深々と漂う冬の清冽な空気……大通りから少し中に入ると、時が止まったようにゆっくりとした杉や檜の林立する空間が待っている。わたしの大好きな場所、同行した友人は「何だか息がしやすくなった」とこの場所のことを表現した。
昨日朝、都内に住む友人を「木の間」の高橋さんに紹介するため訪ね、話が弾み、近隣の林を散策し、あっという間に夕暮れ時まで過ごしてしまった。
午後から過ごした“「木の間」別館”は、陶芸がまを備えた小さな小さなログハウスで、小上がりには囲炉裏が切ってあった。
薪ストーブを赤々と燃やし、その上でやかんに入れた水がちんちんと沸き上がっていく。最上の贅沢な時間がゆっくりと過ぎていく。わたしは「火の番」と称して、ストーブのそばにへばりつき、薪を足しながら暖に酔いしれた。
紅葉はほぼ終わっていたけれど、それでも所々に黄葉のモミジがぽつりとその存在を示しながら照り映えていたし、冬枯れの季節の中でも緑の下草が生い茂って目を和ませてくれる。
写真の紅葉はドウダンツツジ。ドウダンツツジの色と、室内のはだか電球の明かりがムードのある雰囲気を作ってくれている。
また新たな「避難場所」を密かに見つけたような気分になった。
疲れたら、この林の中で心身を癒そう……。そんなうれしい場所である。