ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

産科施設の減少

2007年02月20日 | 地域周産期医療

コメント(私見):

都会の状況はよくわかりませんが、地方基幹病院の産婦人科の状況はどこも惨憺たるものです。伝統ある地域基幹病院産婦人科が、次々に縮小・休診となっています。

また、今は何とかギリギリのところで頑張っていらっしゃる産科診療所の先生方の平均年齢も年々高齢化していて、これからの数年間で、その先生方も次々に引退していかれると予想されます。

残り少なくなってしまった産科施設には地域の患者が集中し、激務に耐えられなくなったスタッフが次々に辞めていき、その最後の砦の産科施設もついには休診せざるを得なくなる、という悪循環に陥っています。

業務量が倍増しているというのに、一時しのぎの中途半端な医師の集約化では全く対応できません。誰か1人が激務に耐えられず辞めてしまったら一巻の終わりです。どうせ集約化するのであれば、思い切って医師数を一気に倍増するくらいでないと、今後、地方の産科基幹施設がこの世に生き残ってゆくのは非常に難しいと考えています。

****** 朝日新聞、2007年2月16日

産科医減少「少子化の反映」 柳沢氏答弁に医師反発

 産婦人科医が減っているのは出生数の減少で医療ニーズが低減した反映――。7日の衆院予算委員会での柳沢厚生労働相の発言が、産科医の反発を呼んでいる。訴訟リスクの高まりや24時間態勢の過酷な勤務などに触れなかった答弁が理由だ。「産む機械」発言の余波もあってか、医師らのブログには「このような認識では有効な対策がとられない」などの書き込みが続く。柳沢氏は16日、閣議後の記者会見でこの発言について「訴訟のリスクや勤務状況がきついということはよく承知している」と話した。

 発言は、「産科、産婦人科、外科の医師数が減っているが、なぜか」という質問に答えたもの。柳沢氏は「産科の医師は出生数あたりでは減っているわけではない」「出生数の減少で医療ニーズがはっきり低減していることの反映」などと答弁。産科医、助産師不足の対策には「効率化、ネットワーク化して対応していく」とした。

 この発言を取り上げたブログ「ある産婦人科医のひとりごと」のコメント欄には「(現場を)理解しようともしない」などの言葉が並ぶ。国会中継の録画から議事録をおこしたブログも。医療関係者らが参加する掲示板「m3」などでも批判が続いている。

 確かに産婦人科医1人あたりの出生数は、90年が95人、04年が98人と横ばい傾向にある。だが、日本産科婦人科学会で医療提供体制検討委員長を務める海野信也・北里大教授は「大臣は、分娩(ぶんべん)施設数の減少が出生数の減少率より大きい事実を見落としている」と指摘。「産婦人科が扱う領域は、婦人科系のがんや不妊治療などに広がっているのに、担い手は減っている。お産を扱う医師は、数字以上の激務。実態にきちんと目を向けていただきたい」という。

(朝日新聞、2007年2月16日)

****** Ameba News、2007年2月16日

とある産婦人科医が柳沢厚生労働大臣の無理解を批判

 2月7日の国会審議における柳沢厚労相の発言に対し、とある産婦人科医がブログ上で意見を述べている。

 同ブログ上では、国会審議において柳沢厚労相と枝野幸男議員との答弁が詳細に書き記されている。それによると柳沢大臣は、現在進行中の産科医減少問題は単に分娩件数減少に対応したものであり、今後病院のネットワーク化と医療の効率化により解決可能であると発言したようである。

 その発言に対しこの産婦人科医は、大臣というポストは今まで自分が関係のない分野の問題を突然のにわか勉強で理解しなければならなず、それが故に危機感を持っていないことも仕方のないことだと書いた。

