ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

静岡県立こども病院 「配置転換は不当」 病院機構を提訴

2009年05月20日 | 地域周産期医療

静岡県立こども病院NICU 新規患者は静岡市内のみ受け入れを継続

静岡県立こども病院NICU、新規患者の受け入れを休止

****** 産経新聞、静岡、2009年5月19日

「配置転換は不当」 病院機構を提訴

 静岡県立こども病院(静岡市葵区)で医師不足のため新生児集中治療室(NICU)の新規患者受け入れが制限されている問題をめぐり、病院から不当な退職勧奨や配置転換命令を受けたとして、前新生児未熟児科長の男性が18日、院長と運営する県立病院機構を相手取り、慰謝料550万円の損害賠償などを求める訴えを静岡地裁に起こした。

 訴状などによると、男性が4月1日付で、同科から実体のない新規ポストに不当に配置転換されたことから、病院に不信感を抱いた医師らが相次いで辞職。事態が予想できたにもかかわらず、県中部の新生児未熟児医療の崩壊を招いたとして、配転命令は無効と主張している。

 また、男性は訴状で昨年11月以降、院長が県内の小児科医109人に「(男性が)辞めると公言しており、希望をかなえさせます」と事実と異なるメールを送ったことなども指摘した。「不当な退職勧奨を繰り返し受け、鬱病(うつびょう)を罹患(りかん)するなど精神的苦痛を受けた」とも訴えている。男性は現在、休職中という。

 こども病院は、高度な周産期医療を提供する県中部唯一の医療機関だが、医師の減少でNICUの新規患者受け入れを静岡市内に限定している。県は、ほかの地域の患者は順天堂大付属静岡病院(伊豆の国市)と聖隷浜松病院(浜松市)に対応を要請し、「6、7月をめどに医師を確保したい」としている。

 この日、会見した原告側の家本誠弁護士は「長年地域の新生児医療に貢献してきた原告に対して、信じられない対応」と話した。

 県立病院機構は「訴状を見ていないのでコメントできないが、適切に対応したい」としている。

(産経新聞、静岡、2009年5月19日)

****** 毎日新聞、静岡、2009年5月19日

提訴:こども病院の前科長が病院提訴 

「不当に退職迫られた」

 静岡市葵区の県立こども病院新生児未熟児科の前科長が不当に退職を迫られ、精神的な苦痛を受けたなどとして、同病院の院長と、病院を運営する独立行政法人県立病院機構を相手取り、550万円の損害賠償を求める訴訟を18日、静岡地裁に起こした。

 訴状によると、前科長は08年11月ごろから院長に「院内外からのクレームが多い」などと言われ、退職を繰り返し迫られた。固辞したが、今年4月1日付で県立総合病院(同市葵区)に異動させられたとしている。こども病院と県立病院機構は「訴状を見ておらず、コメントできない」としている。【山田毅】

(毎日新聞、静岡、2009年5月19日)

****** 毎日新聞、静岡、2009年4月24日

損賠訴訟:こども病院の前科長が提訴へ 院長らに慰謝料求め

 県立こども病院(静岡市葵区)の新生児未熟児科の前科長が、不当に退職を迫られたなどとして、院長と、同病院を運営する地方独立行政法人県立病院機構を相手取り、慰謝料などを求める損害賠償請求を静岡地裁に起こすことが23日わかった。県など関係者の説明では、こども病院では、前科長らと病院側が対立。担当医が相次いで辞め、新生児集中治療室(NICU)の新規受け入れを一時、中止する事態に発展した。 【山田毅】

(毎日新聞、静岡、2009年4月24日)

****** 静岡新聞、2009年4月22日

こども病院NICU新患制限 院長が経緯説明

 静岡市内の主要11病院の院長、事務長が集まる公的病院協議会が21日、同市葵区の県立総合病院で開かれた。県立こども病院(同区)の吉田隆実院長が、新生児集中治療室(NICU)が新規患者の制限に至った経緯を説明した。

 吉田院長は「心配、ご迷惑を掛け、おわび申し上げる」と述べ、NICUを担当する新生児未熟児科の常勤医が2人に減員する事態に陥ったことを報告した。院内から医師3人を新たにNICUに配置して5人体制としたものの、当面の受け入れは静岡市内の患者にとどめる方針を説明。「何とか1000グラム以上の子供は他の病院で診るようお願いしたい」などと他病院の理解と協力を求めた。

 今回の対応については「あくまで暫定的」とし、NICUの完全再開に向けて「2カ月の間に医師を確保したい」と述べた。

(静岡新聞、2009年4月22日)

****** 静岡新聞、2009年4月21日

こども病院NICUが5人体制に 院内で3医師確保

 県立こども病院が新生児集中治療室(NICU)の新規患者を制限している問題で、同病院がNICUを担当する新生児未熟児科の医師をこれまでの常勤医2人体制から5人体制に拡充したことが20日分かった。院内で3人の医師を確保して配置した。

 ただ、新患の受け入れ範囲は引き続き静岡市内の患者にとどめる。同病院は6月をめどとしたNICUの再構築に向け、医師確保の努力を継続する。

 新たに配置した3人はほかの診療科の男性医師と男性研修医2人。いずれもNICUの経験があるといい、研修医2人については正規採用した。常勤医2人の負担を軽減し、当直体制を充実できる。

 新生児未熟児科は3月末時点で常勤医4人、研修医3人だったが、人事異動をめぐる混乱で退職意向を示す医師が相次ぎ、現在は常勤医2人体制となっている。このため同病院は当面、院内で支援する方針を示していた。

(静岡新聞、2009年4月21日)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。