紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

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遅れてきた天才がライヴで燃える…フル・ハウス~ウエス・モンゴメリー

2008-04-22 22:47:36 | ジャズ・ギター
今日は私にとってのナンバー1ジャズ・ギタリストの「ウエス・モンゴメリー」の超傑作、「フル・ハウス」を行っちゃいましょう。

正直、「ウエス」の代表作にも拘らず、何故か今迄紹介していませんでしたが、流石に、そろそろ行っておかないとまずいかなぁと思いまして、至った訳です。

解説帯にもありますが、「ウエス」もすごいが、「ジョニー・グリフィン」、「ウィントン・ケリー」も、まじにすごいんです。
それ以外のリズム・セクションも、「ポール・チェンバース」と「ジミー・コブ」なので、言うことなしですねぇ。

それでは聴いて下さい。

アルバムタイトル…フル・ハウス

パーソネル…リーダー;ウエス・モンゴメリー(g)
      ジョニー・グリフィン(ts)
      ウィントン・ケリー(p)
      ポール・チェンバース(b)
      ジミー・コブ(ds)

曲目…1.フル・ハウス、2.アイヴ・グロウン・アカスタムド・トゥ・ハー・フェイス、3.ブルーン・ブギ、4.キャリバ、5.カム・レイン・オア・カム・シャイン、6.S.O.S

1962年6月25日 バークレイ Tsuboにて、ライヴ録音

原盤…RIVERSIDE 9434  発売…ビクター音楽産業
CD番号…VDJ-1508

演奏について…1曲目「フル・ハウス」…アルバム・タイトルにもなっていて、ノッケから最高峰の名演がなされる。
曲名は、当日、クラブ「tsubo」が満席、盛況になった事から、このタイトル名になったと言う。
変則リズムが導入され、すぐに印象的な序奏メロディから、「ウエス」がオクターブ奏法と魅惑のフレーズ満開で、縦横無尽にギター・アドリブを弾き捲くる。
この圧倒的で、且つ叙情的な演奏は秀逸ですね!
受ける「グリフィン」の豪快なブロウも出来が良いです。
変則リズムで、フロント陣を煽る「チェンバース」と「ジミー・コブ」に、サポートをされながら、センシティブなアドリブをバリバリと吹いてくれます。
「ケリー」は更にメロウで、ブルージーなソロを演ってくれて、聴衆皆の意識を一心に受けているようです。
ギター、テナー、ピアノの見事なハーモニーと絡み合いが、抜群の名演を生みましたね。
「ウエス」の生涯演奏の中でも、屈指の名演でしょう。

2曲目「アイヴ・グロウン~」…小品ながら、軽視できないバラード・チューン。
「ウエス」が温かくてブルージーなトーンで、情感たっぷりにバラードを歌い(弾き)上げる。
ここでは、「チェンバース」と「コブ」のリズム二人だけがバックを取り、(ギター・トリオでの演奏)「ウエス」の存在感を際立たせる。
是非、聴き入って欲しい1曲です。

3曲目「ブルーン・ブギ」…「ディズ」が作曲したバップ・チューンで、スタートから「ウエス」の超絶的なテクニック、オクターブ奏法に裏付けされた、素晴らしいアドリブが展開されます。
「チェンバース」のズンズン突き進むベース・ワークが男性的で、とにかく行かします。
その後の「ケリー」の転がる様にキラキラ光る女性的なソロもgoodで、逆に「グリフィン」はとてもマッシブに、ガテン系(チト古い!)のソロを演ってくれます。
終盤の「コブ」のドラム・ソロもとても男性的で、男4人に女が1人…10チャンネルの戦隊物か、ルパン3世か?
一番華やかさが表現できる演奏形態で、聴き応え有ります。

4曲目「キャリバ」…この曲もラテン調の変則リズムで展開される、ご機嫌なナンバーで、「ウエス」の抜群のソロ演奏が光る1曲です。
とてもご機嫌なノリでラテン・ブロック・コードを決める「ケリー」と、カチッとしたリズムで曲を〆る「コブ」が、良い仕事をしてくれます。
終盤、ブイブイ言わせる「グリフィン」が、ポイント的にかなり追い上げますが、再度「ウエス」がソロを取り、これがまた超熱演なんです。
マラソンならば、結局、「ウエス」が逃げ切るんですね。
「ウエス」の抜群のプレイが凝縮された1曲で、タイトル曲と並ぶファイン・チューンです。(拍手!!拍手!!拍手!!!)

5曲目「カム・レイン・オア・カム・シャイン」…言わずと知れたスタンダード・ナンバーですが、比較的早目のテンポで全員がズンズンと進みます。
「ウエス」は、ここでもシングル・トーン、コード弾き、オクターブ奏法と、持てる技術を全部使って、素晴らしいソロを演ってくれます。
「ケリー」もシングル・トーンをメインにして「ウエス」の演奏を飾り付けて、見事なサポート役をかってくれます。

ラスト「S.O.S」…は全員の熱気が一気に終結した迫力のナンバーで、序奏から、これでもかのソロを「グリフィン」が演じ、「ウエス」も通常よりも早弾きで応戦して、更にヒート・アップさせます。
時々演るテーマのユニゾン演奏も効果抜群で、曲にアクセントを付けます。
「ケリー」の跳ねる様なソロも行けてますね。
そして、彼ら以上に燃えているのが「ジミー・コブ」で、ラストの盛り上げに一際力が入って、見事な熱演です。

「ウエス」が燃え、「グリフィン」が吼え、「ケリー」が舞い、「チェンバース」が支え、「コブ」が鼓舞する(これだけ洒落です)。
5人がハイ・パフォーマンスで燃えに燃えるライヴ名演です。


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