ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

静岡県立こども病院NICU 新規患者は静岡市内のみ受け入れを継続

2009年04月14日 | 地域周産期医療

コメント(私見):

静岡県立こども病院NICUは、新規患者の受け入れを全面休止する方針を示していましたが、静岡市内の医療機関と院内の他の診療科の支援で受け入れ態勢を整えることができたので、静岡市内の新規患者に関しては受け入れを継続することを表明しました。

なるべく早い段階で医師を確保し、6~7月をめどに、新規患者の受け入れ制限を解除したいとのことです。今後の動向に注目していきたいと思います。

****** 毎日新聞、静岡、2009年4月15日

県立こども病院:静岡市の患者は新規受け入れ継続--新生児集中治療室

 静岡市葵区漆山の県立こども病院(吉田隆実院長、279床)は13日、静岡市の患者については新生児集中治療室(NICU)への新規の受け入れを続けると発表した。こども病院は先に、担当医の減員に伴い患者の新規受け入れを全面休止すると明らかにしていた。NICUの当直勤務に他の診療科の医師を充てたり、静岡市内の別の病院の支援を受ける。【浜中慎哉】

(毎日新聞、静岡、2009年4月15日)

****** 静岡新聞、2009年4月14日

県立こども病院新患問題 

静岡市内のみ受け入れ

 県立こども病院(静岡市葵区漆山)は13日、一時停止するとしていた新生児集中治療室(NICU)の新規患者の受け入れを、静岡市内の新生児患者については継続して行うことを明らかにした。ほかの地域の患者は、同病院と同様に県から総合周産期母子医療センターの指定を受ける順天堂大静岡病院(伊豆の国市)と聖隷浜松病院(浜松市中区)に受け入れの協力を求める方針を示した。今後は6月を目標に医師を確保し、NICUの態勢を再構築するという。

 人事異動をめぐる混乱などで新生児未熟児科の医師が退職することを受け、13日から新患の受け入れを休止する方針を示していたが、静岡市内の医療機関と院内の支援で受け入れ態勢を整えた。1500グラム以上の外科系や循環器系の疾患患者らは地域に関係なく従来通り受け入れる。

 石川嘉延知事は同日の定例会見で、新患の受け入れ制限という事態を招いたことについて「残念なこと。できるだけ早期に医師が補充されることを期待している」と述べた。一方で、同病院が4月から地方独立行政法人に移行したことを踏まえ、「大きな試練と思うが、新しい体制の下で適切に処理していかなければいけない」とし、当面は見守る考えを示した。

(静岡新聞、2009年4月14日)

****** 中日新聞、静岡、2009年4月14日

新規受け入れ一時停止 県立こども病院の新生児集中治療室

『6月めど医師確保、再開』

 県立こども病院(静岡市葵区)の新生児未熟児科で医師7人のうち5人が異動したり、退職する意向を示している問題を受け、同病院の新生児集中治療室(NICU)は13日、静岡市外からの入院患者の新規受け入れの一時停止を始めた。 【藤川大樹】

 こども病院によると、西部は「聖隷浜松病院」(浜松市)、東部は「順天堂大学医学部付属静岡病院」(伊豆の国市)で診療してもらう。静岡市内の患者については、内科系(小児科)を中心とした他診療科のサポートなどにより、受け入れが可能という。

 病院側は「6月をめどに代わりの医師を確保し、診療を全面再開したい」としており、重症の新生児などを受け入れる「総合周産期母子医療センター」指定についても、県は当面は取り消さない方針。

 一方、外来診療は継続し、1500グラム超の外科系疾患、循環器系疾患の患者も受け入れる。既に入院している患者の診療も続ける。

 石川嘉延知事は13日の定例会見で「早期に医師の補充ができると期待している」と述べた。

(中日新聞、静岡、2009年4月14日)

****** 読売新聞、静岡、2009年4月14日

こども病院 新生児ICU問題 

「静岡市内のみ受け入れ」

 県立こども病院(静岡市葵区漆山)がNICU(新生児集中治療室)の患者受け入れを当面休止すると発表した問題で、同病院は13日、「院内、院外での協力体制が得られた」として、静岡市内の患者に限り受け入れを継続する方針を明らかにした。

 同病院の北村国七郎事務局長の説明によると、病院内で他診療科の医師に当直に入ってもらうことや、市内でNICUを持つ他病院の協力が得られたため、受け入れ休止範囲を狭めることにしたという。こども病院NICUの年間受け入れ数は140~150人で、その半数程度が静岡市の患者という。

 静岡市以外の周辺市町の患者については、同病院と同様、母体や新生児に対する高度な治療を行う「総合周産期母子医療センター」の指定を受けている順天堂大静岡病院(伊豆の国市)、聖隷浜松病院(浜松市中区)に協力を求めるという。

 この問題について、石川知事は13日の記者会見で「できるだけ早期の医師確保を期待したい」と述べたが、人事異動を巡る問題が休止のきっかけになったとの声が院内から出ていることについては、「県立病院機構で適切に対処していくものと確信している」と述べるにとどまった。

(読売新聞、静岡、2009年4月14日)

****** 産経新聞、静岡、2009年4月14日

静岡県立こども病院 患者受け入れ制限発表

 静岡県立こども病院(静岡市葵区漆山)は13日、新生児集中治療室(NICU)への新規患者の受け入れを制限すると発表した。現在は必要な患者は制限を設けず受け入れているが、今後は、静岡市内の患者のうち「こども病院でなければ適切な医療を受けられないような患者」(病院側)のみとし、それ以外の患者は市内の他の医療機関を受診してもらう方針だ。

 県立こども病院は、高度な周産期医療を提供する「総合周産期母子医療センター」に指定された、県中部唯一の医療機関。静岡市外の患者は、同じ指定を受けている順天堂大付属静岡病院(伊豆の国市)と聖隷浜松病院(浜松市)での対処を要請するという。

 同病院は、1000グラム未満で産まれた低体重児や重度疾患を持つ新生児に最先端の医療を提供できる、高度周産期医療の“最後の砦(とりで)”となっているだけに、受け入れ制限は周辺市町の医療機関にも大きな影響を与えそうだ。

 今回の措置の理由は、昨年度は7人いた新生児未熟児科の医師が、今月中にも退職などで2人に減ると見込まれているため。3月に出された同科長の異動内示に反発した周囲の医師らが辞意を示したことが、主な原因という。

 病院側は一時、NICUへの新規受け入れを全面休止すると発表していた。しかし、小児科など別の科の医師で減員分をカバーする態勢を整えたことから「病院として最低限の責務を果たすため、必要な患者の受け入れは何とか行うことにした」と方針を転換した。

 同病院経営室は「新患の制限はあくまでも暫定的な措置。現在、医師の確保に努めており、6~7月をめどにこれまで通りの態勢に戻したい」と話している。

(産経新聞、静岡、2009年4月14日)

****** 静岡第一テレビ、2009年4月13日

NICU受け入れ縮小で再調整(静岡県)

 NICU・新生児集中治療室への新規患者受け入れを13日から休止すると発表していた県立こども病院が受け入れを縮小する方向で再調整していることがわかった。県立こども病院は今月10日の会見で13日からNICUへの新規患者の受け入れを休止すると発表していた。小林副院長によるとその後、病院内で検討した結果、全面休止とするのではなくできる限り患者を受け入れるべきではないか、という意見が強まったことなどから受け入れを縮小する方向で再調整しているという。受け入れの判断については患者の症状や容態などを病院が判断し決めるという。また、入院中の患者からの問い合わせについては個別に説明を行っていると話している。

(静岡第一テレビ、2009年4月13日)


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