ある産婦人科医のひとりごと

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子宮頸がん予防ワクチン 本日から販売開始

2009年12月22日 | 婦人科腫瘍

子宮頸がんを予防するワクチンの販売が、本日から、日本国内でも開始されます。販売が始まるのは、グラクソ・スミスクライン株式会社の「サーバリックス」と呼ばれるワクチンで、海外では、2007年5月にオーストラリアで承認されたのに続いて、欧米やアジアの各国で承認され、現在すでに100か国以上で承認されています。

子宮頚がんは、特定のヒトパピローマウイルス(16型、18型など)への感染が原因とされています。日本国内では、年間約8000人、上皮内がんも含めると約15000人が子宮頸がんと診断され、年間約3500人の女性の死因となっています。特に、20~30代の若い女性で発症率が高いのが特徴です。

子宮頚がんの予防には、ワクチンを半年間に3回接種する必要があり、接種費用がかなり高額となってしまうため、関係学会や患者団体などは、国に対し接種費用を公費で負担するよう訴えています。

子宮頸がん予防ワクチンを10代前半の女子に公費負担で接種するという政策によって、次世代での子宮頸がん発症率の激減が期待できます。長い目で見れば、決して税金の無駄遣いにはなりません。ぜひとも接種費用を公費負担にしていただきたいと思います。

参考記事:

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