 また、「高度な医療行為を行った場合に残念ながら失敗があった時に医師が逮捕されてしまう時代に、産婦人科のようにリスクの高い仕事をやる人はいなくなる」という発言をした枝野幸男議員に対してこの産婦人科医は「現場の状況をかなり正確に把握してらっしゃるようで、現在の産科で問題となっている諸問題に対して鋭く質問をしていて非常に感心しました」と高く評価した。

 これを受けブロガーたちからは、「なんでこんな人がよりによって厚生労働大臣になってしまったんだ?」、「産婦人科医のやる気をそぐような発言は控えてもらいたい」など、依然として柳沢大臣に対する批判的な意見が多く見られた。

(Ameba News、2007年2月16日)

****** 中国新聞、2007年2月20日

産婦人科医不在の恐れ 福山市民病院

 ▽岡山大が派遣中止通告

 福山市民病院(福山市蔵王町)が、岡山大病院(岡山市鹿田町)から産婦人科医師二人の派遣を打ち切りたいと通告を受けていることが十九日、分かった。期限は三月末で市民病院に産婦人科医が不在となる事態を避けるため、羽田皓市長らが岡山大側に出向いて撤回を要請している。(木原慎二、野崎建一郎)

 医療関係者によると、岡山大病院産科婦人科の平松祐司教授が、市民病院の浮田実院長に文書で通告した。市民病院の産婦人科に勤務する医師は二人で、いずれも岡山大が派遣。今のままでは四月以降の診療が危ぶまれる。今月中旬には羽田市長と浮田院長が平松教授を訪ね、撤回を求めた。

 派遣中止の背景には、大学病院の慢性的な産婦人科医師不足がある。このため福山市医師会が調整に乗り出し、岡山大から派遣を受けている市内の病院間で産婦人科医師を再配置する案も視野に検討する方針。今月末には岡山大関係者を交えた話し合いの場を持つ。

 市医師会によると、福山市内は開業医も多く出産の受け入れ態勢に問題はない。一方、市民病院は年間五十例前後の帝王切開手術を実施。麻酔科が充実し母体にリスクを伴う分娩(ぶんべん)、高度な処置が必要な婦人科患者の診療などを担っている。

 岡山大からの派遣打ち切り通告について市民病院は「県東部の中核病院の責務を果たすため派遣の継続をお願している。医師会とも連携して要請する」と説明している。

 <福山市民病院> 1977年に現在地に開設し、病床数は約400、医師数は約70人。心臓血管外科や脳神経外科など19診療科と県東部では唯一の救急救命センターを置く。ヘリポートを備え、24時間態勢で救急患者を受け入れている。昨年8月には国が整備を進める地域がん診療連携拠点病院の指定を受けた。産婦人科は05年で計216例の手術実績がある。

(中国新聞、2007年2月20日)

****** 紀伊民報、2007年2月18日

出産の取り扱い休止へ 新宮市立医療センター

 新宮市立医療センターは、10月1日から出産の取り扱いを休止する。産婦人科医が3月末で1人になるため十分な医療体制が取れなくなるのが理由という。妊婦の検診と婦人科は従来通り診察を継続するが、出産受け付け再開の見通しは立っていない。紀南地方では田辺市の南和歌山医療センターが昨年9月から産科を休止している。

 三木仁一院長が16日、同センターで記者会見した。これで同市周辺の妊婦は市内に1軒ある開業医か串本町の町立串本病院、三重県紀宝町の紀南病院などで出産しなければならなくなる。

 会見で三木院長は、これまで同科は医師3人だったが昨年12月末で1人が退職、別の1人も3月末で派遣元の奈良県立医大に戻され、医師の補充を断られたと経過を説明。「安全に分娩してもらえる体制ではなくなる。医師確保に努力しているが、全国的に産婦人科医は不足しており、見通しは暗い」と話した。

