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紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

ボサノヴァ・ジャズの代表作…ボッサ・アンティグア~ポール・デスモンド

2007-09-04 23:20:11 | ジャズ・アルト・サックス
私の住んでいる神奈川県では、今日の天気もとても蒸し暑い「残暑」でしたが、夜吹いてくる風などは、大分秋の様相をしてきました。
私、変わり者かもしれませんが、ぎらぎらと「クソ暑い」、所謂、「真夏」が大好きなんです。
冷夏なんてもっての他、太陽さんが「ウルトラ元気」じゃないと、すごーく嫌なんですよ。
何で「真夏」が好きだと言うと、答えは単純明快で、太陽光線は人間が作り出せないからです。
まぁ、セレブみたいにお金があれば、冬になったら南半球にいけば良いんだけど、私には勿論、そんなお金は有りません。
ちなみに、ガキの頃は「夏」は一番嫌いな季節でした。
これも理由はしごく簡単、エアコンなんて完備な世の中じゃなかったので、冬は寒くても服を多く着るか、沢山動けば(運動等)暖かくなるが、夏は服を脱いでも、ちっとも涼しくなんかならないからでした。
おまけに夜は超寝苦しいしねぇ。
しかし、そんな悲喜こもごもの「夏」ですが、確実にその真夏は過ぎ去り、一寸寂しい今日この頃です。

さて、季節の話(特に夏)が多くなってしまいましたが、それにも理由が有るんです。
私はこのブログで色々なジャンルの曲を紹介していますが、大まかに言って、「ジャズ」が大黒柱(横綱)で、太刀持ち、露払いを「クラシック」と「ラテン」が受け持っています。

その中の「ラテン」ですが、「ラテン」は「絶対」に真夏に聴かなきゃ駄目な曲だと持論が有ります。
まぁ、実際は私は冬でも聴いてはいますが、「真夏」こそ「相応しい」と言った方が正確でしょうか?
そんな訳で、前置きが長くなりましたが、過ぎ去る「夏」に一抹の寂しさを感じつつ、今日は渋めの「ボサノヴァ・ジャズ」を紹介します。

アルバムタイトル…ボッサ・アンティグア

パーソネル…リーダー;ポール・デスモンド(as)
      ジム・ホール(g)
      ジーン・ライト(b)
      コニー・ケイ(ds)

曲目…1.ボッサ・アンティグア、2.夜は千の眼をもつ、3.オー・ガトー、4.サンバ・カンティーナ、5.悲しみのキュラソー、6.ア・シップ・ウィザウト・ア・セイル、7.アリアンサ、8.東9丁目の女

1964年7月28日、29日、8月20日、9月8日

原盤…RCA 発売…BMGビクター
CD番号…BVCJ-7340

演奏について…まず全編に渡って、「デスモンド」のクールなアルトと、「ホール」のほのぼの系ウォームなギターで、対照的な音色による絡みと、対比が趣深い演奏に仕上がっている。
リズムバックは名人「ケイ」と、渋い「ライト」が完全脇役に徹して、このフロント二人を見事にサポートしている。

さて、それぞれの曲の聴き所だが、印象的なギターのイントロと、上品なラテンリズムに乗って「デスモント」がメロディアスに吹き通す、オープニングの表題曲「ボッサ・アンティグア」は絶対聴かなきゃ損の1曲です。
スティックを敲いて、ラテンの香りを漂わせる「コニー・ケイ」のリズムの作り方は、すごくソフィストケイトされた、大人のドラム(スティック)ワークです。
勿論、「ジム・ホール」のソフトな口当たりのギターも行けてますよ。

2曲目の通称「夜千」…「デスモンド」の、とてもリラックスした大人の脱力感的演奏が、大いに曲の格調を上げていて、「ホール」の、でしゃばらないギター伴奏と、センス抜群のアドリブソロが、この演奏に更に高級感をもたらしている。
「コルトレーン」の「夜千」等とは対極にある名演奏です。

3曲目「オー・ガトー」は、「コニー・ケイ」の間を極限まで活かしたドラミングが最大の聴き所。
「デスモンド」と「ホール」は、輪唱的な演奏で、お互いのソロを競い合い、伴奏でサポートし合う、スポーツのダブルス見たいな演奏です。
個人的には、この寛ぎの演奏は、とても気に入ったよ!

4曲目「サンバ・カンティーナ」…リズムはハッキリと良く分かるサンバで、「ケイ」と「ライト」によって淡々と刻まれる。
ここでは「デスモンド」「ホール」とも、原曲のマイナー調で哀愁たっぷりのメロディーを活かしたアドリブソロが、とにかくお見事!!
曲の美しさも相成って、私が選ぶこのアルバムのベスト1演奏はこれでしょう。

5曲目の「悲しみのキュラソー」は「デスモンド」のオリジナル曲だが、流石に良く考えられた演奏で、二人の「癒し音楽」は、そろそろ頂点に達してきたようです。
特に「ホール」が堂に入ったアドリブソロを奏でています。

6曲目「ア・シップ~」は、ミディアム・スローテンポの、とても甘美なメロディ曲で、こう言った曲は「デスモンド」の十八番です。
寛ぎと余裕たっぷりの吹きっぷりは、素晴らしいの一言、一方「ホール」はマイナーフレーズを多めに使用して、曲に隠し味的なスパイスを効かす。

7曲目「アリアンサ」、8曲目「東9丁目~」も、ボサノヴァ・リズムで心が晴れ晴れする様な、明るくライトなサウンドで、「デスモンド」「ホール」とも快演をします。

全8曲とも、肩の凝らない「寛ぎ」&「癒し」演奏ですが、決して軟派な音楽では無く、軟らかさの中にピシッっと一本芯の通った、そうだなぁ、食べ物で言うと高級イタリアンの〆に出てくる、完全アルデンテのペペロンチーノみたいな演奏かな?
かえって、例えが分かり難いかな?

