****** 共同通信社、2007年3月15日
助産所「安全確保に限界」 妊婦死亡も、産科医会調査
日本産婦人科医会が、2005年に助産所から高度医療施設に妊婦が緊急搬送された全国の計247事例を調べたところ、妊婦1人と新生児4人が死亡するなど、深刻な結果に至った例が含まれていることが15日分かった。
分析した久保隆彦・国立成育医療センター産科医長は「助産所が本来、正常な出産だけを補助する場であることを考えればこの数は多い」と指摘。すべての出産にはリスクが伴うため「医療機関と切り離された助産所での安全確保には限界がある。病院内の設置が望ましい」と話している。
調査には、全国の総合周産期母子医療センターや大学病院など地域の中核施設475カ所が、経験した緊急搬送例について回答。死亡例以外では母親1人に後遺症がみられたほか、長期入院が必要になったのが母親22人、新生児が36人いたことも分かった。
背景について同医会は「助産所の多くはカルテに当たる『助産録』の記載が不十分で、状態が悪化し唐突に高度施設を頼っている」と分析。半面、本当に緊急処置が必要だったのは、搬送事例の約3割にとどまり「(緊急時の対応について判断すべき)嘱託医が機能していなかった」とした。
助産所を利用する人は年間約1万人で、出産全体の1%ほど。専門家によると、助産所からの緊急搬送は年間700件程度。全国平均では妊産婦死亡が1万6000人に1人、新生児死亡は667人に1人とされる。
(共同通信社、2007年3月15日)
****** コメント:
ここ2~3日、当ブログのコメント欄でも、この話題で議論が沸騰してます。かなり以前の記事に対するコメント欄なので、本日の記事に引用させていただきます。
【以下、本ブログのコメント欄より引用】
助産院で産みました。ローリスクで近くに大きな病院も提携していたので不安はありませんでした。
助産院を問題視する人の中には「助産院は産科医と離れているから、なにかあった時に対処できない」と言います。
が、しかし、急変してから緊急帝王切開が行われるまでに、病院であろうと助産院であろうと、30分程度は時間がかかります。
助産院で急変が起きても、要は搬送の間にその準備をしてもらえば同じように急変から30分で手術は受けられます。
助産院で産む人が多くなれば、多くの人は病院のお出産に関して一切、医者の手をわずらわせることみなくなるし、本当に医者が必要な人がたらいまわしにされることなく、病院にかかれると思います。
また、必要な人だけに立ち会うことによって、医者はゆっくりと休養をとることができるし、助産院の助産師はつききりで産婦に寄り添うことができます。病院は忙しいから、一晩、ナースコールを持たされただけでほっとかれた、というようなことは本来危険なことだし、またそれに対して「病院は忙しいんだから仕方ない」というような風潮も、危険なことだと思います。
これで死亡事故が起きても、遺族は納得できないでしょう。最大限、努力してなお、助からなかった、ということとは違うのですから。
本来必要のないローリスクの妊婦が病院で産むことで、医者は休めない、助産師も医者も一人をゆっくり観察できない、本当に急変した患者がたらいまわしにされる、というまったく非合理的な今の状況はなんとかするべきだと思います。
何か事が起こってから母体搬送すれば、あとは病院が何とかしてくれる筈という考え方では、今後、絶対にやっていけないと思います。
他の施設からの母体搬送例で、急変から30分以内に帝王切開をするのは絶対に不可能です。
急変から病院到着までにすでに30以上経過していますし、病院に到着後に母児の状態を診察し、手術の必要があると診断してから、術前検査を実施し、検査結果がすべて出そろってから、初めて手術室に入室が可能となります。手術室入室後に麻酔導入に30分程度はかかります。
どんなに条件が整っていても、急変から手術開始までに2時間以上はかかってしまいます。
常位胎盤早期剥離、弛緩出血による出血性ショック、産科DICなどは、ローリスクの妊婦であっても一定の確率で必ず発生します。突然、予想外の異常が発生して母児が急変し、直ちに医学的対応が必要になった時に、その場では何もできない状況にあれば、母体死亡や死産となってしまう可能性が非常に高くなります。
自己の責任で、すべてを自然の経過に任せるという個人の選択も当然あり得ます。医療のサポートを受けるか受けないか?は、個人の選択の問題です。
>病院に到着後に母児の状態を診察し、手術の必要があると診断してから、術前検査を実施し、検査結果がすべて出そろってから、
多分、名無しさんはここら辺までを助産院(及び病院への搬送中)で可能だと考えていたのでしょう。
そして病院の方では「急変があった」という時点から手術の準備(どんな手術になるか分からないのに)を始めてもらうつもりなのでしょう。
違うと思いますよ。
「何かあったら大変だからみんなで、病院で産みましょう」という考えこそ実は現実離れした非効率的なものだから、今の状態なんです。
>他の施設からの母体搬送例で、急変から30分以内に帝王切開をするのは絶対に不可能です。
絶対だなんていいきれるわけがありません。
院内助産院を実施しているところだってありますよ。
私が産んだ助産院は15分圏内に大きな病院があって、そこに定期健診も行っていました。
逆に言いたいのですが、人手が足りなくて、急変時には自宅待機しているDrを呼ばなければならない病院もあります。
助産師が足りなくて、つききりで見守れない病院もあります。
病院だから、助産院だから、と結論つけて話す人は信用できないですね。
ナースコールを押しても、すぐに駆けつけられない病院だってたくさんあります。
なによりも、奈良の亡くなった妊婦さんのように重篤な状態でも16箇所も病院をたらいまわしにされるよいうな状況こそが最も不幸なことです。
そういった視点も含めて考えれば、おのずと答えは見えてくると思うのですが。
ちなみに、「助産院で産むと死亡率が高くなる」というのは様々な実験の結果、否定されています。
一部の人達の言う「病院でさえ産めば異変があった時に大丈夫!(以下、突発でおこる病名の羅列)」という意見は、これだけ産科医療の危機が言われている中でもう少し考えてもらいたいです。
迅速に対応し、病院と連携することによって、「医者が助かる」という視点でものを考えるべきだと思います。
実際、そう言って助産院や個人病院と協力しあって地域医療を支えている医者はたくさんいますよ。
15分で到着するとして、その間に医者、助手、道具とベッドの確保。
あとは着いた患者を診察して必要な手続き、と考えていましたが。
というか、救急車で運ばれてくるのと同じ手数ですよ。
もちろん大病院でも、助産師が、たとえ相手がローリスク妊婦だとしても、24時間つききりでそばについて、異常が起きれば素早く察知でき、なおかつどんな時間帯でもすぐに手術できるだけの状況が整えられて、なおかつそれでも、本当の重篤な患者の飛び込みにも対処できるほどに現代の産科が恵まれた状況なら、いいですよね。
だけど、残念ながら、現実は誰しも認めるとおり悲惨な状況です。
だからこその意見なのですが・・・誤解されているようですね。
これだけ、人手不足が問題にされているのに、ローリスクの人達も大病院で産め、というのは非現実的だと申し上げたいです。
ちなみに、助産院では病院で検診を受け、そこで許可がおりなければ産めません。
>医療のサポートを受けるか受けないか?は、個人の選択の問題です。
というのは、正確に言えば
>医療のサポートの度合いをどれだけの割り合いにするかは個人の選択の問題です。
ということです。
助産院で産んだ人達は少なからずの医療のサポートは受けています。
ただ、それを少なく受けたことによって、お医者様の手をわずらわせる機会を減らし、医療という社会資源を有効に活用したとも言えるわけです。
もともと病院での出産が必要でない人が、病院で産まなかったことによって、その間に他の重篤な患者の方が少しでも早く治療を受けられた可能性はゼロではないのですから。
一人一人が視野を広く持つことが大切だと思いますよ。
突っ込みどころはいろいろあるのですが、
「助産院で産むと死亡率が高くなる」というのは様々な実験の結果、否定されています
この手の報告助産師の出す雑誌で読んだことありますが、これは本当に信頼に足る報告なのでしょうか。統計は恣意的に操作すればどうにでも結論付けられると思いますが。
「助産院は安全」というブログで紹介されていた助産院分娩が主体のオランダでは、周産期死亡率の高さが問題になっているようですよ。
分娩の安全性のためには産科医と助産師が同じところで連携をとること、それとは別に産婦人科医を増やすことが必要だと思います。そもそも現在日本の助産院分娩は1%程度です。そして助産師自体も不足しています。助産所からの搬送は1割にものぼります。助産師が単独で扱うことでこの問題が解決するとは到底思えません。
医療資源の分配の問題とは違うと思いますよ。
まあ、国民が助産院の危険性を充分認識してなおかつ、選ぶのならありかもしれませんが。
たまたまご本人が助産院で無事に埋めたからと言って一般化してよいのでしょうか。
当科でも、正常分娩の場合は助産師がつききりで付き添って分娩を介助し、医師はほとんどタッチしてません。医師と助産師が同じ職場で緊密に連携し、協力して仕事をしています。
助産師外来で、一人一人の妊婦さんの希望を聞いてバースプランを作成し、そのバースプランを最大限に尊重して、助産師が分娩介助をしています。分娩時には、一人の妊婦さんに助産師が最低3人は付き添って介助しています。
特に異変がなければ医師はただ見守るだけです。
母児の急変があれば、その時点でリアルタイムに医学的な対応を開始します。
最近は、周辺の分娩施設が激減したため、緊急母体搬送例や新生児搬送例は激減しました。それとともに、NICU(新生児特定集中治療室)の重症例が激減したと当院の新生児科医が言ってます。当院の分娩件数が倍増したにもかかわらず、当院NICUに収容される新生児数は減り、しかも重症例の占める割合が激減したそうです。
要するに、助産師、産科医、新生児科医、麻酔科医が、一つのチームとして、同じ施設で連携し協力することによって、分娩の安全性が飛躍的に増したし、患者のさまざまなニーズにも無理なく答えられるようにもなったし、スタッフ個人個人の負担は減って、激務だった勤務状況も緩和されました。この周産期医療チームの中で、助産師の果たしている役割は非常に大きいです。
また、地域の開業の先生方と連携して妊婦検診を行うことにより、当院産科医師の外来診療の負担を大幅に軽減できました。
それぞれの地域の特殊事情の中で、関係者がよく話し合って、母児にとって最善と思われる方策を考えてゆくことが大切だと思います。
今回、名無しをやめて名前をつけてみました。
上記の名無しです。
助産院の安全性さんへ
>突っ込みどころはいろいろあるのですが、
とあったので、どれだけ突っ込んでくれるのか期待していたのでかなりがっかりしました。
WHOが世界中の文献、実験結果を分析して「助産院は安全だ」と結論を出しましたよ。詳しくは
http://www.web-reborn.com/books/book/whokankokunimiru.htm
にてどうぞ。
>オランダでは、周産期死亡率の高さが問題になっているようですよ。
というのも耳にタコができるほど、よく聞く話なんですが、そもそもオランダと日本の最先端の医療技術が違う以上、死亡率を比較しても「助産院が危険だ」という結論を導き出せませんよ。
同じ条件下で比較して、なお助産院での死亡率が高いのなら、分かるのですが。
>分娩の安全性のためには産科医と助産師が同じところで連携をとること、それとは別に産婦人科医を増やすことが必要だと思います。
当たり前のことです。
要は医者を志す人は多い中、産科医になる人が少ないのだから、待遇を改善しなければいけません。
忙しい忙しい、と悲鳴をあげる産科医を見て、まずはどうやったら彼らの負担を減らせるのか、冷静に考えるべきでしょう。
負担が多いゆえ、事故も起こりやすい。
訴訟が多ければ、ますますなり手がいない。この悪循環を断ち切りたいと本当に思うのなら、できるところから、産む側が産科医の負担を減らしていくべきでは?と思ったのですが。
>そして助産師自体も不足しています。
そうです。助産師も増やさなければならないと思います。
助産師の働きやすい環境を整えることと、彼らが主体性をもって働くことが大切だと思います。
まずは、「助産師」という仕事を一般の人がもっと知るべきだと思います。
助産師だけで出産の介助をできることを知らない人、看護士との違いを知らない人がまだまだ多いのは、この問題を考える上で見過ごせないことだと思います。
>助産所からの搬送は1割にものぼります。
こういうことを書く時はまず、その由来を先に書いてくれませんか?
どこの地域のどこの病院のことでしょうか。
まわりの診療所や、助産院の数やそこで扱う分娩数は?
それとも全国平均の話ですか?