 すでに出産の予約を受け付けた9月末までの妊婦91人については、4月から半年間、同医大から産婦人科医1人を派遣してもらい、対応することにしている。

 10月以降は、他の病院への搬送が間に合わないなど、緊急時の出産に限り引き受けるという。

 同センターは2001年5月に開業。診療科は内科や外科など18科で、医師43人。うち産婦人科は医師3人で、新宮東牟婁と三重県南牟婁の一部を含む地域の約75%を占める、年平均400件の出産を扱ってきた。

(紀伊民報、2007年2月18日)

****** 毎日新聞、2007年2月19日

隠岐病院:産科医派遣減で説明会 島外出産に17万円助成--広域連合 /島根

 ◇交通費、滞在費など

 隠岐病院(隠岐の島町)で出産リスクのある妊婦の分娩(ぶんべん)が4月から出来なくなる問題で、同病院を運営する隠岐広域連合は18日、町内で説明会を開催。妊婦ら約90人に、島外で出産する場合、交通費や滞在費など17万円を助成することを説明した。

 同病院では、県立中央病院(出雲市)からの産婦人科医派遣が1人減り、4月から1人体制になる。このため同月から院内に助産科を設け、医師と助産師が出産経験のある妊婦の正常分娩のみ出産対応することにした。出産リスクのある初産や経過の良くない人の対応は難しく、約1月前に本土に渡っての出産となる。

 助成は同町内の妊婦が対象。現在、4~9月の出産予定者は約55人で、うち7割前後が本土での出産になる見込みという。同連合では、常勤産婦人科医がいなくなった昨年4~10月も本土に渡る妊婦に17万円を助成している。【久野洋】

(毎日新聞、2007年2月19日)


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30 コメント

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「一妊婦」さん (けろち)
2007-03-01 17:21:59
 すでに締めのコメントがあるので、不適切であれば管理人さんのほうで削除下さい。
 1回目の投稿に対するコメントを見て、読んだほうは非難されていると感じるだろうと思いました。「心の琴線に触れた」と言うより、女性は「産む機械」うんぬんの失言が女性の反感を買ったのと同じように医療従事者を怒らせるポイントをついてしまったからです。ただ、「一妊婦」さんに悪意がないのは、わかっていましたから、厳しすぎると私も思っていました。
 辛らつなコメントを書かれる方はまだ医療に情熱を持っているじゃないかな。でも、もう持ちこたえられないんです。
 最後に、母子ともども健康に過ごされることをお祈りいたします。
 
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一妊婦・さま (管理人)
2007-03-01 00:06:46
こんばんわ。コメントありがとうございます。

地方での産婦人科医不足は以前から問題になっていました。しかし、『地方がダメでも、いざとなれば東京に行けば何とかなるだろう』と漠然と考えていました。

でも、一妊婦・さまが経験されたように、東京都心でも、状況はかなり厳しくなってきていることが具体的によくわかりました。

現状のように、産科医療を担当する者がどんどん減っている状況では、利用者である患者さんの立場で言えば、どんどん医療のサポートを利用しづらくなっていると思います。

今の医療界の状況や厚労省の施策などを考えてみると、今後も状況が好転するするような要素は全く見当たりません。むしろ、今後はますます状況が悪化していくのではないかと皆が危惧しています。

今回の一妊婦さまの体験や、辛らつなコメントの数々など、見方によっては、『産科医療界の厳しい現実の姿を知る上での、十分に参考になる貴重な情報』という一面もあったのではないでしょうか?

患者さん側の方でも、現実の医療の厳しい状況をよく知っていただき、いざという時に医療のサポートを全く受けられず、路頭に迷うようなことにならいように、しっかりと情報を集めて、万全の備えでお産に臨んでいただきたいと思います。
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現場を責めるとかいうのではなく,「産科医不足」... (一妊婦)
2007-02-28 23:32:33
そんなことで来るな,と言われても,自分で「緊急度」が判断できるわけではないので,事前に自宅近くのかかりつけ,そして職場近くのかかりつけ(ここは産科施設のないクリニックですが)の両方に相談の上,タクシーで行こうと思いお電話した結果起きたことが,最初の書き込みの内容です。