50年代バップジャズの傑作、キャノンボール・アダレイ初リーダー作~プレゼンティング

2007-08-30 23:46:22 | ジャズ・アルト・サックス
今日は正統的なハードバップ・ジャズの名盤を紹介します。
演奏リーダーは、ファンキー・ジャズの伝道師、「キャノンボール・アダレイ」ですが、この時は彼はファンキー路線を未だ開拓していませんで、非常に正統的なハードバッパーとして、演奏しています。
演奏メンバーも、弟の「ナット・アダレイ」他、一流メンバーがずらりで、サボイレコードを代表するアルバムの一つに数えられるでしょう。
では、紹介しましょう。

アルバムタイトル…プレゼンティング

パーソネル…リーダー;キャノンボール・アダレイ(as)
      ナット・アダレイ(crt)
      ハンク・ジョーンズ(p)
      ポール・チェンバース(b)
      ケニー・クラーク(ds)

曲目…1.スポンティニアス・コンバッション、2.スティル・トーキン・トゥ・ヤ、3.ア・リトル・テイスト、4.カリビアン・キューティ、5.フラミンゴ

1955年7月14日 録音

原盤…SAVOY MG-12018 発売…日本コロムビア
CD番号…COCY-9013

演奏について…5曲目「フラミンゴ」以外は、全て「キャノンボール」の自作曲で、真面目にバッピシュな魅力満載の曲でアルバムが構成されている。

その中で私が大好きなのは、やはりラテンのリズムと、哀愁たっぷりのメロディの佳曲、4曲目「カリビアン・キューティ」です。
「キャノンボール」はのびやかなアルトで好旋律を吹いて、続く「ジョーンズ」の転がす様なシングルトーンのセンチメンタルなアドリブも胸に染みるぜぇ。
「ナット」は明るい音色だが、兄貴を煽る様な事はせずに、あくまでもセカンドラインをキープして、言わばF1ドライバーのセカンドドライバー的に、兄貴のポイントを稼がせる為に、フォローに徹している。
終盤に、もう一度「キャノンボール」が、ソロをぶいぶい吹いて、曲の終焉を彩り、皆でフィニッシュする。

唯一のスタンダードが、エンディング曲の「フラミンゴ」だが、ここでは「ナット」抜きのカルテット演奏がなされる。
「キャノンボール」が非常に流麗で、ソウルフルなバラッド・アドリブで吹き切る。
初リーダー作だが、その後の「キャノンボール」の、炎のアルト吹きとしての名声を得る事を予感させる、優れたソロ演奏だ。
「ジョーンズ」、「チェンバース」「クラーク」とも聴かせるバラッド演奏はお手の物で、色香あるピアノトリオ演奏として聴いても良いぐらいだ。
私としては、本アルバム中、ナンバー1の名演と言いたいが、「ナット・レス」なので、次点評価に留めよう。

オープニング曲「スポンティニアス~」、序奏のユニゾンからブルージーなバップ色がびんびんで、「キャノンボール」がソロ演奏に入ると、この時から既に「キャノンボール節」の片鱗を見せる。
「ナット」は、ブリリアントな音色で、これまた原曲を活かしたアドリブ・フレーズで、メロディに装飾を付けて行く。
「ジョーンズ」のソロは、いかにもってな感じで、素晴らしい華麗なカデンツァだ。
この後、例にもれず、「チェンバース」のほのぼの系の朴訥としたソロが続き、
「クラーク」も随所にドラムソロを入れて、他の各プレイヤーとの「丁々発止」がなされて、楽しい聴き所を演出する。
オープニングに相応しい名演奏ですね。

2曲目「スティル~」は、ブルースフィーリングが、ぷんぷんの曲で、「キャノンボール」もブルージーなソロをぶいぶい言わせる。
このブルースをしっかりと演出しているのが、バックの3人で、取分け「チェンバース」は、実直にベース音(コード)を刻んでいるだけなのだが、非常にブルース臭さを醸し出していて、影の主役的演奏を生み出していて、終盤のボーイング・ソロもgoodです。
勿論、「ナット」「ジョーンズ」のソロも良い。

やはり一流のミュージシャンは、初リーダー作と言えども、鋭い個性の光を強烈に放っていて、やってくれますね。

サックス職人の隠れ名盤…ソニー・スティット~コンステレイション

2007-08-11 23:38:26 | ジャズ・アルト・サックス
ジャズの歴史を作ったり、自己確立(スタイル)をする為などに、決して身を置かなくとも、私達ジャズ好きの記憶に残る名プレイヤーが、「ソニー・スティット」であり、彼の隠れ家的名盤が、今日紹介するこのアルバムです。

アルバムタイトル…コンステレイション

パーソネル…リーダー;ソニー・スティット(as、ts)
      バリー・ハリス(p)  
      サム・ジョーンズ(b)
      ロイ・ブルックス(ds)

曲目…1.コンステレイション、2.ゴースト・オブ・ア・チャンス、3.ウェッブ・シティ、4.バイ・アクシデント、5.レイズ・アイディア、6.カスバ、7.イッツ・マジック、8.トプシー

1972年6月27日録音

新基本データ→音源…旧コブルストーン・レーベル、アメリカ・ミューズ原盤
視聴アルバム…SME・Records 
CDナンバー…SRCS 9556

演奏について…まず一言で言って、ジャズの世界的なムーブメントとして、「エレクトリック・マイルス」に端を発して、このアルバムが録音された時代は、まさに「フュージョン」全盛期であるが、流石「ソニー・スティット」…時代に感化されず、ストレート・アヘッドなバップジャズを、バックの3人の名人と共にガッツリと演奏していて、実に気持ちが良い。
演奏曲で言うと、彼の人生の一部の様な「パーカー作品」や「タッド・ダメロン」「バド・パウエル」の作品(ビ・バップ&ハード・バップ仲間)の作品が多く有る中で、オリジナル曲の4曲目「バイ・アクシデント」が最高に決まっている一曲です。
とにかく「スティット」の溢れ出てくるアドリブの名フレーズの連続に、そしてガッチリガードを固める脇役3人のサポートに感激を受けるでしょう。

アルバムタイトル曲「コンステレイション」…似非パーカーとも言われた「スティット」が、本家の作品を迫真のアドリブを奏でて、ある意味本家を(超えた)演奏が抜群です。
「ハリス」もとてもバッピシュな演奏で、それに応える素晴らしい演奏です。

「ダメロン」作の「カスバ」は、ラテン好きな私には、とても心地よい曲で、ここでは、「ハリス」が洒落てハイセンスなシングル・トーンのアドリブを演奏する。
「スティット」はかなり寛ぎの演奏をするが、ラテンリズムをバシっと決める「ジョーンズ」と「ブルックス」のリズム演奏も乗っていてgoodです。

