紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

ボサノヴァ・ジャズの代表作…ボッサ・アンティグア~ポール・デスモンド

2007-09-04 23:20:11 | ジャズ・アルト・サックス
私の住んでいる神奈川県では、今日の天気もとても蒸し暑い「残暑」でしたが、夜吹いてくる風などは、大分秋の様相をしてきました。
私、変わり者かもしれませんが、ぎらぎらと「クソ暑い」、所謂、「真夏」が大好きなんです。
冷夏なんてもっての他、太陽さんが「ウルトラ元気」じゃないと、すごーく嫌なんですよ。
何で「真夏」が好きだと言うと、答えは単純明快で、太陽光線は人間が作り出せないからです。
まぁ、セレブみたいにお金があれば、冬になったら南半球にいけば良いんだけど、私には勿論、そんなお金は有りません。
ちなみに、ガキの頃は「夏」は一番嫌いな季節でした。
これも理由はしごく簡単、エアコンなんて完備な世の中じゃなかったので、冬は寒くても服を多く着るか、沢山動けば(運動等)暖かくなるが、夏は服を脱いでも、ちっとも涼しくなんかならないからでした。
おまけに夜は超寝苦しいしねぇ。
しかし、そんな悲喜こもごもの「夏」ですが、確実にその真夏は過ぎ去り、一寸寂しい今日この頃です。

さて、季節の話(特に夏)が多くなってしまいましたが、それにも理由が有るんです。
私はこのブログで色々なジャンルの曲を紹介していますが、大まかに言って、「ジャズ」が大黒柱(横綱)で、太刀持ち、露払いを「クラシック」と「ラテン」が受け持っています。

その中の「ラテン」ですが、「ラテン」は「絶対」に真夏に聴かなきゃ駄目な曲だと持論が有ります。
まぁ、実際は私は冬でも聴いてはいますが、「真夏」こそ「相応しい」と言った方が正確でしょうか?
そんな訳で、前置きが長くなりましたが、過ぎ去る「夏」に一抹の寂しさを感じつつ、今日は渋めの「ボサノヴァ・ジャズ」を紹介します。

アルバムタイトル…ボッサ・アンティグア

パーソネル…リーダー;ポール・デスモンド(as)
      ジム・ホール(g)
      ジーン・ライト(b)
      コニー・ケイ(ds)

曲目…1.ボッサ・アンティグア、2.夜は千の眼をもつ、3.オー・ガトー、4.サンバ・カンティーナ、5.悲しみのキュラソー、6.ア・シップ・ウィザウト・ア・セイル、7.アリアンサ、8.東9丁目の女

1964年7月28日、29日、8月20日、9月8日

原盤…RCA 発売…BMGビクター
CD番号…BVCJ-7340

演奏について…まず全編に渡って、「デスモンド」のクールなアルトと、「ホール」のほのぼの系ウォームなギターで、対照的な音色による絡みと、対比が趣深い演奏に仕上がっている。
リズムバックは名人「ケイ」と、渋い「ライト」が完全脇役に徹して、このフロント二人を見事にサポートしている。

さて、それぞれの曲の聴き所だが、印象的なギターのイントロと、上品なラテンリズムに乗って「デスモント」がメロディアスに吹き通す、オープニングの表題曲「ボッサ・アンティグア」は絶対聴かなきゃ損の1曲です。
スティックを敲いて、ラテンの香りを漂わせる「コニー・ケイ」のリズムの作り方は、すごくソフィストケイトされた、大人のドラム(スティック)ワークです。
勿論、「ジム・ホール」のソフトな口当たりのギターも行けてますよ。

2曲目の通称「夜千」…「デスモンド」の、とてもリラックスした大人の脱力感的演奏が、大いに曲の格調を上げていて、「ホール」の、でしゃばらないギター伴奏と、センス抜群のアドリブソロが、この演奏に更に高級感をもたらしている。
「コルトレーン」の「夜千」等とは対極にある名演奏です。

3曲目「オー・ガトー」は、「コニー・ケイ」の間を極限まで活かしたドラミングが最大の聴き所。
「デスモンド」と「ホール」は、輪唱的な演奏で、お互いのソロを競い合い、伴奏でサポートし合う、スポーツのダブルス見たいな演奏です。
個人的には、この寛ぎの演奏は、とても気に入ったよ!