断られてその場でその方に食ってかかったワケでもないですし,「地方ではよく産科医不足の話を聞くけど,東京でも,産科医不足って本当に深刻なんだな,怖いな」と思ったものですから,書き込んだまでです。

それが皆さんの心の琴線に触れてしまったようで,ここまで盛り上がるとは思いませんでした。

職業に貴賎はないと言いますけれど,一度は志をもたれてこの道に入った(かも知れない)のに,今では日々「貧乏くじ」をひかされた,という気分で仕事をしているとすれば,人として辛い状況だと思います。

幸い,私がリアルの世界でこれまでお世話になった医薬業界の方々は,普通にお話のできる方が多かったように思います。また,こちらで紹介されている記事そのもの,議論の場としてのサイト運営の努力に対しては敬意を払います。

ですが,この場で“医療業界”外の人間が書き込んだのはうかつだったと感じております。ネットで匿名だと,正面切ってはできない議論ができる利点もありますが,対面なら人として言えないようなコメントも多くなりますし。ちょっと胎教上よくなかったかなと。

最後に,皆様がもっと前向きに健全に大事なお仕事に取り組める状況が来らんことを,心より祈念申し上げます。
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 端的に言えばまさに暇人28号様ご指摘の通りで... (東京メガテリウム)
2007-02-26 09:20:45
 無能・無責任な官僚が事実上政策を独断で決定し、権限と天下り先は要求するがトラブルは全部現場に押し付けて関知しない・・・という構造が日本というシステムの根幹です。
 これら真の責任者に対しては何も抗議せず、官僚にいいように使われているだけの政治家に投票し続ける国民が、現場担当者だけ罵倒してもより状況を悪化させるだけです。
 
 同様のメカニズムで公立教育が崩壊しました。意欲・能力のある教師の多くは私立や塾に移り、子供の教育に真剣な親は私立学校に大挙して流入せざるを得なくなりました。気の毒なのは経済的理由などから公立学校しか選択できずに未来の可能性を奪われていく子供たちです。(文部官僚の子女は公立に通学することを義務づけたらどうだ?)
 しかし医療は教育より深刻です。病院には私立学校や塾に相当するものがないので、すべてが崩壊学級にならざるを得ません。私立中学は自ら入学者を選別できるしDQN生徒・親を排除することもできますが、病院は私立、自由診療といえども応召義務のため、信頼関係の持てる患者だけとともに病気と闘うという医療の本来の姿が確保できないからです。
 論点が途中から少しそれましたが、一部の病院には応召義務を撤廃して「診療拒否権」を付与すればコストもかからず医師確保にかなり効果があると思いますが。
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一妊婦様のように、何か不都合があると現場に文句... (暇人28号)
2007-02-25 21:31:45
この様に、現場が責められても、ただ、一人お産を辞める医師がまた増えるだけです。

この状況を作ったのは行政・マスコミ・司法・国民であることをお忘れなく。
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隣県→東京は救急車は行っても (ゴールデンアームボンバー)
2007-02-25 07:16:22
東京→隣県は救急車は行きません。

念のため
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1主婦さんへ。  (産科崩壊は確実)
2007-02-25 03:14:54
 産科医が産科を辞めていく原因を作ったのは福島県警察、福島地検だ。産科崩壊を認識さえ出来ず、放置している厚生労働省と法務省にも責任がある。医師叩きをするマスコミや、不当な民事裁判を起こす、不良患者家族やハイエナ弁護士にも責任がある。批難すべきは正にそこだ。
 産科医は昼飯を食べる時間が殆どない状態で余裕なく働いている。産科救急患者を受け入れることが出来る程暇はありません。今後は更に悪化します。産科崩壊消滅は既に既定されてしましました。次はどこの産科が消滅するかです。
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 先ほどは舌足らずだったので、再コメントさせて... (東京メガテリウム)
2007-02-24 15:03:43
 