初耳なので是非、教えてください。
>たまたまご本人が助産院で無事に埋めたからと言って一般化してよいのでしょうか。
どこをどう読んだら一般化しているのでしょうか。
読み返してみましたが「自分は助産院で産んで大丈夫だったので、みんなも大丈夫」というような記述は見当たりませんでした。
よく読んでから、書いてください。
管理人さんへ
今回、管理人さんがおっしゃっていることは正しいと思いますし、異論はありません。
ただ、それほど恵まれた状況ばかりではないのが、現在の日本なのです。
私が上記で書き込んだのは、崩壊していく日本の産科医療に対して、もっと助産師を活用したらどうか、ということです。
「うちはこんなに上手くやっています」というのは、もちろん素晴らしいことだと思うのですが、
>何か事が起こってから母体搬送すれば、あとは病院が何とかしてくれる筈という考え方では、今後、絶対にやっていけないと思います。
という最初の書き込みに関して、いぶかしく思う気持ちに変わりはありません。
「むしろ、病院でさえ産めば、絶対大丈夫、という考え方では、今後絶対やっていけないと思います。」
と返答いたします。
実際、そのとおりになっています。
管理人さんの病院がいかに素晴らしくても、日本全体で見れば、「病院でさえ産めば安全」という非効率的な考え方のために、産科が崩壊し、社会問題になっています。
>どんなに条件が整っていても、急変から手術開始までに2時間以上はかかってしまいます。
こう、いい切っておられましたが、助産院といっても色々ですよ。
私の友人は、助産院と病院が一緒になったところで、42週最後の日に、助産院で産みました。
先生がそばにいるようなものだから、助産院といっても特殊でしょうけれど、そういう例もあるということで。
救急病棟なんかには、身元も判別しないような交通事故にあった人が飛び込んできて、既往歴も分からぬまま、その場で最も適切な処置、手術を行わなければならないと思うのですが、「手術までに最低でも二時間以上かかる」といった話は聞きません。
身元は判明し、既往歴や妊娠中の経過の書かれたカルテもそろっており、なおかつ助産師が常に異変を察知するべく付き添っており、事前に異常を知らせている状態で、妊産婦が「急変から手術までに最低でも二時間以上」というのはちょっと驚きです。
産科医といっても色々な方がいると思うので、他の方の意見も聞いてみたいと思ってしまいました。
繰り返しになりますが病院といっても、人手不足で急変に対応しきれない場合もあるでしょうし、Drが出払っている場合もあるでしょう。
それらを責めるのではなく、また「でも、うちの病院はいい病院だ」で終わらせるのではなく、国民全体がそういうことまで理解した上で、自分にふさわしい「医療の度合い」を計るべきだと思います。
地域の中で事情に合った方法で最善を尽くすことに異議はありませんが、国民一人一人がまずできることと言ったら、「知ること」と「自分にできる範囲で社会に貢献する意識を持つこと」ではないでしょうか。
山本モナーさん
>WHOが世界中の文献、実験結果を分析して「助産院は安全だ」と結論を出しましたよ。
これについて書籍ではなくネット上で検索できるソースを示していただければ、いろいろな方が検討検索できると思います。
ただオランダについて日本とシステムが違うから、ということですが、オランダはシステムの整った先進国であるのに対して、WHOの対象は全世界であって、いまだに感染症による高い死亡率を呈する発展途上国も含まれています。助産院は安全だ、という結論の「安全性」とはどの水準なのでしょうか。また助産所が安全という根拠となるものをいくつか読みましたが「助産所が比較的低リスクの分娩を扱っていることの修正なく医療介入の程度について産科と比較しているもの」でした。
アメリカは先進国ですが、医療については後進国です。医療自体を受けられない無保険者がたくさんいますし、受けられるケアも全く違います。アメリカの助産師が医師の要請でできたと聞き、私はとても納得しました。貧困層には医師による医療はもったいないということでしょう。
モナーさんは、助産師を活用、ということですがどのように活用するのでしょうか。①処方権やエコーなどの検査を認める(用は帝王切開以外すべてできる助産医)として、②従来の保看法に定められた範囲内で、でしょうか。それによって論点も異なってくると思います。
現実問題として、日本で産科に併設された助産院はどのくらいあるのでしょうか。また産科に併設されていて、産科医が適切に経過を追い、判断しているのならそれはもう助産院とは呼ばないのではないでしょうか。
そして助産院で扱える分娩数は産科より圧倒的に少ないと聞きましたがいかがでしょうか。妊婦一人一人に、助産師が1:1でつく、ということを全ての分娩においてやって、現在の助産師数でできるのでしょうか。
医療は限られた資源であり、同時に安全性が最も大切とされるので、分業制で効率化と透明性を高めてきた点があると思います。それについてはどうお考えでしょうか。
新たに帝王切開のできない助産医をつくるより、現状で医師でなくてもできる仕事を振り分けることで負担が軽減されると思いますが。
手術まで2時間かかるというのは当然ありえると思います。
タイムロスについて時間を追って考えてみましょう。
①まずはモナさんが忘れられている「転送」を判断するまでにかかる時間
現状の教育法で助産師単独で産科医と同程度の迅速で的確な判断ができるとは思いません。そもそも助産は「正常分娩」を扱うのですから。
②転送先を探す時間
これは併設されていない限り、かなり時間がかかるでしょうね。
③転送時間
④受け入れ先の準備
簡単に2時間くらいたってしまうのではないでしょうか。
救急外来に身元不明で飛び込んできた人の手術は簡単ですよね。
だって身元不明で、今手術しなきゃ死ぬんだから、とにかくやって、ダメならダメ。あとで見つかった家族も納得するしかないのでは?
助産院である程度分娩が進行していれば、患者およびその家族は「ふつうに生めるつもり」になってますから、まず状況説明が大変です。手術が必要なのに「向こう(病院)でちゃんと生めるから」とだけ聞かされて「手術はイヤだ」と言い張る人を前に泣きたくなったこともあります。
なんで今赤ん坊の状態が悪いのか、なんで出血が続いているのか、搬送もとが病院なら向こうの先生はある程度説明してくれていますが、助産師さんにそこまでの説明は求められません。
助産師さんの妊娠管理能力にもいろいろあるのでしょうが、今現在の状況では「助産院での分娩を選択する」ような方々自体にある一定の問題点があるような気がしてなりません。
もちろん周囲に産科医がなく、選択の余地のないまま助産院を選ぶこともこれからは増加すると思いますので、助産院からの緊急搬送を受ける機会もふえるとは思いますが、助産院との共同勉強会、患者のカンファレンスもしておかなければならなくなるだろうし、ますます産科医の負担はふえていくとしか思えません。
山本モナー・さま、助産院の安全性・さま、suzan・さま
コメントありがとうございます。私どもも、suzan・さまと同じような状況を時々経験します。
急変時に、すばやく緊急手術を行うためには、普段から、患者さん自身に、分娩時に急変は少なからずあり得ること、その際には緊急手術が必要となること、などを説明し、十分に納得していただいておく必要があります。
世の中、いろいろな考え方があり、助産院で産もうと決意していた妊婦さんの場合は、もともと『自然分娩崇拝』の信念が非常に強固の人が多く、中には、かたくなに医療のサポートを拒み続ける方も少なくないと思われます。
母児の状況が急変して、病院に救急車で搬送されて来たような場合でも、妊婦さん御本人には何も状況が説明されてない場合もあり、たとえ、医学的には手術が必要な状況だとしても、その現在の状況、手術の必要性を、患者御本人・御家族に十分に納得していただき、手術承諾書に署名をしていただくまでに、相当な時間と労力を要する場合が多いのは事実です。
患者さん御自身の手術を受ける決意が固まって、手術承諾書に署名していただいて、初めて、手術に必要な問診(家族歴、既往歴、アレルギーの有無、など)、術前検査(血液検査、胸部レントゲン撮影、心電図、など)も実施できますし、手術室の準備や手術スタッフの招集を開始できます。輸血が必要な場合は、輸血の手配、クロスマッチなども必要となります。
搬送に要する時間、診断に要する時間もありますし、母児の急変から手術の開始までに、最低でも、2時間程度はかかってしまうのは確実と思われます。
また、突然そういう救急搬送があれば、その日の外来診療や病棟回診などの日常業務はすべて一時的に中断せざるをえず、産婦人科の業務だけでなく、麻酔科、新生児科など、病院業務の全体に多大な影響がでることも少なくないと思われます。
助産院の安全性さん
>これについて書籍ではなくネット上で検索できるソースを示していただければ、いろいろな方が検討検索できると思います。
と言われても、ネット上にある資料よりはるかに、専門性が高く、また内容も濃密なので、これを読めば、助産院の安全性について詳しいですよ、としか申し上げられません。時間があれば、いつか書き起こしたいですがあいにく、その時間がないのでできません。
はっきり言えば、助産院の安全性さんが、疑問を呈している部分は、全て明快に書いてありますよ。
助産所の安全性に関して論じるなら、是非押さえてほしい一冊です。
ところで
>助産所からの搬送は1割にものぼります。
に関して、ソースは?
>たまたまご本人が助産院で無事に埋めたからと言って一般化してよいのでしょうか。
この失礼な書き込みに対しても、書きっぱなしで終わらせないで、聞いているのだからきちんと答えてください。
話を進めるのはそこからだと思いませんか?
suzanさん
偏った意見をありがとうございます。
私は助産院で産みましたけれど、私自身もまわりの人も、異変があれば病院もやむなし、という気持ちでしたよ。それが普通です。
極端に自然志向の強い病院嫌いの人や、エホバの人達のように死んでも輸血を受けないような人をもってして、「助産院の患者は~」と一般化して話す人と、冷静な議論をするのは難しいでしょうね。
「うちはこんな嫌な患者がいたから、みんながこうに違いない」と言う医者は「私は助産院で産んだからみんなも大丈夫」という論理で話す一般人と同じレベルでしょう。
もう少し、先入観と偏見を捨てて話し合う気はありませんか?
こういう人が多いから、産科医療は崩壊していく一方なのでは?
もう少し、前向きで建設的な考えの方が増えることを望みます。
山本モナー さん、こんにちは。
まず、あなたが日本に於ける助産所の独立開業は安全であると主張されているのであるという点に注意を促したいと思います。
はっきり申し上げて、拳証責任はあなたにあり、他の人にはありません。
たとえば、助産所での分娩中の搬送率については、あなたが数字を提出するのがスジというものです。搬送率も知らずに安全性を主張しているとは思えませんから、あなたはお手許に搬送率、搬送後の予後データも当然お持ちの筈です。
データがないのであれば安全性証明の拳証責任を充分果たされるに足るお立場ではないと思います。如何でしょうか?
それから、国際比較データについては、背景要因を標準化しないと比較妥当性がないというのは常識だと思いますが、あなたが専門的分析だと主張するWHOデータは、日本国内での助産所の安全性(…ってどのindicaterですか?)の証明には使えません。…まず、多くの国では、何よりも妊産婦死亡率、周産期死亡率、自然死産率が、日本国内よりもケタ1個~2個違うのですから。
管理人さんへ
もう一度整理しましょうか。
管理人さんの書いた
>どんなに条件が整っていても、急変から手術開始までに2時間以上はかかってしまいます。
ということですよね。
この「二時間以上」の計算は、搬送30分の計算ですから、仮に病院内でそれまで正常に経過していた患者が急変した場合でも「手術までに最低一時間半以上かかる」ということなのですよね。(当然、病院内だって、色んな事情を抱えた患者さんがいますよね)
だとしたら、どこで産んでも出産である以上、リスクはある、ということは産む側も家族も頭に入れておくべきですね。
思うに、産科における訴訟が多いのは「病院でさえ産めば絶対に大丈夫」という思い込みがあるからでは。(もうひとつには、人手不足からくる説明不足や、こまやかなケアができないことから来る不信感が大きいでしょうが)
どこで産んでも急変から手術までに一時間半程度の時間はかかるし、ましてや普通の病院だったら、つききりで看ているわけにもいかないし、他で急変がああれば出払ってしまうこともあるわけです。
助産院だろうが病院だろうが、出産における急変は起こりえるのだから(自分であれ、他者であれ)、それにそなえて、必要のない人はできるだけ医者や病院の施設を無駄に(あえて言いますが)わずらわせるべきではないと思います。軽い風邪程度の人間が、大学病院に行って、病院をパンクさせるよりも、地元の町医者などで診察を受けてくれ、ということをよく聞きますが、それと同じ理屈ですね。
忙しい、忙しい、この状況をなんとか打開してくれ、という医者は多くても、このような理論が少ないことに、欺瞞を感じてしまいます。
風邪だって高血圧だって、突然、重篤になったり死んだりする例はありますが、そういう人間に「常に大病院にいろ」と言う人はいませんよね。
何か、あったらすぐに駆けつけてくれ、と言います。
むしろ、そのほうが病院自体がスムーズに機能するので効率的です。
とりあえず、
①助産師がつききりで看ている、病院から15分以内の助産院で
②必要な手術にはすぐ同意するごく普通の患者の場合
(つまりごく普通の助産院の患者ですね)
忙しくて、つききりで看られない病院と尾同じ程度の所要時間だと思われますが、そのへんはいかがでしょうか。
それともう一つ。
>また、突然そういう救急搬送があれば、その日の外来診療や病棟回診などの日常業務はすべて一時的に中断せざるをえず、産婦人科の業務だけでなく、麻酔科、新生児科など、病院業務の全体に多大な影響がでることも少なくないと思われます。
これは病院内の正常な経過をたどっていた患者が急変しても同じことではないんですか?(救急外来の手はわずらわせるかもしれませんが一般外来には及ばないのでは)
私は最近、病院にお世話になりましたが、順番は予約制でしたし、「容態の悪い患者がいた場合はその方を優先する」という断り書きは当然納得して読みました。
それでもスムーズに看ていただき、なんの不満もありませんでした。もし、本来病院の必要のない人が「万が一に備えて」とばかりに押し寄せるような病院だったら、機能しなくて困ってしまいます。
rijinさんへ
それだけこの問題に興味があるのなら、是非ご一読をお奨めいたします。
http://www.web-reborn.com/books/book/whokankokunimiru.htm
とても興味深いですよ。
>国際比較データについては、背景要因を標準化しないと比較妥当
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それは期待できますね。
今の初期研修はいろいろと問題山積みですが、いい施設ではそれなりにいい結果に結び付くものですね。
そちらに行った際は、ぜひ見学させてください。
当院でも初期研修医が16名在籍し、2年目に6週間ずつ産婦人科研修に回ってきます。
産婦人科研修に来る頃には、すでに外科研修を半年済ませているので、外科系志望の研修医であれば、帝王切開の執刀は全く問題ないと思います。
当院での産婦人科後期研修を選んでくれた医師は、産婦人科初期研修中の6週間の当科の帝王切開、子宮全摘のほぼ全例を(指導医が前立ちし)執刀しました。最初の1~2例は手取り足取りでしたが、6週間目にはかなり手慣れたもので、基本的な手術であれば普通の産婦人科医とほとんど変わりがありませんでした。この4月から産婦人科医になってくれて、すでに悪性腫瘍手術の執刀、前置胎盤出血の緊急帝王切開の執刀など、指導医の監督下に、スタッフとしてバリバリ働き始めました。外科研修で腸管手術も多数例執刀したので、婦人科手術中の腸管処理も、外科の先生の監督下に自力でできます。従来の最初から産婦人科にストレートに入ってきた医者ではとてもマネができないことで、将来の成長が本当に楽しみです。
6週間づつ研修医が回ってくるようになってから、病棟の雰囲気に明らかに活気がでてきたと感じています。昼間に産婦人科病棟に行ってみると、常勤医、大学から指導に来ていただいている先生、研修医、医学生、助産師、看護師、助産学生、看護学生と、若い大勢のスタッフがいて非常に活気に満ちあふれた雰囲気になってます。
これからも、毎年、研修医に産婦人科を選んでもらえるように、病棟をできるだけ華やかで楽しい雰囲気に保っていきたいものです。
p.s. 東北産婦人科勤務医・さま、お母様の故郷にお越しの祭は、是非お立ち寄りください。
ただし、これだけ技術を叩き込んでも誰も産婦人科を選んでくれません。研修必修化が始まって、10人以上の研修医に教えましたが、未だ0です。どうしても我々が手を離せないときに、産婦人科を終了した研修医がお産を取ってくれたりするので、便利ではありますが...。
あまりシゴきすぎても選んではくれないようです。ご参考までに...。
p.s. 私は母の里の飯田で生まれました。遠くからですが、管理人さんのご活躍を応援しております。
先日の看護師内診認めるのだか認めないのだかよくわかんない厚労省の通達をみて、私は決心しました。
医師であれば誰でも内診を認めるのですね?