4曲目「サンバ・カンティーナ」…リズムはハッキリと良く分かるサンバで、「ケイ」と「ライト」によって淡々と刻まれる。
ここでは「デスモンド」「ホール」とも、原曲のマイナー調で哀愁たっぷりのメロディーを活かしたアドリブソロが、とにかくお見事!!
曲の美しさも相成って、私が選ぶこのアルバムのベスト1演奏はこれでしょう。

5曲目の「悲しみのキュラソー」は「デスモンド」のオリジナル曲だが、流石に良く考えられた演奏で、二人の「癒し音楽」は、そろそろ頂点に達してきたようです。
特に「ホール」が堂に入ったアドリブソロを奏でています。

6曲目「ア・シップ~」は、ミディアム・スローテンポの、とても甘美なメロディ曲で、こう言った曲は「デスモンド」の十八番です。
寛ぎと余裕たっぷりの吹きっぷりは、素晴らしいの一言、一方「ホール」はマイナーフレーズを多めに使用して、曲に隠し味的なスパイスを効かす。

7曲目「アリアンサ」、8曲目「東9丁目~」も、ボサノヴァ・リズムで心が晴れ晴れする様な、明るくライトなサウンドで、「デスモンド」「ホール」とも快演をします。

全8曲とも、肩の凝らない「寛ぎ」&「癒し」演奏ですが、決して軟派な音楽では無く、軟らかさの中にピシッっと一本芯の通った、そうだなぁ、食べ物で言うと高級イタリアンの〆に出てくる、完全アルデンテのペペロンチーノみたいな演奏かな?
かえって、例えが分かり難いかな?


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4 コメント

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デスモンドのボッサ (加持顕)
2007-09-05 20:36:20
こんばんわ。

P・デスモンドの音色は、クールなボッサに良く会いますね。
私も以前購入したBOXセットで聴いていたので、ジャケットがどんなものか忘れていました。

<お願い>
我がブログに『バトン』なるものが廻ってきまして・・・次のバトンをお願いできないでしょうか。

お題は『クラッシック』です。

私の言い訳(笑)も含めてブログに書いておきましたので、お時間のある時に、ご確認下さい。


私はここ数日の暑さにバテテしまったので昨日、近くの温泉施設で『足湯』に浸かってきました。

それではよろしくお願い致します。
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加持さんからの依頼ならばOKです。 (えりっく$Φ)
2007-09-05 23:26:32
加持さんのブログで、内容は把握できました。
何とかやってみましょう。
ただ問題は次に誰に渡すか?ですね。
「バトン」渡せる人が3人もいねぇよ!!
何せ、私のブログにコメントを下さる方が少ないので…自業自得かも知れませんが、「トホホ」。。。
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Unknown (ダンベルドア)
2007-09-08 00:38:09
こんばんは。

バトンではお世話になりました。

さて、このアルバムですが,大変懐かしいです。高校生の頃ジェットストリームという深夜放送でやっていたのをエアチェックして、繰り返し聞いていました。
 ポールデスモンドのソフトなアルトはまさに真夜中に溶け込んでいましたし、ジムホールの美しく変化していくコードワークは何度聞いてもコピーできなかった想い出があります。
 それから何十年たってからようやくCDで入手しました。そう、このジャケットです。
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ダンベルドアさん、ありがとうございます。 (えりっく$Φ)
2007-09-08 11:46:46
ダンベルドアさん、こちらこそ「バトン」では、本当にありがとうございました。
また、私のブログへのコメントを頂きまして、大変感激しております。(嬉)(嬉)(嬉)(嬉)(嬉)
これを機に、時々遊びに来て頂けると幸いです。
勿論、私もダンベルドアさんのブログに訪問させて頂きます。
これからも宜しくお願いします。(幸)(笑顔)
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