15日、インターネット新聞社「janjan」の市民記者として、「不都合な真実」上映に先立ち有楽町にある「朝日ホール」で行われたアル・ゴア氏のレッドカーペットと舞台挨拶をjanjan編集部のカメラマンと一緒に取材した。
映画「不都合な真実」は、地球温暖化など環境問題を扱ったゴア氏主演のドキュメンタリー映画。20日からロードショーが各地で行われる。
わたしの取材の内容は、帰ってすぐにすでに原稿として送っているので近々「janjan」でアップされることと思う。
アル・ゴア氏はカーター政権下で副大統領を務めたのをはじめ、アップルコンピューターのスイッチャーとしても知られている。
今もっとも世論の関心の深い事柄のひとつに地球温暖化が挙げられると思う。
環境問題に30年間取り組んできたアル・ゴア氏のスピーチは魅力的で説得力があった。
ドキュメンタリー映画は往々にして地味な映画が多く、どんなにいい映画が作られても人々の目に触れられる機会が少なく、従って興行成績が振るわないという負の連鎖の中で上映が行われていることが多く、残念な思いをしていたが、この「不都合な真実」をきっかけに、温暖化問題はもちろん、ドキュメンタリー映画の素晴らしさに人々が気づいてくれることを願わずにはいられない。
さすが大物の登場に、会場前エントランススペースに敷かれたレッドカーペットの前には取材陣がひしめき合い、300人は取材人と関係者で埋め尽くされていたように思う。
「なんだよ~この人数。ドキュメンタリーなのにこんなに人が来ているのかよぉ。これじゃ撮れないよぉ」と嘆く遅れてきたカメラマンのぼやき声があちこちで聞こえて来た。
目の前のレッドカーペットを藤原紀香さんなど著名人招待客が歩いていく。
アル・ゴア氏がテレビ取材に応えた後、笑顔で「サンキューベリマッチ」「ありがとう」と手を振りながらゆっくりと歩いてくれる。
普段は広いスペースも狭さを感じさせながら、しかし和やかで華やかな場と化していた。
レッドカーペットが終わり、ホール会場に移動。
ここでも取材者が前列1列目、2列目を占め、1列目の前に座り込んで取材する人たちが別にもう1列列を成していた。わたしは2列目に座った。
アル・ゴア氏の舞台挨拶は通訳も含めて15分弱くらいだったと思う。
2000年のブッシュ現大統領との大統領選に破れたアル・ゴア氏でもある。
彼が大統領になっていたら、環境問題もここまで深刻にはならなかったのかなどいろいろの想念が頭をよぎった。
「深刻な温暖化もまだ希望がある。映画を観た人たちが目と耳で観るだけではなく心で観て、意思を持って行動することで希望が持てる」と語っていたことが強くわたしの心を打った。
「そしてこの意思こそが、再生できる資源」と強調していた。
巧みな洗練された言葉、そして解りやすい言葉を使って舞台挨拶をするアル・ゴア氏を見ていて、日本の政治家の語りかける言葉の貧しさを思ってしまった。
言葉は力を持っている。言葉はそれだけですごいと聴いていて思った。