厚労省のお墨付きをいただいたわけですから、当院では今まで研修医には内診をさせておりませんでしたけれど、積極的に分娩が一人で取れるところまで仕込んでいこう、という話になりました。
もちろん男性研修医であってもしっかり内診させます。
将来的にアメリカのようにGP医が分娩をとる場合がある、という教育を厚労省が目指しているのであれば尚更ですし、助産師の充足していない医院に「内診」バイトに出向かせる事が出切るくらい内診所見をたたきこもう、というわけです。
(回旋については信用していないから、最初からエコーでよし!)
それでひょっとしたら研修医が産科へ迷い込んでこれば『瓢箪からコマ』ですし、いざ産科が崩壊した後も彼らは多少の人手になるかもしれません。
管理人様をふくめ、全国の研修指定病院産科部長先生!研修医にしっかりと正常分娩がとれるような教育をおねがいいたします。
でもアクセスがないところに、クオリティはないわけで苦渋の選択をされているように思います。
小児科の開業医の先生でも、意味もなく風邪に抗生物質をだす、抱え込んでひどくなって紹介するなど見立ての悪い先生はいますよね。だからといって廃業しろとおっしゃいますか?
医療のレベルのさらなる向上は(日本は世界的にみて平均的医療レベルは高いと思いますが)、どこの科でも必要があると思います。
しかしそのためには当直を労働時間として認めない、勝手に医師の労働時間を労働基準法より長く設定する、高齢(亡くなった医師も!)カウントして医師は充足しているという状況をやめなければいけないと思います。医師数に余裕がなければできないのではないかと思います。
取り上げる予定にしております。
ということですが、今までのメディアの取り上げ方ですと
①24時間365日休む暇もなく働く産科医、その影で医療事故もおきているという再現映像、覆面・音声を変えた関係者の証言
②助産所分娩、感動の親子で迎える出産、「助産院の温かい雰囲気で産んでよかった」とのインタビュー
③なのに法改正で、3割の助産所が廃院の危機というナレーション
④「産科が足らなくて助産院が協力しようとしているのにどうしてですかね~。病院に嘱託医を強制化する法律を国が整備するべきですね~」とメインコメンテーター。若い女性コメンテーターが「温かい助産院いいですね。私は絶対助産院で産みたいですね!」
となるんではないでしょうか。
マスコミは国民に正しい情報を伝える役割があると思いますが、今までの医療報道を見ると誤った方向に導いているとしか思えません。
連携できず助産院が潰れることを問題にするよりも、全分娩数の1%しか担っていない助産院、そしてトラブルが起きると産科に大きく負担をかける助産院の存在意義自体をまず問うべきではないでしょうか。
少なくともstand-aloneの助産院の危険性は明瞭です。院内所産院については個々の産科の先生でご意見があるでしょう。
私ならば分娩時、助産師・看護師が経過を見て最後のみ産科医が関与するというのは非常にいいと思うのですが、妊検は継続して産科医に診て欲しいと思います。だから院内であっても助産院にかかりたいとは思いません。また助産院は扱える分娩件数も限られるし、わざわざ同じ医療機関に産科と助産科があって壁を作る必要性もよくわかりません。
管理人さんのところで行われている方式が理想的に思います。
ただ委員長先生が仰る1%の助産所の方がはるかに危険なので、まずそちらを、と言うご意見に関しては、実際に患者さんを受け入れている側からすると、赤ちゃんの実数からは47%の方がはるかに多い訳ですから、この47%の医療の質の向上を目指した方がもっと多くの赤ちゃんの救命につながるのではないかと考えた次第です。
また開業・勤務医を問わず分娩施設において複数の医師が常駐しているのが当たり前になってくれば自ずと分娩そのもののリスクは軽減されるはずで、その結果、訴訟もいくらかでも減ってくる可能性はないのでしょうか?世の中の分娩に対する要求が現状を無視した程、とてつもなく高まっていることは私自身も実感していますので簡単にいくとは思いませんが、もしこのようなリスク回避によって訴訟が少しでも減少傾向になってくれれば、また若い先生方の希望者も増えるのではないかとも思います。
逆にこれまでの産科の訴訟の多さは、一部の心ない分娩をしていた先生方が訴えられてきたことによる「風評被害」のような側面があるようにも思います。ですから産科の先生達ご自身のためにも危険なお産をしている先生方をかばっていられるような時代ではもうないのではと言うように思っております。
私は産科小児科専門医が直ちに対応できないstand aloneの助産所分娩は廃止の方向で検討されていくべきであると考えています。現代の日本で亡くなる必要の全くない沢山の赤ちゃんが亡くなっているのです。周産期を職業とするものとして、耐えられません。先生も、まず危険な1%をやめさせることが先だとは思われませんか。(彼らがやめても分娩難民は発生しません)開業医分娩の安全性の問題は、それを前提とした上で議論すべき問題だと思います。
複数Drで管理する事は理想的だと思います。自分自身でも「大丈夫~」と思ってみている妊婦さんを「あの人、ちょっと大丈夫?」とちょっと一言横から入れていただけるだけで「あ!」と盲点に気付く事が年に何回かあります。やはり一人で抱え込まないことは重要な事ですし、開業医さんでも同じ事、というのは全くそのとおりだと思います。
ただ現実的にはどうなのでしょうか?
そもそもこれから「産科」開業自体がリスク高すぎますので、あまり推奨されない時代に入っていくと思います。周囲に開業される方々には夫婦二人でという恵まれた方もいらっしゃいますが、当地方では結構仲良し二人で開業(その後喧嘩しているらしい。。。)などリスク対策は徐々に行われていっています。
問題は昔から残っている先生方の方です。。。どちらかというと。
http://blog.m3.com/OB_Gyne/20070318/3
の図5を見ていただくとわかるのですが(図がいがんでいて申し訳ありません。。。所詮ギネ医の仕事ですので!)、診療所で働く人々はどうみても高齢者なんです。
新規開業の方々はある程度トレーニングされ、訴訟についてもよく御存知の方が多いのですが、これらの「地域のおじいちゃん先生」はけっこうやってくれます。。。たくさん分娩を取り扱ってもくれるのですが。
新規開業よりも、このおじいちゃん先生方の方が私の気分の中では問題ですが、なんとも御意見を申し上げられるような立場の方々ではありません。
>管理人さま!
お忙しいところ恐縮ですが、ぜひぜひそれをまとめていただけるようにお願いいたします。(若いものにでも命じて!)
どこかにオープンシステムの結果の論文があったようですが。。集約化関係についての論文を見かけられた方がいらっしゃったら僻地の産科医まで御一報くださいませ!
さらに、これまでひとり開業していたお産をとる産婦人科医の方々の中で、病棟を拡張し助産婦を増員し、燃え尽きかけている病院勤務産婦人科医をリクルートして雇い入れる傾向がでて来ています。
これによって病院勤務産婦人科医が減少するのですが、取り扱う分娩数は産婦人科開業医のほうが圧倒的に多いので、結果的には病院を助けることになっています。
産婦人科のひとり開業は危険、ということは、よほど頭の古い先生でなければどなたもとっくにわかっていらっしゃるようです。新規開業産婦人科医は、だからお産をとらない。これまで開業していた方で、危機感をもった方はお産をやめるか、人員を増やしてより安全な分娩を目指す。
今後は全国的にもそうなっていくのではないでしょうか。
もしかしたらもうすでにそうなっているのかも知れません。
ご存知の先生がいらしゃいましたら教えてください。
管理人先生がいつも仰っているように、地方の自治体病院では一人医長は絶対にやめなければいけないと言われていますし、また多くの産科の先生からも一人では24時間拘束され、激務過ぎるので収入の問題ではなく労働環境の問題として、避けるべきであるとのコメントをよく目にします。なのになぜ開業医だったら一人でやることが当たり前なのかが私にはずっと理解できないでいます。「言っていることとやっていることがが違う」これが私の率直な感想です。
私は助産所の危険性を煽っているわけではありません。
助産院の危険性を充分知りながらそれでもなお助産所を選び、訴訟費用なども含め助産院が全責任を負うならありだと思います。
しかし社会が「助産院はこんなに素晴らしい」「産科がなければ助産院で」というのはどうかと思っています。今の報道は危険性を全く伝えていません。
一病院あたりの成績を考えたらそれは産科医、新生児科医、麻酔科医、助産師、看護師を多数そろえればそれはよくなるでしょうけど、問題はそれだけそろえた施設を全国に多数作るほどの人的、金銭的余裕がないことだと思います。
新生児科の立場から助産院も産科開業医も同じ、というのは助産院の扱う分娩数が全分娩数の1%という点を補正してもそうなのでしょうか?助産院の搬送に対する報告では、比較的リスクの低い群を扱っているにもかかわらず、危険性が高いということだったと思いますが。
おっしゃることはわからないでもないのですが、助産所では救えない命が産科診療所には救える場合があり、産科診療所で救えない命が小児科併設の病院では救える場合があり、一般の病院では救えない命が周産期センターでは救える場合もある、ーただし、必ず救えるというわけでもないという点を度外視するわけにはいかないと考えます。
まして、病院勤務医が関与できる分娩の数は診療所開業医のそれに遠く及ばず、助産所助産師の関与している分娩の数は病院勤務医にすら遠く及びません。
診療所開業医を助産所助産師に置き換えていくというのは、机上ですら成立せず、まして今後とも、病院勤務医だけでお産を扱うという事が可能になるとは思えません。…机上の計算にしても、分娩を取り扱う医師が短期間に現在の1.5倍にならなければなりません。
まして、出生数は底を打った可能性があり、予断を許しません。
今でも高齢の産科開業医は次々と廃業されています。後を埋める新規開業の先生方の中で分娩を扱う先生の割合は徐々に低下しつつあります。結果として病院勤務医の負担が増大していることはご承知の通りです。
この中で何ができるかを考えるとき、新生児を救うために一人開業医を止めるという選択肢は、およそ採用不可能であるだけでなく、却って産科医師の一層の減少に拍車をかけ、結果として妊産婦死亡と新生児死亡を増やすという裏目に出る危険性が極めて高い状況であると考えます。
小児科の先生に是非ともご提案いただきたいのは、豊富なご経験の中から、産科とは別の視点で新生児死亡のハイリスクグループの存在に注意を喚起していただくことです。
産科の中で管理が既に必要とされているハイリスクグループについては、今後とも地域で一体となったトリアージの改善が必要と考えます。他方、これまでは何となく診療所開業医で対処可能とされてきた中に、実はいくつかのハイリスクグループが隠れているのではないかということも考えられ、そこに小児科独自の視点から御検討を頂ければ、一層の新生児死亡の減少に寄与していただけるのではないかと思うのです。
助産師が経営に永続性の期待できない診療所開業医に付いていけないように、いくら分娩数が多くとも、小児科医が産科診療所に就職することも有り得ないことです。
であれば、机上の計算すら成立しない計画に固執することは止め、実現可能なアイディアをご提案いただけないものでしょうか。
ただ私が言いたかったことは、分娩施設における安全性を問う時に、分娩担当者が一人しかいない一人開業医を肯定しておきながら、ことさら助産所の危険性を煽ることにはどうしても矛盾を感じてしまうと言うことなのです。
新生児を扱う者の立場から言えば「五十歩百歩」です。
今、開業されている先生に辞めろと言う気はありませんが、産婦人科医の中でもこの「一人開業医問題」をもう少し真剣にとらえていただき、せめて新規開業の先生にはもうこんな形態の開業はそろそろやめて欲しいと思っている次第です。
>最低限、緊急帝切できて、突然の仮死児の発生にも対応できるような体制までが求められるようになってきているのだと思います。
助産所は全く満たしていませんね。助産師にはそもそも原理的に帝王切開や救命処置などの医療行為がができませんよね。産科にはこれほど厳しい要求があるのに、助産所に対しては泣き寝入りもしかたないという世間の認識はダブルスタンダードだと思います。
例外はあるにせよ、助産所と産科開業医を同列に語るのは乱暴だと思います。
もし、分娩の安全性を言うのなら、まず助産所の廃止がまず先で、それから集約化ではないでしょうか。地方では集約化も厳しいところがあると思いますが。
どちらにせよ、開業産科はいけなくて、その分助産所の活躍をという風潮はおかしいと思います。
http://plaza.umin.ac.jp/~perinate/cgi-bin/wiki/wiki.cgi?page=%B7%C7%BC%A8%C8%C4%A3%B2
厚生労働省の無能看護系役人と事務次官は辞表を出した方が良い - 内診は産科看護婦で長年やって来た実績がある (2007年02月04日 12時09分16秒)