 救急外来とはそもそも出発点からして、根本的に矛盾したものなのです。救急かどうかを客観的に判定する手段はなく、患者の主訴に急な発症という主旨があれば病院側は受け入れざるを得ないことが多かったからです。
 その結果、待ち時間をスキップさせようという意図から急病を騙る不心得な患者が大挙して救外に押し寄せたため、とうとう機能不全に至った訳で、この責任は医者の側には一切ありません。この件で病院を非難するような見当違いな八つ当たりは止めて下さい。

 「緊急時に事前に問い合わせていたら診てもらえないじゃないか」という指摘はずばり真相をついていると思います。ただし、これもそう仕向けたのはマスコミや司法当局であって、病院に文句を言っても、今となってはもうどうにもなりません。
 詳細を知らずに受け入れてみたら実は自分の所では対処できない症例だったという場合に、また「いちかばちかでやってもらってはこまる」という、例のあの「名言」が出て逮捕されて世論の袋叩きに会いかねないからです。確実に自分の力量で対処できる急患と判明していなければすべて断る・・・・当然の対応でしょう。診察する前にそれが分っていることは少ないんですけどね。

 とにかく日本をこんな事態に追い込んだ真の責任者・・・マスコミ・警察・検察・厚生行政などに、まず抗議すべきではないんでしょうか。
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一妊婦さま> (へっぽこ助産師)
2007-02-24 12:45:33
 それは怖い思いをされましたね、ご無事で何よりでした。今後も無事元気な赤ちゃんを育てられるようお祈りいたします。
 実際に一竹槍部隊として働く者の印象ですが、産科の診療について少し誤解があるように思います。
 「救急」を銘打っている病院でも産科は救急体制を取っていないところも多く、そんな余裕はないというのが実情だと思います。
 問い合わせが必要なのは、「本当に緊急」の時にその病院で十分な医療が提供できるかを判断する上で必要だからです。
 また、受け入れると決まったら、秒刻みの医師のスケジュールの中に診療時間をねじ込み、診察の準備やスタッフの配置(各スタッフの受け持ち調整をして対応できる人を作る)などなど・・・諸々の準備をしなければなりません。その作業を来て頂いてからするのでは結局長時間診察を受けられないままお待ち頂くことになるのではと思います。
 お仕事に復帰されるなら、そのようなことにならないように子持ちししゃもさまのおっしゃるように、仕事先近くでかかりつけ医の紹介状を持って一度受診し、何かあったらお願いしますということにしておくのが良いと思います。
 私の住んでる田舎なら・・・2時間でしたらかかりつけの病院に電話して状況を説明しタクシー飛ばしながら受診しますね。かかりつけ医では治療できないとなっても紹介状を用意してもらってそこから大病院に搬送された方がまだいくらか早いのではと思います。

 一般の妊婦様方の誤解を放置している私たちにも責任はありますね。何かあったときにどのように対応するかはその生活環境もふまえて前もって一緒に考えるべきでしょうし、よほどのことがなければかかりつけ医に診てもらった方がいいってことも、「よほどのこと」の基準も・・・がんばります。