2曲目「ゴースト~」と、7曲目「イッツ・マジック」では、「スティット」がアルトで、とても叙情的なバラードを歌わせる。
ヒッピーでグロテスクでサイケデリックな時代から、アメリカ黄金の50年代へ、一気にタイムスリップした様な、とてもロマンティックな名演です。
音色としては、「ホーキンス」を彷彿とさせますね。
「ケーリー・グラント」か「ハンフリー・ボガード」が、美女と、バーボンorドライマティーニを洒落たバーで引っ掛けている様子が眼前に浮かびます。

終曲「トプシー」…個人的に大好きな名曲で、とにかく「カッコ良い」の一言。
「スティット」の硬派な吹きっぷり、「ブルックス」のぶっ飛びドラム、この二本柱の演奏を、飾り付ける「ハリス」のアドリブの煌めき、そして「ジョーンズ」の実直なサポートと、完璧な1曲です。

アルフィー~ソニー・ロリンズ

2007-08-03 23:36:12 | ジャズ・アルト・サックス
皆様、こんばんわ。
昨日は泊りがけの出張でしたので、ブログ更新できずにすみませんでした。
さて、今日は「ソニー・ロリンズ」が手がけた映画音楽アルバム、「アルフィー」を紹介します。
映画音楽と言ってもそこは、「ロリンズ」とアレンジャー「オリヴァー・ネルソン」が監修したサウンド・トラックなので、一級のジャズアルバムに仕上がっていますので、是非ご視聴あれ!!

アルバムタイトル…アルフィー

パーソネル…リーダー;ソニー・ロリンズ(ts)
      オリヴァー・ネルソン(arr、cond)
      ジミー・クリーヴランド(tb)
      J・J・ジョンソン(tb)
      フィル・ウッズ(as)
      ボブ・アシュトン(ts)
      ダニー・バンク(ts)
      フランキー・ダンロップ(ds)
      ウォルター・ブッカー(b)
      ロジャー・ケラウェイ(p)
      ケニー・バレル(g)

曲目…1.アルフィーのテーマ、2.ヒーズ・ヤンガー・ザン・ユー・アー、3.ストリート・ランナー・ウィズ・チャイルド、4.トランジション・テーマ、5.オン・インパルス、6.アルフィーのテーマⅡ

1966年1月26日

演奏について…この盤もトップ・ヘヴィの代表的なアルバムと言える。
ベスト・トラックはずばり、オープニングの「アルフィーのテーマ」。
Cマイナーのややブルース調の曲だが、序奏の「ロリンズ」の豪放テナー、それに続いてブルージーな「バレル」のギター、モードのコード進行でセンス良く弾く「ケラウェイ」のピアノの、どれをとってもオープニングのスタートダッシュに相応しい演奏です。
耳になじむ親しみやすいメロディもgoodですよ。

2曲目「ヒーズ・ヤンガー~」は、渋く決まったバラッド。
主役は勿論ハードボイルドにかっこ良く吹き切る「ロリンズ」ですが、「ネルソン」のアレンジもすごく良くて、ソロでは、ここでも「ケラウェイ」が素晴らしいモードのピアノソロ&伴奏を演じています。

4曲目「トランジション・テーマ」は、やはり渋めの4ビートブルースで、「バレル」「ケラウェイ」のアドリブは、ハイセンス!
続く「ロリンズ」はあえて音符を極力廃して、単音で勝負しているが、彼の意図は???うーん一寸理解し難いが、天才のやることですからね。(考)
曲のエンディングで、「ウッズ」が伸びやかなソロを吹く所がワンポイントでしょう。

5曲目「オン・インパルス」は、ミディアムテンポのワルツで、「ロリンズ」が伸びやかで豪快なテナーを終始演奏して、一方では「ネルソン」アレンジのホーン群が、上品な味付けで曲に彩りを副えています。

3曲目「ストリート~」とエンディング「アルフィーⅡ」では、両曲ともに「アルフィーのテーマ」が登場します。
Ⅱの方の「ロリンズ」のソロは中々良く、アルバム最後で緊張感が取れて、伸びやかなロリンズらしい遊び心と余裕がある、アドリブが聴けます。

かつての幻の名作、アット・ザ・クロス・ロード~ソニー・クリス

2007-07-17 23:45:29 | ジャズ・アルト・サックス
この盤はパーカー直系の、アルティスト、「ソニー・クリス」の初期の傑作として、かつて幻の名盤だった物です。
演奏曲、演奏者とも、いかにもハードバップと言うべきラインナップで、皆さんに感動を与えてくれる事と思います。

アルバムタイトル…アット・ザ・クロス・ロード

パーソネル…リーダー;ソニー・クリス(as)
      オラ・ハンセン(tb)
      ウィントン・ケリー(p)
      ボブ・クランショウ(b)
      ウォルター・パーキンス(ds)

曲目…1.スウィート・ロレイン、2.ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ、3.アイ・ガット・イット・バッド、4.シルヴィア、5.朝日の如くさわやかに、6.バッツ・ディライト、7.インディアナ

1959年3月録音

演奏について…まず、ハードバップの模範的な演奏(曲)として、4曲目「シルヴィア」が、一番のお薦め曲です。
序奏の2管ユニゾンのテーマ終了からすぐさま「クリス」の燃えるようなアルトが、歌心充分でパワフルなアドリブを奏でる。
受ける「ハンセン」は、あえてガチンコ真っ向勝負では無く、フレーズがまるで「カーティス・フラー」の様に、琴線を触れる様なメロディアスなフレーズを吹いている。
その後の「ケリー」と「クランショウ」のバッピシュなピアノと、実直なベースの掛け合いも非常に聴き物です。
最後にもう一度ユニゾンに移行して、正しくハードバップの極めでフィニッシュする。
あぁー、「ハードバップ」万歳!!!「ソニー・クリス」万々歳!