平成18年の1年間、一体厚生労働省は何をして来たのか。厚生労働省の政策により結果的に、産科が崩壊した。日本の産科崩壊は厚生労働省の失政の結果である。あれ程日本産婦人科医会や医師会、ほとんどの医師が内診は産科看護婦にも認めろと主張したのにそれを無視して来た。一看護系役人が出した通達など、法的に何の効力もない。国会議論して法律に明記した後で全国の医師に通達を出すべきであった。三権分立に違反するから、この看護系役人は憲法に違反している。どのような指示命令系統であの違法な通達を出したか厚生労働省は明らかにせよ。役人或いは官僚の暴走がどれ程日本を破壊するか良く分かった事例だ。この通達で年500件の分娩を扱う大阪の産科の先生は分娩を取りやめた。貴重な産科がまた閉鎖された。厚生労働省のせいである。http://www.oakclinic-group.com/info.html 貴様達役人は開業産科医を潰して正常分娩は助産婦にやらせ、異常分娩は病院の産科医にやらせるつもりでいたに違いない。助産婦の意見は大幅に聞き入れ、助産婦の利権を拡大して来た。しかし開業産科医のみならず、日本国中の病院の産科崩壊は確定し、今は消滅している過程に過ぎないことをやっと認識したことだろう。その目論見は崩壊した。 福島の大野病院の加藤先生不当逮捕不当起訴事件が起きた時も、厚生労働省は一切何もしなかった。せめて、加藤先生の逮捕起訴は不当で人権侵害だから直ちに釈放し不起訴にすべきだと報道機関に声明を発表するべきであった。そう発表するだけで分娩する所を探すのに苦労する事態にはならなかったであろう。その声明で、全国の医師達は、不当逮捕不当起訴から厚生労働省は医師を守る意思がある、と認識したからな。 貴様達看護系役人に日本の産科崩壊を解決する能力などない。さっさと辞表を出すべきだ。産科医の意見をほとんど受け入れないから、日本の産科は必ず崩壊する。厚生労働省の役人に辞めたばかりの産科医を頭脳として受け入れて立て直せ。貴様達には立て直しは不可能だ。 また辻哲夫(つじ・てつお)厚生労働事務次官は平成19年2月1日の定例会見で「医師の指示があっても、看護師などが内診を行うのは違法という見解に変わりはない」。と述べた。彼もまた違法な通達を幇助したのだから、産科医療崩壊を防止することが出来ないのは明白、辞表を提出にて能力がある人にやってもらった方が良い。彼には産科立て直しは不可能だ。このままでは必ず産科は崩壊する。
何度でも言うが、産科の内診を助産婦に限るのであれば、国会決議してから通達を出せ。
助産院については3割が廃院の危機などと騒がれていますが、医師の指示下であっても看護師の内診が認められないなら、かなりの産院が廃院に追い込まれると思われます。もし1割でも産科医院が廃業や休診となれば、妊婦にとっては助産院がなくなるよりももっと大変な問題です。
そうその通り。
われわれも、妊娠経過中に体重が増えむくみが増悪し血圧上昇しているのに食事指導も何もせず、すっかりできあがった今にも子癇発作起こしそうな妊娠高血圧症候群患者を開業医から突然送られれば、怒り狂います。
が、しかし。
そういう施設がすべて分娩を扱う資格なし、とされてしまうと、おそらく病院で分娩できず道端で生まれる、最近のはやり言葉では「道産子」が激増するのは間違いありません。
モニターもなく道端で生まれるのと、仮死であっても病院で生まれてすぐに搬送されるのと、どっちがお好きですか?
選べるようなことじゃないですね。
ええ、もうすぐ選べなくなると思います。
産婦人科医はどんどん減少してますから、道端で生まれる子は絶対に増えます。
でも、なんとかもう少し、腕の悪い先の見通しの下手な産婦人科の先生にもがんばってほしいと思う私は、患者さん(妊婦&胎児)のことを本当に考えてない、いけない産婦人科医なのでしょうか。
ご指摘はごもっともと思いますが、分娩の全てを総合周産期センターで行うわけにも行きません。低リスク群を担う施設は、高リスク群を扱う施設自身のために必要です。
また、周産期センターを拡大しようにも、産科医だけでなく、小児科の先生のリクルートもできなくて計画が頓挫するケースが報道されています。新生児医療に従事する小児科医自体が分娩の現場で不足している以上、御懸念はごもっともと思いますが、施設の集約化が解決策になる可能性はないと断言できます。
救急医療を巡っても同じような問題があります。本来であれば最初から救命救急センターに行くべき患者さんが、walk inで夜間診療所や二次病院を初診し、搬送中に急変する事態が今でも後を断ちません。
かと言って、北米型ER等を導入して1次患者のアクセスを改善しようとすると、バックベッドを担う他の診療科の先生方の日常業務を大きく制限することになり、なかなか長続きさせることは難しい状況が続いています。
集約化のみによって事態の改善を図ろうというのは、新生児医療でも救急医療でも不可能であるというところから出発する必要があると思います。
むしろ、仮死の危険性の読み切れていない潜在的高リスク群はどんな特徴を持っているのか、より多くを拾い上げる努力によってトリアージを適正化した方が、現在の厳しい状況下では未だ改善の実現の可能性があるのではないかと考えます。
如何でしょうか。
助産院を持ち上げるのも結構ですが、助産院の陰もきちんと報道してください。
我々の元に運ばれてくる重症仮死児を見ている限り、開業助産所の水準を真っ向から否定できる程の水準を保った施設ばかりではないと感じていますがいかがでしょうか?
結果的にうまくいった場合、助産院で産んだほうが満足する人が多いのでしょうから。
ただ、医者としては助かるはずの命が失われるのは嫌だし、産科医の先生は特に、「こんなになってから送ってきやがって!」という憤りや尻拭いでの訴訟リスクは耐えられないレベルなのでしょうが。
私にはこどもがいます。そして海外在住経験もあります。私は医療関係者としてより、こどもを持つものとして今の産科医がいなければ助産師をかつようすればいいではないか、とか助産院・自宅分娩を持ち上げる風潮に非常におかしいと思って危機感を持っています。
どうか今まで毎日新聞を初めとした報道機関がしてきたような、危険性を冷静に判断せず、助産院の「安心」な分娩を賛美するような報道はやめてください。そもそも安全が確保されないところに安全はあるのでしょうか。
いままでの報道を見ていると、最後は必ず「産科では得られない助産院の温かいケア、家族の絆」という美談仕立てで終わっているように思います。
戦後産科の先生が築き上げられてきた、母子の「安全性」の向上をどうかとりあげてください。
私は全ての危険性を知った上で妊婦さんが助産院を選び、また不測の事態に陥ったとき助産院が全責任を負うなら、助産院を選ぶという選択肢もあるかと思いますが、そこには厳然として「院内所産院でさえも産科には安全性が劣るという」ことがあることを社会が認めることが前提だと思います。
できうれば、なぜ産科医が嘱託を受けたがらないのか、助産所側には一点の問題もなく、受けない医師が悪いのか、その点について十分考察された番組をおつくりになられますよう、お願い申し上げます。
私自身は、信頼できる助産所であれば嘱託を受けてもいいと思っています。
当然、よりよいお産を願ってのことだと思いますし
それぞれのお立場から、ご意見が対立する部分が
出てくるのだと思いますが、読み進めるにつけ
あまりの問題の大きさに愕然としております。
願わくば国がこのような現場の方々、妊婦の皆様の苦悩をできる限り理解し、さらなる法整備、
環境作りを急いでもらいたいものです。
(としかいいようがありません)
今回、助産所の嘱託医連携医療機関の厳密化について、関西ローカルの報道情報番組で
取り上げる予定にしております。
メディアの取り上げ方については
とかく一面的になりやすいなど批判がありますが
少なくとも問題提起の一助となり、現状を多くの方に知ってもらえるような番組にしたいと考えています。
このような有意義な議論の場を作ってくださった
管理人様に、この場で大変恐縮ですが、番組への
ご協力のお願いをさせていただければと思います。
ご覧いただきましたらお手数ですがメールを
いただけたら幸いです。
失礼いたしました
今朝、主人と話していて言われたんですが、昔は、医者は無条件に信頼されるもので、「すべて先生にお任せします」というタイプの人が多かった。(これがいいとは思いませんが)最近は医者よりも、マスコミや知り合いなど、素人の方を信用して、医者のアドバイスに耳を貸さない。これは医者のほうにも問題があるのではないか。医師というのは人格者であるべきだが、最近は口の聞き方も知らない医者が多い。某大学病院では、白衣を着た若い医者が、少年ジャンプをもってエレベーターに乗っていた。そういう医者って信用できるか?・・・と。
確かに、ここにはその手の医者はいません。医者にもドレスコードがあって、白衣はほとんど着ませんが、男性は必ずネクタイ、女性はスーツにヒールの靴。いつも笑顔で患者様のニーズにお答えしましょうという趣旨の、院内啓蒙メールがしょっちゅう届きます。
生きにくいご時世ですが、特に日本では本当に大変でしょうが、産婦人科は、患者さんにおめでとうと言える唯一の診療科ですから、なんとか頑張っていきましょうね。
いや、こんなのはもう日常茶飯事のことで、驚くほどのことではないと思います。
「説明した」→「カルテに記載がないから説明したとは認められない」
「説明しカルテにも記載した」→「患者が理解できるまで説明すべきであり、説明義務を果たしていない」
「理解できるよう説明したが、患者が治療を断った」→「患者が治療を受けるよう治療の重要性をもっと説明すべきだった」
「薬の副作用については説明したが、患者が勝手に受診中止し、薬を中止したために副作用が出た」→「患者に連絡を取って受診させ薬を継続させるという努力を怠った」
上記は笑い話ではなく、現実におこっていることです(ソースはどなたかのブログにあったのですが、失念しました)。とにかく、何が何でも病院・医者に責任を負わすというのが、昨今の医療訴訟の流れですから。
わたしがひとりめ妊娠中に、産科医の先生がおっしゃっていた「間接的子育て」というおことばを思い出しました。
「赤ちゃんがお腹のなかにいるときからあなたたちの子育ては始まっているんですよ」とのこと。
で、それは、奇をてらったことをするのではなく、規則正しい生活、まっとうな食生活、要するに当たり前の健康法をしゅくしゅくと日々続けて、無事に出産を迎えることなのですよ、とおっしゃっていました。
まぁ、今回はわたしも高齢妊婦ということで、ちょっとでも生活が乱れるとてきめんに体が悲鳴を上げてしまいます。で、ひたすら体の声に従ってまじめに生きております(笑)
suzanさんの書かれてるような妊婦さん、よぅやるわ~、という感じですね(爆)
反対に、気合を入れて死ぬほどがんばる、方も無理です。
どうも妊娠・出産に関してはみんな情報の海におぼれてしまって、何が当たり前なのかわかんなくなっている風潮があるような気がします。
ゼクシィという雑誌があります。この雑誌手に取ることが困難なくらいの厚さで、その中には結婚式にまつわる広告をはじめてとして、ありとあらゆるウェディング関係の購買意欲をそそろうとする記載であふれています。多くの新婦はそれらを見ながら結婚式に向けてとにかく「頑張る」わけです。いろいろと。「自分らしい」結婚式にむけて。
しかし、なにからなにまでうまくいく結婚式というのもなかなかありません。で、トラブルに遭遇してしまった新婦の怨嗟の念というものはなかなかすさまじいものがあり、ネット上にもそうした記述が散見されるところです。しかもそのトラブルというのが、個人的な目から見るとなぜにそこまで拘泥するのであろうかとうくらいのささいなこともあったりします。
あの業界はいわば自由診療ですから、業界自体の崩壊という懸念は無いんでしょうが、クレームに直面したスタッフの疲弊と人材の使い捨てという福祉業界のような問題は今後起こってくるかもしれません。
そんな新婦さんがやがてたまごクラブを読んで「自分らしい」妊婦さんになっていくんでしょうか。
やっとチケットが取れたと喜んで、5ヶ月なのに野外のオールスタンディングのロックコンサートに出かける。
つわりが終わったので、これまで食べられなかったぶんも、とばかりに食べて2週間で10キロ太る。
「なんでそんなことを?」と聞いても「何が悪い?」と返されます。
「気合を入れて死ぬ気でがんばる」のは必要ないけれど、これまでの自分がいかに人間として不自然な、わがままな生活を送ってきたか、妊娠を機会に考えなおしてほしいと思います。
たとえば自分の子どもが同じことをしたときに、そうだよそれが正しい生き方だよ、と言える親でいてほしいのです。
>本来帝王切開で無事生まれたことを喜ぶべきなのに、下から産んであげられなかったと罪悪感を抱くなんて。
以前勤務していた施設で、私が赴任する前に起こったことですが、分娩経過中に赤ちゃんの心音がおちて、主治医が緊急帝王切開を勧めたにもかかわらず、姑が猛反対して同意が得られず、結局赤ちゃんはCPになってしまいました。母親や家族がお産方法にこだわるおかげで、被害を受けるのは赤ちゃんだということを、どうして理解してもらえないのでしょうか?ちなみにそのケースは訴訟となり、医療側が敗訴しました。なんでじゃ~!