 柳沢大臣・・・この際子どもを産む機械でも装置でもいいけれど、助産師もみんなその機械なんですけど。
 夜勤の時は食事も摂れず水すら飲めずに働いて交代勤務なのに20時間以上病院にいることもざらで、給料はその辺のサラリーマンより断然安い。支えるものの大半はこの仕事が好きっていう気持ちだけ。結婚(夫と新婚早々3ヶ月は別居した)や妊娠で辞めるっていっても人不足で簡単には辞めさせてもらえず、辞めたら今度はお金がなくってどうやって一人あたり沢山の子どもを産み育てろと?
 子どもを沢山産んだら産科医が増えるのか??さらに忙しくなって減る一方でしょう。それに大事なのは瀕死の産科医の数じゃなくて安全に分娩を扱えるキャパシティだろうとツッコミを入れたい。
 今年からは柳沢大臣の名前で免許を受けた若者たちが現場で酷使されていくんです。その餞が「効率化」ではあんまりです。せめて言葉だけでも希望や労りを贈ってあげて欲しいですね・・・。
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 「一妊婦」さん (けろち)
2007-02-24 12:44:41
 あちこちの病院で断られ、お怒りでしょうが、いろいろあって、現在に至ったことなので、仕方がないことなんです。これから更に悪化すると思います。
 救急車は一刻を争う方を優先したいので、そうでない場合は世のため人のためにタクシ-で来てほしいと思っています。そうしないと遠い救急隊が来ることになり搬送に時間がかかることが増えてしまいます。
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救急車で来ても優先的に診てもらえないような時代... ()
2007-02-24 11:57:05
救急車で来ても優先的に診てもらえないような時代にもうなってますよ。たいした症状で無いのに救急車で来ると、クレーマーであるリスクが高いと判断し受け入れてもらえなくなるケースが増えています。産婦人科はどうか知りませんが
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 論点が救急車の使用の是非に移っているようですね。 (東京メガテリウム)
2007-02-23 23:12:06
 確かにこれまでの日本では、救急車で搬送されると優先的に受診できるという暗黙の、根拠のよく分らないルールがありました。しかし、救急車の要請自体が利用者サイドの一方的意思表明で確定してしまい、搬送側・受け入れ側になんら緊急性の判定権限が与えられていないのは、全く原理的にナンセンスとしか言いようがありません。
 良識的受診者が損するだけの、こんなバカげた慣習をやめにすれば、勘違いしてる患者も少しは減るんじゃないでしょうか。
 「救急でかかりにくくなったから、救急車を乱用するのもいたし方ない」・・・・のではなく、「別に緊急性のない人が救急車を乱用するから救急で受けてもらいにくくなった」というのが正しい見方なんですよ。
 また「救急外来と言いながら普段かかってないと診ないとは矛盾している」との主張は確かにそれ自体はスジが通っていますが、それ以前に、「全然緊急性もないのに救急外来を利用しようとした大勢の患者によって病院の診療体制がメチャクチャにされた長い経緯がある」という前提をまず考慮していただきたいものです。
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一妊婦様。今回は、無事な経過でよかったですね。... (子持ちししゃも)
2007-02-23 13:00:07
余計なお世話かも知れませんが、お仕事に復帰されるなら、1つアドバイスさせてください。

ご承知の様に、都心でも都立病院の産婦人科が次々閉鎖されており、個人病院からの紹介状を持った方でも、大病院の搬送先を見つけるのに時間がかかるようになっております。
基本的にセンター病院は、緊急な手術をしないと命にかかわる方を受け入れるための救急をしているわけです。
少量の出血や腹痛などの診断のついていない病状の方を1人1人みるために存在しているわけではありません。
今回のセンターの『紹介状を持ってきてほしい』という言葉は、面倒だからなどという理由からではないのです。病状によっては、手術中の手を下ろして(手術を中断してまで)医師が診察する必要があるのか、緊急に入院の手配を必要とするのかがわからないので、『普通に診療をしている産婦人科医院で診断してもらってください。』ということなのです。

『ただの妊娠で病気じゃないから』などど気楽に考えて、お仕事を優先にされて無理をsたあげくに夜間こられる方がいますが、妊娠中は、今回のように急変や早産が起こる危険があります。
遠方から職場に通勤されるのであれば、是非職場の近くの個人病院や婦人科病院に受診し、何かあったときに診察していただけるような医院を見つけて、カルテを作っておくことをお勧めします。

