紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

バグス・ミーツ・ウェス~ミルト・ジャクソン&ウェス・モンゴメリー

2007-07-30 21:55:15 | ジャズ・ギター
今日は大物同士で、異色の楽器の組み合わせ名盤、「ミルト・ジャクソン」と「ウェス・モンゴメリー」の競演(コラボ)アルバムを紹介しましょう。
一言で言うと「ブルース魂」が漲った演奏であり、そこに二人のジャム・セッションの余裕も感じられる、風格も有る良い演奏です。

アルバムタイトル…バグス・ミーツ・ウェス
   
パーソネル…リーダー;ミルト・ジャクソン(vib)
      ウェス・モンゴメリー(g)
      ウィントン・ケリー(p)
      サム・ジョーンズ(b)
      フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)

曲目…1.S・K・J、2.スティブル・メイツ、3.星へのきざはし、4.ブルー・ローズ、5.サム・サック、6.ジングルズ、7.デライラ

1961年12月18、19日 NY録音

演奏について…大物二人の競演と前置いたが、このメンツを見れば一目瞭然で分かる様に、実はオールスタークインテットである。
演奏技術、スピリッツとも聴かずして分かるメンバーばかりが演っているので、どんな演奏がなされているか大凡の検討は、誰にでもつくのではないでしょうか?
全編を通じて「ブルース魂」の伝承者の二人がフロントラインを形成しているので、どの曲にもその精神を持った演奏の血が脈々と流れています。

そんな中で個人的に好きなのは、「ブラウニー」の名演で名高いファイナル曲の「デライラ」です。
「デライラ」は、実はこのアルバムの中で一番「ブルース魂」に拘らない演奏だと思いますが、それでも「ミルト」のヴァイブには「ブルース」が自然と宿っているのは流石です。
この人は、根っからブルース男なんですね。
その後の「オクターブ奏法」で好フレーズをかます「ウェス」と、小粋なフレーズで煽る「ケリー」の絡みは聴き物です。
「ミルト」も「ウェス」も縦横無人に、アルバムピカ1の自らのカデンツァに没頭し、素晴らしい演奏をしています。

次いで6曲目「ジングルズ」…すごいグルーヴ感がある、スピーディでパワフルな演奏だ。
序奏の「ミルト」のハードなソロから猛ダッシュを見せて、続く「ウェス」は自作という事もあって、パワフルなギターをぶいぶい言わす。
中途で「ケリー」の華麗なピアノソロが入って、曲全体を素晴らしいタイムキーピングとドラムテクで「フィリー・ジョー」が支配する。
最後の〆はまた「ミルト」だ。
素晴らしいマイスター達の名人芸に大拍手!!

2曲目「スティブルメイツ」では、この曲が十八番の一つと言える「フィリー・ジョー」の超絶技巧ドラミングが、非常に見事な演奏をしてアドヴァンテージをとる。
その「フィリー・ジョー」に触発されて、「ジョーンズ」も硬派のベースをカチっと刻み、「ミルト」は終始ヴァイブをたたき捲る。
「ケリー」もかなり攻めのアドリブを演じて、「ウェス」が入ってからは3つ巴(4つ卍の方が正確でしょうか?)の絡み合いがすさまじい熱演となった。

3曲目の名曲「星へのきざはし」…短い演奏だが、素晴らしい「ブルーズバラッド」が演奏される。
主役は勿論、「ミルト」と「ウェス」だが、この二人をサポートするバック3人のさりげない演奏が実は美味しいスパイスとして効いている。

オープニング「S・K・J」では、ブルースの真髄が垣間見れる演奏がなされる。
「ミルト」「ウェス」「ケリー」3人とも、正統的な4ビートに乗って楽器でブルースを歌い上げている。

5曲目「サム・サック」…「サム・ジョーンズ」の名が冠された通り、ここでの「ジョーンズ」のフィンガーテクは痺れますぜ。
盟友「フィリー・ジョー」の敲くタイコも抜群で、主役の3人をリズマーの二人が完全に喰ってますぜ。


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