2曲目「ユー・ドント~」は「ハンセン」の美しく素晴らしいバラードソロからスタートして、一聴しただけでこのコンボの世界へトリップさせられる。
追従する「クリス」も好フレーズを連発してこのバラード演奏に応戦する。
二人に引っ張られて、バックの3人は静かに、しかしバッピッシュな演奏で、後方支援していて好アシストしています。
誰が何と言っても、この曲に限っては、主役は絶対に「ハンセン」です。

5曲目「朝日の如く~」では、揺らぎのユニゾンが終わってから、「クリス」が烈火のアドリブフレーズでバリバリ吹いて皆を煽る。
「ケリー」は余裕のアドリブソロで(受け流す様に?)応える。
その後の「ハンセン」がすごテクでぶいぶいとトロンボーンを吹き切るのが、感涙物。
うぅーん、本当に素晴らしい演奏だ。

冒頭「スィート~」は、品良く「ケリー」のイントロから始まるスローブルースで、「クリス」がのっけからパワー全開で気持ちよく吹き切る。
「ケリー」のソロは、余裕の有るカデンツァで、遊び心や寛ぎ感も持った演奏です。この曲はワンホーンで終始する。

「クリス」のオリジナル、6曲目「バッツ~」は、高速調の曲で、リズムの二人「クランショウ」と「パーキンス」が高速タイムキーピングに徹した中、「クリス」「ケリー」「ハンセン」もセンス良いアドリブを演じる。
中途でチラ見せする、「クランショウ」のソロと「パーキンス」のソロも、中々良い出来です。

3曲目「アイ・ガット~」は「クリス」がかなり控えめだが、芯の通ったアルトでバラードを吹く。
「ケリー」も「クリス」の提示を崩さない様に、あえて控えめなソロで受ける。
この曲もワンホーン演奏で、短い曲だが素晴らしい好演です。

燃えるファンキーアルティスト、キャノンボール・アダレイが吹くボサノヴァ・アルバム

2007-07-14 23:45:14 | ジャズ・アルト・サックス
ファンキー・ジャズの旗手、「キャノンボール・アダレイ」が、若き日の「セルジオ・メンデス」率いる「ボサ・リオ・セクステット」と録音したのが、このアルバムです。
ファンキーとボサノヴァは合わないとお思いでしょうが、ところがどっこいこのアルバムは、燃えるアルトサックスと、ブラジリアン・リズムが心地よい融合をしており、ジャズ・ファン、ラテン・ファンともに納得できる、名アルバムとなったのです。

アルバムタイトル…「キャノンボールズ・ボサノヴァ」

パーソネル…リーダー;キャノンボール・アダレイ(as)
      セルジオ・メンデス(p)
      ペドロ・パウロ(tp)※2、4、5、7、8曲目
      パウロ・モウラ(as)※2、4、5、7、8曲目
      ドゥルヴァル・フェレイラ(g)
      オクタヴィオ・ベイリーJr.(b)
      ドン・ウン・ロマノ(ds)

曲目…1.クラウズ、2.ミーニャ・サウダージ、3.コルコヴァード、4.バチーダ・ヂフェレンテ、5.ジョイスのサンバ、6.グルーヴィー・サンバ、7.ワンス・アイ・ラヴド、8.サンバップス、9.コルコヴァード(別テイク)、10.クラウズ(シングル・ヴァージョン)

1962年12月7、10、11日録音

演奏について…オープニング&別テイクも収められている「クラウズ」は、非常にムーディな曲調の佳曲で、「キャノンボール」は、いつもよりは抑え目で、明るめのトーンで歌心あるフレーズのアドリブを吹く。
「メンデス」のピアノソロも、思ったよりもジャジーな解釈で、シングルトーン、ブロックトーンともにメロディアスなフレーズで好演している。

ボサノヴァ史上に名を残す名曲「コルコヴァード」も素晴らしい演奏で、ここではキャノンボールが、あえてライトに吹いて、素晴らしいアドリブを演っています。
ギターの「フェレイラ」、ピアノの「メンデス」も優れたソロと伴奏をしていて「極上のBGM風」に仕上げているのは流石です。

6曲目「グルーヴィー・サンバ」は、「メンデス」の作品ですが、この曲は非常にジャジーな作品であり、「キャノンボール」が、このアルバム中最もジャジーで硬派の演奏をしていて、「メンデス」のソロもラテンタッチを残しつつも、まんまジャズピアノの名アドリブを弾いて、とても良いトラックです。

7曲目「ワンス・アイ・ラヴド」は、「カルロス・ジョビン」の代表作で、ボサノヴァ・アルバムを企画したコンセプトでは、白眉となるべき演奏を期待されるが、「キャノンボール」は、これぞボサノヴァの見本の様な、寛ぎとゆとりのある、優しいバラードをアルトサックスで奏でる。
バックメンバーはサイドに徹するが、「ジョビン」は終盤で軽やかで魅惑的なソロを演って、この名曲を飾りつける。

8曲目「サンバップス」は、とてもブラジル(ミュージック)的な曲で、「キャノンボール」の演奏は、後々の「ナベサダ」のブラジルミュージックに直結する様な、音色とフレーズで、ジャズとラテンのコラボが見事な演奏となっています。

ここで紹介していない曲も、それぞれ良い演奏に仕上がっていますので、是非聴いて頂きたい、高品位な「ボサ・アルバム」です。

フィル・トークス・ウィズ・クイル~フィル・ウッズ

2007-07-11 23:53:31 | ジャズ・アルト・サックス
今日は以前一度紹介した事がある、サックスのバトル物、「フィル・ウッズ」&「ジーン・クイル」の、別のハード・バップ名盤で行きましょう。

アルバムタイトル…フィル・トークス・ウィズ・クイル

パーソネル…リーダー;フィル・ウッズ(as)
      ジーン・クイル(as)
      ボブ・コーウィン(p)
      ソニー・ダラス(b)
      ニック・スタビュラス(ds)

曲目…1.ドキシーⅠ、2.チュニジアの夜、3.ヒム・フォー・キム、4.ディア・オールド・ストックホルム、5.スクラップル・フロム・ジ・アップル、6.ドキシーⅡ

1957年9月11日 N・Yにて録音

演奏について…まず、甲乙点け難いお薦め曲として、非常にポピュラーで恐縮ですが、2曲目「チュニジアの夜」と、4曲目「ディア・オールド・ストックホルム」の有名曲二つを挙げましょう。

「チュニジアの夜」は、サックスバトルとしては、非常にやり易い曲で、二人の熱いアルトサックスが、まるでK1の試合の様に、激しくぶつかり合う。
最初は「クイル」が非常に優れたアドリブフレーズで、先制攻撃を仕掛けるのだが、「ウッズ」はそれ以上のド迫力のソロで、突き抜ける様なアルトを吹き切って、リズムセクションの3人は、このフロント二人を全面的に盛り上げる様にあくまでバックに徹する。
この炎のバトル演奏は本当に聴き物です。

