紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

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フィル・トークス・ウィズ・クイル~フィル・ウッズ

2007-07-11 23:53:31 | ジャズ・アルト・サックス
今日は以前一度紹介した事がある、サックスのバトル物、「フィル・ウッズ」&「ジーン・クイル」の、別のハード・バップ名盤で行きましょう。

アルバムタイトル…フィル・トークス・ウィズ・クイル

パーソネル…リーダー;フィル・ウッズ(as)
      ジーン・クイル(as)
      ボブ・コーウィン(p)
      ソニー・ダラス(b)
      ニック・スタビュラス(ds)

曲目…1.ドキシーⅠ、2.チュニジアの夜、3.ヒム・フォー・キム、4.ディア・オールド・ストックホルム、5.スクラップル・フロム・ジ・アップル、6.ドキシーⅡ

1957年9月11日 N・Yにて録音

演奏について…まず、甲乙点け難いお薦め曲として、非常にポピュラーで恐縮ですが、2曲目「チュニジアの夜」と、4曲目「ディア・オールド・ストックホルム」の有名曲二つを挙げましょう。

「チュニジアの夜」は、サックスバトルとしては、非常にやり易い曲で、二人の熱いアルトサックスが、まるでK1の試合の様に、激しくぶつかり合う。
最初は「クイル」が非常に優れたアドリブフレーズで、先制攻撃を仕掛けるのだが、「ウッズ」はそれ以上のド迫力のソロで、突き抜ける様なアルトを吹き切って、リズムセクションの3人は、このフロント二人を全面的に盛り上げる様にあくまでバックに徹する。
この炎のバトル演奏は本当に聴き物です。

4曲目「ディア・オールド~」は、チュニジアとは正反対の表現がなされているのが、とても興味深い。
この演奏では、熱いアルトバトルがなされず、お互いを尊重し、アドリブもメロディを大切にした吹き方で、ユニゾンや絡みも効果的に使用して、コンボの妙技を堪能できる。
アドリブについて言えば、「ウッズ」が割りとメロディ・ラインに忠実にストレートに吹き、「クイル」はお洒落な程度にくずして、それぞれの個性を出している。
ピアノ「コーウィン」も非常にハードバップ様式を大切にしたソロを奏でていて、好感が持てる。

3曲目「ヒム・フォー・キム」では、ここでは先行が「ウッズ」で、バッピッシュな聴き応えあるピアノアドリブを「コーウェン」が弾いた後、「クイル」が煽るようにアルトを絡めて、見事なフィニッシュで仕上げる。

5曲目「スクラップル~」は、非常にハイテンポに進み、フロントライン二人に負けじと、ベースの「ダラス」、ドラムス「スタビュラス」も激しく煽る様にリズムを刻み、それに触発されて「ウッズ」「クイル」も高速調で吹き捲る。

2曲録音されている「ドキシー」も2管らしい演奏で、収録曲全てが楽しめる、名盤です。


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