goo blog サービス終了のお知らせ 

ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

婦人科疾患合併妊娠:子宮筋腫

2010年06月02日 | 周産期医学

・ 妊娠に子宮筋腫が合併する頻度: 0.5~2%程度。妊婦の高齢化に伴いその合併率は上昇している。

・ 妊娠経過に伴って増大傾向を示す筋腫は約半数、20~40%が不変、一部は縮小する。

・ 筋腫核が硝子様変性を起こし、壊死に陥り、筋腫部位に一致した自発痛や圧痛、発熱を伴うことが12~28%にある。

Myoma

Myomamri

******

妊娠・分娩・産褥へ子宮筋腫が及ぼす可能性のある影響
Myoma_2

******

子宮筋腫合併妊娠の管理

1.保存的に治療する。 妊娠中は原則的に筋腫核出術は行わない。
 ※妊娠中の手術適応:
  ①筋腫が変性し、疼痛著明な場合
  ②有茎筋腫の茎捻転
2.産道通過障害となる場合は帝王切開分娩。
3.筋腫核出術既往のあるものは、(子宮破裂の危険があるため)選択的帝王切開。
4.原則として帝王切開時も筋腫核出術は行わない。
 (妊娠中および帝王切開時の筋腫核出術の利益・不利益についてはまだ十分検討されていない。 )

******
産婦人科診療ガイドライン産科編2008、p133-134

妊婦から子宮筋腫合併妊娠の予後等について問われた時の説明は?

以下の事項を話す
1.妊娠予後は比較的良好であるが、妊娠中は切迫流産、妊娠末期の胎位異常、前置胎盤、常位胎盤早期剥離、羊水量の異常、妊娠高血圧症候群、前期破水の頻度が増加する。(B)
2.約20%の妊婦が筋腫部位に一致した疼痛を一過性(1~2週間)に経験する。(B)
3.分娩時には陣痛異常、異常出血、帝王切開の頻度が増加する。(B)
4.妊娠中および帝王切開時の筋腫核出術の利益・不利益についてはまだ十分検討されていない。(C)
5.産褥に、筋腫変性、高度感染により子宮全摘術を行う可能性がある。(C)


最新の画像もっと見る

3 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
突然のコメントで失礼いたします。 (ようこ)
2011-10-24 11:04:05
合併妊娠について調べていて、こちらにたどり着きました。
私は現在35才、26才の時に開腹、29才の時に子宮鏡(?)で、筋腫摘出手術をしています。
今年8月に17週で流産しました。感染が原因での流産とのことでした。
現在も筋腫があり、先日の検診の際には、妊娠しないようだったら、手術をしましょうと言われました。(昨年10月の診察でも、同様のことを言われていたのですが、自然妊娠しました。)
手術の予約は5月まで取れない状況です。それまでに妊娠したらそれはそれで構わないので避妊の必要はないと言われていますが、筋腫があるので流産のリスクは普通の人より高くなるとのことです。あまりにファジーな診断なので、どうしたらいいのかよくわからず困っています。手術をしたほうがいいなら、早くしたいというのが正直なところです。
先日の流産直前には、腹痛がひどく、寝返りもうてない程でしたが、カロナールを処方されたくらいでした。
ほかの病院でセカンドオピニオンを求めるべきが、非常に悩んでします。
流産後、生理は2度きています。量は多いのですが、貧血の症状はありません。
大変恐縮ですが、アドバイス等頂けましたら幸いです。藁にもすがる思いでメールさせていただきました。
返信する
子宮筋腫を持っている方は非常に多く、一般的には... (管理人)
2011-10-25 06:27:07
妊娠の希望がある方の場合、筋腫核出術の既往は、妊娠時に子宮破裂のリスク因子となりますので、筋腫核出術はできるだけ避けた方がいいと思いますが、個々の状況によって、患者さんと担当医師とでよく話し合い、患者さんが手術を強く希望される場合は手術が選択されることもあります。

担当の先生またはセカンドオピニオンの先生とよくご相談になってください。
返信する
早速ご回答いただきありがとうございました。 (ようこ)
2011-10-25 22:40:07
子宮破裂、あまり頭になかったので、その点も含め相談していきたいと思います。
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。