>もし今後こういうことがあれば即救急車か,直接病院に行くしかないと考えています。

一妊婦様の、ご意見のような手段を取られると、実際に産婦人科医師に診ていただくまでに、無駄に時間がかかってしまいます。
救急隊が病院を探すのに大変に手間取ったり、病院の玄関先で『医師が手術中で手が離せず4時間見られない』などど断られて手遅れになってしまいます。
いきなり救急車ではなく、1次救急として職場近くのかかりつけて的な病院に受診してください。入院や手術が必要なくらい緊急な状況であれば、その先生が、次の搬送先の病院と交渉してくれます。

どうぞ今回の経験から、妊娠中は赤ちゃんとあなたの安全を守るために慎重に行動していただくことをアドバイスさせていただきます。
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そのようなことは数年前から、ごくごく普通に起き... (一妊婦様へ)
2007-02-23 10:05:44
妊娠中にかかりつけ施設から2時間以上もかかる場所に恒常的に滞在した御自分の危険行動の責任も省みるべきでは?
この”一妊婦様”の書き込みを見てまた多くの産科医が心を砕かれ、逃散していくことでしょう。
大多数の妊婦にとって残念なことです。
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 (産業医)
2007-02-23 09:21:20
一妊婦様のおっしゃりたいことは、救急車を呼んで、現在の主治医のところに搬送してもらう、ということですね。確かに、それがベストかもしれません。失礼しました。
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一妊婦様、大事に至らなかったようで、良かったで... (産業医)
2007-02-23 09:18:05
さて、こんな状況における病院側の医師としては、引き受けても結果が悪ければ最悪は逮捕、そうでなくても民事で訴えられるかもしれないと思えば、そのような対応になってしまいます。これは産科に限ったことではありません。内科系の病気でも、基幹病院への受け入れ要請はなかなか大変です。

救急車を呼んでも大した違いはないと思います。救急隊員が電話をかけまくって受け入れ病院を探すことになるでしょうが、一妊婦様のしたことが救急隊員に代わるだけです。現在の主治医から会社近くの病院に交渉していただくのが良かったかもしれません。主治医もそんな時間的余裕はない?
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妊娠後期の妊婦です。ましと言われる東京都心でも... (一妊婦)
2007-02-23 08:02:37
私は埼玉県下から,東京の職場に通っています。ある日の夕方,仕事中に強い張りと痛みが続き,休養室で横になっても治らず,自宅近くの主治医に相談して,産科施設のある病院で診てもらうように,ということで都内の大病院に電話しました。

主治医のところまでは,職場からは2時間以上かかります。そこで近くの病院で,と思ったのですが,どこも「普段からかかっている患者でないと受けられない」「紹介状を持ってこい」「産科医が忙しい」などと言い,「来るな」と言わんばかりです。

急に具合が悪くなったのに,紹介状を持っているわけがありません。緊急外来なのに,普段かかっていないと診ないというのは矛盾しています。医者が応対に出てきているのに,症状も聞かないで,お断りの文句を並べるだけ。

救急車の乱用が問題になっていますが,この状況では,仕方がないと思います。また,どこの緊急外来でも,「事前に問い合わせてから行け」とありますが,問い合わせていたら,本当に緊急の場合に診てもらえません。

幸い,早産にならずに済み,今は自宅安静していますが,もし産気づいていたらと思うとぞっとします。
もし今後こういうことがあれば即救急車か,直接病院に行くしかないと考えています。
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「長野から」さんの意見に全面的に賛同します。 (ないかい)
2007-02-21 21:45:31
今の官僚と、旧日本軍とを比べてみると、驚くほど政策・考え方・現場への対処方などが酷似しています。
「10人足らずの医学部定員増」
なんかは
「戦力の逐次投入」
と全く同義です。

http://blogs.yahoo.co.jp/seita/816238.html

私の座右の書でもある「失敗の本質(中公文庫)」を読むと、今の医療体制についても同じ事が言えると感じてしまいます。
返信する
さくら・様 (管理人)
2007-02-21 20:35:38
はじめまして。ありがとうございました。他にも誤字・脱字は多くあると思います。何かお気づきの点ありましたら、今後ともご指摘のほど、よろしくお願いします。
返信する
中間管理職・様 (管理人)
2007-02-21 20:24:35
いつも大変お世話になってます。

