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ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

肺出血

2011年10月17日 | 周産期医学

pulmonary hemorrhage

【概念】 肺毛細血管から肺胞内に血液成分が漏出した状態である。

肺胞上皮の血液透過性が亢進する原因: 肺うっ血、低酸素虚血による肺胞上皮障害

肺胞内に漏出した血液成分は肺サーファクタントを不活化させるので、二次的な肺サーファクタント欠乏状態を起こして重度の呼吸障害を呈する。

【症状】 
・ 初期には気管吸引液は血性とはならず、気管吸引液の増加として認識されるが、この時期から呼吸窮迫症状を認める。気管吸引液の潜血反応は陽性となる。

・ 進行すると血性の気管吸引液となる。

【診断】 血性の気管吸引液を認め、肺野全体の透過性の低下があれば診断される。

【治療】 
・ 陽圧換気が絶対適応である。

・ 肺サーファクタント補充療法を実施する。

・ 肺出血の原因治療として、左心不全の改善、動脈管開存症の治療が必要となる。


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