問題は子育てそのものですよね。
産んでからの方がよっぽど大事です。
そもそも妊娠経過中ってそんなに気合を入れて死ぬ気で頑張るものなんですか?
飲酒・喫煙をしない、健康な食生活、適度の運動、よく寝てできるだけストレスを避けて妊婦検診にきちんと通って楽しくマタニティーライフを送るっていうんではだめですか。普通のことだと思うんですけど。体重もあまりに厳格にコントロールすると低出生体重児が増えるって勧告がでたときいたように思うんですが。
頑張れば、ゴールに必ず到達できると信じ込まされて、ゴール目指して必死に頑張るから、思うようにいかなかった時にがたがたになってしまうのではないでしょうか。結婚式のように自分で計画して頑張れば思うように行くはず、の楽しいイベントと思わされているのではないでしょうか。
それに帝王切開される方もめずらしくないのに、経膣分娩が全てのようにいうのは本当におかしいと思います。本来帝王切開で無事生まれたことを喜ぶべきなのに、下から産んであげられなかったと罪悪感を抱くなんて。
「産み方はその女性の人生」なんて本当におかしいと思います。
結局助産院は偶然ポリシーにあった人にはよいかもしれないけど、それから外れてしまった人は心のケアも医療処置も病院に押し付けてしまっているだけなのではないでしょうか。
助産院の安全性は産科と比較にならない。でもかたくなに20年前の資料を基に助産院を賛美される方をみていると宗教だなあとつくづく思います。
計画出産のおかげで、日本で働いていたときのように、お産で呼ばれて夜中に病院と家を何度も往復するなどということはありません。いつも電話を手放せないストレスは同じですが、昼間に産んでくれるというだけで、体力的にはすごく楽です。もともと無痛分娩だとそのまま緊急帝王切開もできます。手術前の儀式(胸写、心電図、血液検査、麻酔科の術前診察など)がないので、手術の決定から手術室に入るまでに10分もかかりません(剃毛と承諾書のサインの時間のみ)。ローカルのドクター達からは、「日本人はすべて自然で産みたいって言って、無痛分娩も、陣痛促進剤も嫌がる人がいるけど、何かの宗教なの?」とよく言われます。確かに、日本のお産は宗教じみているかも知れません。
計画分娩などというと、自然の摂理に抗うフトドキモノ扱いされそうですが、人手の少なくなる夜中や休日にお産させて、妊婦さんを危険にさらす方が、よっぽど人道を外れているような気もします。妊婦自ら危険を望むのだから、いいのかな?計画分娩は、医者の都合で産まされるという感覚をもたれる方がほとんどでしょうが、本当にそうでしょうか?妊婦さんにとってもメリットがあるのでは?そして、日本の産婦人科医のバーンアウトを防ぐ糸口になりうるのでは?
助産院は安全か?という議論からは少し外れてしまいますが、産婦人科医の負担を減らすために、助産院で産めばいいなどというわけの分からない、理論よりも、よっぽど安全で現実的だと思うのですが、乱暴な意見でしょうか?
ちなみに、日本で働いていた頃は、特殊なケースを除いて、計画出産や無痛分娩を勧めたことはありません。どちらかというと、自然の摂理を重視していたかな?そのせいで、自分の首を絞めていたわけですが。
ただ残念だというだけでなく、そこから一歩踏み込んで「帝王切開したから、元気な赤ちゃんを抱けた」と思える風潮だったらもっと幸せなのではないでしょうか。
助産院で産んでお子さんを亡くされた方のことを知って、自分は病院で帝王切開をできて本当にありががいと思った、という感想を読んだことがあります。
「自然」をもてはやすばかりでなく、医療によって救われている命があるんだということを、マスコミがもっと報道すべきだと思うのです。分娩方法にこだわる以上に大切にすべきことがあるのではないかと感じています。出産は新しい家族の始まりにすぎないのですから。
そうすると助産師外来は医師の外来業務軽減にもならないですね・・・。少しでも役に立てればと思っているのですが。
助産所を単体で残し活用するには、搬送先との提携はもちろんですが、助産師に技能習得を義務づけ、超音波診断等を用い産科の現状の感度で「正常からの逸脱」を発見できるようにする、会陰の縫合も自分でやる、など助産師が本当の意味で正常分娩を単体できるようにする必要があると思います。(教育は誰がするか?今の資格取得者をどうするか?即効性はないし、それで信頼できるかは別問題、等の問題がありかなり困難だと思われます。)
>「しかたないから産科に転院する、帝王切開もうける」
これは正常な感覚であれば誰だってそうです。自分と赤ちゃんが大切にし、自己管理を努力して行っていれば正常からの逸脱は心配だし、残念と感じるのは自然な感情でしょう。その気持ちに寄り添って「帝王切開に前向きに取り組もう」「帝王切開だったけど母子共に元気で良かった、この施設にきていいお産ができた」と思えるようにするのが産科での助産であり看護です。
異常なまでに助産院にこだわり、医療の介在を一切認めないと言い張る方については本人のパーソナリティーと搬送前の場所での教育に問題があると思いますが。
助産師を辞めさせない方法について一つ。
病棟の助産師たちに「辞めようとした時思いとどまった経験」の雑談アンケートの結果、全員が辞めようと思ったことがあり、思いとどまった理由は「産婦さまにありがとうと言われたこと」が全員一致で複数の経験があると回答されました。
ちなみに辞めようと思った理由は「妊娠・出産」「重症例に当たった」「先輩、医師との人間関係」「夜勤がきつい」「給料が毎年下がる」等雑多でした。
ほんとに単純ですよね・・・。お金もかからないしみなさん試してみてはいかがでしょうか?
無作為割付なので、結局これは院内助産院の実力をかなり的確に示していると思います。
転送率29~67%なのに(もちろん最初リスクを考慮せず無作為割付をしているので、多くなっているのだと思いますが)、でかなり風通しはいいと思われますが、どうしてこの違いが生じるのでしょうか?
併設されているのでストレッチャーで移動するぐらいのもので搬送時間はかなり少ないと思われますが。
これが管理人さんがおしゃっる「一丸となって当たれるか」の壁なのではないかと思います。集約化して組織が大きくなればなるほど、違う指揮系統のものがあれば非効率的になるのではないでしょうか。
医療の介入によって助かる命が増えました。それなのに「しかたないから産科に転院する、帝王切開もうける」というのはとても悲しいことではないでしょうか。
まして医療従事者側がそのような発言をすることは「驕り」以外の何者でもないと思います。
助産師が独立して(独立しなくても主体性はもてると思いますが、)主体性をもってすること以上に患者さんの安全性を守るほうが大切なのではないでしょうか。
悲しい転機になったときに、責任をもてるのでしょうか。
産科医でなくても、これが美談と言うよりはサスペンスの領域だと理解できます。この助産師さんが決してお金儲けのためにやっているのではないのは分かっていますが・・・。
http://job.yomiuri.co.jp/news/jo_ne_06100210.cfm「助産師になって、母乳による育児を広めたい。お産も子育ても、とても楽しくて幸せなことなんだと伝えたい」。気が付くと、そう思っていた。
「きっと君に向いてると思うよ」。最後は夫の言葉に背中を押された。
36歳で区役所を退職。人生で2度目の大学受験に挑み、東京医科歯科大の保健衛生学科に入学した。
入学後、二女を助産院で、長男を自宅で出産。育児のための休学もはさみながら夢への道を突き進み、44歳の春、助産師の国家試験に合格した。助産院の開業にこぎ着けたのは、その1年後。区役所を退職してから9年余りが過ぎていた。--------------------------------卒後一年で、開業・・・。
とは言うものの、パラメディックサイドが抱える問題(救急車不足など)は無視されていますよね・・・。
なんとなく呪術めいた、私にはあまりよくわからない話しを
したり、リフレクソロジーとかアロマテラピーとか、
本当によいのかどうかわからないサービスがあったので、
あまり信用出来ませんでした。
やはりできれば小児科の設備のある病院で産む方が
理想的に思います。
病院内助産院が望ましいと言う意見なら賛成出来ます。
妊婦は、お産は病院の中でさえ危険なこともあるのだと
認識をしなければいけないと思います。
私は山本モナーさんの「助産師の活用」という点については賛成です。
ただ「助産所で」という点については不安です。
私の地元にある助産院は、最寄の産婦人科医のいる医療施設まで車で15分くらいの距離です。
しかし、提携している?医療施設までは日中で40分、渋滞などがあると1時間以上かかります。
産科医と提携しているから大丈夫、と言われても心配です。
いよいよの時はカルテも何もない最寄のところに送るのでしょうか?
ここの管理人先生がいつもおっしゃっているような、産科を集約してそれに伴い助産師も集約するというのが今考えられる理想の形なのかな?と思います。
助産師さんが産科医のいる病院内で、正常に進行するお産を管理して、異常があったら待機している産科医が対応してくれる。それだけでも、産科医の負担は減らせるのではないでしょうか?産科医の先生方、どうですか?
搬送されてくるよりは、母体にとってもいい気がします。
ちなみに私はもし妊娠しても、助産院では産みません。
そのときまで、地元の病院の産婦人科が残っているといいのですが・・・
http://www.cochrane.org/reviews/en/ab000012.html
この研究はコクラン妊娠・出産グループ研究登録と8雑誌から検索したもの、2つの出版された会議録から検索した無作為化比較試験で方法論が吟味された、6研究(8677人)をまとめたものです。
(Plain language summary)
Home-like institutional birth settings reduce the chances of medical interventions and increase maternal satisfaction, but it is important to watch for signs of complications
Home-like birth settings are intended for women who prefer to avoid medical intervention during labour and birth, but who either do not wish or cannot have a home birth. The results of six trials suggest modest benefits, including decreased medical intervention and higher rates of spontaneous vaginal birth, breastfeeding, and maternal satisfaction. However, there may be an added risk of perinatal mortality.
(要約)
Home-like institutional birth setting(助産院という訳でよろしいでしょうか、以下助産院と訳します。)は、医療の介入の頻度を減らし、満足度が高いが、合併症への注意が必要である。
助産院は医療介入を分娩時に避けたいが自宅では産みたくないもしくは産めないという女性のためのものである。6個の研究の結果は医療介入を減らし、自然な経膣分娩の率を高める、母乳育児、母親の満足度などに関しやや利点(modest benefits)を示した。しかしながら周産期死亡の上昇の可能性がある。
(Main results)
Six trials involving 8677 women were included. No trials of freestanding birth centres were found. Between 29% and 67% of women allocated to home-like settings were transferred to standard care before or during labour. Allocation to a home-like setting significantly increased the likelihood of: no intrapartum analgesia/anaesthesia (four trials; n = 6703; relative risk (RR) 1.19, 95% confidence interval (CI) 1.01 to 1.40), spontaneous vaginal birth (five trials; n = 8529; RR 1.03, 95% CI 1.01 to 1.06), vaginal/perineal tears (four trials; n = 8415; RR 1.08, 95% CI 1.03 to 1.13), preference for the same setting the next time (one trial; n = 1230; RR 1.81, 95% CI 1.65 to 1.98), satisfaction with intrapartum care (one trial; n = 2844; RR 1.14, 95% CI 1.07 to 1.21), and breastfeeding initiation (two trials; n = 1431; RR 1.05, 95% CI 1.02 to 1.09) and continuation to six to eight weeks (two trials; n = 1431; RR 1.06, 95% CI 1.02 to 1.10). Allocation to a home-like setting decreased the likelihood of episiotomy (five trials; n = 8529; RR 0.85, 95% CI 0.74 to 0.99). There was a trend towards higher perinatal mortality in the home-like setting (five trials; n = 8529; RR 1.83, 95% CI 0.99 to 3.38). No firm conclusions could be drawn regarding the effects of staffing or organizational models.
(主な結果)
8677人の女性が関与した。どの研究も(医療機関から)独立した助産院は含まれていない。29%~67%の助産院に割り付けられた女性が分娩開始以前又は分娩中に標準的なケアを行う施設(今後産科と訳します)に搬送された。
助産院に割り付けられたものは以下のものに有意な増加がみられた。分娩時の無鎮痛・無麻酔(4研究;n=6703 相対険度(RR) 1.19 95%信頼区間(CI) 1.01~1.40)、自然な経膣分娩(5研究;n=8529 RR:1.03 CI:1.01~1.06)、膣や会陰の裂傷(4研究;n=8415 RR:1.08 CI:1.03~1.13)、次回同じ施設を選ぶ傾向(1研究;n=1230 RR:1.81 CI:1.65~1.98)、分娩時のケアへの満足度(1研究;n=2844 RR:1.14 CI:1.07~1.21)、母乳育児の開始(2研究;n=1431 RR:1.06 CI 1.02~1.10).
また助産院への割付られたものは以下のものに減少が見られた。会陰切開(5研究;n=8529 RR:0.85 CI 0.74~0.99).
助産院では周産期死亡率が高い傾向がみられた。(5研究;n=8529 RR:1.83, CI:0.99~3.38).
スタッフや組織の効果に関する確固たる結論は導き出せなかった。
(Authors' conclusions)
When compared to conventional institutional settings, home-like settings for childbirth are associated with modest benefits, including reduced medical interventions and increased maternal satisfaction. Caregivers and clients should be vigilant for signs of complications.
