ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

富士市立中央病院:産婦人科医増員へ 浜松医大派遣方針、8人態勢実現に期待

2008年12月22日 | 地域周産期医療

例えば、地域内に産婦人科医2人、小児科医2人、麻酔科医2人、助産師10人が勤務する分娩施設が4施設存在する場合、どの施設でも医師達は必ず1日おきに当直し、当直ではない日も夜中の緊急手術があれば必ず病院から呼び出されます。そのような過酷な勤務環境では絶対に長続きする筈がありません。

それよりは、地域の分娩施設をセンター化し、産婦人科医8人、小児科医8人、麻酔科医8人、助産師40人を配置する方が、無理のない維持可能な勤務環境を実現できるという意見に多くの人が賛同すると思います。

分娩施設の集約化に際しては、地元大学の産婦人科教授などが強力なリーダーシップを発揮できれば、話が比較的スムーズにまとまっていくと思います。

しかし、実際に分娩施設の集約化を実行しようとする際に、どの施設に医師を集約するのか?で各施設の利害が激しく対立し、すんなりと話がまとまらない場合も少なくないと思います。集約化の話がうまくまとまらない地域では、自然淘汰で施設が一つ一つ減っていくのを辛抱強く待つしかないのかもしれません。

****** 毎日新聞、静岡、2008年12月20日

富士市立中央病院:産婦人科医増員へ 浜松医大派遣方針、8人態勢実現に期待

【要約】 富士市の鈴木尚市長は、市立中央病院(山田治男院長)の産婦人科について、現状の医師4人を将来的に増員できる見込みであることを19日、明らかにした。来年4月から医師3人を派遣する浜松医科大から増員方針を伝えられたという。今後、順次増員される計画とのことで、山田院長は医師8人態勢実現を期待していると表明した。東京慈恵医科大から小児科医の派遣継続も決まり、周産期母子医療センターも存続することになった。

(毎日新聞、静岡、2008年12月20日)


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