ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

「お産の受け皿を確保を」上伊那医療問題研究会 (長野日報)

2007年09月21日 | 地域周産期医療

コメント(私見):

上伊那医療圏の年間分娩件数は約1600件程度で、従来は、この地域のほとんどの分娩を伊那中央病院(約1000件)と昭和伊南総合病院(約500件)の2つの基幹病院で担ってきました。

来年の4月からは、この地域の主な分娩施設が伊那中央病院だけとなってしまう情勢にあり、これからの半年間で、この地域の産科医療の新しい体制を築き上げていく必要があります。

地域内で助け合い、連携・協力して、この危機的状況をみんなで乗り切っていく必要があります。また、近隣の医療圏との緊密な協力関係を構築することも非常に大切だと思います。

****** 長野日報、2007年9月20日

「お産の受け皿を確保を」上伊那医療問題研究会

 上伊那広域連合や市町村、公立3病院の事務担当者らでつくる上伊那医療問題研究会は18日夜、伊那市の駅前ビルいなっせで第2回会合を開いた。来年4月から昭和伊南総合病院(駒ケ根市)が産婦人科を休止する問題で、対応策として伊那中央病院(伊那市)が施設改修してお産の受け皿を確保するのが望ましいとし、上伊那医療圏全体の問題として施設改修費を同病院だけに負担させない考え方も確認した。

 伊那中央病院側は、施設改修に伴う建築費などの試算を示した。里帰り出産の受け入れ制限を前提に、病棟を改修(陣痛待機室と分娩=ぶんべん=室増設)し、外来診察室を増築する。建築費は1億200万円。職員は医師1人、看護師2人、助産師2人を増員する。患者増加に伴う収入から職員人件費などを差し引いた収支は200万円余の黒字と見込んだ。

 協議で、施設改修は、昭和伊南を運営する伊南行政組合構成4市町村からも実施の要望が相次いだ。費用負担をめぐり一部に「施設改修の必要性と(上伊那)各市町村の負担は別問題」「基本的に病院が費用負担するのが筋」との異論も。伊那中央病院側は運営者の伊那中央行政組合構成3市町村住民の「里帰り出産まで断らざるを得ない」事態の深刻さを強調した。

 費用負担に関し、小坂樫男伊那中央行政組合長(伊那市長)は県に支援を要請する考えだが、県伊那保健所は「県の財政支援は現行制度がない」と説明した。

 昭和伊南に対し、お産に関して来年4月以降の方向性を早く示してほしいとの意見もあった。取材に対し、同病院は「原則として健診は昭和伊南、お産は伊那中央でという方向で調整中」(倉田晋司総務課長)と話した。

 研究会は8月末に発足。夜間診療所開設も研究しており、結論が出次第、正副連合長に報告する。

(長野日報、2007年9月20日)

****** 伊那毎日新聞、2007年9月20日

伊那中央病院の施設改修の必要性を確認

上伊那医療問題研究会(2)

 地域の安定的な医療確保を図るため、医療問題を研究し、解決案を検討する上伊那医療問題研究会の第2回会議が18日夜、駅前開発ビル「いなっせ」であった。医師不足に伴う産科問題対応で、伊那中央病院(伊那市)の施設改修の必要性を確認した。

 来年4月、昭和伊南総合病院(駒ケ根市)の常勤産科医がいなくなることから、産科診療を休止せざるを得ない状況で、受け皿として中病が施設整備を検討。陣痛待機室や分娩(ぶんべん)室の増設、監視モニターの設置など病棟改修に加え、パンク状態になっている外来診察室を増築する必要がある。改修費用は1億200万円と試算する。

 中病を運営する3市町村以外の市町村関係者から「喫緊の課題。中病の増設をお願いしたい」「住民に不便を来たさないようにしてほしい」など改修を求める声が挙がった。

 施設改修に対する県の財政支援はない。費用負担は課題で、中病だけに任せるのではなく、上伊那医療圏の問題として考えることにした。県にも助成を要請していく。

 昭和病院は来年4月以降、非常勤医師が検診で対応し、中病で出産する方法を調整中。院内産院設置の可能性も検討しているが「医師がいないと難しい」としている。

 委員は公立3病院事務長、各市町村担当課長、上伊那医師会事務長らで、今回から消防組合関係者を加えた。

 次回は10月上旬を予定している。

(伊那毎日新聞、2007年9月20日)

****** 信濃毎日新聞、2007年9月20日

伊那中央病院の施設増設を了承

 上伊那の医療問題を話し合う、上伊那広域連合の医療問題研究会は18日夜、2回目の会合を伊那市内で開いた。

 昭和伊南総合病院(駒ケ根市)が来年4月から出産の扱いを休止するのに伴い、伊那中央病院(伊那市)が検討している産科施設増設を了承。その費用負担については意見が分かれたが、同病院を運営する伊那中央行政組合だけでなく、上伊那の全市町村で負担することを事務レベルで申し合わせた。

(信濃毎日新聞、2007年9月20日)


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