紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

孤高のアルト・サックスで冴えるベテランの味…デヴィッド・サンボーン~クローサー

2008-03-03 22:16:24 | ジャズ・アルト・サックス
しばらくです。
週末、公私共々チト忙しくて、ブログ書けませんでした。
どうもすみません。

さて、今日はもはやベテランの域に達したアルト・サキソフォニストの「デヴィッド・サンボーン」が、2004年に録音した、比較的最新のアルバムを紹介しましょう。
スタンダード曲と「サンボーン」のオリジナルが程よく配置された選曲も好ましいし、何より激しいブロウとは、対極にある様な、余裕有るイージー・リスニング的大人吹きで、吹き通すスタイルが、逆に個性を発していて…聴き応え十分なアルバムに仕上がっています。

アルバムタイトル…クローサー

パーソネル…リーダー;デヴィッド・サンボーン(as)
      ラリー・ゴールディングス(key)
      ギル・ゴールドスタイン(key on 8)
      マイク・マイニエリ(vib)
      ラッセル・マローン(g)
      クリスチャン・マクブライド(b)
      スティーヴ・ガッド(ds)
      他
      ゲスト・ヴォーカル;リズ・ライト(on 3)

曲目…1.ティン・ティン・デオ、2.セニョール・ブルース、3.ドント・レット・ミー・ビー・ロンリー・トゥナイト、4.スマイル、5.エンチャントメント、6.バラード・オブ・ザ・サッド・ヤング・メン、7.アナザー・タイム・アナザー・プレイス、8.ケープタウン・フリンジ、9.ポインシアナ、10.ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング、11.ソフィア

2004年ニューヨークにて録音

原盤…Verve  発売…ユニバーサル・ミュージック
CD番号…UCCV-1065

演奏について…1曲目「ティン・ティン・デオ」…オープニングから、「サンボーン」が絶好調で、テーマを吹く叙情性も、アドリブでのラテンチックで刺激的な展開も、完璧に行けてます。
序奏での「マクブライド」のブ厚いベース・サウンドと、パーカッションの切れ味鋭いノリもバチッシで、取分けテーマが展開した後、ヴァイブの「マイニエリ」とのリズム・セクションとのコンビネーションは、もう一つの聴き所です。
ラテンなんだけど…「サンボーン」がジャズは絶対に忘れてはいない。
流石の1曲です。

2曲目…「ホレス・シルヴァー」の代表作「セニョール・ブルース」ですが、本家よりも大分遅めのスピードで、「サンボーン」が土臭くない、都会的なブルーズを渋く、且つアーシーに決めて吹く。
ここでもラテン調の曲らしく、パーカッション群と「マクブライド」のベースが、男っぽい骨太のサウンドで、曲の屋台骨を支える。
「マイニエリ」のヴァイブが縦横無尽に跳ね回り、「サンボーン」のいぶし銀色のアルトが絡みつく。
切れ味抜群のドラミングをする「ガッド」の演奏もいかします。

3曲目「ドント・レット・ミー~」は、サプライズ・ゲスト?「リズ・ライト」が参加する女性ヴォーカル入りのトラック。
「サンボーン」は、フュージョン風の寛ぎと、余裕をビンビンに見せ付ける、情感たっぷりのアルトを吹いて、「リズ」が馬鹿上手の歌を熱唱する。
彼女の声色もアルト(女声低音)で、「サンボーン」のアルトと音域的にピタリとマッチする。
ある種、インストとヴォイスのデュエット的な演奏&歌で…大人のデートを彷彿させるゴージャスな時空間が…とにかく心地良いです。

4曲目「スマイル」…「チャーリー・チャップリン」の名画「モダン・タイムス」で、(チャップリン自身にて)歌われた曲を「サンボーン」が、感情を最大限に移入して、歌い(吹き)上げるバラード演奏。
とにかく、「サンボーン」のバラードは心に沁み込む。

5曲目「エンチャントメント」…この曲も「H.シルヴァー」の作品で、「サンボーン」は肩肘張らない余裕のアドリブをバッチリこなす。
「マクブライド」のとにかく重低音のベース演奏と、「ラッセル・マローン」のブルージーなギター演奏が、「サンボーン」の演奏の脇をガッチリ固めてくれて…ラテン調、ジャジー&ブルージーの極上サウンドに仕上がっている。
軟派に見えて、ものすごい硬派な音楽だ!

続きは又明日以降で…


最新の画像もっと見る

コメントを投稿