先生のところには毎日お邪魔させて頂いてます。

さっそく、こちらの分娩休止リストもアップデートさせていただきました。

先生も健康には十分にお気をつけください。

今後ともよろしくお願い申し上げます。
返信する
はじめてコメントします。 (さくら)
2007-02-21 20:10:35
私の田舎でも去年の3月から産婦人科が休診になったそうです。出産のときは里帰りを考えていたのですが、悩むところです。

ちなみに大分の南海病院ですが、健康保険南海病院の「健」が抜けています。
揚げ足取りみたいでごめんなさい。
返信する
「勤務医 開業つれづれ日記」中間管理職です。 (中間管理職)
2007-02-21 18:14:36
いつも大変お世話になっております。

今回、先生のデータもあわせてアップデートさせていただきました。

また、今回から新規、訂正情報がどこか分かりやすくなるように印を付けてみました。御参考になりましたら幸いです。

先生もお体にお気をつけ下さい。

これからもよろしくお願いいたします!!
返信する
しかし、朝日新聞の記事で、こちらのブログタイト... ()
2007-02-21 15:09:06
ブログタイトルのみの記述である本記事では、現場の重みが読者に伝わったものか疑問です。
返信する
役人の「撤退→集約」という言葉は「玉砕→転進」を... (長野から)
2007-02-21 13:57:06
実際には「全滅→退却」なんだけど、そういった言葉を避けているところも似ている。

「ネットワーク化と医療の効率化」は「絶対国防圏の設定と竹槍訓練の強化」といったところでしょうか。
返信する
未だに「大学に戻され」なんて大学に対する悪意に... (田舎産科医)
2007-02-20 19:36:06
奈良情報では本人希望らしいですよ。市の側がそれを認めたくないんですね(嘲笑)。
それにしても「緊急時の出産に限り引き受け」たら、だめじゃん。またそんな選挙民向けの格好ばかり取り繕って…その緊急がトラブったら市長が責任取ってくれる、わけないですよね?
返信する
あっ!まったく別でした! (僻地の産科医)
2007-02-20 18:41:16
なんてこった。ちょっと恥ずかしいです。。。
すみません。。
返信する
>僻地の産科医様 (ハーフドロッポ)
2007-02-20 12:54:59
福山(広島県)と福知山(京都府)は別の自治体です。もちろん派遣元も別大学です。

まあ、それだけ撤退する病院が多いということなのでしょうが。
返信する
それにしても、この期に及んで一人医長で産科を継... (暇人28号)
2007-02-20 12:53:12
産科の先生方には「地域のお産を守る」義務も義理も無いのですから、早々に辞めるべきです。大学医局も地域医療を担う義務は無いですから、早々に一人医長の病院からは産科医を引き剥がすべきです。

病院・自治体も自分の面子にこだわって無理なお願いをするべきではありません。

崩壊はすぐそこなんですから。
返信する
これですね! (僻地の産科医)
2007-02-20 12:50:22
産婦人科医不在の恐れ 福山市民病院
中国新聞 '07/2/20
http://www.chugoku-np.co.jp/Health/An200702200165.html

▽岡山大が派遣中止通告

 福山市民病院(福山市蔵王町)が、岡山大病院(岡山市鹿田町)から産婦人科医師二人の派遣を打ち切りたいと通告を受けていることが十九日、分かった。期限は三月末で市民病院に産婦人科医が不在となる事態を避けるため、羽田皓市長らが岡山大側に出向いて撤回を要請している。
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福知山市民病院の産婦人科が撤退するようです。綾... (ibaraki)
2007-02-20 08:58:51
福知山市民病院の産婦人科が撤退するようです。綾部市民病院へ集約するようですが、舞鶴市民病院の崩壊に続き、京都北部の医療情勢は極めて悪化医しています。
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