4曲目「ディア・オールド~」は、チュニジアとは正反対の表現がなされているのが、とても興味深い。
この演奏では、熱いアルトバトルがなされず、お互いを尊重し、アドリブもメロディを大切にした吹き方で、ユニゾンや絡みも効果的に使用して、コンボの妙技を堪能できる。
アドリブについて言えば、「ウッズ」が割りとメロディ・ラインに忠実にストレートに吹き、「クイル」はお洒落な程度にくずして、それぞれの個性を出している。
ピアノ「コーウィン」も非常にハードバップ様式を大切にしたソロを奏でていて、好感が持てる。

3曲目「ヒム・フォー・キム」では、ここでは先行が「ウッズ」で、バッピッシュな聴き応えあるピアノアドリブを「コーウェン」が弾いた後、「クイル」が煽るようにアルトを絡めて、見事なフィニッシュで仕上げる。

5曲目「スクラップル~」は、非常にハイテンポに進み、フロントライン二人に負けじと、ベースの「ダラス」、ドラムス「スタビュラス」も激しく煽る様にリズムを刻み、それに触発されて「ウッズ」「クイル」も高速調で吹き捲る。

2曲録音されている「ドキシー」も2管らしい演奏で、収録曲全てが楽しめる、名盤です。

ビバップ・リヴィジテッド!~チャールス・マクファーソン

2007-07-05 23:58:25 | ジャズ・アルト・サックス
今日は、モード&フリーの全盛時代に、あえて古き良き時代?的な「ビバップ」スタイルでアルトサックスを吹いていた、チャールス・マクファーソンの初リーダーアルバムを紹介します。
しかし、この「マクファーソン」はただの懐古趣味男ではございません。
2日続けてご紹介した、「テッド・カーソン」達とともに、「ミンガス・ワークショップ」のメンバーでもあり、このアルバム録音時にも、まだメンバーとして在籍し、稼動していたのですから、モードやフリースタイルを理解し踏襲しつつも、あえてこのレコーディングに挑んだ、「勇気ある挑戦」と見るべきでしょう。
では詳細を。

アルバムタイトル…ビバップ・リヴィジテッド!

パーソネル…リーダー;チャールス・マクファーソン(as)
      カーメル・ジョーンズ(tp)※1~4、6曲目
      バリー・ハリス(p)
      ネルソン・ボイド(b)
      アル・ヒース(ds)

曲目…1.ホット・ハウス、2.ノスタルジア、3.ヴェリエイションズ・オン・ア・ブルース・バイ・バード、4.ウェイル、5.エンブレイサブル・ユー、6.シ・シ

1964年11月20日 録音

演奏について…まず、演奏曲目をご覧になると分かるように、チャーリー・パーカー縁の曲がズラリと並んでいます。

この中で最もエキサイティングで、ビバップの真髄とも言える演奏は、4曲目バド・パウエル作曲の「ウェイル」でしょうか。
「マクファーソン」、「ジョーンズ」、「ハリス」の3人それぞれが素晴らしいアドリブ・ソロを演奏して、心を揺り動かされ、特に後半のクライマックスで、アルト・サックスとトランペットが絡む「バトル」は最高に盛り上がりを見せます。

5曲目「エンブレイサブル・ユー」のトランペットが抜けたカルテットでの、バラード演奏も見事です。
「マクファーソン」は、まるで「パーカー」が乗り移ったかのような、炎のアルトを吹き、それをサポートするバップピアノの化身「ハリス」のつぼを射た伴奏(演奏)も見事に調和を見せて、このアルバムに咲く一輪の花の様な美しき曲に仕上がっています。

オープニング曲「ホット・ハウス」は、先だって紹介した「タッド・ダメロン」オリジナル曲で、鼻から「マクファーソン」が熱いアドリブソロで飛ばし、全員を煽り始める。
受けた「ジョーンズ」はやや抑え目に、しかし的確に流麗なメロディを紡いでいき、「バリー・ハリス」は、完全に仮想「バド」状態になって、この曲のアドリブ演奏は秀逸で、ビバップの申子と言える名フレーズを弾く。
「ボイド」もガッツリ骨太のベースでグイグイ攻めて、全員がトランス状態になって曲を〆る。

パーカー作、6曲目「シ・シ」でも「マクファーソン」がアルトでブイブイ言わせた後、「ジョーンズ」が華麗で明るいトーンのアドリブソロで応戦する。
「ハリス」はバド・パウエル的に少しだけ音を崩して、和音を中心に組み立てて飾りつけを施す。
ドラムス「ヒース」のソロも当然あって、最後は全員のユニゾンで締め括られる。
これぞ、60年代の「ビバップの王道」ですね。

ブルーノートの隠れた名手、ソニー・レッド~アウト・オブ・ザ・ブルー

2007-06-22 23:38:06 | ジャズ・アルト・サックス
今日は、昨日紹介できなかった渋い名盤、ブルーノートレーベルに唯一リーダー作を残した、ソニーレッドのアウト・オブ・ザ・ブルーをチョイスします。
とても、ファンキーで、ブルージーな、いかにもブルーノート録音らしい、好アルバムです。

アルバムタイトル…アウト・オブ・ザ・ブルー

パーソネル…リーダー;ソニー・レッド(as)
      ウィントン・ケリー(p)
      ポール・チェンバース(b)
      サム・ジョーンズ(b)※
      ジミー・コブ(ds)※
      ロイ・ブルックス(ds)

曲目…1.ブルースヴィル、2.ステイ・アズ・スイート・アズ・ユー・アー、3.アイヴ・ネヴァー・ビーン・イン・ラヴ・ビフォア、4.ナディア、5.ブルース・イン・ザ・ポケット、6.アローン・トゥー・ロング、7.ザ・ロープ※、8.星への階段※

録音1959年12月5日、1960年1月23日※

演奏(曲)について…まず、アルバム参加メンバーを見て下さい。
リーダーのソニー・レッド以外のメンバー、一流どころが揃っています。
逆に言えば、有名になれなかったものの、当時レッドはそれだけ期待されていたのかも知れませんね。
推薦曲ですが、やはりメンバー中最も実力を見せ付けるのは、「ウィントン・ケリー」のピアノです。