(著者の結論)
助産院と産科を比較すると、助産院は医療の介入を減らし、母親の満足度を高めるという点で、やや利点がある。医療関係者と患者は合併症に注意を払う必要がある。
この研究で興味深いのは、対象となっている全ての助産院が独立した助産院ではないことです。また29%~67%が分娩開始前もしくは分娩中に産科に転送になっています。
そして統計的有意差がぎりぎりないとはいえ、産科に併設された助産院でも約2倍の周産期死亡率であるということです。
やはり統計上も少なくとも助産院が産科より安全ということはないのではないでしょうか。
間違いがありましたら、申し訳ありませんが訂正してください。
という、至極もっともな話だと思います。
助産師だって産科医のフォローがないと成り立たない仕事なんだから、
産科医の目の届くところでやろうとは考えないものなのでしょうか?
普通の会社なら、責任者の管理下で作業者は仕事をします。
それと同じことだと思うのです。
もし助産師さんが開業にこだわるのなら、
病院内に助産所を開業するのってできないもんなんですかね?
それでどんなメリットがあるのか、全然わからずに書いてますけど。
41週破水後分娩停止。本人は母体搬送を希望したが「帝王切開されたら脳性麻痺になる」と説得されそのままクリステレルにて圧出分娩。
新生児仮死にて搬送されるが児は死亡。母体は産褥に発熱し、CRP32と子宮内感染が認められた。また会陰切開を行われており、創部離解。
我々からみれば、もはや犯罪的行為です。
全部が全部とは言いませんが、このレベルの助産所は少ない訳ではありません。
これで嘱託医を引き受けて欲しいと言われても、腰が引けてしまいます。
医療施設勤務の助産師にはもっとできる人もいるわけですから、もう少し開業助産師のレベルの底上げはできないものでしょうか。
助産師の資格を得ただけの段階ではまだ何もできません。五年、十年と実地でいろいろな経験を積んで、次第に、一人前の助産師に成長していくものです。
同じく助産師と言っても、いろいろなレベルの人がいるので、一概に論ずることは不可能だと思います。
ご紹介のサイトにある、WHO勧告には、そのような記載は見当たらないのですが。---Joint Interregional Conference on Appropriate Technology for Birth (1985: Fortaleza, Brazil)http://whqlibdoc.who.int/hq/1985-86/ICP_MCH_102_m02(s).pdf---
その提言の原題、発行年がわかりますと、以下で検索できるかと思います。---Library database (WHOLIS)http://www.who.int/publications/en/---
>繰り返しますが、日本の産科は、ほぼ崩壊しています。
そこまでは、いくらなんでも、と思います。例えば、以下のような状態ではないでしょう。---Many mothers do not have access to modern health care services. It is estimated that 60-80% of births in developing countries occur outside modern health care facilities.
Traditional birth attendants : a joint WHO/UNFPA/UNICEF statementWorld Health Organization.http://whqlibdoc.who.int/publications/1992/9241561505.pdf---
WHOのいう、「助産師の活用」というのは、結局、産科医師の促成栽培のようにも思えますね。---妊産婦の死亡は,費用のかからない簡単な方法で防止できるだけに,なおさら悲劇的である。感染症,失血,危険な妊娠中絶が死因の大部分を占める。これらはすべて,助産の技術を持つヘルスケアワーカーならば誰でも対処できる範囲内にある。感染症やショック,失血,痙攣などへの対処や,帝王切開といった外科的措置は,高度の医療技術や高価な医薬品を必要とするわけではない。
妊産婦死亡率:母親の命を救う:OECD Observer 日本語版http://www.oecdtokyo.org/tokyo/observer/223/223-12.html---
>ここは「ローリスクの場合は助産師主導の方が、同等か安全」ということで話を進めます。
>話はそれますが、よく見かける「病院で産まないなら、搬送されるな。勝手に死ね」という意見は、病院という役割を放棄した幼稚な意見です。>できる限り「自然に産みたい」「必要な時は病院で治療してもらいたい」というのは人間として当然の感情です。
「助産師の方が安全」なのに「搬送を受けろ」というのは...
産科医師の先生方は、助産院が病院に「紹介」することについては、特に反発はされていないかと思います。あくまで「搬送」はやめてくれ、というご意見でしょう。ローリスクであるなら、「搬送」は必要ないのではないでしょうか。
厚生労働省はそれ以外の対策をしめしておりません
崩壊は遠くないですな 残念ながら
行政と業界が協調してオランダ型院内開業助産師を推進するのが合理的判断でしょう.aloneの助産師は集約化するべきです.現状では搬送のリスクが全て産科医に転嫁されています
長いけど要約するとつまり
日本で助産師が活躍できないのは産科医のせいだ
といいたいんでしょ。迂遠ですね。
それを認識しないで、産婦人科医をないがしろにする限り、道は開けないでしょう。(山本モナーさんの文章を一部拝借)
少なくとも、今の日本の訴訟を見ると、母児ともに異常が無くって当たり前、異常があれば産婦人科のせいって言われているきがします。私以外の産婦人科医も同じ気持ちじゃないかな。
その助産所はいろいろと評判の悪いところで、時々(うちの病院からは遠方の助産所ですが)、当病院にも搬送されている状態です。私もガイドラインを知らずにのうのうと仕事をしていたので、恥ずかしい限りです。
素早いコメントありがとうございました。
ちなみにガイドライン作成にあたっての総会で「ガイドラインの作成は開業助産師の業務範囲を狭めるので反対」という意見が少数ではあったが存在したというのは悲しいです。反対した助産師は、医療自体を辞めてほしいですね。
>皆様へ
私がよく思うことは、ある程度現在の周産期事情を解決する方法として、大きい周産期専門病院に医者を集約すると同時に、その全ての病院に院内助産所を必ず設置することとしたらいいと思うのです。
つまりは医師、助産師の集約化(管理人様が常日頃おっしゃっていること)になるのですが・・・。
山本もなーさんの発言は、まるで助産師さんの発言みたいで、とても素人のようには感じません。しかし仮に医療関係者でないとしても、ここまで助産所の活用を謳われているのであれば、こういう解決方法ではだめなのでしょうか?
もちろん、これをしたとしても問題は出てくると思いますが・・・。
集約化はその場しのぎでなく、より進化した形だとおもいます。ただ、産科医の減少、周産期医療の崩壊と騒がれだして、よりはやく実行に移されただけだと思うのです。
再投稿します。すいません。管理人さんもしできましたらお手数ですが、前の文章を消去していただけるでしょうか。
山本モナーさん、私は原文(といっても1985年のものはネットにないそうなので2000年の看護雑誌のものを読んだわけですが、漠然と高リスクを除いたとは書いてありましたが、骨盤位をのぞいたとか具体的な各症例の詳細について内訳は書いてありませんでした。
それを知るにはさらにその元論文を読まなくてはいけませんが、わたしは意味がないと思っています。
なぜならばワーグナーの論文が20年前の、帝王切開の術後感染を20%おこし、帝王切開で5%が子宮とともに胎児を切るというような現代からは考えられないような時代背景で書いてあるからです。そして分娩時の母体死亡が350~1000人/年と現代の日本の40~60人/年と人口、出生率を補正したとしても桁違いに違うのです。
しかもローリスクなら80%は大丈夫とありますが、逆を返せば20%はだめなわけです。少子化の日本社会でこの20%は大きいですよね。これは国民の総意として誤差として許容できる範囲なのでしょうか。
医療は刻々と進歩します。論文は常に新しいものを手に入れて原文で読まなくては意味がありません。時間があれば他の新しい論文を読んでみたいと思います。
昨今メディアリテラシーとマスコミの報道を批判的に吟味することが求められていますが、必ず論文もバイアスを考えて批判的に読む必要があります。
私はワーグナーは、フェミニズムをもちだし巧みに助産師団体と女性団体をくすぐり、また医療費削減で政府や民間保険会社をバックにつけ、権力を持ったのだろうという構造が見えます。
医師をこき下ろし、助産師を賛美する、底の浅い、迎合するような文調には女性を馬鹿にするようなものを感じ、怒りさえ感じます。
山本もなーさんが、助産師の利権というのではなく真に産科医の負担を減らすことを考えるのなら、まず日本の一線で働く産科医の言葉に耳を傾けませんか?
産科医達の言葉からは助産師と同じ場所で協力して働くこと、そして手遅れになるような助産院からの搬送を受けるより、症例が増えても自施設で対応したほうがよいという意見を読み取ります。
助産師にどのくらい任せるかは、結局その助産師の技量と産科医との信頼関係によるでしょう。
アメリカは訴訟社会です。独立した助産院はどんどん閉鎖されているそうですね。
産婦人科医を増やすためにはやはり訴訟と賃金問題をまずなんとかして、働き盛りで心が折れてしまった先生や、次世代の医師にやろうと思っていただくしかないのではないでしょうか。人が増えれば勤務状態も改善します。世論も産科医を叩くのではなく、その頑張りに敬意と感謝をしめすべきではないでしょうか。
を多用する堀病院タイプの道も有りますし
そのほうが『主体性を発揮する助産師』
より安全なのでは?
少なくとも、私自身の読み取りにバイアスがないのは分かっていただけましたでしょうか。
この方が、産科医主導の分娩には非常に懐疑的なのは事実です。
「助産院の信者がWHOの見解を自分に都合良く捻じ曲げている」のではなく「WHOの見解が病院主導の分娩に批判的」だということが事実であることはおわかりいただけたと思います。
これが「気に入らない」「だって古いし」「自分はとてもじゃないけれど賛同できない」と思われるのはもちろん自由です。
そこまで強制しようと言うのではありませんから。
ただ、「世界的権威のWHOの提言が馬鹿なんだ」と受け取るか「20年も前からWHOがはっきりと提言していることを多くの産科医が反発しているだけ」なのか、それはそれぞれ個々で判断すれば良いことです。
私は、ここまででひとまず満足として、話題をうつします。
どちらにしても、お疲れ様でした。
(私は横文字を眺めただけで頭痛がする人間なので原文を意訳するのは、結論はどうあれ、尊敬いたします。)
時間がないので建設的な意見を。
私がなぜこのようなことを書き込むのか。
ひとつは産科医の方々のおっしゃることに、今の産科医療の崩壊を止める道筋が全く見えないことです。
「産科医を増やせばいい」
「みんなが協力しあえばいい」
というような意見が多いように思うのですが、それでは産科医を増やすためには、どうしたらいいのか?ということです。
私は、単純に彼らの待遇をもっと良くすべきだと思います。
つまり休息を与え、給与も最低限今の状態を維持する。
だけど、産科医が減り続け、残った産科医の負担がますます増えている状況でどう産科医を増やすかといえば、やはり助産師にある程度、仕事の主導権を渡すことだと思います。
すると、当然、こう思いますよね。
①助産師が主導権を持ったら、危険が増えるのでは?
②そもそも助産師だっていないだろ?
