality.」  これは偏見に満ちた言葉ですね。

「Overwhelming scientific evidence shows that the home is a perfectly safe place to give birth if you are one of the more than 80 percent of women who have had no serious medical complications during pregnancy. The evidence indicates that it is important to have a trained birth attendant for your homebirth, be it non-nurse midwife, nurse-midwife or doctor. Your place of birth should also be within 30 minutes of the nearest hospital. 」

 残りの20%は仕方が無いということでしょうか。でも分娩場は病院から30分以内の場所だということですから医療の必要性も認めているわけですね。

「A freestanding birth center staffed with midwives is also a perfectly legitimate choice for the great majority of women who have had no serious complications during their pregnancy. But don't be fooled by the hospital that advertises its "birth center." If the birth center is not freestanding?i.e., outside the hospital?it will still be under the supervision of the hospital and the doctors, and the birthing woman will not be in contr
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 昨日、Marsdenを読みながら、既に現場を長く離れ... (rijin)
2007-03-15 15:53:09
 現場感覚を失った学者と行政官ほど、患者さんと現場に害悪を及ぼすものはありません。

 いずれにせよ、自分が現在手がけている学者としての仕事は、あと1~2年で日本の社会全体が結果を甘受する方向性が決定するのではないかと思っています。

 そろそろ、帰って行くべき片隅を探しに掛かりましょうか。
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助産院の安全性さま。 (僻地の産科医)
2007-03-15 16:04:18
ありがとうございました!

私もざっとは読んだのですが、この論文を読んで言葉にできなかった感想が、助産院の安全性さまのサマリーでなんとなく形になりました。

前時代的なんです。(書かれた年代も年代でしょうけど)
そして、結構日本の診療所分娩は、彼の理想に近いのではないか、ということなんです。

midwives→開業医と訳してみると、
時代的に違うところはともかくとして、わりとぴったりくるような気がしたのです。もちろん、いろいろ違うし、エキセントリックではあるけれど。

アメリカの当時の医療がどうだったか、エコーがどれくらいの精度で、動いてるけど胎児水腫もわからないとかの時代だったなら許せるかなと。
まぁどんな検査も初期は危険性はわかりませんし、(MRIだって最近はわりと大丈夫?(まだ一応時期選んでみたりして)って感じになってきましたが、最初はめちゃくちゃこわごわ妊婦には使っていましたよね?)こういう感じの論調がでちゃうのは仕方ないでしょうし。

でも時代ははっきりと違いますよね!
現在では結構、あたりまえに適応は選ぶし、そんなに腟がどうこうで帝王切開なんて一昔前のアメリカ・ブラジル神話みたいな(偏見すみません)ことはないですし。
陣痛誘発剤も、そんな昔みたいに脳天気にはやりませんもん。
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山本モナーさんに偏ったご意見」といわれてしまっ... (suzan)
2007-03-15 16:49:31
わたくしは自分の経験から思ったことを述べただけにすぎません。個人の経験なので一般化はできないですね。
ただ、わたくしの経験談に「同じような気持ち」を持ってくださった方がいらっしゃったので、そういう目に遭っているのは自分だけではないのだと知ることができ、有益でした。

ところで、山本モナーさんは、いったい何が目的でこの話題を出していらっしゃるのでしょうか。
「助産所、もしくは助産婦に分娩を任せて医者は手をひけ」ということでしょうか。
そうすれば医者の忙しさが解消できる、といったようなわれわれ産科医をいたわる目的での話題なのでしたら、ありがたいことです。
「助産師に分娩をもっと任せるにはどうしたらいいのか」ということでしたら、何よりも助産師自身が責任感を持ち、スキルを身につけ、経験を積むしかないでしょう。
責任感と実績のあるプロであれば、われわれも安心して分娩経過をお任せし、その人が「危険」と判断するまで家で眠ることができます。
…よく考えればウチの病院(総合病院の産科です)でも夜間の分娩はそうやっていますね。
昼間でも、ときどき診察やCTG観察に行きますが、子宮口全開大まではLDR詰めにはならない(助産師任せ)ですし、実際の分娩も会陰が切れなければ産道検査しておしまいです。

山本モナーさんが「こうすべき」と思う助産師の扱う分娩と、私の施設でのやり方にどこか違いがあるでしょうか?教えていただければ幸いです。
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厚生省のデータです。http://www.mhlw.go.jp/touke... ()
2007-03-15 18:29:57
1985年→2001年・周産期死亡率(出産千対)15.4→5.5・合計特殊出生率1.76→1.33

1985年の時点で既にベビーブームは過去の話になっていますし、現在と比べて栄養状態が極端に違うこともないでしょう。
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