2曲目「ステイ~」のバラードなんか、ピアノトリオ・プラス1の様な構成で、ちょっとレッドがかわいそうな感じですが、ケリーのピアノ、哀愁バッチリで最高です。

しかし、1曲目「ブルースヴィル」4曲目「ナディア」などのファンキーな吹き具合は「レッド」の魅力が充分に出ています。
音色的には、この時代のアルト吹きの誰もが影響を受けていた、「パーカー直系」で、マクリーンやウッズにも似た感じと言えば多少イメージできると思います。

それから、ブルース曲の5曲目も、レッドのもう一つの得意分野として、良い演奏をしていますが、ここでもケリーが優れたブロックコードを飾り付けて、主役を喰っている時があって、苦笑いしちゃうかもしれません。

6曲目「アローン~」は短曲ですが、レッドのアドリブソロがかなり良い感じで持っている実力を発揮しています。
「ケリー」は軽快なアドリブを、きらめきを放ちながら弾いています。

7曲目「ザ・ロープ」からは、バック二人が入れ替わりますが、演奏自体はキープ・コンセプトで、全く違和感はありません。

特に8曲目「星への階段」のバラードを心地よく吹き切る「レッド」は、とても好感が持てます。
ここでは「コブ」と「ジョーンズ」が貫禄のタイム・キーピングをして、「ケリー」は最後に「レッド」に花を持たせようとしたのか、サポート演奏に徹していて、アルバム全曲中一番「レッド」らしい演奏は、実はこの曲だと思います。

ブルーノートには、本当に「隠れた名盤」が多いですね。
皆様も何か良いのがありましたら、コメントを下さい。

私にとってのマクリーンの最高傑作「レット・フリーダム・リング」

2007-06-02 23:42:54 | ジャズ・アルト・サックス
今日は私個人的に、大好きなアルバムを紹介しましょう。
鋭敏で塩辛いトーンのアルトを吹く「ジャッキー・マクリーン」の最高傑作だと思っていて、且つ彼には珍しいワンホーンで、吹いているアルバムがこれです。

数週間前、名盤「フィル・ウッズ&ヨーロピアン・リズム・マシーン」のトップヘヴィーな名曲「若かりし頃」を絶賛して紹介したのですが、この「マクリーン」のアルバムも、巷ではトップ・ヘヴィーな1曲目「メロディ・フォー・メロネェ」で、名盤の評価を不動にしています。

アルバムタイトル…「レット・フリーダム・リング」

パーソネル…リーダー;ジャッキー・マクリーン(as)
      ウォルター・デイヴィス(p)
      ハービー・ルイス(b)
      ビリー・ヒギンズ(ds)

曲目…1.メロディ・フォー・メロネェ、2.アイル・キープ・ラヴィング・ユー、3.ルネ、4.オメガ

1962年3月19日録音

演奏(曲)について…冒頭でトップ・ヘヴィーとは言ったが、実は内容的にも「フィル・ウッズ」のアルバムと類似していて、冒頭の「メロディ・フォー・メロネェ」は超絶的な名演だが、他の曲も(演奏も)かなり高水準な物が揃っていて、決して「この1曲で聴くアルバム」の範疇には納まってはいないので、皆さんご安心下さい。

今日はいつもと逆のパターンとして、最高のお薦め曲「メロディ~」は最後に解説する事にしましょう。

まず、2曲目「アイル~」ですが、マクリーンにはやや不釣合いの?美しい珠玉のバラッドを奏でていて、聴き惚れる演奏です。
マクリーンのバラッドは、悲しいマイナー調が良く似合うので、(例えば代表作はレフト・アローンですね。)ちょっと普段とは違って、少し違和感があるかもしれませんね。
ところで、このアルバム全体に言えるのだが、名脇役に徹して演奏しているのが、ピアノの「デイヴィス」なんです。
このアルバムは、どちらかと言うとリーダーの「マクリーン」がモード系にややフリー的なエッセンスを足した内容の演奏をしているのだが、デイヴィスはそれに対して、良い意味で触発されずに、非常にバランスの良い、そして調和を重んじたピアノ演奏に終始していてとても好感がもてるんです。

3曲目「ルネ」と4曲目「オメガ」両曲とも、非常にモーダルな演奏で、ピアノは先ほど述べた通り、非常にバランスの優れたサポート演奏をしており、ベース「ルイス」は4曲目で、とてもハードでカッコイイラインを刻み続けているので、聴き物です。
ドラムの「ヒギンズ」は、全曲を通じて、影の力持ちとして徹頭徹尾やり遂げている。

最後にトップヘヴィーの「メロディー~」ですが、邦題を付けるなら「自由の鐘を鳴らせ」になると思うが、序章でその自由の鐘を静かに鳴らす?結論から表現している。
最大のテーマは、戦争か何かの自由への解放でも表現しているのかもしれないが、(米国の時代から言うと朝鮮戦争とかベトナム戦争が被るのかも…)悲しい鐘を鳴らす結論を表現してから、映画の回想シーンの様に、マクリーンがフリーキーなトーンで突き進むのを意味するのは、自由への戦いの最中の表現なんだと思う。
とにかく、特攻隊長のド派手な活躍(激しいブロー)を全面に押出した演奏で、バック3人は完全にマクリーンの援護射撃に徹していて、あえてちょろちょろと前線には出て来ない。
曲中盤で、デイヴィスがモーダルで且つビューティフルなソロを演奏する所はありますけど…。

とにかくマクリーン羅生の名演を聴いて下さい。


最高にかっこいい演奏…フィル・ウッズ&ヨーロピン・リズム・マシーン

2007-05-14 22:07:44 | ジャズ・アルト・サックス
今日は最高にかっこよく正に「決まり物」の代表的なアルバムを紹介します。

リーダーアーチストは、「フィル・ウッズ」。
「チャーリー・パーカー」直系の白人アルティストです。

このアルバムは、ウッズがアメリカを発ち、新転地ヨーロッパで新たに自己のグループを発足させて、吹き込んだ第一弾の記念すべきアルバムです。
何故そんなにカッコイイのか、それでは紹介して行きましょう。

アルバムタイトル…「フィル・ウッズ&ヨーロピン・リズム・マシーン」

パーソネル…リーダー;フィル・ウッズ(as)
      ジョルジュ・グルンツ(p)
      アンリ・テクシェ(b)
      ダニエル・ユメール(ds)

