我が家のソファ、かなりくたびれてきています。これでも1回は生地の張替をしたシロモノで、何とか耐えに耐えてきているけれど、座面の布が擦り切れていてだんだんますます貧相になってきています。
しかし、負け惜しみではなくほんとに愛着も持っていて、なかなか新しいものに替える気分にはなれません。
人間も古びてきているせいか古いものが大好きな私。
そのソファをせめてカバーリング出来る布をずっと探し続けていました。
狭いリビングの小さなソファーゆえ、あまり個性の強い布は向かないし、シンプルでしっかりした布を探していたのですが、ありました。
カバーをして3~4日経つのに、乱雑に腰をおろしても布が大きく撚れることなく居住まいを正してくれていて助かっています。
もしかして私に買ってもらうのを待っていたのかもしれないなとそんな気分にもさせてくれるこの布はパルコの中にある「無印良品」で売られていたものです。
サイズの表示は「大」。大があるには中も小もあるのではと同じ棚を探してもこの手の布はこれだけ。パルコに行く度に眺め、広げ、そしてあきらめ(価格で折り合わず)と、そんな行為をここ数カ月繰り返していたにも関わらず他の人に買われていくことなく私が行く度にこの布は棚の上にあるのです。私が行き始めるだいぶ前からあるらしく布に貼られたサイズや価格表示の紙は今にも剥がれそうでめくれた紙の糊の跡が黒ずんでいました。セール品として出される日をねらってもいたのに、ずっと正価のままでした。
素材は麻100パーセントでベッドカバーのように端の始末も見返し布がたっぷりとついていて重量感もよく色もナチュラルカラーです。「よし、買おう!」と思い切って決断し持ち帰りました。
私は布が大好きで、一枚の布をカバーにしたり、間仕切りに使ったり、テーブルクロスにしたり、果てはカーテンにまでして楽しんでいます。素材も麻だったり綿だったり絹だったりで、色も白やベージュなどの他、日本藍や茜など天然染料で染めたものなども少しずつ集めています。人の体にも巻きつけることができ、多方面に使える一枚の布は魅力がいっぱいです。
このソファカバーは別段個性も由緒もない普通の布ですが、その普通の布の持つ心地よさに浸りながら、しばらくはソファの痛むことを心配しなくてよくなり、まるで命拾いをした自分のことのようにうれしく思っています。
(写真はその「大」の布を4つ折りにして使っているところです。もちろんベッドカバーにもシーツにも使えそうです。)