そこでWHOの提言が出てくるわけで、助産師主導での同じ条件のグループの方が、安全であることが確認された、というやつですね。これは、骨盤位や合併症などハイリスクを除いた同じ条件のグループで比較しているとはっきりと書いてあります。いや、病院のほうがリスクが高いグループなのでは・・・と勝手な想像は、単なるバイアスです。個々の勝手な邪推でWHOの研究結果にケチをつけると話が進まないので、ここは「ローリスクの場合は助産師主導の方が、同等か安全」ということで話を進めます。
次に問題なのが、「だけどローリスクの場合は助産院が安全だといっても、万が一の時は病院に搬送されるのだから、結局危険だよ」ということですね。
ここで考えてもらいたいのは、じゃあ、全員が病院で産めば、万が一の場合に絶対に安全なのか、ということです。
繰り返しますが、日本の産科は、ほぼ崩壊しています。
以前、分娩中に急変した妊婦が、19箇所の病院をたらいまわしにされた挙句に亡くなりました。
この場合、断った病院が悪いのでしょうか。
私は、そうは思いません。
本来、出産において病院が必要な人は全体の2割から3割。だけど、実際はその3倍から4倍もの必要のない人が産科医の元で産んでいます。もし、この人達が助産師の元で産んでいれば、病院は空きベッドを作って待機していられたでしょうし、産科医とて目の回るような激務に追われることもありません。この場合、もちろん産科医に支払われる給与は据え置きでなければ待遇の改善とはなりません。
病院も赤字を抱え、商売として大変な場所が多いかと思いますが、本来病院などの公的な機関は営利目的で行われるべき場所ではありません。今の、空きベッドがなくお産という大仕事をする女性が死んでいかなければならない、地方によっては1時間も2時間も離れた場所しかお産ができない、というのは、本当にこれが世界第二位の先進国なのかと驚きを覚えます。
国は、民営化だの自由競争だの規制緩和だの自己責任だのという言葉で丸投げせず、国民の安全を考えてコスト投資してもらいたいものです。
長くなりました。
②です。
そもそも助産師だっていないじゃないか、という点です。
これは戦後、病院主導のお産が広がるにつれ、助産師は産科医の補助、という側面を持つようになり、本来の主体的にお産に働きかける助産師というのは、開業助産師、と恵まれた病院で働く一部の助産師だけとなり消えてゆきました。現在の助産師の中には自分達の本来の力や役割を知らぬまま、産科医の指示と意向で働いている人も多いです。
一般の人も、助産師の仕事内容を知らないし、看護士と助産師の違いすら分からない人がほとんどです。堀病院の事件の時、産んだ人が「助産師ってなんですか?看護婦さんと違うんですか?」と目を丸くしていたのが、なかなか印象的でした。
助産師とて、いきなり「増やせ」と言って増えるものではありませんが、まずは国民が助産師の存在を認知し、助産師は異変が起こらない限り、分娩を介助できるものだと理解するべきです。助産師を活用することで、本当に産科医の手を必要とする人が、万が一の時にスムーズに医療を利用できることを知るべきです。
そして、産科医が助産師の主体性を認め、協力しあう姿勢でいることが最も重要です。
何かあった時はしっかりサポートするから、最善を尽くしてケアに当たってくれ、という姿勢がなければ、チーム医療は成り立ちません。
失敗すれば非難し、成功すれば「たまたま運が良かっただけで、本当は分娩は医師がいなければ駄目なんだよ」というような態度では、助産師は萎縮するか反発するかどちらかです。(前者が多いでしょうね)
どちらにしても、助産師は本当の意味で助産師として働けません。
話はそれますが、よく見かける「病院で産まないなら、搬送されるな。勝手に死ね」という意見は、病院という役割を放棄した幼稚な意見です。
できる限り「自然に産みたい」「必要な時は病院で治療してもらいたい」というのは人間として当然の感情です。
誰だって、社会や家庭で生活していたい、だけど必要があれば入院もする、治療してくれる病院には感謝はするが、一日も早く家庭に帰りたい、と願うのが当然なように、出産において必要がない限り、自然に産みたいと思うのは当然の感情です。
搬送でリスクが高まると言います。
が、搬送を恐れて全員が病院で産んだら、高次病院が機能を果たさなくなり、妊婦が死んだ、というのが現実です。
それらの積み重ねで、国民の不信と不安が高まり、産科がバタバタと潰れているのが今の状況です。悪循環としか言いようがありません。
本来なら犠牲が出る前に、「全員が病院でさえ産めば大丈夫」という認識に疑問を持つべきでした。WHOは、とっくの昔にそう提言しているのですから。
「病院で全員が産めばみんなが安全」というのは、嘘です。間違いです。
それを認識しないで、助産師をないがしろにする限り、道は開けないでしょうし、助産師とはもともとそういった存在です。
助産師主導の国々が日本より死亡率が少ないのは高次医療の違いや、妊婦の生活習慣の違いによるところが大きいと想像しています。日本が高い医療水準をもって、助産師を活用したならば、今よりも良い数値を出す可能性は非常に高いです。
少なくとも、その可能性を無視し、国ごとの死亡率の高さによって、日本は「だから、このままでいいんだ。」と嘘ぶくのは誤りです。
すみません。搬送の内訳によって、危険の度合いを測る、ということについての間違いも詳しく書いてみたかったのですが、時間がないのでこれくらいで。
長文、失礼いたしました。
これから私自身は、しばらく書き込めないと思います。書き逃げになりますが、すみません。
われわれは何も「産科医がいない施設での分娩はコンゴドウダン」だとまでは申しません。
自分の施設で発生する非常事態への対応だけで手一杯であり、管理の悪い無責任な他施設からの搬送はかんべんしてほしい、と考えているだけです。
「管理が悪い無責任な」施設とは、採算だけを考えて看護師も助産師もろくに雇わないどころか雇った人間に教育もせず、無謀に分娩数だけふやしている産科医師のいる施設も含みます。
ただ、そういう施設は訴訟リスクが高くなってきている昨今、自然減少傾向にあると思われますが。(でもまだあります、ええ。)
この考えが日本中の疲弊している産婦人科医の間でほぼ共通していることは確実であると思っております。
何なら4月の産婦人科学会会場でアンケートをとってみてもいいです。
…多忙なので学会参加自体が数年来無理になっておりますが。
そして、ここからが問題なのですが「今後の集約化された施設とサテライトの開業産科医ががんばるという布陣」では、おそらく産科医療はほどなくパンクするでしょう。
どうしたらいいのか、われわれも困っていますが、方策が全く見えません。
仕方なく目の前にきた分娩を取り続けているだけです。
お粗末なお話ですが、実態です。
そこでお聞きしたいのは、すなわち、日本中の全ての産科医の先生がたは、産科医が勤務する施設以外での分娩に対しては言語道断と考えているということなのですね? いずれ、産婦人科医が増加するであろうことを見込んで(今の所増えそうな気配は皆無ですが)、毎年100万の全ての分娩を扱えるキャパシティを備えられるくらいまで産婦人科医を増やすべき。話はそれからだ、と考えておられるということでしょうか? そしてそのことは、全てのあらゆる地域の産婦人科医たちの間で、十分なコンセンサスが得られていると考えてよろしいのでしょうか?
私が疑問に思いますのは、いくら国を挙げて頑張ったとしても、(ありえないですが…)果してそんなに多くの産科医が増えるのだろうかという点です。 現在の、国民の安全要求に対する、産科医の不足状況はひどいですし、今後増えて、せいぜい数年前の数に戻ったとしても、到底足りている状況とはいえません。私も今の助産院の状態では困難も多いと思いますし、無責任な転送のおかげで疲弊することもあろう産科医の先生がたには対しては心から同情しております。
今後の集約化された施設と、サテライトの開業産科医が頑張るという布陣で、本当に乗り切っていけるのかどうか不安に感じています。
そのコミュニティも散々なグダグダになったあげく、主宰者が無責任にも黒歴史とすべく、コミュニティごと削除してしまいました。
↓助産院で産める?産めない? 助産院の公式基準(1)妊娠編 http://allabout.co.jp/children/birth/closeup/CU20040531A/index.htm
VBAC(帝王切開後の経腟分娩)を助産院でトライしようとしていた妊婦さんが私のところを受診しました。受診動機は委託医に健診に行ったときに助産所での分娩はやめた方がいいので、大きい病院に行くようにと言われたから とのことです。
もちろん、子宮破裂などのリスクを説明し、助産所での分娩は辞めてほしいと言いましたが、その後の健診は来ず、どうしたものかと思い、連絡をとると、既にその助産所で出産したと言うではありませんか!
こんな助産所は即刻閉鎖していただきたいです。
本人が希望したからと言う問題ではありません。
せめて連絡でもいただきたいものです。
医師もそうですが、助産師もやはり勉強しないと!
その逆を言いたいこともあると思いますが、お互い真摯に受け止めて改善していくことが大事です。
どちらか一方だけ生き残ろうというのは無理な話です。
当院では正常産は助産師が全て取り仕切っています。私の仕事は裂傷縫合程度です。順調に進行しないケースでは担当助産師ともよく相談し方針を決めます。院内助産院とか最近叫ばれますが、田舎の一般病院はたいていこんな具合に十分院内助産院です(笑)。
何を今更、って感じですね(爆)。
問題は、こういったことが外国では報道されて論議を呼んでいたのに日本では多分まったくどこも報道していないところですかね。http://www.mja.com.au/public/issues/185_07_021006/letters_021006_fm-6.html
日本のメディアのゆがみを感じますなり。
助産院が増えて活用すれば産科医の負担が減るという内容も、夜間に搬送が起きる可能性を考えれば産科医は当然心理的に負担になりますから、安全性という面から考えると病院内に助産婦がいる状態に比べてメリットがないように思えます。
御教示ください。
>私は病院が悪くて、助産院がいいと言っているわけではありません。
>院内助産院を実施しているところだってありますよ。
>助産師の働きやすい環境を整えることと、彼らが主体性をもって働くことが大切だと思います。
つまり山本モナーさんのご意見は、とにかく院内、院外に関わらず「助産院」というものを認めてほしい、そして助産師が主体性をもって働けるようにしてほしい、ということだと推察いたしました。
そこで質問なのですが、山本モナーさんとしては助産師が助産院を開設し個人事業主となることで病院に雇用されるよりも収入の面で有利に働くのではないかという思惑をお持ちでしょうか。
全く本質を外した質問でしたらご指摘いただければ幸いです。
もうすぐ1歳になりますが、体重以外は大きな障害もなく無事に成長しています。早い段階でIUGRを発見してくださった開業産科医師、的確な判断で帝王切開時期を決めて取りあげてくださった周産期医療センターの産科医、そしてNICUで面倒をみてくださった新生児科医師、看護師、助産師の方々には本当に感謝しています。
しかし最初の段階、もし開業助産院だったらどうでしょうか。
たとえ違法を承知でエコーをとっていたとしても、IUGRを判断するのはもっと遅い時期だったかもしれません。気付いた時には胎児心拍が停止していたかもしれません。
もし胎児が不幸な転帰をたどった場合、週数からいっても妻には肉体的精神的に大きなダメージを与えた可能性が高かったでしょう。
個人の事例はこの議論にはそぐわないかもしれません。
しかし助産院を選択しなかったことが現在につながっていると思っています。
この数十年の私たちをとりまく社会の劇的な変化をかえりみず、病院が主体になったから死亡率が減った、という意見はまやかしですよ。
NICUで、ベビーと家族とともに約10年。僕が居なかったら、死んでいた赤ちゃんはいます。僕が居なかったら、もっと障害がきつくなった赤ちゃんもいます。新生児の死亡率を下げている要因に僕も入れて下さい(笑)。僕には自信と誇りがあります。自惚れではありません。私達新生児科医の使命は、ご両親からお預かりした宝物=赤ちゃんを、元気にお返しすることです。陰ながら、幸せな家族の誕生に貢献できたらと思います。
産科が減っているのに助産師の業務を拡大しないのは欺瞞である、とか代わりに助産師の活躍をというのはおかしいと思います
助産師は産科医の代わりにならないことを世間がよく認識することが必要だと思います。
また助産師も助産所では一人当たりの扱える分娩数が激減しますから、現在の助産師が足らない状態では現実的ではないと思います。
現在の世界最高水準の周産期死亡率は、センター病院と産科開業医の絶妙な連携があって成し遂げられたものだと思います。
内診問題は産科開業医を事実上潰す国の方針だと感じます。
それならばどうして産科より安全性に劣る助産院はよいのでしょうか。
ワーグナー氏の論文を読んで思ったことは(是非原本をお読みください。医師に対して理不尽に攻撃的です。)、医師vs助産師、医師vs妊婦の対立構造をつくり、本質から目をそらし巧みに医療費削減政策を施行しているということです。
医療の安全性の根本は他職種が、それぞれの職務を協力して同一の場所で行うことではないでしょうか。
現実的には、管理人様のいらっしゃる地域も、本当のところ、集約化はこれ以上厳しい状態であろうとは思われますが、ただ『現実的に人手が厳しい』という理由だけで医療の質を落とすことはできません。
よりよい医療のためには、結局のところ、人数が必要だと思います。より少人数でみている助産院は、リスクマネージメントの面で不安な面が強く、また日々私たちがそういった搬送に悩まされていると言った面に対して考慮が必要ではないでしょうか?
みなさんがいろいろなことを考えてくださるのは嬉しいのですが、これはどこかでも言ったことですけれど、私たちは今現在いっぱいいっぱいであり、これ以上の医療はすでにどこからも捻りだせません。不可能なんです。今の医療レベルを望み、また時期的に遅いような搬送をうけるストレスをこれ以上かかえるくらいであれば、辞めた方がマシです。またそういった仲間が数多くいるのは事実です。
日本産婦人科医会の提唱する、助産院との嘱託医契約についてという文章は、私達の心の叫びです。いざというときに搬送前の助産院に責任を取ってもらえるなら、というような趣旨になっています。かなり当たり前なのですが、これを護れない助産院が数多く存在するのでしょうか。いざという時の責任の所在をはっきりさせてくれさえすれば、私たちはいくらでも受けます。逆にこの契約案を作らねばならないほど、嫌というほど無責任な態度にさらされてしまった私たちを、哀れんでください。そして同じことを仰いますか?
すみません、ちょっと感情的になりすぎました。私たちは苦しんでいます。搬送やムリムリの時間外だけに苦しんでいるわけではありません。
産む方も、搬送側も。こちらがわが擦り切れるほど、無責任にも無防備に搬送してくることや、基幹病院を緊急帝王切開のオペ室がわりに考えている投げやりな、こちらを使い捨て程度に考えている態度にすりきれているのだと思います。
日々苦しんでいる問題なので、感情的になりました。ごめんなさい。
>山本モナーさんの主張は
>「ある程度の分娩を助産師にまわして産科医の負担を減らしてはどうか」
>ということになると思いますが、
>それには助産師から産科医への搬送を断ち切る必要があると思いますが、いかがでしょうか。
と書きましたが、特にコメントはされませんでした。
現場の産科医からすれば素人考えなのかもしれませんが、助産師は病院、診療所、院内助産所勤務のように産科医とセットじゃないと活用できないのでしょうか? 現状では様々な問題があって困難だとは思いますが、モナーさんの主張するように助産師を(地理的にも)独立して機能させることによって、産科医の負担を軽減させることはナンセンスなのでしょうか? またはそのアイデアを模索するだけでも時間の無駄なのでしょうか?
そういう議論に発展すると非常に面白かったのですが、文献の信憑性などという、どうでもよい方向に進展して収束をむかえてしまったようで残念です。
私、個人的には、ずいぶん先の事になると思いますが、(だから今の古いタイプの医師にとっては全く関心の無いことなのかもしれませんが)①助産師のさらなるスキルアップ②医師と助産師のすみやかな情報交換プロトコールの完成③搬送システムの整備などが実現すれば、決して難しい事ではないように思いますが、夢物語でしょうか?
>ところで病院出産の認識、10年前で止まっていませんか?