曲目…1.若かりし頃、2.アライヴ・アンド・ウェル、3.フリーダム・ジャズ・ダンス、4.ストールン・モーメンツ、5.ドクシー

1968年11月14日&15日録音

演奏(曲)について…結論から言うと、このアルバムの白眉は冒頭の「若かりし日」で決定である。
作曲はウッズのオリジナルなのだが、この曲は故ケネディ大統領への「レクイエム」として捧げられ、作曲された曲との事。
曲自体は、序章…展開…カデンツァ…アドリブパート…絶叫…〆。と見事なまでに、作曲に「起承転結」がなされており、非の打ち所が無い名曲・名演である。
この曲の聴き所と各プレイヤーの演奏について言うと、序章・導入はピアノとベースの悲しい調べで導かれたウッズが「泣き」と「悲壮感」を非常に美しい表現で吹く。
それからボサ・ノヴァのリズムに乗って、ウッズが演奏に高揚を見せ始める。
当然、ドラムス「ユメール」、ベース「テクシェ」もラテンのリズムで盛り上がり
に追従する。
この後からウッズはフリーキーなブロウに展開し、バック3人はモーダルなプレイで応戦&後方支援の両面攻撃を見せる。
その後、今度はピアノの「グルンツ」がリズムはラテンながら、とても繊細でセンス抜群なアドリブを奏で、リズムの二人も自己のトランス状態に入る。
まるで、煩雑な公務に追われる、「J・F・K」の仕事を表現しているかのようだ。
ここからは、「ウッズ」と「ユメール」の激しいアドリブのジャブ合戦が始まり、それがピタリと終わると、今度はベースの「テクシェ」の独壇場のソロである。
まるで、コルトレーンカルテットの「ジミー・ギャリソン」のロングソロを彷彿させる素晴らしい演奏である。
そして突然、ウッズが激しいフリーキーな絶叫を一吹きする。
これは、ケネディが凶弾に撃たれた瞬間を表現しているのだろう。
最後にもう一度レクイエムに戻り、約14分の劇的な演奏は終了する。

次いで素晴らしい演奏は、4曲目「ストールン~」である。
この曲はO・ネルソン作曲の変形モード・ブルースなのだが、マイルスの名盤に出て来そうなセンス良いリズムの導入から、ウッズのやや鉛色がかったアドリブが演じられ、やはり段々高揚し始め、鉛色からシルバー、プラチナへと音色も変貌を始める。
ピアノ「グルンツ」は、マッコイとウィントン・ケリーを足して2で割ったような、モーダルだがブルージーで、それでいてどこか哀愁を漂わせる好演をして、この曲を彩る。
ここから又、ベース「テクシュ」の長めのソロが入り、ドラムの「ユメール」のソロも入る。
最後は4人で静かなフィニッシュを遂げる。

それ以外の曲だが、2曲目「アライヴ~」、5曲目「ドクシー」は両曲とも短い曲だが、とてもカッコイイ演奏で、3曲目「フリーダム~」は早めの4ビートでグングン突き進む4人に拍手したい。
この曲では特にピアノの「テクシュ」が非常にモーダルな演奏をし、リズムの二人もモードの極地の様な、ハイセンスな演奏をしている。

とにかく全編「カッコ良さの塊」の様な演奏です。




      



ルー・ドナの「プレイ・ザ・ライト・シング」

2007-04-05 23:06:35 | ジャズ・アルト・サックス
今日は昨日のアヴァンギャルドなジャズとは全然タイプの違う、オルガン・ジャズを…それも「ジミー・スミス」の50年代~60年代の「ブルーノート物」と言った正統的?なオルガン・ジャズとは、時代がちょっと違います。
とは言っても、その時代にスミスと一緒にプレイしていた、大御所の「ルー・ドナルドソン」のアルト・サックスがメインのオルガン・ジャズですから、いかにもブルージーで悪かろうはずがないです。
そしてこのアルバムでは、「ルー・ドナ」のヴォーカルも聴けると言う「おまけ付」なんですよ。
それでは、このアルバムの詳細を説明しましょう。

アルバムタイトル…「プレイ・ザ・ライト・シング」

パーソネル…リーダー;ルー・ドナルドソン(as,voー2)
      ドクター・ロニー・スミス(org)
      ピーター・バーンスタイン(g)
      バーナード・パーディー(ds)
      ラルフ・ドーシー(conga)

曲目…1.プレイ・ザ・ライト・シング、2.ウィスキー・ドリンキン・ウーマン、3.マーマデューク、4.ハーレム・ノクターン、5.ジス・イズ・ハピネス、6.クレイジェスト・ドリーム、7.マスカレード・イズ・オーヴァー、8.フット・パティン・タイム

1990年12月19日、20日 NYC録音

演奏(曲)について…まずは前説にある通り、「ドナルドソン」の貴重な?ヴォーカルが聴ける2曲目の「ウィスキー~」が魅力ありだ。
「ルー・ドナ」のヴォーカルはメチャクチャ上手い訳ではないが、味わい深い渋みのある声でgoodです。
それから、オールドファンなら涙ちょちょ切れる4曲目の「ハーレム・ノクターン」が良い。
聴きなれたサム・テイラーや松本英彦のような「泣きのサックス」ではなく、ミドル・テンポで、R&B風に軽快に吹いていて、バックのバーンスタインのギターも行けてます。
5曲目「ジス・イズ~」も、カルテットの各プレイヤーがノリノリのラテン・フレバーで演奏していて(特にロニー・スミスがベスト・プレイかな)、私的には大好きなナンバーです。
そして極め付きの一曲が、かつて名盤「ブルース・ウォーク」でも演奏していた、7曲目の「マスカレード~」を、以前とは異なるアプローチのバラードで吹いていて、痺れますぜ。




変身アート・ペッパーの「リビング・レジェンド」

2007-03-29 23:44:09 | ジャズ・アルト・サックス
今日は本ブログ開設以来アート・ペッパーの2枚目のリーダーアルバムを紹介しましょう。

以前、少しだけ前説があったのですが、ペッパーは「変身前」と「変身後」とでは、「別人」の様な演奏をした、ミュージシャンでした。
年代で言えば50年代~60年代前半までが、いかにも白人らしいリリカルなそして、軽快な西海岸的アルトサックスを吹いていたのが「変身前ペッパー」です。
その後10年近く、覚せい剤の療養などで、ジャズ界から隠匿生活を送る事となり、1974年に華麗に「復活」を遂げるのです。