産科医が減り続け、助産師がいないので看護士が内診し、産科医療の崩壊が社会問題になって久しいこの時代に、病院でも助産師がつきそっているから大丈夫、とは、これいかに。
とありますが、助産師と看護師のどうこうはかなり話が外れますが、私は看護師さんでも堀病院のように年間1000くらいのお産を扱っている看護師さんは、腕として助産師さんよりもいいと思うのですよ。
多分、今各地で「再発掘」されている離職していた助産師さんよりもよっぽど信用が置けると思います。
専門医のように経験例数、経験症例をつんで、助産師資格を取るほうが、ただ免許を持っている方々よりは腕がいいと思います。(ただ私は助産師さんのいない病院で勤務したことが無いので、ただ単にそうかな~と思うだけですが。。。)
ああ、ちょっと話がそれました。ごめんなさい。
一般的には20年前の論文は、社会背景が違うので、医学的には鵜呑みには出来ない、という話でしたね。
個人的にはsuzanさまの意見に賛成です。
腕が信用できる方々とはいつでも一緒に仕事ができる、とおもっています。
搬送、検査データ共有、連携、信頼度。
どれをとっても院内の方が低コストに運ぶはず。
社会的にどちらに投資すべきかは自明だと思うのですが。
1985年の時点で既にベビーブームは過去の話になっていますし、現在と比べて栄養状態が極端に違うこともないでしょう。
ただ、わたくしの経験談に「同じような気持ち」を持ってくださった方がいらっしゃったので、そういう目に遭っているのは自分だけではないのだと知ることができ、有益でした。
ところで、山本モナーさんは、いったい何が目的でこの話題を出していらっしゃるのでしょうか。
「助産所、もしくは助産婦に分娩を任せて医者は手をひけ」ということでしょうか。
そうすれば医者の忙しさが解消できる、といったようなわれわれ産科医をいたわる目的での話題なのでしたら、ありがたいことです。
「助産師に分娩をもっと任せるにはどうしたらいいのか」ということでしたら、何よりも助産師自身が責任感を持ち、スキルを身につけ、経験を積むしかないでしょう。
責任感と実績のあるプロであれば、われわれも安心して分娩経過をお任せし、その人が「危険」と判断するまで家で眠ることができます。
…よく考えればウチの病院(総合病院の産科です)でも夜間の分娩はそうやっていますね。
昼間でも、ときどき診察やCTG観察に行きますが、子宮口全開大まではLDR詰めにはならない(助産師任せ)ですし、実際の分娩も会陰が切れなければ産道検査しておしまいです。
山本モナーさんが「こうすべき」と思う助産師の扱う分娩と、私の施設でのやり方にどこか違いがあるでしょうか?教えていただければ幸いです。
私もざっとは読んだのですが、この論文を読んで言葉にできなかった感想が、助産院の安全性さまのサマリーでなんとなく形になりました。
前時代的なんです。(書かれた年代も年代でしょうけど)
そして、結構日本の診療所分娩は、彼の理想に近いのではないか、ということなんです。
midwives→開業医と訳してみると、
時代的に違うところはともかくとして、わりとぴったりくるような気がしたのです。もちろん、いろいろ違うし、エキセントリックではあるけれど。
アメリカの当時の医療がどうだったか、エコーがどれくらいの精度で、動いてるけど胎児水腫もわからないとかの時代だったなら許せるかなと。
まぁどんな検査も初期は危険性はわかりませんし、(MRIだって最近はわりと大丈夫?(まだ一応時期選んでみたりして)って感じになってきましたが、最初はめちゃくちゃこわごわ妊婦には使っていましたよね?)こういう感じの論調がでちゃうのは仕方ないでしょうし。
でも時代ははっきりと違いますよね!
現在では結構、あたりまえに適応は選ぶし、そんなに腟がどうこうで帝王切開なんて一昔前のアメリカ・ブラジル神話みたいな(偏見すみません)ことはないですし。
陣痛誘発剤も、そんな昔みたいに脳天気にはやりませんもん。
いずれにせよ、自分が現在手がけている学者としての仕事は、あと1~2年で日本の社会全体が結果を甘受する方向性が決定するのではないかと思っています。
そろそろ、帰って行くべき片隅を探しに掛かりましょうか。
これでわかることはこの方は数年間、臨床医を務めた後は少なくとも20年以上研究・行政職であったということです。 内容は1985年のものが原著であり20年前のものということはありますが(このMidwifery Todayは2000年)、あまりの内容にしばし呆然としてしまいました。これをバイブルとしている一部の助産師・一般の方がいることに驚き、またかねがね疑問に思っていた過激な論調はすべてここに原点があると納得しました。
バイアスを避けるためには全文の引用と対訳が必要ですが、それは困難ですので一部象徴的な部分を引用します。
「Is the increasing use of technology saving the lives of more pregnant and birthing women? In the United States the scientific data show no decrease during the past 10 years in the number of women who die around the time of birth (maternal mortality).」 だから帝王切開と硬膜外麻酔は産婦の死亡に関与している。という結論なのですが、まず10年間母体死亡率が改善していないことが驚きです。日本とは違いますね。そしてそれはこのような高度医療の副作用というより、アメリカの医療システムそのものの欠陥ではないでしょうか。
「20th century the number of babies dying around the time of birth was decreasing. This was due not to medical advances but mainly to such social advances as less severe poverty, better nutrition and better housing. Most important, the decrease in mortality was due to family planning, resulting in fewer women with many pregnancies and births. Medical care also was responsible for some of the decreasing mortality of babies, not because of high-tech interventions but because of basic medical advances, such as the discovery of antibiotics and the ability to give safe blood transfusions. There has never been any scientific evidence that high-tech interventions such as the routine use of electronic fetal monitoring during labor decrease the mortality rate of babies.」 要は新生児死亡率の低下は医療の発展というよりも「ひどい貧困状態、栄養、住環境の改善、少子化」によるものであり、一部医療の発展が関与するとしても抗生剤や、安全な輸血によるものであり、高度医療によるものではない、ということでしょうか。 よくリスクによる分娩のすみわけ、3割が助産師介助による自宅分娩と引用される、オランダは耐性菌のコントロールなどは非常にうまくやっている、先進国です。しかし周産期死亡率は日本の2倍近くであり、問題になっています。
「Because doctors really do need to manage the few births that develop serious complications, the study eliminated complicated births and looked only at low-risk births. Compared with physician-attended low-risk births, midwife-attended low risk births have 33 percent (one-third) fewer deaths among newborn infants. Furthermore, midwife-attended births have 31 percent (nearly one-third) fewer babies born too small, which means fewer retarded and brain-damaged infants.」
この部分ですね。医師立会いの低リスク分娩に比較して助産院では33%死亡率が低い。さらには小さすぎる赤ちゃんの誕生は31%低い。
まず、一応病院で非常に重篤なリスクのあるものは除いたといっていますが、低リスクの定義は助産院と産科で本当に同じなのでしょうか。例えば「前回帝王切開の前壁付着の前置胎盤」は高リスクに分類されても、「骨盤位」は低リスクだったりして。骨盤位は助産院では扱いませんよね。(産科医ではないので例えが不適切だったら訂正お願いします) 新生児の大きさにいたってはそれはそうでしょう。助産院に基本的に低出生体重児がいるはずないわけですから。
「you are considering a hospital birth with an obstetrician as your primary birth attendant, ask him or her how much time he or she will spend with you during your labor. One of the reasons a midwife is generally a better choice to attend your hospital birth than an obstetrician is because the midwife is there in the hospital with you during your labor while the obstetrician is not. It is an incredible irony that the obstetrician insists that the woman who is his or her client give birth only in the hospital, while the obstetrician who should attend her birth is not in the hospital. If your obstetrician is not with you in the hospital during labor, then where is your obstetrician?」 これは。。。。産科でも必ずカバーの医師が病院にいるしモニターをつけていても看護師や助産師が頻回に見に来ますが。いったいいつの時代の話でしょう。。。。
「Another reason midwives are safer than doctors is because midwives use far less unnecessary technology. 」 これは助産師は高度医療を行わないから安全なのではなくて、高度医療は行えないの間違いでは。
「While midwives trust women's bodies, use such low-tech assistance as the skilled use of their hands, and understand the importance of preserving normalcy, doctors, in general, do not trust women but trust drugs and machines, use high-tech assistance, and focus on the pursuit of abnormality.」 これは偏見に満ちた言葉ですね。
「Overwhelming scientific evidence shows that the home is a perfectly safe place to give birth if you are one of the more than 80 percent of women who have had no serious medical complications during pregnancy. The evidence indicates that it is important to have a trained birth attendant for your homebirth, be it non-nurse midwife, nurse-midwife or doctor. Your place of birth should also be within 30 minutes of the nearest hospital. 」
残りの20%は仕方が無いということでしょうか。でも分娩場は病院から30分以内の場所だということですから医療の必要性も認めているわけですね。
「A freestanding birth center staffed with midwives is also a perfectly legitimate choice for the great majority of women who have had no serious complications during their pregnancy. But don't be fooled by the hospital that advertises its "birth center." If the birth center is not freestanding?i.e., outside the hospital?it will still be under the supervision of the hospital and the doctors, and the birthing woman will not be in contr
いろいろな考え方の人がいると私も勉強になっております。
と同時に今回のことに対し、自分の知識、見解が固まりませんので、申し訳ございませんが、ROMさせてください。
いつもこのブログには勉強させてもらってます。
これからもよろしくお願いします。
少し冷静さを欠いた書き込みが散見されるようです。このブログ内だけは、あくまで上品な討論を継続していただきたく思います。煽りは荒らしと同じ。だめですよ。
山本モナーさま>
ここのブログでの討論を以前からちゃんと見ている方なんでしょうか?ここは極めて内容、コメンターの質共に良質な場所です。
最期の方の無礼で下品な書き込みは何ですか?この流れでは明らかにあなたが荒らしですよ。
こでの上質な討論を楽しみにしているROM専にとっても迷惑です。そのような下品な書き込みを続けるなら出て行って、別なところで荒らしでもなんでもやってください。不愉快です。
管理人さま>
過激な書き込み、申し訳ありません。あまりに不快な書き込みを目にして黙っていられませんでした。
不適切と判断されたら私の書き込みは削除していただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
最後に山本モナーさま、ここのブロガーの皆さんは助産師がどうだ、産科医がどうだ、ということだけでなくお産に関わる全ての人々が少しでも幸せになれるよう知恵を絞っている方ばかりです。それだけは理解してください。理解してくれていれば、最後のような発言は恥ずかしくてできないはずです。
>モナーさんも、きちんと原文読んでくださいね!ちょっと日本語版にはかなり意訳というより間違いがありそうです。
>他のことでもそうなのですが、やはり日本語訳は翻訳者のスタンスによってバイアスがかかっていますので原著に当たらなくてはいけないと思います。
を読むと、「これは病院嫌いの助産院マンセーがWHOの偉い人の本を自分に都合の良いように解釈しているに違いない!」というバイアスがかかっていそうなので、ほんの一言添えたんですよ。
この著者の方、来日された時、日本の有名どころの産科医を9人(だったかな?)を呼んで、座談会を開き、その受け答えに怒り、自分がランセットに寄稿した論文を読め!と説教してます。日本人にはちょっと言えないほどの過激とも言えるほど、病院批判をしています。
まあ、そのへんを読んでから、間違いだの意訳だのと言ってもらいたいな、と。
読んでからでも遅くないでしょうから。
僻地の産科医さん
>バイアスなんて、みんなで討論会すればどうにでもなると思うのですが
みんなで討論会してもみんながバイアスかかっていればバイアスがより強くなるだけとも言えますよね。討論会のメンバー次第でしょうが、討論会で解決できるなら朝まで生テレビは毎回円満解決ですね。
>1人でえっちらおっちらしか訳したことしかないのかな
訳なんてしませんよ。
以前も書きましたが、邦訳版を読んでいるので、サクサク読みましたよ。特別難しいこともなく、読みやすかったです。
ところで病院出産の認識、10年前で止まっていませんか?
産科医が減り続け、助産師がいないので看護士が内診し、産科医療の崩壊が社会問題になって久しいこの時代に、病院でも助産師がつきそっているから大丈夫、とは、これいかに。
地元に産科があるだけで御の字の時代に、さすがにその発言はないでしょう。
一般人が「つききりで助産師がみてくれないなんて、この病院はひどい!!」なんてブログに書こうものなら、医者板あたりで総叩きの時代ですよ。
tatsu さん
>自分がその直前に「全然分かってない」といってるのにこの自身過剰は、「ちょっと笑いました。」
え?普通に読み取っていただきたいですね。
私自身は自分で自分を無知だと思っているのですが「たった一冊の本を読んで、なにもかも分かったような気持ちになっていらっしゃるようですが」と勝手な推測で当り散らす様子に思わず笑ってしまったんですよ。
「たった一冊を読んだくせに」とたった一冊とやらを読めない人が言うのも、どうもね。
>駄文の羅列で説得力は全くないですね。
目の前の石ころを「これは絶対にダイヤだ」と信じている人に「ダイヤではないよ」と解らせる必要はないですね。
論理で勝てないと詭弁のガイドラインそのままになるんですね。
管理人さん、こういう人達が増えていますので管理人として、一言でも注意なさってくださいませんか?
駄文ならどこがどう駄文なのか、ダイヤでないなら何がダイヤでないなのか、説明するのならまだしも、単に小学生並の悪口を並べているだけ。
同じレベルで返事をするなら、「助産院なんて危険なんだい!助産院をかばうやつなんて馬鹿なんだもん!」と、妙な執着をダイヤのように後生大事に抱えているだけ。本当は、それ犬のウンコですよ、と教えてさしあげたいですね。
※私は、相手のレベルに合わせるだけなので、このブログ全体で煽りは禁止ということで徹底してくだされば、こちらからは煽りませんので、よろしくご理解をお願いいたします。