その復活の時には、「変身後ペッパー」になり、彼の演奏が激変しておりました。
一言でいうと、アグレッシブでフリーキーな、コルトレーン的モード演奏を奏でるペッパーになっていたのです。
余談ですが、このアルバムではそうでもないですが、この後のライブアルバムなどを聴くと、演奏もコルトレーンの様に、1曲が30分以上の長大なものになって行きます。

ここには、「チョイ悪」から「もろ悪?」いや、「大真面目」なペッパーに変身した演奏を是非お聴き下さい。

アルバムタイトル…「リビング・レジェンド」

パーソネル…リーダー;アート・ペッパー(as)
      ハンプトン・ホーズ(p)
      チャーリー・ヘイデン(b)
      シェリー・マン(ds)

曲目…1.オフェリア、2.ヒアズ・ザット・レイニー・デイ、3.ホワット・ローリー・ライクス、4.ミスター・ヨヘ、5.ロスト・ライフ、6.サンバ・モンモン、7.サンバ・モンモン(別テイク)
1975年8月9日 LAにて録音

演奏(曲)について…まず、ペッパー以外のサイドメンについて言えば、これはもうこの時代のオールスター・メンバーに間違いない。
まず、ベースのヘイデンは以前、アルバム「戦死者達のバラッド」で紹介した。
ベースの音は骨太でありながら、しかしコンポーザーとしての力量も持っているので、音のバランスと構築を考えながらプレイできる、冷静なベーシストである。
ピアノのホーズはこのレコード会社「コンテンポラリー」の看板ピアニスト。
黒人だが、非常に知的な(白人的な)ピアノを奏でる男である。
シェリー・マンも、この時代の白人ドラマーの最高峰の演奏家である。
上記から分かる通り、3人のサイドメンはそれぞれが抜群の技量を持ちながら、冷静さも持っているため、(当人達はしゃしゃり出ずに)あくまでリーダーのペッパーを立てる演奏を行っていて、名サポーターに徹しているのである。
曲についてだが、2曲目のバラッドだけが、アルバム唯一のスタンダード曲であるが、他は全てペッパーのオリジナル曲である。
しかし、唯一スタンダードの、そのバラッドが特に良くてベストトラックです。
ペッパーが、変身前のリリカルさを垣間見せ、とても聴き応えがある。
それ以外では、ホーズのエレピがチョット気にはなるが、サンバ・モンモンは、イタリーらしい良い曲であり、冒頭の「オフェリア」が哀愁ある曲調で、個人的にはお気に入りの一曲です。



ジャッキー・マクリーン~スウィング・スワング・スウィンギン

2007-03-11 01:18:01 | ジャズ・アルト・サックス
昨日も色々と遊んでしまってブログ書くのが遅れたでゲス。
映画の「ディープインパクト」を見てたのと、Wiiスポーツをやってたのですよ。
さて、そんなくだらない話はさておき、今日は白人アルトの巨人、ジャッキー・マクリーンのアルバムを紹介しましょう。
マクリーンについては、先日ちょこっと紹介しましたね。
鋭いトーンで吹く(通称マクリーン節)名アルティストです。
今日紹介のこのアルバムは、そのマクリーンにとっては珍しい?「スタンダード曲」で構成されているので、皆様にもとても聴き易いのではと思います。

アルバム名…「スウィング・スワング・スウィンギン」

パーソネル…リーダー;ジャッキー・マクリーン(as)
      ウォルター・ビショップ(p)
      ジミー・ギャリソン(b)
      アート・テイラー(ds)

曲目…1.ホワッツ・ニュー、2.レッツ・フェイス・ザ・ミュージック・アンド・ダンス、3.ステーブル・メイツ、4.アイ・リメンバー・ユー、5.アイ・ラブ・ユー、6.アイル・テイク・ロマンス、7.レノックス街116番地

録音1959年10月2日

演奏について…攻撃的で、実験的でもあり、いつもブイブイマクリーン節で吹きまくる、ジャッキーではない演奏がこのアルバムにはある。

マクリーンオリジナルの7曲目以外は、スタンダードばかりであり、とても聴き易い。(分かり易く言うとコルトレーンの「バラード」みたいなものか?)
お薦め曲(演奏)は、ラテンリズムで演奏している5曲目や、バラードっぽくない1曲目のホワッツ~なんかも面白いが、気持ちよくマクリーンが吹き切る、2曲目のレッツ・フェイス~と、おなじくストレート快演の6曲目がベストトラックでしょうか。

ワンホーンアルバム恐るべし!

バド・シャンク・カルテット

2007-03-09 21:49:18 | ジャズ・アルト・サックス
かつて幻の名盤の一つであったのが本作であります。
バド・シャンク…すぐれたアルト・サックス、フルート奏者ですが、西海岸のアルトと言えば、長い間アート・ペッパーの代名詞でした。
シャンクは相当通の、西海岸ジャズファンに知る人ぞ知る存在だったのです。
まぁそんな前説はさておき、このアルバムの素晴らしさを知っていただきましょう。

アルバム・タイトル名…「バド・シャンク・カルテット」
 
パーソネル…リーダー;バド・シャンク(as、fl)
      クロード・ウィリアムソン(p)
      ドン・プレル(b)
      チャック・フローレンス(ds)

曲目…1.バッグ・オブ・ブルース、2.ネイチャー・ボーイ、3.オール・ジス・アンド・ヘヴン・トゥー、4.ジュビレイション、5.ドゥ・ナッシン・ティル・ユー・ヒア・フロム・ユー、6.ノクターン・フォー・フルート、7.ウォーキン、8.キャリオカ

録音1956年1月25日

演奏&演奏者について…お薦め曲は、フルートでプレイしている2曲目や6曲目が、幻想的で叙情感溢れていて聴き物です。
他にも、アルトのプレイでは、ブルースだが黒く脂っこくない1も個性的で良いし、名曲7もマイルスとは全く違う解釈で趣きがある。
ラテンの8も好演で○。
バックの3人も西海岸ジャズでは著名な名手達です。(特にウィリアムソン)
是非ハイセンスな西海岸ジャズを堪能して下さい。